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はっ、この俺に酒を飲む以外に何が出来ると思ってやがる。
[>>130昼からと言われても実際は殆ど一日中飲んでいるわけだが、さほど訂正の必要は感じられないため黙っておく。
アルビンの言葉を自嘲気味に笑い飛ばし、
右腕を揺らしてひらひらと袖を遊ばせた。]
お前さんこそ、それが客に対する態度か?
[傍から見れば、ならず者が行商人を脅してるように見える構図でも
その実二人の間に険悪な空気は漂っていない。
見知った者同士、慣れたやり取りだからそれを知っている村人は
呆れたように一瞥をくれるだけだ]
ここいらの酒は飲みつくしちまったからなァ。
ちょうど帰ってくると思ったぜ。
[アルビンが取り出した酒に、にたりと顔面を歪める。
行商人だからこそ手に出来る、見知らぬ土地の珍しい酒。
ポケットに入れたしわくちゃの札を取り出して、交換を求めるがこれで足りただろうか。
足りなければ、値段を負けろとやり取りをかわすことになる。]
[男の失った右腕を見て同情を見せたり、顔を引きつらせたり、
珍しいものを見る目を寄越す人間は多い。
今でこそ落ち着いているが、荒れ始めた頃はその反応を見る度に、
誰彼構わず殴りかかっていたものだ。
アルビンはそういった反応もなく、辺に気を使われることも無いから
この軽いやり取りに男の心が荒れる事はなかった>>143]
別にお前さんの上客になんざなる気はねェさ。
そういうのは物の値段を知らない金持ち様に吹っかけろってな。
[ひっひ、と喉で笑う。
男も物の値段が分かる人間だとは言い難い。
しかしぼったくられるにしても光る石だとか、派手な服よりも、
酒に大枚をはたく方がよほど価値があると男は信じていた。]
[アルビンの言う通り、酒を飲んで酔っている間は色々な事を忘れる事が出来る>>143。
過去のこと、現在のこと、未来のこと、自分にまつわるあらゆる事。
ふわふわと何も考えずに居られる現実味のない世界に身を置くのも悪くない。
だが、酔いから醒めれば頭痛と倦怠感を伴って
突きつけられる現実は、神をも呪うほどだ。
それから逃げるようにまた酒に手を出す。
見事な悪循環に嵌っているのを自覚している男は、
そこから抜け出す術を一つしか知らない。]
阿呆め、真に良い酒ってぇのは、
俺みたいなヤツにも味が分かるようなもんだ。
……あ?足りねぇ?
一体どんな幻の国から取り寄せたんだァ?
[>>144金が足りないと言われれば男はへの字に口を曲げる。
取り出した札は、2番目に大きな金額が印字されていた。
今までこれを超える商品を取引したことはない。
狂った味覚でも美味い酒が飲めるならば、もう一枚足そうかポケットに手を伸ばすが、僅かに残った常識が、それはダメだと警告を出す。]
お試し価格っつーことで、もう少し負けろや。
なんなら、後でお前さんにも分けてやってもいい。
[最終的に、差し出した札で事足りるまで値切って男はアルビンから酒を手に入れた]
ありがとさん、またヨロシクな。
[落とさないよう、酒瓶を赤子のように左腕で抱える男の顔には
良い買い物が出来たと言わないばかりの笑みが浮かんでいる]
[アルビンの商法に乗せられたとは露知らず。]
そんじゃ俺ぁそろそろ行くわ。
ジムゾンのヤツが、スープ配ってるはずだからよ。
そういや、お前さん着いたばかりか?
タダ飯食うなら今だぜ。
[取引を終えて満足げな男は、家には向かわず酒を持ったまま
当初予定していた教会の広場へと向かう。
アルビンが来るなら、同行は拒否しない。**]
/*
おメモ:
>旅人 ニコラスは、ディーターが来るのは、その挨拶の後だろう*
なんかすんげぇクズになる筈なのに地味にまともなヤツに…!
どうでもいいですが鎮静剤はモルヒネです。
アル中にしてヤク中。救えない。
ならず者 ディーターは、栞を挟んだ。
─ →広場 ─
[ふらふら歩いているからか、抱えた酒瓶からちゃぷちゃぷと液体が揺れる音がする。
そのまま教会に向かうことに呆れたような声が出たが>>176
一度家に帰ってしまえば早速酒盛りを始める自信があった。
そんな事になれば、アルビンに分け与える分はなくなってしまう。
もっとも、男が帰宅するまでに忘れていればその約束は無かった事になるが。]
にしても、人狼なァ。
懐かしい話だぜ。
[>>174彼によるとモーリッツが与太話を言い歩いているらしい。
人狼なんて、それこそまだ10にも満たない頃から、教訓としてモーリッツに言い聞かされていた。
悪い事をすると人狼がやってきて食っちまうぞ、と。
あれから長い月日が流れているが、いくら悪い事をしても人狼というものが出たなどという話は聞いた事がない。]
[教会に程近い場所の切り株に、件の耄碌爺がいる>>191>>193。
それにパン屋の息子らしき姿もぼんやりと見えた。>>195
距離は遠いため、何を話しているかはわからないが、二人掛りで介護をしなければならないなんて大変な事だと心の中で一人ごちる。
男の歩みは遅い。
声が届く範囲に近づく前にモーリッツは切り株から腰を上げて、
どこかへと立ち去って行った>>212]
[>>185教会に着けば、ジムゾンが胡散臭い笑みを浮かべて挨拶をくれる。
知り合いで、昔馴染みでなければ持っている酒瓶を頭に振り下ろしたくなるような内容だ]
神っつーのは、俺みたぇなモンにも平等にアイしてくれるものじゃねェんですか?
