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[主の力を失った花々は、もうすぐ枯れてしまうのだろう。
窓から吹き荒ぶ風に攫われていく花弁は、己が身体すら通り抜けて行く。
それは、彼らの命に似ている気がした。
信じるもののために咲き、そして容易く散ってしまう。]
……。
[瞼を伏せ、空の胸元を握り締める。
己のために生き、己のために死んだ。
目的を果たした心は今、誰がためにあるのだろう。
生まれた隙間に、敵であり他人である同胞と人間たちが入り込んでくる。]
わたし、は……、
[これまでにない痛みに声を震わせ、眉間に皺を寄せた。]
[枯れない花を胸に抱き、
彼の復活と共に、城が息を吹き返していくようだった。]
二度目はありません。
どうか貴方の愛する人たちを、これ以上悲しませぬように。
……そして、貴方も。
[安堵と情愛に満ちた声が、咲いた赤を震わせる。
それと同時に、血に染まった仮初の赤い花たちが灰になり、音もなく掻き消えた。]
[ギィの進んだその先にある姿を見つめ、小さく笑って。]
そして貴方には、どうやら孤独は似合わないようですねぇ。
[まだ戦いが始まる前の日常、サロンの前で交わした言葉を思い出しながら、傷ついた獣>>64が弟に戻る様子を見つめる。
茨が繭のように二人を包み込む姿を見れば、生前よりずっと柔らかな黒がそっと微笑んだ。]
[野茨が包む兄弟の絆。
羨望も侮蔑もなく、ただただ穏やかな色が見守るように瞬いて、風に流されるまま、その場を後にする。]
ここはもう大丈夫なようです。
後は――、
[未練など元よりなく、欠片のように引っかかっていたものもすべて置いて来たつもりだったというのに、頭の中に響く悲鳴が、どうしようもなく心を揺さぶる。
肉体という殻を失った男は、引き寄せられるまま、新たな戦場へと向かう。]
……バルタザール。
[己が手をかけた乳飲み子の姿>>110を、ただ静かに見下ろして。
耳に届く叫びへ、静かに眉を寄せた。]
[男は修道騎士であった頃の彼を知らない。
擦れ違っただけで、言葉すら交わさなかった。
その瞳すら、見ようとしなかった。
世界は敵であるかどうかだけで回っていて、それが当然であったのだ。
誰かへ情を向けるのは、自身に痛みを齎すのと同義だったから。]
……っ、
[彼>>118の心が悲鳴をあげているのに、その苦しみを心から理解することができない。
後悔はしていないけれど、今この瞬間だけは、過去の自分を憎みそうになった。]
それでも、貴方が吸血鬼にならなければ良かったとは、どうしても思えないのです。
[己が血を糧として分け与え、願いを託し、未来を願った、唯一の。
バルタザールが人であったなら、永遠に交わることのなかった世界。
それは、彼が相対するソマリとの関係によく似ていた。]
ふたりは少し、似ている気がします。
[出逢ったことを、後悔も否定もしたくない。
だから今の彼も"バルタザール"であると、そう思うのだ。
心が軋む痛みを堪えながら、震える身体でそっと微笑む。]
貴方の親は、きっとそれを望んだのではないのでしょうけれど。
[バルタザールの身を顧みず、ギィを生かすための道具のように熱かった己とは違い、ギィは彼自身を見つめ、ただ求めた。
だからせめて、彼と血の親の間に、心通わす時間があることを願う。
頭の中には、彼の精神が軋む音が響いていた。]
嗚呼、どうか、少しでも苦しまないで。
[そんな資格などないけれど、今だけはバルタザールという存在そのものの為に祈る。
叫び>>120に呼応するように瞼が震え、そして彼を見つめ続けた。
決して目は逸らさない。
たとえ終わりが来ようとも、その姿を目に焼き付けようと、黒はすべてを映す。]
[ソマリ>>143の心が葛藤し、それでも尚前を向く姿に、悲哀と安堵に満ちた表情を浮かべた。]
命尽きる前に、貴方と言葉を交わせたことを誇りに思います。
ソマリ――貴方は間違いなく、優しい方ですよ。
[人間だとか魔族だとか、そういったことをすべて取っ払って、彼そのものを賞賛する。
心の揺れは届いても、細かい言葉や彼らの過去は分からない。
それでも、二人の間にある絆は、間違いなく美しいものだと思えたから。]
……。
[届かないとしても、二人に今、かける言葉はなかった。必要ないと思った。
だからただ胸に手を当て、静かに祈る。
神など信じない。誰も信じない。
だから、己の心に願う。
二人の傷が、彼らの心をどうか、壊さぬように。]
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バルたんとソマリはお邪魔してしまって申し訳ない。
アレクシスさんにとって二人ってよく似ているようで、正反対でもあって。
別れを告げたけれど、それでも見守りたかったので。うん(´・ω・`)
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そういえば落とし忘れていたけれども、ジークムントへかけた言葉も、ギィが生き返った時に二度死ぬのを防ぐための意図があったのでした。
彼を守る味方は多い方がいいと、約束で縛りつけようとしていたり。
>>155だから悪い人に騙されちゃ駄目だよ!
