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― 平原 ―
[その輝きが目に入ったのは、西側の戦線がある程度沈静化した頃。
ミヒャエル隊が持ち帰った情報を無為にするわけには行かぬ、と深追いはせずに隊を整えた騎兵の前列、ほぼ中央に位置した男は篝火に照らされ浮かび上がる敵部隊に、く、と低い笑みを漏らした]
……おー、いらっしゃった、か。
[零れた呟きに、「楽しそうですねぇ」なんて突っ込みが入る。
それに、軽く肩をすくめた]
悲観する必要なんてどこにもないでしょー?
だったら、なんでも楽しまないと。
[冗句のような言葉と共に、槍を握り直し]
それに、せっかく出てきてくれたんだから、相応の礼を持ってお相手するのは当然でしょ?
[相応の=戦士としての全力なのは言うまでもなかろうか。
上がる同意の声に、でしょー、と軽い調子で笑った後]
……それに、ちゃんと確かめんとならんしねぇ。
ウチのかわいい跳ねっかえりがどうなったのか、を。
[予想は既にある。
けれど……否、だからこそ。
彼がどう駆け抜けたのかを知りたい、と思う。
それと共に、己が信念を貫き通した若者の最期を、伝えてほしいと託された言葉をあちらの陣営に伝えたい、という思いもある。
そのためにも、真っ向う見えねば、と。
そんな事を思いながら、近づく軍勢を見やる瞳は鋭いもの。**]
― 平原 ―
[近づく敵陣は動きに乱れなく。
率いる将の統率力の高さを伺わせた]
……ほぅ?
[進み出た騎馬の名乗り上げ。>>66
紡がれた名に、兵の一部がざわめいたのを槍のひと振りで制して、前へと進み出た]
ゼファーが戦士、ケファラスの長、フェリクス。
こちらも、そちらに伝えねばならん言霊がある。
セルウィン・アルニムから託されたものだ。
[告げられた言葉に、予想は確信へと転ずる。
それへの憂いは一切表には出さず、名乗りと、こちらも報せるべき事がある旨を淡々と告げた。*]
― 平原 ―
[こちらの名乗りに思う所あったか、対する将は目を細める。>>71
次いで、向けられた言葉には一つ頷き、こちらも単騎のまま前へと進む]
……ああ。
己が意地と信念、矜持をかけて挑んできた。
故に、戦士としての礼に則り、一騎討ちを受けた。
[向けられた問いに淡々と返した後、ひとつ、息を吐いて]
その様子だと、どうやらウチのかわいい跳ねっかえりが世話になったようだが。
……あいつがどうなったか聞く前に、こちらの宣誓を果たせてもらおうか。
[息吐いた後、口調は常の物へと近づく。
けれど、瞳に宿る光の鋭さは失われることなく]
セルウィン・アルニムから、兄、セドリック・アルニムに伝えてほしい、と。
『弟は、望むままに生きた』との言霊を預かった。
……違わず、伝えてもらいたい。
[この場の趨勢が如何様になろうとも、とは口にしない。
それは、言わずとも伝わるだろうと思うから。*]
― 平原 ―
……受け取りに、感謝する。
[託された願いを全軍が受け取る様子に、刹那、表情が緩む。>>82
けれどそれは本当に僅かなもの。
こちらの番、との前置きの後、語られたミヒャエルの最期の様子。>>83]
……仲間を逃がすために、ってのは、聞いちゃあいたが……。
[駆け戻ってきた小隊の面々の報告をふと、思い出し、ふる、と軽く首を振った]
そうか。
ゼファーの戦士として、最期まで、崩れる事なく立ち続けたか。
(……頑張って、最期までカッコつけたか。)
[そんな思いが過ったのは一瞬の事。
続いた評には、やれやれ、と息を吐いて]
……あいつは、今目の前にある事に、どこまでも真っ正直だったからねぇ。
[故に感じていた不安が、こんな形で現実になった事。
それを惜しむ気持ちはあるが、同時、己があり方を貫き通した事への賛辞もまた尽きない]
丁重な扱いに感謝する。
……こちらも、セルウィン・アルニムの亡骸は後方にて預からせてもらっている。
生き様貫いた戦士には、最大限の敬意を払う……必ず、彼が望む場所にて眠れるように取り計らうつもりだ。
[そこまでは淡々と告げた後。
一際大きく息を吐いて]
……さて、それじゃ。
伝えるものは伝えた、受け取るべきも受け取ったところで。
……お互いのやるべき事を、やろうか?
