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9人目、ダークエルフ イース が参加しました。
ダークエルフ イースは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
─ 魔王城最深部 ─
……それだけ、この戦いを早く終わらせたいんだろう。
[>>12漆黒の偉丈夫の呟きめいた声に、応えとも独り言とも取れる程度の音を零す。
魔王の傍らに控えるその胸の内、少なからず侵入者達への怒りがあるだろうとは声を聞かずとも察せるもの。
もっとも、彼程の忠誠心を持ち合わせていない自分には察するくらいしか出来ない。
>>16玉座の陰に現れた道化師のようにせせら笑うことも出来ず、一度目を伏せ]
早く終わらせたいのは、こちらも同じことだ。
[勇者達が魔王を狙う限り、やっと手に入れた安住の地が脅かされ続けるのは確かだから。
自己的な理由であるが故にこそ揺らがぬ意志を乗せた視線を、今しがたまで此処にいた>>17道化師の傍に在る一行へと向けた]
<b>─ 回想・魔王の領地に流れ着くまで ─<b>
[私の故郷は、森深く豊かな水を湛えた湖畔にある。
エルフのみが住む集落は、生まれる子もエルフのみのはず─だったのだが。
両親の第一子である私は、何故か黒い肌に銀の髪の、いわゆるダークエルフの姿で生まれた。
困惑しながらも古い記録を片っ端から探った末に、どうやら何代か前に魔族と子を成した先祖の血が隔世で現れたらしい、と判明して一時の平穏は得られたけれど。
後に生まれた兄弟達は全員が金の髪に白い肌で、段々と私にだけ何故魔族の血が出たのかと忌避されるようになった。
その上、両親や兄弟達に心無い言葉を投げつける者が増えてきたのを見て、私はもうこの一族の中には受け入れられないのだと悟り、出奔した]
皆、今までありがとう。
父様と母様を大事に、元気でいるんだよ。
[見送りをしてくれた兄弟達には、今生の別れになるかもしれないと覚悟しつつも簡素な言葉のみを残し旅立って。
外の広い世界であれば、受け入れてくれる地もあるだろうと、そんな希望を抱いて始めた放浪は、まさか20年も続くとは思いもしていなかった]
[エルフの郷以上に、人間の世界は魔族に対して厳しい態度だった。
中には受け入れてくれる人も、共に暮らそうと言ってくれる集落もあったけれど。
内か外か、もしくはその両方か、どこからか拒絶の声が上がって、結局生活を根付かせる事はできなかった。
見た目はダークエルフでも、自分はエルフだと言い聞かせて、安住の地を求め続けたけれど。
長命であるエルフであっても、独りで流離うには20年は長すぎて。
半ば自棄で魔王の領地へと転がり込んだのは、このまま流離い続ける気力が無かったから。
ダークエルフとして生きていこうと思ったものの、寄り合う精霊から純血のエルフであることはすぐにばれた。
けれど、それで周囲の魔族が態度を変えることは無かった。
エルフの身では魔の気に中てられはしないかと心配までしてくれる者も居たが、隔世遺伝の恩恵か、魔に対する耐性が強い私は此処で暮らすにも支障は無く]
[こうして、魔族の血の為に故郷を追われた私は、皮肉にも魔族の血の御陰で安住の地を得られたのだ]
─ 魔王城最深部 ─
[あれからもう10年。
さすがにもう追いだされることも無いだろうと思った所で此度の戦いが始まった。
やっと手に入れた安住の地、領主を奪われる訳には行かないと、前線後衛どちらであっても戦ってきたから、勇者たち一行に見知らぬ顔は無い。
かつての放浪の中、もしくは成り行きから魔に属する中で交流を持った事があった者も居たかはさて置き]
──楽しそうですね、御領主。
[それはわざわざ勇者達を出迎えに向かった道化師にもいえることだけれど。
彼ら一人一人へと視線と言葉を巡らせる魔王に抱いた単純な感想を声に落とすだけで、この場まで辿り着いた彼らへと向ける言葉は紡がないでおいた**]
[自由気ままな道化師に、野性をも抑える忠誠を持った魔獣。
傍を任せている二者すら真逆な性質であるのも、魔王の懐の深さの表れか。
見目しか魔にそぐわぬ私のことも排する事無く、好きにさせてもらえているのも。
それは魔王自身が絶対的存在であることを違わず知っているからこそだろうか]
…御領主を案じる程、不心得者ではありませんよ。
ですが、そうですね。
少なくとも、此処まで誰も欠くこと無く辿り着いたのですから。
御領主を楽しませるに足る者達ではあるのでしょう。
[>>30主から向けられた声に、柔らかな笑みを返し]
最も、御領主が直接楽しむのは難しそうですが。
[ついで視線を向けたのは、彼の王の傍ら控える漆黒。
>>32先の呟きに、出し惜しみするなと言を投げてきた彼が、己が主に手間を取らせることを許せるはずもない。
初めてこの地に足を踏み入れて、この先どこへ行ったら良いか分からずに居た私に向けられた>>33あの言葉も、主の為のものだ。
彼の一途とも言える真摯さは私には無いものだが、だからこそ尊くもあり]
私だって、やるべきことはやる為に此処にいるんですしね。
[忠誠があるとはいえずとも、浮かべた笑みでこの場にいる覚悟はもう据えてあると伝えられただろうか*]
