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[軽く調べて分かったのは、遺書が残されていたこと。
目を背けたくなるような傷を負っているアレクシス殿に対し、
フィオン殿には一切の外傷が見られないことなど。
それらの状況から考えると答えは幾つかに絞られそうだ。
とはいえ、確信は出来ないのだが]
権謀術数に長けたアレクシス参謀は、
外務長官を告発する文書を偽造し、彼に自裁を迫った。
そして脅迫されたフィオン殿は言われるがままに遺書を記した。
だが彼は僅かな隙をついて反撃し、アレクシス丼を殺害。
しかし参謀があらかじめ仕込んでいた毒により、
長官は無念にも席上で息絶えてしまった。
[そう流暢に、どこぞの探偵のように告げて。]
……なんてシナリオは、どうだろう?
[入口付近に居たであろうリヒャルト殿に、そう尋ねてみた。]
[実際のところがどうだったかは分からない。
僕の推理が当たっているかもだし、外れているかもしれない。
でも、いま重要なのは真実じゃない。
どうすれば真実のように見えるか。
そして、その嘘の真実で、どれだけ軍部の勢力を削げるかなのだ。]
……アレクシス殿には悪いけれど、
彼にはこの責任を全て被ってもらわなければ。
軍部が卑劣な偽装工作を行った動かぬ証拠として、ね。
[そう言うと、散らばった内通の証拠を手に取り。
懐からペンを取り出して。]
しかし、その為には少々手を加えないといけないな。
彼が作った……のかは、分からないけど。
この文書はあまりにも"完璧過ぎる"から。
[所々に加筆修正をしていく。
この文書が、その道の専門家ならば一見して偽造だと分かるように。
お粗末な偽造だと軍部が笑い者になるように。]
[それから、更に。]
強制的に書かされたものとはいえ遺書があるのは頂けない。
どうしようかな……ああ、そうだ。
[アレクシス殿の亡骸の、その傷口を指で拭って。
付着した血でフィオン殿が座る机の裏に文字を書く。]
ええと、この姿勢だと逆さ文字になるから……こうか。
[曰く「遺書は無理やり書かされた偽物」と。
あとは彼の人差し指にも血をつけて。]
これでよし。
後の調査は近衛に任せよう。
[手袋を外し、ポケットに仕舞い直す。
このように手早く現場工作を済ませる僕を、
リヒャルト殿はどう見ていただろう。]
[いずれにせよ、捜査権は近衛に引き継いで。
僕は一度、監査局へと戻ることにしたのだが。]
…………。
[誰もいない廊下。
差し込む陽の光を見つめて。]
(すまないね、アレクシス殿。
監査局と相対する貴方の手腕は実に見事だった。
立場が違えば、良き競争相手になれたかもしれないな。)
[先程、その死を利用した工作を行った相手を、心の中で悼んで。]
[そして、もう一人。]
(……フィオン殿。
貴方の無念は、必ず僕と殿下で晴らしてみせよう。
そして何より、決して貴方の死を誰にも貶めさせるものか。)
[彼が内通していた、なんて。
そんな馬鹿げた工作を僕は決して許容しない。
彼の人生に汚名が残ることのないように。
全力で力を尽くそう。]
―― 監査局 ――
[それから、監査局に戻って。]
……副長官にフィオン殿の後任は、荷が重かろう。
そもそもこの騒ぎの中では満足に引き継ぎも出来ないだろうし。
よって、我々監査局も臨時で防諜の為に動くぞ。
さほど人数は割けないが、無いよりはマシだろう。
[彼の死により、防諜にまで気を配らなくてはならなくなった。
まったく、僕を過労死させる気か。]**
――ドロシー・ブライアン。
白狼騎士団所属の士官、25歳、女性。
士官学校入学以前の経歴は不明……ふむ。
[監査局の執務室にて。
僕はたった今受け取った"とある資料"に目を通していた。
それは生前、フィオン長官が遺してくれた>>2:245書簡。
つい先程、机の脇に仕舞われていたのを近衛が届けてくれたのだ。
もちろん封は切られていなかった。]
彼女自身に不審点は――見られないか。
[強いて言えば幼少期の経歴が不明という事だが。
士官学校の生徒には食い詰めた平民の子供も多い。
これだけで怪しいと決めつけるには弱すぎる。]
[監査局の資料とも照らし合わせても、
どこにでもいる優秀な若き尉官、としか言ようがない。]
するとやはり、玉座での事は総督の手引きによるものなのか。
……しかし、こんな策謀が出来る様には見えないんだけどな。
[虚々実々の駆け引きというのは武人が嫌いそうなもの。
ラメールに名高き武人であらせられるかの総督閣下は、
いかにもこういった小狡い行いを嫌いそうだが。
――どうにも言葉に出来ない違和感を覚える。
そう、考えていた時だろうか。
>>58白狼騎士団、総勢千弱が王宮に押しかけてきたとの報が届けられたのは。]
…………は?
[硬直。
自体を理解するのにかかった時間は十数秒。そして。]
――馬鹿じゃないのか、あいつは!?