慈悲深い神も、てめぇなんぞに召し仕えられてさぞ迷惑なこった。
オラ、神様に叱られる前にさっさと用意しろよ生臭神父さまよォ。
[ニヤつきながら、片足でジムゾンの足を小突いて急かす。
男は教会の壁にもたれかかり、ジムゾンがスープを運んでくるのを待った。]
[教会の壁にもたれかかりながら広場を見遣る。
そこには見知った顔がいただろうか。
今や人の変わった男に近づいてくるものなど限られているが。]
へっ。
神なんざいねぇよ。
[>>269もし神がいるなら、今頃自分はこんな惨めな体にはなっていないと、小さく悪態を吐いた。
男は口では神の名を出しながら、その存在を信じていない。
それこそ、モーリッツの言う人狼の方がまだ真実味があるとさえ思っている。]
あァ?もう片付けるって?
………………ま、いーか。
[スープを受け取るために酒瓶を置いて、左手を空ける。
さっきアルビンにジムゾンがスープを配ってると言ってしまったが、今頃来ても遅いだろう。
一応嘘はついていないからと、湧き出た少しの罪悪感をスープと一緒に飲み込んだ。]
くたばりぞこないって……あー…シモンか。
ガキがいるから心配するこたねーだろ。
[懐かしい名を口にしたように思う。
彼も自分と同じく体に傷を負い、除隊した身分だ。
村に戻ってから顔を合わせたが、酒に溺れ始めてから会わなくなって久しい。
同じ負傷兵と言う立場でありながら、どこぞで拾った子供を育てる
彼を見ていると惨めな感傷に浸るため会い辛さもあった。]
ま、俺はメシにありつければもう用はねェよ。
そんじゃ精々仕事に精を出せよ、神父様。
[すっかり温くなったスープを一気に胃に流し込んで、空になった皿をジムゾンに投げて返す。
わざわざジムゾンを名前ではなく職業で呼ぶのは揶揄を込めて。
この口の悪いジムゾンが神父だなんて、それだけで笑えてくるものだ*]
[片付けに奔走するジムゾンを横目に、男はのんびりとした動作で酒瓶を持ち直す。]
なんだよ、羨ましいのか。
神父に飽きたら、酒飲むといいぜェ?
[>>296酒瓶に注がれる胡乱な視線に、ニヤリと口角を上げたが、続いた言葉に顔を歪める。]
は、またその話か?
俺に出来る仕事があれば持ってきてみろよ、
すぐに使いモンにならねぇ事がわかるだろうよ。
[過去に家畜の世話や、物品の販売、農業など自分に出来る事を探してやってみたが、どれも思うように行かなかった。
隻腕の所為で力仕事は出来ないし、目も耳も使い物にならない上に、酷い疼痛に襲われてもがく姿は見れたものじゃない。
最終的には居ない方がマシだといわれるような結果に終わる。]
テメェを見習うなんてつまらねェ冗談だ。
よく俺の後ろでピーピー泣いてたのが偉くなったなァおい。
[この話は終わりだと、話をそらすようにジムゾンの過去を持ち出した。]
おいおい、お前の巡業に俺を付き合せるな。
それとも何か、この酒を囲んで酒盛りでもしようってか?
俺ァそんな事の為に酒を買ったんじゃねぇぞ。
[>>302ジムゾンの提案に男は苦虫を噛み潰したような表情を見せる。
話が弾むどころか、葬式のような空気が流れるのが脳裏に浮かんだ。
それは昔の3人では考えられないようなこと。]
ほんと、気色悪ィな。
[慇懃にかけられる言葉を背に、男は教会から離れた。*]
― 教会→移動中 ―
[タダ飯にありついた後、帰路を歩けばその途中で2つの子供の影と、白い何かが見えた。>>242]
おう、てめぇら何してんんだ?
[煩わしそうな声で問いかけながらのそりと近寄れば、白い何かが子羊だと知れる>>281]
散歩か?
それともその子羊、俺にくれるのか?