[猛禽の笑みを浮かべて、短く問う。
言葉を交わす時間が終われば、後は己が
― 平原 ―
[戦場で倒れた兵への扱いに関する言い回し>>99と、先の、ミヒャエルへの評。
ああ、こりゃ思ってたよりも大物だなあ、なんて思考は一瞬の事]
……おや、奇遇だねぇ。
こっちからも、それを提案しようかと思ってたところだった。
[一騎討ちの提案に、笑みが鋭さを増す。>>100
このままぶつかり合えば互いに消耗戦となるのは目に見えている。
ならば、それを避けられる術を取るのはごく自然なこと。
軽い口調の返答に、副官がぇー、と声を上げたが聞こえないふりをして。
槍を握り直す手に、力を込めた。*]
― 平原 ―
おやおや、随分と高く見積もってくれてるようだけど。
[自分を倒せば、という言葉にく、と楽し気な笑い声が漏れる]
こっちも、そう簡単には、倒れられない理由があるんでねぇ。
[軽く言いはするものの、背負うものの存在など、ここで改めて告げるつもりはなく。
名乗りと共に馬を駆り、駆けだす様子にふ、と息を吐いて]
ケファラスが長、フェリクス……参る。
……
[宣と共にこちらも馬を駆けさせる。
手綱は取らず、槍は右手で提げる態。
そこから、距離が詰まる直前、槍を横へと流すように両手で構え]
……っせい!
[対する将の胴に向け、穂先を叩きつけるように水平に振るった。*]
― 平原 ―
[返された『思い』に目を細めたのはほんの一刹那。>>112
名乗りと啖呵に返してくるのに、もしかして結構素直? なんて感想を抱いたのも一瞬で]
……っとぉ!
[振りぬいた穂先に戦斧の柄がかち合い、狙いがそらされる。
そのまま穂先を跳ね上げようという動きには逆らう事なく、勢いを生かして槍を上へと高く掲げて左手を離し]
ほら、よ、っと!
[軽い口調と共に槍をくるりと頭上で回して、そのまま突き下ろした。*]
― 平原 ―
[突き下ろしの一撃は、相手の左の腕を貫き緋を散らす]
ちっ……。
[一撃で取れんかったか、と。
過るのは、そんな思い。
ともあれ、このままではこちらが捉えられているも同然、と槍を引き抜こうとするが。
それよりも早く、叫びと共に戦斧の重い刃が振り切られた]
……ぐっ……。
[勢いのついた一撃は、がら空きになっていた脇腹にがつり、と食い込んでまた、緋を散らした。
知らず、呻きが漏れるものの、それでも槍を引き抜いて]
……っは……。
やってくれる、ねぇ。
[僅かに距離を開けて対しつつ、向けるのは笑み。
あ、こりゃヤバいかも、なんて思考は、おくびにも出さないが。
地に落ちる緋の量は自状況の深刻さを端的に物語っていた。*]
― 平原 ―
[清々しい、とさえ言えそうな笑みと共に向けられる言葉。>>123
それについ、楽し気な笑みが浮かんだのは、已む無しか]
確かにそぉねぇ。
俺も、ここまで食らったのは久しぶりだし。
[必殺の一閃を止められた事も、深く身を食い破られた事も。
以前、生死の境を彷徨った時以来だなあ、と思う。
そういや、あの時は後の嫁さんに散々怒られたなぁ、なんて思ったのは――怒られるじゃすまない事になるかもしれない、という予想が過っていたから]
ほんっとに、今回の戦は。
いい意味での予想外に、よく、あうわ。
[軽く紡ぎつつ、口元を軽く、拭って]
……そういう意味では、楽しいんだけど……あんまり、長引かせても、ねぇ?
