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― 平原 ―
[開かれた道を駆けてくる十数人。>>6
真っ直ぐなその動きに、ふ、と目を細めたのは一瞬の事]
やれやれ、素直だねぇ。
……叩き潰すために呼び込んだ、とかは考えないのかな?
[眼前にやってきた若者の姿に、ふと、こんな呟きがこぼれて落ちる。
もっとも、そんな事をするくらいならば呼び込む以前に押し流させているのだが]
ま、そいつはさておき。
……問われた事には、答えようか。
[畏れを乗せた声が紡いだ問い>>7に、微かに口の端を上げる]
俺は、この隊を率いる者。
ケファラスの長、フェリクス。
お若いの、きみの名は?
[静かな口調で名乗り、相手の名を請い。
それから]
……ひとつ、聞きたい。
何故、あの状況で戦線を離れた?
[投げかけたのは、先も感じた、疑問。**]
ゼファー軍人 フェリクスは、ゼファー軍 将軍 バルタザール を投票先に選びました。
ゼファー軍人 フェリクスは、王国軍部隊長 セルウィン を投票先に選びました。
― 平原 ―
[ふと、零れた呟きに返る声。>>16
強められた眼差しとその言葉に、若いねぇ、なんて思ったのは表には出さず]
セルウィン・アルニム……か。
[返された名>>17を小さく復唱した後。
投げかけた問いに対する答えが来るのを静かに待って]
……なるほど。
[返された答え>>19に、男は思案するように目を伏せる]
ま、確かに、何するか読めない遊撃隊を放置するのは危険。
そこの判断は間違ってなかった。
[最初に落ちたのは、判断への肯定]
ただ、ま。
状況の認識とそこが噛み合っていなかったのは、失策だったねぇ。
……結果的に、指揮を執り、意気を上げる者を欠いたきみの前線は、崩壊したわけだから。
[続いた言葉は、遠慮の欠片もない酷評だったが]
に、しても、まあ。
……別に答える必要もないような問いに答える、その真っ正直さは、評価できるわ。
[率いる者に己が甘さ、至らなさを晒せと言わんばかりの問い。
それに、震えながらも逃げずに答えた誠実さは、この若者の持つ美徳なのだろう。
戦場に立つ者としては、色々とどうか、と思うが]
オジサン、個人的にはそーゆー若い子、嫌いじゃないよ。
……個人的には、ね。
[一転、軽い口調で告げたのは、紛れもない男の本音。
とはいえ、そんな緩さは長くは続かず]
とはいえ。
……今は、命を受け、軍を率いる者としてここにいる。
てわけで、気に入ったからこのままお帰り、とは言ってあげられんのよね。
……もっとも。
そんな言葉は、望んでないと思うけど。
[そんな弱腰であれば、最初からここを目指して走ってなどこないだろうから、と。
そんな思いと共に言い放ちつつ、浮かべた笑みは猛禽のそれ。*]
― 平原 ―
[戻ってきた若手の内心>>28、知る術もなく。
男が見据えるのは、眼前に立つ若者]
……おやおや。
敵に評価されるなんて、滅多にないもんだけどねぇ。
[く、と笑う声音はやや、揶揄いの響きを帯びて]
[そんな揶揄もわずかな刹那。
ここまま帰ることを望まない、という言葉>>30にく、と楽し気な笑い声が落ちる]
……ほう、そうかい。
[首を獲って帰る、という宣。
死ぬためにではなく、勝つために戦う、という意志。
ならば、それに応えるのが男の流儀]
その心意気や良し……
[雄叫びに返し、かち上げられた槍の穂先を、横一線に振るった槍で打ち払う。
振り切った槍をくるり、回して返した後、馬をわずかに下げてその背から飛び降りた。
周囲の兵は、対峙に手出しはしない。
ここで手出しをしたら後が怖いと知るからこそ、彼らが意識を向けるのは若者と共にかけてきた精鋭兵。*]
― 平原 ―
おっと!