[つい叫んでいた。
フィオン殿とアレクシス殿と死に様を見ても叫ばなかった僕だけれど、
こればかりは叫ばずにはいられなかった。]
このタイミングで軍を動かせば、民がどれだけ動揺するか!
それだけじゃない、我が国には軍を統制する能力すら無いと見て、
他国は干渉を強めてくるに違いない……!
[王宮情勢が不穏だからこそ、軍は動かしてはいけなかったのだ。
大々的にはせず、出来得る限り内々で収めるべきだったのだ。]
こんな時にフェリクス殿下は何を……いや、まさか。
"こうなることを見越して"視察に行ったのか!?
[――そもそもの話。
僕はフェリクス殿下に"軍部の抑え"であることを期待していた。
英雄的性質を持ち、軍からの支持が厚い彼は、
同時に軍を制することが出来る数少ない存在である。
だから現在のような両王子が争う事態になっても、
彼が健在でいる限り軍部の暴発は無いと思っていた。
……それが僕の間違いだった。]
くそっ、目の前の利益しか見えない野蛮人め!
少しは先見の明というものを培えばよいものをっ!
[慌てて監査局を飛び出し、部下に指示を出しながら走る。]
急ぎ殿下に連絡を!
……どちらの殿下かって?
馬鹿者っ!そんなの、どちらもに決まっているだろう!
そこのお前は各所に非常事態の通達!
各部門ごとの連絡を密にせよ!
他は武装して僕について来い!
ただし、僕に万一の事があれば副局長に従うように!
[とにかく王宮への侵入だけは防がなくてはならない。
が、僕の指揮下にある監査官だけで戦力が足りるはずもない。
逮捕権を持つにあたって軽い武装はしていても、基本的に文官。
精鋭と名高い白狼騎士団に叶う筈もない。
せめて衛兵や近衛兵、近隣の配備兵が駆けつけてくるまで、なんとか時間を稼がないと。]
[そして何より。
最善の結果は無論、彼女が軍を引いてくれること。
争いが起きず、人死にも出ず、大事にもならず。
それなら少々の"食い違い"があっただけで済ませられるのだが。]
(まあ、望み薄だよなあ……。)
[それでも、僅かな望みにかけて。
そうでなくとも、なんとか時間を稼ぐために。
僕と武装した五十人あまりは、正門の前に陣を構えて。]
――ゾネス総督!
誰の許しも得ずに兵を引き連れ、
神聖なる宮中を騒がせ奉るとは何事か!
[彼女たちの姿が見えたなら。
八百人の威勢を前に、僕は必死で声を張り上げる。]*
/*
あああぁぁぁ……フェリクス殿下の「内通者を敢えて使った上、軍の仕業という証拠を敢えて遺している」っての拾い忘れたあああぁぁぁ……。
というかフェリクス殿下、部下ごと殺すとかわりと悪辣な謀略使ってきたよね。正統派な武王タイプだと思ってたのに驚いたよね。
/*
えっ……この世界(時代)銃あるん?
クロスボウで狙撃とかしてるから、まだ銃のない剣と槍の時代だと思ってたんだけど。
/*
あと調査の期限はもう間もなくで、まだ過ぎてはいないんじゃ。
……って思ってたらなんだかすっごい後出しじゃんけんが来た。
どうする?どうすればいいの僕。
勢いで対峙しちゃったけど後先考えてないよ!
/*
……そういえばこの村R18なんだよね(今更
えっちぃことしてる人はいるんだろうか。
第三陣営とか色仕掛してたりゲフンゲフン
/*
マスケット銃があるってことは戦列歩兵とかの時代かな。
それならクロスボウ狙撃が存在しても変じゃないかも。
ライフリングという技術が発見されるまでの銃の命中率ってお察しだし。達人の使うクロスボウならこの次代の銃よりよっぽど命中率が高い。
[――頼むから。
頼むから血気に逸ってくれるなよ。
そう心の中で何度も唱えながら。]
……国家の要職たる両名が亡くなられたこと。
僕としても本当に遺憾であり、哀悼の意を表します。
[あくまで僕が一喝したのは最初だけ。
後はなるべく相手を落ち着かせるように、努めて冷静に。]
後継に関しては、"アレクシス殿の意志を引き継いだ"参謀本部と、
我々監査局のの合同による調査結果が近日中に出されます。
かの文書の真贋、真の後継者がいずれであったのか。
先王陛下の真の御遺命は、その場において示されるでしょう。
[少なくとも僕は嘘は言っていない。
参謀本部の調査でも文書が偽物という証拠は出なかったのだ。
このまま行けば、期日の発表の日には「遺言は本物――後継者はウェルシュ殿下」という結果が出るだろう。]
ゾネスから遠路遥々、苦労の事と存じ上げます。
しかしながら宮中を取り締まるのは近衛兵の役目。
不正を調査し弾劾するのは我らの役目。
そして貴殿の役目は、北の守護神として在ることのはず。
[本当なら、今すぐにでも逃げ出したい。
僕は自分の人生の中で二番目に自分の命が大事だから。
これだけの銃口を向けられては生きた心地がしない。]
……総督閣下。
貴殿の力は、内に向けるべきものなのですか。
それとも、外に向けるべきものなのですか。
[でも、ここは退く訳にはいかない。
いま退いたら、おそらく僕はこの先、最も大切なものを失うことになりかねないから。]*
[近衛兵や守備兵たちは続々と集合しつつあるようだ。
纏めたのは殿下だろうか、さすが仕事が早い。
王宮の全兵力を集めれば、白狼騎士団に打ち勝つことは出来ずとも、防戦することはくらいは可能だろう。]
(……うん?)