さぞや美味い肉なんだろうなァ。
[半分冗談ではあるが、子羊を見てニタリと笑った。]
[いかにも悪い人間といった風の男に対して子供たちの反応はどうだっただろうか。
まともに付き合うほど、男は子供が好きではない。]
おら、散った散った。
早くしねぇと夜になるぞ。
[冬にもなれば、太陽が空にある時間は短い。
空を見れば月の明かりが目立ち始める頃合か。
ぼやけた輪郭は真円に近く、少し前に聞いた言葉を思い出す。]
こわーい人狼に食われちまっても知らなェからなァ……。
なぁんてな、ひゃーはっはっはっはっ!
[子供たちとすれ違う瞬間に、アルビンから聞いたモーリッツの与太話を呟いてみるが、言った傍から男が笑い出す。
耄碌してるわけでもないのにこんなことを言うなんて、男には向いてないと自嘲による哄笑だ]
/*
でぃーたーさんおめも。
ディーターの腕は上腕の半分か、肘から先がない感じ。
最初は銃撃されて骨に弾が残ってそのまま過ごしてたらなんか腐りかけて云々でじゃあ切断という流れを考えていたけど、ディーターの顔に傷があるのに気づいてついでに右耳右目も潰しちゃえーと思って爆発に巻き込まれた風にしてみたという。
食う為に育ててんだろ?
遅かれ早かれ人間様の口に入るぜ、そいつ。
なァ、嬢ちゃん?
[だから何も間違ったことは言ってないと、いつに無く反抗的な少年に肩を竦める。>>360
しかし、常に向けられていた視線よりはまだマシだ。
少年の悪い大人に憧れるような目は苦手だった。
彼は知らないだろうがその子供独特の視線を向けられるたびに、
自分がものすごく汚れた人間だと思い知らされているからだ。]
……くくっ、まだガキの癖に何言ってやがる。
[声を上げて笑った後も、男はくつくつと笑う。
人狼なんて子供だましの話なのはよくわかっていた。
男も、子供の時にモーリッツから聞かされたときは同じ様な反応をしていた。]
[>>363少年が口から見せる舌を無視していれば、彼はそのうちこの場から走って離れていく。
その背を一瞥し、残された少女を見下ろした。]
やっぱガキだなァあいつ。
この嬢ちゃんがどうなってもいいんかねェ。
毛も生え揃ってないようなガキ相手ってのは趣味じゃねぇけど。
[クズのような男の前に少女を置き去りにするなんて、と鼻で笑う。]
嬢ちゃんもさっさと帰りな。
人狼じゃなくとも、怖いおっちゃんにナニされても知らねェぜ?
[そんな事する人間など、この村では男の他にはいないだろうがより現実味を帯びた忠告をして、男は少女から離れた*]
― →自宅 ―
[男にとっては長い道のりを歩いて自宅へと辿りつく。
室内に入れば酒の匂いが鼻腔を擽る。
暖炉に火が入っておらず、外の気温と変わらず部屋は冷えている。
それでも、酒さえ飲めば寒さなんか忘れられると思い、男はアルビンから買った酒を早速飲み始めた。]
……へぇ、こりゃ、美味いもんだ。
[確かに、アルビンが胸を張った通り(>>175)、この酒は男の鈍った舌でも十分に愉しめた。
香りも、喉越しも申し分ない。
すっと体になじみ、安酒にはない上品な陶酔感が体を包む。
惜しむらくは少し冷えすぎた点だけだろうか。
しかしそのツンとした鋭い冷たさも、酒の味を引き立てていた。]
[久しぶりに飲んだ酒がこうも美味いと、誰かと酌み交わしたくなるような気さえする。
そこで思い浮かぶのはやはり、悪友2人の顔。
昼にジムゾンと話をした所為もあるかもしれない。]
…3人で、なんて、なァ。
[ちらりと3人が写るモノクロの写真を見る。
あの頃のままなら、こんな惨めな生活を強いられる事はなかった。
こんな地獄があるとは知らず、笑ってる己の顔が憎くすらある。
戻れない過去を、何度破り捨てようと思ったことか。
思いとどまらせたのは、澱のように残る寂寞の所為か、
塵のように霧散する僅かな希望の所為か。
そこまで考えて男は一人、嗤う]
あほくせぇ。
[何もかも過ぎた事で、今更嘆いても仕方がない。
また一口、酒を体に流し込む。]
[ちびちびと瓶から直接飲む酒の量は半分まで減っている。
この調子で飲み続けると、アルビンの分が無くなってしまう。
一応彼に分けるといったことを覚えていた。
その口約束が果たされる日はいつになるかわからないが
ここらでこの酒を飲むのはやめておいた。
代わりに、近くにあった酒瓶からアルコールを摂取する。
オイルのように不味い酒でも、酔えるなら何でもいい。
そのうちに男は瓶を抱えて、眠ってしまった**]
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