[下馬した足が地に着くよりも僅かに早く、槍を旋回させつつ踏み込んでくる動き。>>36
同じ槍と言ってもあちらは取り回しのよい短槍、懐に飛び込まれればこちらが不利になる]
基礎は、抑えてるな!
[単なる勢いだけではなく、勝ち筋を掴まんとする動き。
元より侮る気などなかったが、これは気を入れねば、と思い返しつつ]
……っせい!
[態勢を整えきる前に踏み込まれるならば、避けるよりは迎え撃つ、と。
繰り出すのは、真っ向からの突き一閃。
周囲の兵は対峙が邪魔されぬならばとこちらも牽制の動きに徹していた。*]
― 平原 ―
さすがにそこは、同列にされちゃあかなわんね!
[評に返る叫び、それに対した言葉。
幼い時分から始まる戦い、生きるための過酷な鍛錬を他所のそれと同列にそれたくない、というこちらの矜持がそこには滲む]
……ち、取れなかった、か!
[繰り出した一閃は盾の表面を削り、空を衝く。>>48
とっさに防御を選んだ判断の的確さに感嘆を積み上げつつ、槍を引き戻しながら一歩、下がった]
……望んで加わっていようが、そうじゃなかろうが。
[体勢を立て直した後、零れた声は自責の念か。>>49
届いたそれに、男は僅か、目を細める]
戦うための術を身に着ける、って選択をして。
そのための牙を持って、戦場に立った時点で、戦場の習いは等しく降りかかる。
……将の采配や趨勢に左右されるとは言え、生死は個々の責だろうよ。
[紡ぐ声音は淡々としたもの。
他者の死に責を感じる事、それ自体を否定する事はしないが。
それに囚われては進めぬ、とも知るが故に紡いだ言葉は、どう響くか。
そんな思考を脇に寄せつつ、男は呼吸を整え]
[踏み出す動き、合わせて槍が突き出される。
対し、こちらが繰り出すのは先ほどよりも高い位置を狙った一閃。
盾使う腕を封じる目的で繰り出したそれは]
お、とぉっ!?
[不意に軌道を変えた槍の穂先、それが手元を打ち据える感触に、空を切った]
……ちっ……!
[舌打ちと共に空を切った槍を片手で支えんと試みるものの。
そこに生じるのは、明確すぎるほどの、隙。**]
― 平原 ―
[それでも、という叫び。>>62
戦う以外の生き方を選べる地に生まれ、けれどそれを自ら選んだというのならば]
……戦士として生きる道、それを自ら選んだ、と。
[元より、下馬して対した時点で、『一人の戦士』と見なしていたが。
示された矜持は、彼が若くとも、戦士としての強い意志を持つと改めて伝えてきた]
いいねぇ、ホント、オジサンそーゆーの大好きだよ。
[零れる呟きは軽口めくが、声音に揶揄の響きはない]
[戦場の死を無為とするか有意とするか。
そこに絶対的な解はない、と男は思う。
だから、証明、という言葉>>63に微か、笑みを刷いた。
どんな形で見せてくれるのか、と。
そこにあるのは一抹の期待。
そして、そんな思いと共に繰り出した閃は対する若者を捉え切る事はなく]
……いや、ほんっと。
[表情に浮かぶ高揚。>>64
そこから懐へ飛び込み槍を繰り出す動き。
その瞬間に全力を傾け、好機に食らいついてくる様子は]
真っすぐで真っ正直で……眩しい、ねぇ!
[喉を狙う穂先が迫る中、男は楽し気な声を上げつつ。
僅かに首を逸らしながら、左の腕を翳して槍の穂先をそこで受け止めた]
……けど、ね。
どんなに眩しくて、どんなに好ましくても。
そこで折れて、負けるわけにゃあいかないのよね、オジサン。
国のためにも……今、教練で頑張ってるチビのためにも、なあっ!
