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それも、うん、どういたしまして……、って、え……、
[塗ってくれないか、と頼む声に、
彼の示す容器と彼の手の先とを交互に見て、納得したようにうなずいた。
と思ったらまたばつが悪そうに顔をそむけてしまったが、それも束の間のこと]
うん。いいよ。
[望むならばいくらでもこの手を貸そう、と、
手を伸ばしてヴェルの手から容器を受け取った。
僅かに触れた手は思った通り冷たい感触がした]
で、……どの辺から手をつけようかな、
ってかどこが一番痛い?
[その後は質問も絡めつつヴェルの身体の傷の広がりと度合いを確かめ、
傷が酷そうなところを始点に塗り薬を塗る処置を進めていった。
必要にかられた際服を脱がすのにためらいはなかった。
訊きたいことは相変わらず色々あるものの、
自分にしかできないことを今やっている――と思うと、
どうしても真剣に静かになってしまっていた**]
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ちょっとまとめよう まとめ よう うむ
・故郷のある国は隣の国とイクサしていた>>2:81
・ヴェルを助けたのは傭兵団>>2:87
・ゾフィはものすごーーーーーく遠くまで逃げそしてちからつきた
・ゾフィ拾った人からイクサの顛末を聞く。戻ろうとしたが引き留められた
・帰るところもないのでなし崩しについて行った形か
・2年ばかりそのひとと二人で放浪しながら戦闘の基本などを教わったイメージ
へーそう、じゃあますますこの薬が役に立つだろうねぇ。
何せすり傷から火傷まで色んな傷の応急処置に使えると評判の…… ってえっ雷?
――雷喰らったの!?
[怪我の状況をヴェルの口から聞き、>>+19
最初はあたかも日常の延長線上にいるかのような軽い口調をしていたゾフィヤだったが、
思いもよらぬ戦いの激しさに目を見開いた。
何せ自分の戦いの方で一生懸命だったのである。
黒髪の軍人の人が雷の使い手であることも今さっき知ったばかり]
……。
[自らの相棒じみた二輪車を所持しているから、
機械にとって雷がいかに良くない影響を及ぼすかよくわかる。
回路とか大丈夫なのだろうか。
だが喰らった当人たるヴェルがあまりにもぴんぴんしているから、
結局心配事はいったん脇に置くことにした]
[容器のふたを開けながら、服を脱ぐヴェルの手で上半身がさらけ出されていくのを見た。
まずいくつもの古傷が目についたが、
服を完全に脱いだころには、生身の腕――があったところと、
機械仕掛けの腕との繋ぎ目まではっきり見ることができた。
傷だらけの上半身において最も真新しい傷は、
彼の申告通り赤い火傷跡として見受けられた。
無理やり繋がれた左腕と上半身との境目と、あとはあっちこっちに点々と]
無茶したねえ……。
[くぐもった声で呟いた。
とはいえこれはこれでやりがいがあると思えば笑みを浮かべることはできた。
初めにとりわけ痕の目立つ左腕から取り掛かっていく]
………え、っと、……うん。
[ふいに問いを投げかけられ、途切れ途切れに応えたのはびっくりしたからだけじゃない。>>+20
束の間言葉を探していた。
さっきは「良かったと思っているのは本当」と、そう伝えながら、>>+12
肝心の言葉を見つけられないありさまだったが、今は迷わなかった]
こういう姿には驚いてるけど、……自分にも驚いてるところで。
もっと、……取り乱したりする、かと思ってたんだけど……。
怖い夢でも見た後みたいに。
[だが今の己は落ち着き払ってヴェルの身体に薬を塗っている。
自分に力がなかったから招いた事態を直視できている]
……逆に訊いてしまうけど、
わたしにどうしてほしかったの? そういうのがあったとして、
わたしがそうすればヴェルの気はおさまるのかな……。
って、なんとなく思っただけなんだけどね。
[締めの言葉だけからりと明るい調子で言いながら立ち上がって背を向けた。
これから背中の方の処置に取り掛かるからである。
それが終われば今の自分にできることも終わりだ。
顔は見えないが首の後ろに埋め込まれている黒い煌めきは見える。
記憶の中と変わらないその煌めきに僅かに目を細めた*]
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あえて抜いた>>+19最初の方への反応を最後に持ってくかたちで
いい話だなーで終わらせようと最初は思ってたんだけどまあ我々だしな……(我々とは)
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でも最終的にはいい話でおわらせたい
結局この鋼鉄の手足と生きていくヴェルを認める(失ったものを取り戻したいとならない)ことで
イェンスパメラ組とある意味対照的になるのでわ? わ? などと思い始めており
いや当初は願いを最終的に手足を取り戻さすことにしようと思ってたんだけどね
[もう子供ではないゾフィヤにとって、
戦いはもはやどこかスクリーンを隔てた遠くのできごとではない。
一体どんな戦いを繰り広げたのかヴェルから聞けば、>>+30
生返事でなく相槌をうつことができた。
相手も必死だったのだろう、とか、
躱しながら当てるなんてわたしには無理だよねえ、とか思いもした]
そっか、
無茶しなきゃってくらい、……頑張ってるんだ。
[この領域に足を踏み入れてからの話ってわけじゃなく、
10年前に引き裂かれてからずっと、必死に頑張ってる。
それだけの時の重みを、返された言葉>>+31からなんとなく感じ取りながら、
10年分成長した身体と向き合っていた]
[もし取り乱していたならどこかへ去ろうとしていたし、>>+32
それこそ願いをかなえてもらうべく勝手に家出した時の二の舞だ。
だから取り乱さなくてよかったとは思っている。
ヴェルも「ホッとしてる」と言ってくれたし。
あとは……そう。
してほしいことがあるというならやってしまってもいい、
何の足しにもならないかもしれなくとも。
そのことすらも落ち着き払って、できれば笑って伝えられればいい、とも思っていたが]
…………わたしが、
そんな風に思ってなければいい、って、
[ヴェルからすれば背中越しにそんな穏やかならぬ声が聞こえたことだろう。
やがて彼の背にそっと手を当てると、声を聞かせる]
どうして? どうしてそんな風に言えるの?
