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―午後―
[皆がそれぞれの春を満喫する頃、
褐色のうさぎは台所や貯蔵庫を漁り
籠いっぱいの苺を手にリビングへと戻った。
タクマが持ち寄ってくれたものだろうか。
だとすれば、これは食べても良いものだ。
そのはず、と勝手に完結し――
窓辺で変わらず居眠りを続けるリヒャルトの隣に
椅子を引き寄せ、窓の向こうの光景を眺めながら
苺を口へと頬張った。
甘酸っぱくて、ジューシーで。
幸福感に知らず頬が、緩んでしまう。]
――…、……。
[リヒャルトはまだ眠っているだろうか。
警戒心の強い彼のこと、眠ったふりをしているかもしれない。
苺を食べるだろうか、と一粒、リヒャルトの頬へ乗せる悪戯をしつつ
美味しい苺を一粒、また一粒と味わった。
誰かが戻ってくれば食べるか?とばかり、首を傾いでみせ**]
―???―
[寂しい、寒い、辛い。
負の感情の増幅に、褐色のうさぎは頭を抱えて外へ逃れた。
――ひとりにしないで、怖い。
幼少期の記憶の残滓、
心の奥底にたまるコールタールのような
ねっとりした黒い何かを、朝の嵐が掻き混ぜて、]
[代わりに、赤い澱を残していった。
金色の双眸は赤く染まり、鋭く尖った犬歯が舌に触れる。
ああ、これが「おおかみさん」なのだと悟ると同時に
ロー・シェンの意識は黒くシャットダウンした。
陽光を逃れるように滑り入ったほらあなは、
奥で別の穴と繋がっていたようだ。
シェイから4(6x1)メートル離れた箇所で、
赤い瞳がふたつ、瞬いた]
――あ、……
[窓の向こう、強い風が吹いたそのとき。
桃色の樹の周囲に雪が、舞った――ような気がして
窓を開け、庭の樹の向こうをじっと見つめた。
まるで、そこだけ魔法が掛けられたかのような
――サクラを見たのは、これが初めてだったから
驚きが先行し、ぽとりと苺を落としてしまい]
[すん、と鼻先を鳴らす。
とても芳しい芳香に知らず、緩んだ口角から牙が、覗く。
おむすびの香りではない。これは、]
旨そうな、ウサギの匂いだ。
[はっきりとした口調で笑った。
視線の先、シェイがどう捉えたかは未だ、解らずに居て]
[ふわり、開いた窓から室内へ滑り込む薄桃色の雪。
その軌道を追うように背後へと視線をやれば
そこにはマレンマの姿があった]
ごめん。
[口に入れかけて落としてしまった苺は
彼の舌腹で溶けて消えたか。
椅子を降り、潰れた苺が残した痕の少し先、
滑り込んだ"雪"の正体に気づき――指先で掬い取る]
これ、花?
[マレンマへ桃色の"雪"を見せながら問う]
/*
【悲報】表喉が足りる気がしない(しかも俺だけじゃない
いや俺は赤があるからまだ、いいけど…
サーセン…せめてやっぱり飴ありにしておくんだったか
[雪のように儚げな花弁は、先のように
ほんの少し強い風が吹くだけで散ってしまうのだろう。
静かに頷き、『綺麗』だと頷いた後、「駄目」の言葉を受けて
む、と子供のように膨れ面を向け]
マレンマ、…「駄目」ばっかり
[それが自分の為を思っての言葉だなんて気づけない愚鈍さで。
指腹の花弁を窓の外へ、仲間の元へ返すみたいに
ふっと吹いて舞い上がらせた]
こっちなら、食べていい?
[と、問うのはマレンマが手にしていた、テーブル上のサラダ]
[「来てくれたの?」その言葉に痛みを感じるのは
自分の心ではない、…そう思いたい。
今となっては一輪だけ分けて活けられたチューリップ、
それが彼の存在のようにも思えて眉尻が落ちる。
助けに訪れたわけではなく――
此処に、味見したウサギ達を全員閉じ込めれば
「寂しくなくなる」のだと、赤い澱が告げていたから]
此処に居た方が、いい。
村にはオオカミが来るかもしれないって
今、ローゼンの家で話してる。
[シェイを連れて帰る気は、無かった。
旨そうなウサギの匂いが、狼に取り憑かれた嗅覚を刺激する。
けれど、まだ大丈夫だ。
強く自身を制御し、敢えて何事もなかったかのように
おにぎりを受け取った。
1(5x1)味のそれを、ぱくりと頬張る。
尤も、今騙したところで明日になれば
被害者が訪れ、真実に気づかれてしまうのだろうけれど]
[1=普通のおにぎり、らしい。
ある意味、褐色の狼はラ神に愛されているようだ。
塩味の聞いたおにぎりをぺろりと平らげ]
旨かった、ごちそうさま。
寒くないように、後で毛布やら何やら運んでこよう。
何か、欲しいものは?
