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………。
[クロードの問いには応えない侭――――。
巫女姫は、社に近づき。そっと格子扉に手を掛けた。
躊躇うことなく奥に指を伸ばし、
……――――― 中身を、取り出す。
柔らかで淡やかな黄金色の光を放つ球体。
“宝珠”と呼ばれるナミュールの宝が、
次の瞬間には巫女姫の掌の中にあった]
[その宝珠を抱いた格好でクロードを振り返り、
目を伏せる]
ブラバンドでの、貴方の演説。
仔細を知らせる手紙を送ってくださった方が
いらっしゃいまして。内容は存じております。
……、少し。
誤解を していたのかもしれません。
私はもっと、貴方が強引な思想を強いてくるかと
思っておりました。……
止めましょうか、こういうの。
[不意に言葉を止めた巫女姫は、ぽつ、と言い切り。
ずっと昔の口調に戻った人へ、
宵藍の双眸を真っ直ぐに重ねた]
…ロイ兄様、
[本人を前にして呼ぶのは、五年振りとなるか。
その懐かしい響きを、声に乗せて]
貴方はどうして欲しいのですか?
自分で言うのもなんですが…
“巫女姫”には未だに価値があります。
これからナミュールは、ひとつの山を乗り越える。
困難も多いであろう其の道を、楽に出来るものなら。
使えるものは使う選択肢だってあるでしょう。
姫王の魂は国に添う。
皆の笑顔が彼女の願い。
―――…私は此処、神殿で。
そう刻まれて生きてきた。
貴方がシュビトで、外の新しい風に触れて育ったように。
私はドルマールで、古の伝統を宿して育ってきたのです。
[掌の中の宝珠を、撫でるような仕草をしながら。
クロードの本音を聴いた]
不思議ですね。
こんなに違う筈なのに――――…
考えることが、余りに同じで。
[ナミュールを壊したくない。
その想いが、触れあって…響き満ちる]
ロイ兄様。
私は、貴方が―――此の国を導く英雄になればいいと
思っていました。
千年の時を経て、王府の腐敗は避けられなかった。
勿論、国を想う人々も沢山居た。
けれど、虫に害された葉を抜かねば畑全部に広がるように。
このままではいつかは…崩れる。
予感は、ずっとありました。
ただ……、
私に全てを変える力は無かった。
世を動かす炎を灯したのは、ロイ兄様。貴方です。
私はいつか来る其の日を、…――多分何処かで、期待していた。
ただ……、
貴方の炎が、余りに苛烈だったから。
私は不安にもなりました。
会わなかった此の五年の月日は、
ロイ兄様を如何様にか、変えてしまったのではないかと。
………杞憂、だったみたいですけれど。
[ブラバンドで発せられた演説の内容を
脳裏に浮かべ、柔らかく呟く。
一方で。彼を今まで支えてくれた人が
その炎を正しく導いてくれたのかもしれないとも、思う]
私の意思…ですか。
[ゆっくりと、微笑った]
同じですよ。貴方と。
ナミュールの未来がより良い形であることが、
常変わらぬ私の願い。
それを言うなら、私だって同じです。
[くすくすと朗らかに笑う]
まあでも、あれですね。年季。
巫女姫の役、やっているの長いですから。
[仮面を捨てたと言うクロードを見て。
ふと思い出したように胸元に手を当てた。
宝珠を片手に乗せて。
空いた方の手で懐から懐紙を摘み出す]
でも、あの時は其れが最善だと思いました。
だから――――謝りません。
後悔は、飲み込んで糧にし。
強く、前を見据え。
犠牲を生かさんと――――… 先に、進むことが。
遺志継いで生き残った私たちにとって
大事なことだと、思いますから。
……、ふふ。
[なんだか可笑しくなって、笑った。
変な笑いが、込み上げた]
ねえ、ロイ兄様。
学館で議論した時のこと――覚えていますか?
ほら、
私の目論見――――…当たっていました。
[議論を言い負かしたかのような。
やっと、兄に追いついたような。
そんな心地が、なんだか可笑しくて、嬉しくて]
ふふ、…… は、 っ、
[いろいろ。回り道をしたり、
多くの犠牲を生んでしまったり、
もっとこうすれば良かったとか
ああすれば良かったとか、 沢山たくさん あるけれど。
それでも――――…
やっと。報われた心地が、雫になって頬を濡らした]
此のナミュールの為に。
私たちの愛しい祖国の為に。
壊さず。護り。
新たな変化の風を得て、
四季世豊かな未来へ繋ぐ 其の為に。
だから、――――…支えてください。
皆が笑顔になれる
私の隣で、紡いでください。
クロード・ジェフロイ…、 ロイ兄様。
[あたかも姫に添う騎士のように、伸ばされた手に。
深い想いを篭めて、手を重ね合わせた*]
巫女姫 シルキーが「時間を進める」を選択しました
でも、多分。
これで良かったんですよね―――… アレクシス。
[貴方が今、傍にいないこと。
それが心辛くは、あるけれど]
ふふ。 どうか、見ていてくださいね?
黄昏のように金に輝く明日を、皆と共に、紡いで。
ナミュールの黎明を、迎えてみせます――――。必ず。
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