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9人目、船を愛する領主 ウェルシュ が参加しました。
船を愛する領主 ウェルシュは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―ストンプ港―
うんっ、良い天気だ……!
[雲一つない群青色の空がストンプの街を染めている。
一羽の鴎がウェルシュの脇を抜け、その群青色のなかへと走っていった。
ウェルシュはヘーゼルの双眸を嬉しそうに細め、港を眺めた。]
この前作ってた巡洋艦の調子はどう?
ボイラー室をいつもより大きいんだ。
瞬間的なスピードは上がったけれど、全体的に小回りしにくくなっているんだ。
扱いには、少し気を付けてね。
…うーん、でもこれじゃ横方向に攻められたら大変か。
サイドスラスターをもう一つ付けてみても良いかもしれない。
[港にある新しい船を眺め、乗組員に声を掛けていく。
船を見る目つきは、まるで少年のように輝いている。]
[ウェルシュ・ストンプは、つい昨年領主に就任したばかりの若頭であった。
ストンプと言えば、ウルケル随一の造船所を有する港街。他にも兵器工廠や修理工廠などがあり、数十年で急激に発展してきた工業都市であった。丁度、ウェルシュの父親に当たる、前領主がストンプを大きくしたのだ。
ウェルシュは物心ついたときから船ができあがる様を眺め、育ってきた。]
将来は船の設計士になる!
[そんなことを幼い頃から口癖のように言っていた、と。
ウェルシュをよく知る者は、彼のことをそう語る。]
[しかしその夢は――――叶う事はない。
ウェルシュ・ストンプ。
誰もが知っている、ストンプの坊ちゃん。
実は彼には腹違いの兄弟が居るのだが―――…それはまた別のお話。
とにかく、正嫡男はウェルシュただ一人。
産まれた頃から領主になることを宿命付けられたウェルシュに、その願いを果たすことは不可能だったのだ。]
『坊ちゃん!大変だっ!』
[ひとりが慌てた様子で、ウェルシュに駆け寄る。
ウェルシュ様、なんて気取った口調で呼ぶ人は居ない。ストンプの港町の人々は皆、彼のことを『坊ちゃん』と呼ぶ。ウェルシュ本人は少し気恥ずかしいようだけれども、それを拒むことはしない。
彼は穏やかな表情を崩さないまま、軽く首を傾げる。]
ん?どうしたの、スキュレステノ。
そんな慌てちゃって。
[スキュレステノと呼ばれた男は息を切らしながら、大声で叫ぶ。]
『シコン港が―――帝国軍に占拠された!』
えっ、―――……ど、どういうこと?
[シコン港と言えば、ウルケル西の都。小規模ながらも街と砦があり、ストンプとはまた異なる赴きを放つ。その領主とも、そう浅からぬ付き合いをしてきたが―――]
う、裏切りっ…… 嘘でしょ…
[>>6 その領主が戦わずして投降。それどころか国を売るようなことをしたことに、ウェルシュは己が耳を疑った。
若き領主は青い青い海を見る。いつもと変わらぬ賑々しい雰囲気。
エメラルドブルーの港には鴎が数羽群れて飛んでいる。この水平線の向こうにそんな一大事が起きているなんて、にわかには信じがたいことだった。]
……。僕は、どうすれば…
[ウェルシュはこんなときどうすれば良いか分からない。
頼れる父はもう居ない。若き領主は唐突に訪れた急展開に慌てふためいていた。スキュレステノは、『とにかく状況を確認しましょう。此方からも応援を念のためにも』とのこと。
やはりこんなときは頼れる部下である。ウェルシュは彼の言葉に頷き、]
うん、そうだね……。応援出さないと。
怪我人が居るようなら受け入れられるように、病院を解放するんだ。壊れた船も勿論直せるように、ドッグも開けておいて。
[おずおずと言った具合に指示を出しつつ、]
皆、これから忙しくなると思うけれど。
どうか僕に力を貸して下さい……っ!
宜しくお願いしますっ。
[そして港町の住人に頭を下げる。
ちょっと情けない領主の、ちょっとどころじゃない非日常。*]
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