[低い気合と共に、槍を突き立てられた左腕を横へと振るう。
狙うは若者の武器を奪いつつ、その態勢を崩す事。*]
― 平原 ―
[引いて避けるよりも受けて崩す方が次に繋げやすい、という思考から、腕を使って一撃を止めた事は相手の虚を突いたようだった]
……このくらい、こっちゃ日常茶飯事よ?
[勿論、受ける位置を見誤れば自身が不利となるのだが、そこまで説明する義理はない]
[途切れた叫び、それが全て放たれていたならば、お互い様、と返したろう。
そも、相容れぬからこそこうして相対し、血を流しているのだから、そこの理解を求めるつもりなどはない]
[左腕を振り切る動きは狙い通り相手の武器を奪い、その態勢を大きく崩す。
そこへ向け、右手一本で構えた槍を繰り出した。
片手で用いるにはやや難のある長柄の槍、この状況で大きく振るうは適わないのは自身が最も知るところ]
……っせい!
[低い気合と共に繰り出した一撃は、下方からの突き上げの閃。*]
― 平原 ―
[突き上げの一撃は、交差された腕を切り裂き、一度、止まる]
……中々。
[何もせずに、ただ一撃を食らいたくはない。
ぎりぎりまで生をつかみ取らんとするその様子に、好感は抱きつつ。
けれど、それは憐憫や容赦へと繋がるものではない。
己が意地、信念、矜持。
それらを貫くために駆けてきた者に対し、向けるべきものではない、と。
一個の戦士としての信念から、そう思うから]
……これで。
決めさせて、もらう!
[槍を引き、片手で高く掲げて頭上でくるりと一回転。
改めて絵を握り直し、突き下ろす。
これまで、戦場で幾多の命を散らしてきた一閃――
― 平原 ―
[突き下ろした一刺しは、違わず若者の胸を突く。
穿ち、貫く感触は、これまで何度となく手に感じたもの]
……兄?
[紡がれたのは、伝言。>>121
恐らくは今後も交差する事はないであろう者へと願う言葉に、男はしばし、沈黙し]
……わかった。
その言霊、必ず届ける。
[返し、紡いだのは小さな宣言。
どうすればいいかは、後から考えればいい、と置いておいて]
[願いの後、紡がれた問いかけ。>>122
それは最後まで言葉にはならなかったが、言いたい事は伝わった]
……さて、ね。
望む望まざるに関わらず、『そうあるべき』と定められた生き方じゃああるが。
[男子として生まれたからには、そうあるのが当然とされてきた生き方。
そこに、個としての望みは介在しないが]
それでも、俺は。
その中で、俺としての在り方を見出してきた……それは、間違いない。
[定められた事だから流されているのではない、と。
告げた言葉は、どこまで届いたか。
兄を呼び、呼吸途切れさせた若者に黙祷する。
周囲の兵もそれに倣った]
さて……と。
[短い静寂は、残った敵兵たちが武器を構える音によって破られる。>>127]
は……隊長が隊長なら、部下も部下、と。
いいねぇ、その心意気……オジサン、嫌いじゃないよ?
[紡ぐ口調は、どこまでも軽い。
けれど、向ける眼差しは鋭いもの]
戦士としての意地を通すというならば、こちらも相応の礼を持って応じる。
……その意志、貫き通して見せろ。
[ここで情けをかけるのは、きっと容易い。
だが、彼ら自身がそれを望まぬのは明らかだ。
ならば、こちらは最大限の礼を持って――手を抜かず、相対する事で、それに答えるのみ]
……戦闘、再開。
戦士としての礼を持って、討て!
[これまでの蹂躙しろ、という命ではなく、戦士として討て、という宣。
それに応じて動く者たちに容赦は欠片もない、が。
そこには先まではなかったもの――相手を認めた上で相対する、という意思が少なからず、にじみ出ていた。**]
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