自分で選んで頑張れー! とここからエールを送っておくのですヾノ。ÒㅅÓ)ノシ
[鼓動を止めた左胸に触れた手は、今は姿の見えぬギィ>>139の動きと重なった。
その瞬間、彼の声>>140が届く。]
私は、私の思うままに行動しました。
貴方への恩返しといいながら、結局は自己満足なのでしょう。
だから貴方が責を負う必要はどこにもない。
[届かぬ言葉、無駄だと思っても唇は音色を紡ぐ。]
貴方は貴方の為に生きればいいのです。
枷をつけたのは …――私、なのでしょうか。
[似たような言葉をギィ>>4:+38が零したとは知らず、悲しげに目を伏せた。
止めたくとも、届かない。手も、声も、何もかも。]
分かっていたはずなのに、目を逸らしていた私が愚かなのでしょうね。
……本当に、兄弟そろってお馬鹿さん、です。
[ギィとヴィンセント>>154、二人の熱が掌に重なったような気がして拳を握りしめるも、感触も体温も返ってこない。
彼らと己の世界は、完全に別のものだと知らしめるように。]
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>>161クレステッドが身代わりで落ちるんだからっていう隙作りかな。
攻撃するなら、今はバルたんしかいないよね。それを戻ってきたクレステッドが庇うとかかなあ。
予想してみた。わくわく。
乱闘中も思ったけど、ソマリは慣れている方なんだろうか。とても頼りにしておりました。
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しかし問題は、ここでバルたんが攻撃しないような気がするところである。
クレステッドは無事落ちられるのだろうか。そわそわ。
"あなた、お花が好きなの?"
[届かぬ声、聞こえるだけの心、触れられぬ掌。
悲しみに塗りつぶされそうな心へ、柔らかな声が降り注いだ。]
"これはねー、元気の出る魔法なんだよ!"
[記憶にない少女。
けれど受け継いできた血が、ざわりと騒いだ。]
"怪我しても、お花が咲いたら楽しい気持ちになるでしょ?"
[遠い昔交わした、小さな友人との約束。
知らないはずなのに、理解できてしまった。]
"いつか大切な人ができたときに、喜んで貰えたらいいなって!"
[ただ、幸せな夢を抱いて生まれた、お
貴方も、彼も、彼女も――そして、私も。
揃いも揃って、大馬鹿者ばかりですねぇ。
[この城に集った皆の顔を思い浮かべ、乾いた笑いを漏らした。
今現在の景色が、走馬灯のように流れる。
傷ついて、傷ついて、己の信じるもののために戦っているというのに、誰もが皆、悲しい顔をしていた。]
笑って欲しいと願うのは、既に去った者のエゴなのでしょう。
[右腕を失った聖将と灰に消える騎士。
二人を見下ろしながらぽつり、宙から雨が一粒落ちた。]
[願うばかりではなく、自身も笑ってはみたが、ぎこちない表情しか浮かべられなかった。
傷のなくなった両の手で頬に触れ、ぐにぐにと筋肉をほぐす。]
無理な笑顔は逆によくありませんね。
それも願いに付け加えておきましょう。
[殻が消えたからといって、性格が180°変わる訳ではない。
普段通り自分勝手な理論を振り翳して、後はただ、何を言わずに見守るだけだ。]
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リエヴルと会えたら、酒でも飲みましょうかーとか言って、食堂まで引っ張って、瓶に触れませんねぇHAHAHAとかして怒られたかった。
魔と戦っているし、それよりもシメオンとの語らい見たいので、見守る要員になるのです!(`・ω・´)
オズワルドさんは体調崩してないといいけれど。
皆さん体調大事にですよ!
[二つの気配が、こちら側で目覚め始めたことに気づく。
もう一つ気配はあるようだが、その姿はどこにあるか分からない。
魔力も
しかし城を見通して、まだ目にしていない、見知った影は三つ。]
前庭の彼とシメオン、レディ・シュトラウス。
レディはきっと、彼が守ったでしょうね。
あれは、心を許したからこそ向けられる目だと思いますから。
[既に遠い過去になりつつある日常の一片>>0:237を思い出して、小さく笑みを零す。
今はただ、新たにやってくる命を、あの時と同じ形容し難い感情と共に待っていた。]
[もう一つの行方知れぬ気配が、もう一人だとしたら、そんな不安に襲われていたところに、踊る赤>>205が映る。]
ギィ。
[阻むもののなくなった唇は、ただ彼の名を呼ぶ。
責める響きは欠片もなく、柔らかく見守るような声で。]
[命を捨てた男にはもう、敵は存在しない。
残ったのはただ、生者への――己の心に生きている者たちへの祈りだけだ。]
[貫かれたのはソマリではなく、彼の剣だった。
黒の瞳が見開かれ、そしてそっと伏せられる。]
最期まで違わぬ姿勢に敬意を表します。
[命の灯火が消え行く様子が見えた。
これ以上憎しみの連鎖が生まれぬよう、音を止めた胸元を強く握り締める。]
もう誰にも、死んで欲しくはないのです。
[誰が為でもなく、己がそう思うから。
声は誰にも届くことなく、意識の世界へ溶けて行く。]
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