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ああ─── 佳い。
[色めきたつローズマリーを陶然として眺める。]
淡く染まる頬が実に瑞々しい。
薔薇はあでやかに色づいているが佳いよ。
[ちろ、と赤い舌が唇を舐めた。]
味見、と言っただろう。
そんなふうに誘われては、たまらなくなってしまうけれども、
[猫を被りなおしたローズマリーに聊か惜しいという目を向けて、視線の魔力をほどく。]
楽しみを後にとっておくのもまた好い。
[耐えているのだ、とでも言いたげに、両腕で自分を抱いて見せた。]
[戯れを見ている幼仔の反応もまた初々しいもので、しらず頬が緩んだ。
言葉を詰まらせたジェフロイに流し目を送り、手のひらを上にして彼の方へ差し伸べる。
指先がほどけて一筋の霧へと変じた。]
知りたいのなら―――
[冷気纏う霧が、服越しに彼の胸を撫ぜる。]
あとで、いくらでも。
[これも、あとに取っておく楽しみなのだと言わんばかり。]
/*
なちゅらるに確定ロールを繰り出すのはあれだ、えらいひとだからね…
えらいひとは確定でセクハラしちゃうんだよ…!
/*
ガートルードのあれはroyal weというやつなのか、
それとも別の理由があるのか。
気になるのう。楽しいのう。
聡明であることは喜ばしいことだ。
[ローズマリーの問いを歓迎するように手を広げ、笑みを浮かべる。
挑みかかるような眼差しを受け止め、走り去る背を視線で追った。]
手に入れる過程もまた好いもの。
そうだろう?
[彼女には届かないだろう声が零れる。]
[壁を歩いてやってきたヒト型の兎が両手を振る。
重たげな枷も、なにか楽器めいて見えた。
そう思う程度には賑やかだ。]
梟殿が、まさか"兎"を用意してくるとは。
ますます楽しみが増えようというもの。
[独り言のように言ってから、兎に声を向ける。
白い奴、との呼びかけも特に訂正することはせず]
ずいぶんと機嫌がよさそうだな。
ああ、良い匂いをさせている。
[漂う血の香を、薔薇のとはまた違うそれを指摘した。]
[ジェフロイの胸に捺した霧を上へ滑らせ、首筋からうなじへ、さらに後ろ髪をまさぐるように通したあと、手に引き戻す。]
続きは、楽しみにしておくといい。
[名残惜しげな視線で彼の頬を撫で、兎の登場に目を丸くする様子に微笑んだ。]
我が眷属ならば…
試したことはないのか?
自分に、なにができるのか。
只人とは異なる技を、君はもう身に着けているはずだ。
[当たり前のこと、は吸血鬼によっても違うだろうけれど、一々驚くさまもまた初々しいと金の眼が物語っていた。**]
/*
禁欲的な服を一枚一枚緩めて剥ぎ取っていくのが好いですね。
それとも一気に引き裂いて引き剥いでしまうのがお好みか。
服を着せたまま、というのもいい。
(妄想がとまらない)
[ジェフロイに迫る兎を楽しげに眺め、赤い視線がこちらを向けば変わらぬ笑みで応えた。
兎がわかっているなら、別に止める必要もない。]
楽しむといい。
私はしばらく"見ている"から。
[告げるのと同時、身体は霧へと解けていった。]
/*
だがとりあえず書けていたほうを落とす。
タクマの方は、対えんじゅ用中身バレ防止策で、多少出現時間を制限しているんだよ。(←
― 城の一室 ―
[二色の視線を受け、蛇はきらきらと鱗を煌めかせた。
滑るように動いてエレオノーレの人差指に口づけし、次にシルキーの小指に尾を巻き付ける。]
歓談の邪魔をしたかな。
[どこからともなく響いた飼い主の声は、濃い霧の中を思わせて朧に霞んでいた。]
挨拶をしておきたかった。
変わりはないようでなによりだよ、エレオノーレ。
クラウゼヴィッツ卿の御令嬢は、一段と美しくなったようだ。
[頭を持ち上げて、小蛇はゆらゆらと揺れる。]
― バルコニー ―
[欠片を娘たちの間へ置いて、霧はさらに城の空気に溶けていく。
血脈の香に惹かれるよう、渦を巻いて凝ったのは月宿るバルコニーの上。
白い衣に月光が滴って、闇の中にほの青く浮かび上がった。
残り香を捉えんとするかのように夜の空気を吸い込む。]
私の
おまえの血は熱くなっているだろうか。
それとも、この夜のように滑らかか?