[そう考えていた時だろうか。
アイリの近くにいる兵士の一人が、>>123不可思議な動きをしているのに気がついたのは。
その揺れ動く銃口が、此方ではなく彼女の上官へと向けられているような気がするのは、僕の思い過ごしだろうか。]
[何にせよ、動きがあるなら対応しなくては。]
……兵士たちに、裏口から市街に出て
騎士団を左右から挟む形で潜んでいるよう伝えろ。
ただし半包囲に留めて完全には取り囲むなよ。
逃げ道を塞ぐと、人は死に物狂いになるからな。
[後方の道以外を囲むよう指令を出して。
>>118再び正面に向き直ると。]
言われずとも、真実は包み隠さずお伝えしましょう。
……しかし、協力の申し出はお断りさせて頂きます。
我らは職務上、常に独立不覊を貫かねばなりません。
また、僕の職位と権限は先王陛下より賜りしもの。
僕の指し示す真実に不満があるならば、今は亡き陛下にその責を問われるがいい。
[彼女の忠誠心を刺激して事を収めようと試みるが。
ともすれば先王陛下の威光を盾に取っている、とも取られるかもしれない。]
[彼女の手が高く掲げられれば、ぴくりと眉を顰める。
妥協点を探る暇すら与えてくれないとは。
こうなってはもう、どうしようもないか。]
……これが最後通告です、総督閣下。
そこからあと一歩でも踏み出せば。
その手を此方に振り下ろしてしまえば。
貴殿は王宮に弓引いた反逆者として、後戻り出来なくなる。
フォールデンの名を叛徒にしたくないのならば。
――即刻、兵を退かれよ!
ああ、この中にはゾネスの者も居るだろうね。
かく言う僕も、その一人なのだから。
[>>210彼女が放つ誹謗の言葉を、僕は一笑に付して。]
ウェルシュ殿下がどのような御方であるかを思い出せ。
僕から告げる言葉は、それで十分だ。
[人を愛し、国を愛し、平和を愛するあの方が。
非道な粛清を行えると思うか否か、各々考えてみるといい。
そう告げてから。]
……ゾネス麾下の諸兄ら兵士に告ぐ!
お前たちはラメールの誇り高き兵なのか!
それとも反逆者アイリ・フォールデンの私兵なのか!
お前たちの指揮官が行おうとしている軍事行動は、
フェリクス殿下の御裁可すら頂かずに行われた暴走!
これに与するものは皆、叛徒であり――その三族に至るまで罰せられよう!
……もしも国賊の汚名を厭うならば。
もしも自らと家族の安寧を望むならば、考えてみるといい!
お前たちが構える銃口は、どちらに向けられるべきかを!
[最早、総督の説得は諦めていた。
だから次の狙いは、総督とその部下を仲違いさせること。
白狼騎士団の多くは彼女に心酔している私兵。
しかし、中には国賊の汚名を恐れるもの、家族にまで累が及ぶのを恐れるものも少なくはないだろう。
僕の言葉が少しでも不和を生み出してくれれば、と考えていて。
――そして、一発の銃声が響いた>>215。]
[>>231馬上に力なく倒れる総督の姿。
指揮官を失い引き上げようとする騎士たち。]
……近衛、守備兵、すぐに制圧を開始せよ。
ただし逃げる相手を深追いするなよ。
[やがて一人、また一人と武器を落として。
日和見で参加したらしき衛兵たちは武装解除に応じてゆく。
直属である白狼騎士団の多くは撤退を選び。
唯一の逃げ道には回り込んでいた兵士がいたが、彼女達が必死の抵抗を見せるようならば、それ以上は追わなかっただろう。]
[――騒動は呆気なく沈静化した。
騎士団員は手負いの指揮官を守るように撤退したが>>243。
あれだけの傷、ちゃんとした場所で手当しなければ助かるまいと、少なくとも僕はそう見ていた。]
念のため追撃は行う。
ただし街中を戦場にしないように、此方に被害が出ないように。
そして何より重ねて言うが、深追いはするな。
奴らは腐っても精鋭、白狼騎士団だと心得よ。
[中には最後まで抵抗を試みる者がいたかもしれない。
主君を逃がすためと殿を努めた者もいたかもしれない。
いずれにせよ、追跡した兵士たちが目的に追いついた時、
彼女は既に虫の息であったか、それとも既に亡くなっていたか。
果たして。]*
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