[「いいよ」と言われて喜びに頬を緩ませる。
褐色のうさぎはとても現金だった。
ソファへ腰掛け、サラダのボールを引き寄せたその時
耳の間を撫でられ、へにゃりと尖り耳が折れ曲がる。
何か違和感ある所作だな…と視線を這わせた先、
マレンマの指先が、潰れた苺で濡れている事に気づき]
…マレンマの手も、きれいに。
[濡れた指先を掬い上げ、そっと唇の傍へと導き
逃げられてしまわねば、ちろりと舌を這わせ果汁を舐めとろうと]
[快く了承してくれるシェイの頭部を、垂れた耳を優しく撫でる。
くいしんぼうな注文に、クスクスと笑い零した]
ん、解った。
主に食料の調達…、ね。
[常よりもずっと饒舌にそう告げると
此方を気遣うその言葉に、申し訳なさそうに眉を下げた。
今の自分を襲う輩は、きっと――狼では無く、うさぎ仲間だろう]
ありがとう。
ん、――行って来る。ゆっくりと休んでろよ。
[不思議な心地に包まれていたのは此方も同じ、か。
そっと手を振り、元来た道を辿ってほらあなを後にした*]
[頬へのキスの優しい感触が、胸の奥底で眠る
ローの心に染み入るようで。
表情を隠すよう顔を背け、最後に彼の長耳をひと撫でしてから
その場を離れた*]
/*
ゲルトの喉があああああ
ごめんねほんとにごめんなさい
やっぱRP込みならもーちょい無いと足りないかな…
Esの時どんだけだったっけ…
[[[talk ]]をしたくなる【蒸しキャベツのトマトとコンソメのソース掛け】に舌鼓を打ちながら、パニーニとワイン、そしてサラダをもしゃもしゃと食べてゆく。
不意、気怠そうなマレンマの様子に気づけば、咥えていたパニーニを口へと押し込み]
マレンマ、食べないの?
――ねむい?
[食べなよ、とばかりパンを差し出してみる]
[大好きなキャベツとトマトソースを味わいつつ
何故か「幸せな瞬間」の話がしたくなってきた。
ぐるぐると思考を巡らせて]
風呂…、今日、「ろてんぶろ」入った。
幸せな、気持ち。
[パニーニをマレンマに渡しつつ、周囲の皆へとそう告げた。
屋外での湯浴みは最高だと、ワインを傾け御満悦で]
眠くなったら、寝ていい。
[ソファで眠るなら、後でベッドへ運ぶつもり。
ベッドが一杯なら、今夜はマレンマを抱いてソファで眠るか…
そこまで思案し、不毛な過去を思い出して小さく唸った]
[寝る、と宣言したマレンマが動いたその先――
ソファの後ろへと回り込んで眠る様子に気づけば
些か、呆れを含んだ眼差しを送った]
そんなに、やなのか…。
[少しくらい頼ってくれれば良いのに、と溜息を逃す褐色のうさぎは、
自己の常日頃の行動が元凶だとも感じておらず。
否、単純に警戒されているだけなのかもしれない為
ソファの後ろからマレンマを掘り起こしてそっと抱きかかえ
寝室にある3つの寝台の一つへと彼の身を横たえただろう]
おやすみ、マレンマ。
[良い仕事をしたとばかり、リビングに戻ってきた褐色は驚愕した。
カスパルが、ルートが、そしてタクマまでも床に丸まって眠る現状]
…そういうのも、悪くない。
[流石に全員運ぶのは腕が折れる。
特にタクマを運ぶのは、不可能と感じられた。
明日からは布団をここに持ち寄って
皆で雑魚寝した方が良いのかもしれない。
もしかすると、自分の寝相の悪さも影響しているのかも、と
漸く、昨夜のルートへの行動に申し訳なさを、覚え。
夜の散歩に出向いた面々はどうしただろう?
リビングの電灯を落とし、昨日のリヒャのように
窓辺に腰掛け毛布を羽織り、暫し帰りを待つ。
いつしか訪れる微睡の波に抗う術は持たず
眠くなるまでの間、夜空に輝く星を*見ていた*]
―深夜―
[皆が寝静まり、或いは夜の散歩に出向いたその頃。
褐色のウサギは瞼を閉ざす。
一拍の後、双眸に宿るは真紅の虹彩。
誰にも気づかれぬよう、熱を帯びた瞳を伏目がちに室内を歩み、
まずは柔らかな毛布を、手に取った。
台所へと向かう道すがら、一本だけ隔離された桃色のチューリップ、
それを敢えて、色とりどりにたくさん活けられている花瓶へと
そっと差し入れる]
[カスパルが作ったキッシュは3(6x1)ピース残っていた。
葡萄ジュースは瓶のまま、そっと小脇へと抱え。
更に、寝室で見つけたカード
(トランプと言うらしい『[[card ]]』)のセットを
ひとつ手にしたのは、ほらあなに一人では詰まらないだろうから。
他に何か無いだろうかと――
探し当てたのは[[emot ]]に関する本。
恐らくはローゼンハイムの愛読書なのであろう。
それらを手に再び、生温かなほらあなへと向かう]
―ほらあな―
[シェイはもう、眠っていただろうか。
持ち込んだ品々を傍へと置いた。
その中でも毛布を引き寄せ、眠る彼へと柔らかく掛けていく。
ぽふり、彼の肩まで毛布を掛けた指先が
柔らかな薄紫髪を愛でるように伸び――
長く、ウサギとしての神々しさまで感じるような
美しい耳へと、滑り落ちる。
ローゼンハイムと同じように、尖り耳の自分は
長い耳の者を羨ましいと、何時しか感じるようになっていた。
――齧ったら、きっと…
こくり、喉奥が鳴ってしまったこと、
シェイに気づかれていなければ良いけれど]
――おやすみ、…シェイ。
良い夢を。
[甘噛みさえ堪え、食むことはせずに
ただ、長く垂れた耳の先端へゆっくりと、
長いキスを落とした。
贖罪の心算なのか、単純なる羨望なのか、
真紅の眸にはそれらの自覚は、未だ*無かった*]
/*
レトさんどうされたのかな…
緊急のやばい事柄でなければ良いのですが。
狼は村建てなんでブラフっぽくなって申し訳ないのですが
少人数のガチ薄だし、この方が皆さん楽しめるのではないかな、と言う判断でした。
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