/*
久し振りの村参加のせいか、いつも以上にタグの間違えとか気付かないまま投下しててあふんって感じ。
もうちょっと注意力高めないとなぁ。
…しかし、このキャラグラって男の子なんかね。
実はボーイッシュな女の子のつもりなんだけども、彼って呼ばれてるから男ってことにしようかな。
訂正入れないでこのまま流れに任せるでいいか。
[>>41道化師から向けられた視線。
今でこそ慣れたそれも、一番最初に向けられた時には何か探られている様で怖く感じたものだ。
エルフでありながら何故この地にと、興味を隠しもしない態度。
必要なものがあれば調達すると、親切な言葉を受けても簡単にお願いとは、言えなかったけれど]
…お願いしたいことが、あるんです。
[何度か顔を合わせて、話せるようになった道化師に。
ぽつりと願ったのは、調達というには少しばかり毛色が違う品]
[道化師に差し出した地図、ある一角を指さして]
この国に行くことがあれば、花を、一株。
自生しているものを、採ってきて頂けませんか。
[魔王の領地で手に入らない花を、と。
道化師に願ったのは、そのたった一度だけ。
あの時の花はもう枯れてしまったけれど、残った種が新たな花を咲かせて今に至っている。
望郷の想いもあったそれは、今ではこの地に根付いた証となっていて]
私の出る幕も無いかもしれませんけれどね。
[>>53魔王から向けられた声と笑み、その双方を揺らがぬ微笑で受け止める。
タイガの士気が高まっているのは傍目からも分かるものだし、彼自身隠しもしていない。
もっとも>>58彼が前面で戦う場合、精霊術での補佐に付く事も多いから出る幕自体は有りそうだが]
期待を裏切らないようには、努めますよ。
[>>59魔獣たる彼の言葉、全てに同意は出来ないけれど、向けられた信に応じたいと願う思いは揺らがない。
故に、魔王と交わす勇者の言葉、彼に随する者達を見る瞳も凪いだまま**]
─ 回想 ─
[>>70道化師に頼んだ花は、道端でも咲いているありふれたもの。
人の暮らしにも通じている道化師なら、雑草と大差ないとも受け取られるだろうか。
けれど、私にとっては小さな秘密であり大切な思い出の証でもあり]
此処に来るまではよく目にしていたものですから。
見られなくなったことが、落ち着かなくて。
でも、すぐ枯れてしまうかもしれないから、一株だけ。
[人の中に居場所を探し続けた私の、望郷の投影までを込めた願い。
道化師にはどこまで見透かされていたか。
いや、もしかすれば何も見抜かれてもいなかったかもしれない。
>>73静かな微笑みはどちらとも取れるもので、だからこそ私も何も言わなかった]
[根付けずとも、押し花にしたり種を残したりできれば重畳。
それ位で期待はしていなかったけれど、ローゼライトが届けてくれた花は枯れも腐りもせず。
翌年には小さな花壇を彩る程度の株分けも出来た。
人の住む地では取るに足らぬものでも、自生していない魔王の領地では見慣れぬもの。
物珍しさに見に来る魔族も少なくはなく、私と交流を持った者なら一度はこの花を見ただろう。
ただ、私から見に来ないかと声をかけたのは、一人だけ]
少し、私に付き合ってくれませんか。
[道化師が庇護しているというその少女は、>>81幼くも魔王の力になりたいとタイガに願い出る程の思いがあった。
その気持ちは偽らざるものだと、傍目から見ていた私でも容易に分かるものだったけれど。
浮かんだ懸念のままに誘った花壇の中、良く伸びた数輪を根元から手折って]
私が貴女くらいの頃に、教えてもらったんです。
戦いに必要なものではないけれど、私はあの時嬉しかったから…
貴女にも、知ってもらいたくて。
[そういって、小さな手を取って一緒に花を編み込み、作り上げたのは小さな花冠。
>>98幼い頃迷い込んだ、森の奥の更に奥深く、樹の下で出会ったかみさまがそうしてくれた様に]
私も、タイガのように戦うことはできません。
貴女のように、癒す術もありません。
私は、御領主…魔王様の力になれていないと思いますか?
[タイガが彼女の願いになんと答えたかまでは見ていなかったけれど、彼女の切なる願いの危うさだけはずっと残っていて。
皆が同じである必要は無いのだと含んだ問いかけは、彼女には伝わったか。
もっとも、伝わっていなくてもそれ以上の言葉は重ねなかった。
異質であるが故に流離ってきた私には、彼女がいずれ自身の異質に気付いたら、という懸念がどうしても拭えなくて。
少しでも人の世界のものに触れておいた方がいいのでは、という狙いは達成できていたから**]
─ 回想 ─
[抱いていた懸念から、カヤが道化師の下から逃げたと聞いても驚きはしなかった。
私がこの地に辿り着いたように、彼女もまた、自分の居場所を求めに向かったのだろうから。
それでも、少しだけ後悔を抱いたのは]
…もしも出ていくのなら。
これを、渡そうと思っていたのだけれど。
[胸元から引き出した細い鎖の先、艶やかな赤珠を手で包む。
少なからず私は彼女に自分の境遇を重ね見てしまっていた故の餞別を渡したかった]
[これは、幼い私が迷い込んだ先で出会ったあのひとから貰ったものだ]
──わたしのこと、こわくないの?