すぐにも奪ってしまいたいけれど───
[遙かな闇を見上げながら、口元に指を置く。
牙を立てればぶつりと肌が裂け、血の珠が盛り上がった。]
[かつて───それほど遠くはない過去のある時、
こんな、月の美しい夜に人間を攫ってきたことがあった。
戯れか、恋にでも落ちたか、
その時の自分の心持などとっくに忘れている。
ただ、瞼の下から赤い雫を零している姿を見た時、思ったのだ。
この下の眼が見たい。
衝動の赴くままに城へ連れ帰り、血を与えた。
瞼を吸った時に背筋を駆け昇った感覚は、今も覚えている。
それは吸血鬼さえも侵しかねない魔素の滴り、
危険と裏腹の甘露だった。]
[彼を我が子に迎えたことで、クラウゼヴィッツ卿とは"少々"行き違いが生じた。
おかげで、箱入り娘の令嬢と会う機会も減ったものだが、いずれにせよ些細なことだ。
その程度の暗闘はいつものことであったし、
なによりも今、かの令嬢そのひとが、この城にいるのだから。
神話と呼べる代より続く血統の裔。
味わう機会は逃したくないものだ。]
― 城の一室 ―
[金糸雀の指に撫でられて、銀色の蛇は鱗の列をさざめかせた。]
世辞を言うほど私は器用ではないよ。
クラウゼヴィッツ卿も、君をあまり私に会わせると攫われてしまうと思ったのだろうな。
君がこの催しに参加してくれたのは、じつに喜ばしい。
こうして、話す機会ができたのだから。
[声は穏やかさを装う。
そこに戯れの色が加わった。]
私も使い魔越しだけで失礼させてもらうよ。
今君と直接会ったら、すぐにでも襲ってしまいそうだ。
[冗談の言葉にくるんだ挨拶を送り、銀の尾を解いて蛇がしなやかに一礼する。]
[眦に朱を刷いた青銀を見上げ、小蛇はちろりと舌を閃かせる。]
あのときは、あのようなことになって残念だった。
だが、それももう終わる。
君とまたあとで会えるのを楽しみにしていよう。
[一礼を受けて優雅に返礼し、]
───もちろん、少しくらいは羽目を外しても構わない。
あの時の君の血、……実に美味だった。
[エレオノーレだけに届く声が、さらりと青銀の髪を揺らしていった。]
ではそろそろ、私はお暇させてもらうよ。
ふたりとも、此度のゲームを存分に楽しんでもらいたい。
また後ほど、会おう。
[金の瞳がふたりの娘を見つめ、銀の身体がくるりと一度輪を描く。
直後、小蛇の姿は霧へと変じ、扉の外へ流れ去っていった**]
― 小部屋 ―
[バルコニーを出て、足の向くまま血の導くままにそぞろ歩く。
銀色の小蛇は今は上腕に巻き付いて、時折赤い舌を伸ばしている。
ふらりとした歩みが止まったのは、ひとつの扉の前。
二間続きの部屋の、小部屋に続く扉。]
レナード。
[名を呼ぶ声は空気を震わせるほどの強さを持たない。
ただ、自らの存在感だけを仄かに扉の向こうへ漂わせて]
顔を見るのは後の楽しみにとっておくよ。
愛しい仔。
鴉殿の秘蔵っ子にも、ね。
[御父様と、呼ぶ声を直接聞くのも後にとっておこう。
隠すように過ごさせた我が子がどれほどのものになっているか。
今から楽しみで楽しみで、たまらない。*]
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