[槍を握り直しつつ、脇腹に力を入れる。
傷は臓腑に届いているのか、いつものようにはいかないが。
後一刺し、繰り出すくらいは持つだろう、と傷を締めて]
てわけで、そろそろ、決着つけようかぁ……。
……
通させて、もらうっ!
[叫びと共に、真っ向、馬を駆けさせる。
狙うは加速の勢いを乗せた突き、一閃。*]
― 平原 ―
おーや、初めていただいたか、そいつは光栄。
[確かな技量を、そして、強き意志を有する者。
その全力を最初に引き出せた、というのはそれだけのものを示せたという自負にも繋がる。
だからこそ、その言葉に浮かんだのは笑み]
[理由は異なれど、長引かせられぬ、という点での意見の一致。>>132
対する敵手とこういう形で息が合うのは、心地よいもの。
こちらが深手を負っているとみても、対する将には侮る様子はない。
その心意気に敬意を抱きつつ、必殺を期して放った一刺しは突き出された戦斧に逸らされ、狙った喉ではなく首の皮一枚を掠めて過ぎる。
そして、己が身に食らいつくのは――先ほどよりも深い、青銅の一撃]
……は。
お見事……。
[紡いだ直後にせき込んだ勢いで、口から緋が落ちた。
身体がふらつくが、けれど、その場で崩れ落ちる事を己に許すことはできない。
戦士としての意地、個としての矜持もあるが、何より]
……ぁー、もー。
…………なんてぇ声、上げてんの。
[微かに届いた、己を呼ぶ声――懐かしさを感じる響きを帯びたそれの主に、無様を晒したくない、という思いがあったから。*]
……こちら、こそ、だ。
ベリアン・グラウコス……きみと、立ち会えた事に、心よりの感謝を。
[感謝を綴る声に、途切れがちに返す。>>144
声を出すのもそろそろ厳しい、と思いつつ、しかし、ここで意識を失うわけにはいかなかった]
[場を仕切る声は、どこか、遠く聞いていた。>>140 >>141
あー、ホント、でっかくなったなぁ、なんて思考がふわついた意識を過る]
……悪いねぇ……でも、こればっかりは、天命もあるから、ねぇ。
[震え帯びた囁き声>>142に返す口調は、軽いもの。
それはどこか、少年時代のそれと近しく]
……は。
そういや、そうね。
[恨み言に秘められたもの。>>143
それに、ああやっぱりか、とぼんやりと思いつつ]
……俺が、置いてく黒星なんて、些末なもんでしょ。
きみらなら、それよりももっとでかい星を掴める……だから、そんなモンは踏んづけて、
[余計なものに囚われることなく、よりよい未来を掴めと。
そう、告げた直後にまた、緋を吐いて]
……で、だ。
悪いがコレ、チビが……フェンが、使えるように、なったら、渡してやってくれん?
[コレ、が示すのが手にした槍であるのは伝わるか]
あと……リギアに。
『二度はできんかった、ごめん』……って。
[次いで託すのは、妻への伝言。
あとはなんだったか、と意識を回すが、そろそろ限界が近いのは感じていたから]
……いろいろ、楽しかったよ、きみらのおかげで。
ありがとさん、バルタ。
…………元首殿……カナンにも、よろしくな。
[個としてどうしても告げたい言葉を、紡いだ直後。
/*
いやあ、うん。
久しぶりにるがるで死んだな……コンちゃん以来か……。
てかホント、休みでよかったわ……でなかったら、りあるが死んでたよねぇ。
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