[見た目を除けば私なんてただの子供なんだから、怖くなくて当然だったかもしれないけれど。
それまで会ってきた、両親以外の者は皆私を遠巻きに見てきたから。
物怖じもせず、一緒に遊ぼうとまで言ってきたその人は、私にとって未知の存在だった。
花冠を一緒に作ったり、茎で作った風車を回して遊んだり。
今まで一人でしかできなかった事を初めて一緒に遊んでくれたその人は、かみさまに見えたのだ]
[その”かみさま”から別れ際に内緒だ、と渡されたものだから誰にも話さず、見せぬまま。
どういったものなのかも、分からないまま持っていたけれど。
私にとっては、思い出も含めて心の支えだったから]
………かみさま?
[初めて遭遇した勇者の一行の中。
カヤだけでなく、>>99彼女までが居る事で動揺したのは、否定もできない事実**]
─ 魔王城最深部 ─
[そんな当初の困惑も、幾度と戦いを重ねた今はもう残っていない。
お互い、掌を返せるならもっと早くにやっている。
故に、こちらも躊躇う理由は無いから]
タイガ!
[>>69領主の号を受けてその爪を揮う魔獣に、より高く早く跳ぶ為の風を添える。
かみさまと呼んだ彼の人の方がその扱いには長けているのは、もう知っているけれど。
その差を捻じ伏せるだけの力が魔獣にあると、これまでの戦いが教えてくれているから]
[奇襲を主とするローゼライトには補佐はし辛く、領主たる魔王はそも補佐など不要だろう。
となると、必然的にタイガの補佐が私の主な役割となり。
風と並行して、生み出したのは水の帯。
タイガの背を追って、彼の背後を波打つリボンが護衛する。
余裕があるなら、攻勢にも転じさせようかと思考を巡らせたその時]
な──?!
[魔王でも勇者でもない、大きな力。
黄金の輝きを認識したのと、>>155魔王の警告はほぼ同時。
即座、水と風の保護を私とタイガ双方に展開させたのは間に合ったか**]
[りぃぃぃん、と耳鳴りのような音が響いた刹那、金色の光に視界を奪われた。
主からの警告を受けて咄嗟に転じた防護は、衝撃自体を受け止める事は出来たけれど。
受けたそれに耐えきるだけの力が、私には無かった]
っ───!!!
[風と水で編んだ防護ごと弾き飛ばされ、中腹に立つ柱にぶつかった衝撃に息が詰まる。
防護がクッションとなったおかげで骨などは無事のようだが、背にはきっと大きな痣ができるだろう。
舞い上がる土埃も相まって咳込むのを堪えられずも、今の光の正体を知ろうと目を凝らして]
、ごほ、っ
─はっ、
無事、ですっ
ローゼライトも、大事無い、ですか?
[>>166聞こえてきた声の主がどこにいるかもわからぬまま、声を返す。
道化師が後れを取るとは思いはしないが、今の光は全くの想定外。
視界を遮る土煙が晴れるまで、動くは愚策と思いとどまっていたが。
鎮まった場、>>163認識した空のあまりの変化に、今度は動くことが出来なかった]
これ、は…
[けっして自然のものではない、けれどその力は絶対的なもの。
魔王でも勇者でも、ここまでは到達し得ないのではないか。
>>169道化師が言い淀んだその言葉も、聞かずとも分かる程度に圧倒されて]
タイ、ガ
[>>214聞こえてきた声で、ようやく隣にまで近付いていたのに気付いたと顔を向けるまで。
幾筋と空を染める黄金に目を奪われたままだった]
───いえ、
急ごしらえで、止め切れず…
[>>215タイガからの感謝を受けても、浮かぶのは申し訳なさだけ。
咄嗟だったとはいえ、もっと強い防護が張れなければならなかった。
もっとも、そんな後悔は>>207領主の呼掛けに一旦途切れて]
分かりました。
微力ながら、同行させて頂きます。
[彼の王から名を呼ばれ、共にと言われたならばそれは決定事項。
空に浮かぶ城へと視線を向け、飛ぶ為に術を──と考えた所でずくん、と痛む背に微か歪んだ。
貴重な回復薬は出来る限り使いたくないし、この痛みが収まるまでは堪えるしか無いか。
そんな考えで改めて術を編もうとしたのだが、ふとこちらを見つめる黄金の瞳に気が付いて]
…………あつかましいとは思うのですが。
連れていって、いただけませんか?
[飛べるのか?と言外に問う魔獣に、見抜かれてしまったかと苦い笑みを返した**]
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