情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
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>>-8
はいはい、そちらとは私も会いたいですからね、いつでもどうぞ。
と、私も忘れない内にこちらに帰還しておきますか。
― 情報部特務部隊指令室 ―
[くまぐるみの騒動が、一応の収束を見ていた頃。
特務部隊指令室には、その場の長の姿が戻っていた]
『……お疲れ様です。お早いお帰りで』
やるべき事は終わっていましたからね。
直帰の口実もできましたし、長居は無用でした。
[出迎えた部下の言葉にさらりと返し、ややずれていた眼鏡を直す]
で、守備は?
『大筋、悪く無い方向に纏まったようです』
そうですか。では、一連のデータを。
[短い指示に応じて、今回の騒動に関する経緯やデータがモニタに表示される]
……ふむ。
彼が来ていましたか。
[協力者としてリストアップされていた名前に、僅かに目を細める。
以前の事件の後、『娘』の分身を託した青年は、今回もその技術をフル活用してくれたらしい。
色々と気になる事もあったようで、どうやら一度話をするべきか、と思いつつ]
……その前に。
全員に、甘味の手配をしなくてはなりませんね。
[まずは、と意識を向けるのは、個人として出すボーナスの方だった。*]
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とりあえず、私の方も動いておきましょうか。
以降は通信などで連絡・接触可能です。
そして個人的なボーナスとして、甘味が支給されますよ、と。
― 模擬戦後 ―
[模擬戦の後、色々と思う所を抱えながら足を向けたのは特務部隊指令本部の一角にある応接室。
建前上、外部の人間を通せるのはここだけ、とされる部屋だった]
こうして、直接顔を合わせるのは大分久しぶりだね。
健勝のようで何よりだよ。
[やって来た人物に礼を返しつつ、浮かべるのは穏やかな笑み。
もうひとりの『娘』を託して以降は、通信やメールでやり取りをする程度だったから、こうして直接見えるのは久しぶりだった]
……お前も元気そうだね、小さき『娘』。
[籠から覗く顔を目を細めつつ、そう、と手を伸ばして頭を撫でて]
なに、かわいい『娘』のためとあれば、時間をこじ開けるなど大した事ではないよ。
それに、今回の事態収拾に協力してくれた事への感謝も、ちゃんと伝えたかったしね。
[感謝の言葉にさらり、と返した後、一つ息を吐いて]
……何より、想定外の事態も発生していたようだしね。
[想定外の事態が何を意味するかは、言わずもがなか。*]
― 模擬戦後 ―
[茶兎の嬉し気な様子に笑み深めたのも束の間。
おどけるような口調で綴られた内容に、ああ、と短く声を上げる]
それだけ、君の能力への評価は高い、という事だよ。
……出来得る限りこちらに関わらせないように、とは言っているのだけれど……今回は、非常事態だったのでね。
[司令からの指名、という言葉に対して浮かべるのは苦笑い。
それでも、『想定外』に対する返答に、そのいろは消えて]
ああ、こちらに流出したデータについての確認は済ませてある。
……相変わらず、良い経験をつませてもらっているようで、感謝しているよ。
こちらからの流出に関しては、専属エンジニアからは問題ない、との報告は受けている。
とはいえ、ものがものだからね、念のための確認は必要だろう。
と、いうわけで。
[ここで一度言葉を切り。
そ、と茶兎に向けて手を差し伸べる]
……おいで、小さき『娘』。
少し、内側を見せてもらうよ?
[片手ですぐ傍の端末を動かしながら呼びかける。
精査自体は、なにかを繋ぐ様子もなく、ただ、片手に抱えた状態での端末操作だけで終わるのだが。
その間、周囲には淡いいろの光の珠がふわり、ゆらりと漂っていた]
……ふむ。
[やがて揺らめく光は失せて、同時に、端末の操作も止まる]
こちらからの流出は、なし……『娘』の方で反射的に遮断した上で、『姪』もガードに回ったようだ。
[『姪』が『シュヴェーアト』のメイン・コンピューターである白猫であるのは、今更説明を要する事でもなく]
これならば、データ初期化の必要はないね。
積み重ねは、積み重ねとして、残しておける。
……初期化や巻き戻しなどの事態は、叶う限り避けたいからね。
[ぽつり、と最後に零れたのは、偽らざる本音の一端。*]
― 模擬戦後 ―
あの一件から、『娘』と『姪』は、仲がよくなっていてね。
この辺りも、学習データ反映の成果の一つと言えるだろう。
[『ヴァイス・スノウ』の生みの親は、この辺り複雑そうにしていたが、そこには触れず]
ああ……『思い出』は、何よりも得難く、そして、何にも変えられぬものだからね。
[礼と、それに続いた言葉に穏やかな口調で言いながら、茶兎をそっと籠に戻して]
……さて。
それでは、忘れない内に、これをお渡ししておこうかな。
[言いながら、唐突に取り出したのは色鮮やかなリボンのかけられた箱]
馴染みの菓子店で、新作のマカロンが出たというので、取り寄せた。
口に合うとようのだけれどね。
[特務部隊隊長の隠れた趣味が、リュフトヒェン地区の甘味処や菓子店巡りであるのは、知っている者は知っている。
そして、彼が選ぶものに外れがないのもまた、知る者は知る話。*]
― 特務部本部・機動兵器開発課モニタールーム ―
……また……。
『やらかしましたね』
[模擬戦の最中、『レルヒェ』の『Geist System』を介して上がってくるデータ──『Chronus Drive』の微妙な波形変化。
最終的にそれが行きついた所に、隊長と主任エンジニアがほぼ同時に呟いた]
元々の相性の良さもあるのでしょうけれど……ここ数か月のシンクロニティの上昇率は、桁外れと言いますか……。
『それだけ、覚醒を促す事象が多い、って事ですよね』
ええ。
良くも悪しくも、現状は彼にとっては伸びやすい、という事なのでしょうね。
『……それ自体は、悪くはないと思いますが。
アレ、無軌道なままだとおっそろしいですし』
ええ。
ただ、問題なのは、数値の上昇が感情に左右されがちなところ……ですね。
『あー……確かに。
『永劫』も、不安定なシステムですからねぇ。
……そも、あれ、ホントに動くんですか?』
理論的には。
彼が一定のブレイク・スルーを果たす事で起動するはずです、が。
『…………』
『……ま、技術屋としては、作ったものの成果は見たいですが……。
できるなら……』
ええ。
使う事のない未来を、願いたいものです。
[ぼやくような主任エンジニアの呟きに、浮かべるのは苦笑。
強すぎる力を、世界が必要とせずにすむこと。
それもまた、ここに集う者たちの確かな、そして何より強い願いと言えた。**]
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>>-196
実際、危険物でしょうに。
[その筆頭がいうなという話である]
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