こんな姿になってそれでもよかったの?
わたしは、痛かったよ。……痛くて怖かった。
どこかで、……どこか、で、ヴェルがわたしのことを責めて、羨んでるんじゃないかって。
ヴェルのことはよく知ってるくせにそんなこと思ってたんだよ。
わたしが、弱かったから、そうされたがってた……。
[脳裏をよぎるのは「ゾフィが羨ましい」と、そう言ったときのヴェルだ。
その時とも今の彼は、違う。
彼が抱えた時の重みは、行先が見つからず同じところを行ったり来たりの蓄積ではなく、
ちゃんとどこかに向けて進んでいるからこそのものだと、今さらになって思い至った]
会えてからも別のことが怖かった。
傭兵だし、わたしの知らないところだって出てくるし、
なんとなく遠くに感じてた……、遠くに行っちゃったら追いつけなさそうだって。
[今だ背中の後ろに隠れるような形で、右手を伸ばしてヴェルの右手にそっと触れた]
会えてよかった。
いっしょに戦おうって言ってくれて、嬉しかった。
……未来のことを考えなきゃいけないってわかってる。
でも、今だってどうしても思っちゃうんだよ、
願いが叶うなら…… わたしは、戻りたかったって……、
戦争が起こる前の父さん母さんもいて幸せだった頃に……ふたりで……、
[できることなら切ない涙は流したくなかったのに、止まらない。
だがどうしようもない。
帰り道がわからず夜の中で泣いた時みたいな、
途方に暮れたような眼差しを浮かべたまま**]
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なんだ5発言でまとまったのか……と最初に思ったのをおゆるしください(珍しく発言ぶつ切りにしないから)
ていうか「ヴェル、昔と変わんないところもあるってわかってるのに」の辺りを入れればよかったなって今更……うおーん
いい話から遠ざかりつつあるけどでも「戻りたかった」はわりと規定路線というか……ふんわりありと思っていたのをぶっつけたというか……
また、一緒に暮らして、旅をしよう。
あの時の約束を果たさせてくれ。
[幼い日の約束を口にする*]
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あーーーほんとヴェルめちゃくちゃいいやつじゃんか いいやつ……
とりま整理しておくべきところをしよう、先に
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そういえばこのナカノヒト上半身脱いでるなら翼まるまる出してる可能性について失念していたな……おうふ
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まあゾフィ的には見慣れてーるーだろうなのーでー特にコメントをさしはさむこともなかったろうが ナカノヒト的には描写あると嬉しいじゃん? とはなる
[名を呼ぶ声にほんの僅か、背に触れる手に力がこもった。>>+45
背の翼は力なく下がって動いていない。
顔を見られたくないときに翼で隠す……というのは考えたこともなかった。
一方で後ろを振り向いて見るには少々邪魔な翼。
それをぐっと下げてからこっちを見ようとするしぐさには、
間違いなくかつての面影があった。そういうところは変わっていない、と思いもした]
(……そういえば、)
[少し前に見た、嬉しそうに表情を緩めたところにも、やっぱりかつての面影を重ねていた。
そうやって変わっていないところを探すのはそんなに難しいことじゃないのに、
どうしたって変わったところを嘆く気持ちの方が大きかった。
自分を責めたくなるる気持ちだって]
夢。わたしの、ゆめ……。
[語った夢も交わした約束も彼の中で色褪せてはいなくて。
だから、今、こうして心底喜んでいる。それが伝わってくる。
失った手足の代わりの鋼鉄の四肢を帯びることになっても、
ちゃんと、心から生きている、ことも、伝わる。
「機鋼の属で良かった」という言葉が聞こえれば小さく息を呑んだ。
かつては聞くことのなかった言葉だとはよく知っていた]
[だけど、ゾフィヤの中には後悔だけでなく未練もあった。
この手足になって、結果的に未来にも等しい何かを掴んだのだと、
最初からそう知らされていたとしても、
きっと、この未練ばっかりはどうにもならなかっただろう。
彼の表情は見えない。ただ声だけを聴いていた。>>+50
思わず「ごめん」と謝ろうとした時、彼がふと腰を浮かしたものだから反射的に固まった。
それからの出来事はゾフィヤにとっては一瞬だった。
抵抗することを選ぶ間もなく正面から抱きしめられる。
あやすような手つきで頭を撫でられ。
それでも涙は止まることがなかった]
っそ…… そんなことわかってるよお……。
[だから応える声もぐずりながらのものになった。>>+51
過ぎ去った刻の中に相手を導くことはできる。
戦いの中でそうしたように。
だが、それだって所詮は白昼夢のようなものだ。いずれは過ぎ去る。ただの過去に戻る]
本当に、……もどってくるんだよね?
[抱きしめられた体勢のまま顔を上げようとする。
泣きぬれた顔のまま、それでも笑っていた]
…………じゃあ、 わたしも、約束するよ。
もう……自分のことを責めたりしないって。
[彼が願った>>+49ままに、そうするのだ、と]
ありがとう、ね。……ヴェル。
[敗北した以上願いを叶える権利は互いにない。
それでも行く先を選ぶことはできそうな気がした
後悔と幼い頃に語った夢のカケラを抱えて、
振り子のように行きつ戻りつするのではなく――交わした約束を抱え、光射す方へ*]
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