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オクタヴィアス殿が先を行かれて、
軍が行かれるならば、儂がこの場に留まる理由はない。
だがどうしたことか、
… 我が主は、
オクタヴィアス殿との会見を望まれておいででしてな。
[ふ。と、笑う。屈託のない笑みだ。
どこか似た魂の、だがまるで違う二人の青年の。
邂逅を願うように───…望むようにそう口にして、]
……、だが。
───── 控えよ!!!
[一喝する大音声は、周囲の兵らへと向けられる。
既にオクタヴィアスの後を追い、抜けた騎兵も数多い。
なれど未だに後から来る兵は数多く、彼らはクロイツと男の姿をみとめて驚いたように足を止めていた。
敵将をみとめ、武器を構えるものがある。
一騎打ちと見て控える正規兵の姿もある。
それらへと向け、気迫を篭め声張り上げた。
今は一兵でも多くを、この場に縫い止める為。そしてまた、]
将と将の一騎打ちである。
手出し無用!
互いの信に殉ずるためとあらば───…
…───互いの得手を以って、改めて勝負願いたい。
いかが、ですかな?
[問いを掛け、彼を掴んでいた手を緩める。
一人の武人として、この忠義の士と手合わせせんと願う為にも。
自らの命を盾に、主君の為の時を稼がん、と。
その勝負に乗りはしないかと、改めての誘いを異国の忠義なる男へ持ちかけた//]
[ふ。と、身体を低く沈めた。
すんでのところで交わした白刃が左の肩を掠める。
痛みに顔を歪めながらも動きは止めずに槍を払う。低く狙うは、]
… はッ!
[───ざ。と、短い気合で、槍がクロイツの足元目掛けて薙ぎ払われた//]
― クリーク砦 ―
[仰ぐ旗違えど───>>193、と。
過ぎった思いは恐らくは、そう変わりなかっただろう。
或いは出会い方さえ違ったなら、
親しき友とも呼べたのやも知れぬ、と。
思うのは切っ先の心地良い迷いのなさに。
───ぶん!と薙いだ穂先が、将の左腿を抉った。
肉を裂く手応えが柄から伝わる。
勢いついた槍を引き戻す動作は常よりもやや手間取った。
それは向こうも変わらぬらしい、男二人は軽くよろめくように地を踏みしめながら、それでも倒れず対峙する。]
( だが 譲りは、すまい。)
[互いにだ。相手もそれを知るゆえだろう、言葉はない。
ただ一瞬一瞬、交わす刃に己が誇りと命を打ち込む。]
せえええええええいやああ────っ!!!
[老将が腹の底から吼えた。
吼え声と同時、受け止めた刃弾かんと槍をがんと押し出す。
そのまま勢い良く、槍の柄が半回転した。そして、]
… は ッ ───…!
[半端では、とても通るまい。
だから防御をかなぐり捨てる勢いで体重を乗せ、男は渾身の突きを彼の胸元目掛け*突き出した*]
/*
wwwwwwwww
wwwwあー。これは言葉掛けられないな?ああww
結局クロイツさんと殆ど言葉交わせてねえわ。
ざんねんw
ぐう ……っ、
[それよりも。
引いた勢いで前方へと倒れ来る身体、それを床に落とさぬよう自らの身体を入れ支える。───かつん、と。
男の槍もまた、床に落ち転がった。
どのみちもう、これ以上は振るえそうにない。]
クロイツ殿、
[彼の目線は己を通り過ぎ肩越しに更に向こうへ向けられている。
その視線を追うようにして、首を後ろへ捻った。
薄暗い砦の中の一番向こう、明るく門の形に切り取られた空を背景にして明るい色の髪の青年が馬上佇んでいる>>285
彼の目は真っ直ぐに、己を突きぬけクロイツへと注がれているようだった。
その主従の姿に、密やかに息を飲み込む。
───言い残すことありや、と。
問うことは、やめにした。
今のまなざしが全てであろう。
周辺の兵らが殺気を帯びた視線を突き刺してくる。
さては自分もこれまでかと思うのに、先から一矢とてない>>288
命が行き渡っているのだ、と。
知れる軍の在り様に、複雑な色の息が零れる。]
[素直な賞賛が落ちた。
それはオクタヴィアス率いる軍に、そしてクロイツ自身へも向けられている。
実際、彼の技量がいま少し劣っていたのなら。
そのような決着はなかったであろう。
命奪うまではしないで済んだかも知れなかったのだ。
けれどクロイツの技量はそんな甘さを許さなかった。
男も必死だった…必死に成らざるを得なかったのだ。
少しでも気を抜こうものなら、或いは運が悪かったなら、立場は逆であったろう。
最後の突きは、捨て身の攻撃だった。
隙の大きい突きをかわされたなら、…そこを他の者に狙われたなら、やはり男の命はこの世になかった。
もう当面、左の腕は使えまい。槍も振るえまい。
止むを得ないことだ。
これほどの男に、それだけで済んだなど僥倖だろう。]
オクタヴィアス・ノイアー殿の行く末。
貴殿が命懸けでお仕えしたあの方の行く末を、
この老骨も、叶う限り、しかと見届けさせて頂こう。
あの方の掲げる暖かな光が、この先どう輝けるかを。
しなやかな強さが、いかに未来を変えてゆかれるかを。
儂も叶う限り、見届けさせて頂こう。
[クロイツの代わりに、とは無論言わない。
そのようなこと望んではいないだろうとは分かっている。
けれど男は、どこか己と影写しのようなこの敵手に、恐らくは自らの主に心捧げつくしているだろうこの男に、彼の主の言葉が───在りようが、今この時も未来へ繋がっていることを伝えたかった。
彼が命賭して守らんとする輝きに、男もまた心震わせたことを、どうにかこの忠義な男に伝えたかったのだ。]
儂はこれより他に貴殿に手向ける言葉を持たんが、せめて。
貴殿の心に最後に触れた敵手として。
───尊敬すべき貴殿に、お誓いを申し上げる。
[低く、死にゆく男へと誓いの音を囁く。
彼の耳には届くだろうか。
二人分の血が、次第に床を濡らし広がってゆく*]
[周囲は奇妙に静まり返っている。
微かに、啜り上げるような音が聞こえた。
泣いている兵があるのだろう。
押し殺すような音が、奇妙に大きく耳に響く。
男は、支えていたクロイツの身体をゆっくりと床に横たえた。
既にこの男も、敵手と自らの流した血に染まっている。
いい加減血に塗れすぎていて、どこからどこまでが自らのもので、どこからどこまでが相手のものかも分からぬほどだ。
床に彼を横たえて、立ち上がろうとした。
一度上手くいかずに密かに歯を食い縛る。
視線を床に走らせ、己の槍を拾うとそれを杖に立ち上がる。
ゆらりと立ち上がる血塗れの男は、幽鬼の様だ。
傷だらけでよろめく癖に、目ばかりは爛と輝いている。]
……、
[馬上の人となり、彼の方へと目を向ける。
既にクロイツの周辺には兵らが集まり、その死を悼み、丁寧に運ばんとしているようだった。
その光景を最後に目に収めて、馬の腹を軽く蹴る。
阻もうとする者はなかった。
視線はあったかも知れないが、気に掛ける余裕はなかった。
馬は単騎、森を目指す。
その背を斜めに赤くなる陽が追いかけて*いる*]
/*
オクタヴィアスメモ>兵に手出しされないとは思わなかったん、だ。すごく礼儀正しかった…!このやろうされて引っ張り出されるくらいあるかと、思ったんでしたww
なかった…!
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