情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[間近で柔らかに細まる眸を見つめ微笑む。
彼の機微を感じ、胸にあたたかなぬくもりを懐いた。
躊躇いに微かな不安が過ぎるものの
これまでと、今のセルウィンの様子から
どちらかと言えば期待が高まる。
彼の問いかけを受けて、捉われた眸が瞬いた。]
キミは博識だね。
もう一つの目覚めは、初めて聞いたかな。
ああ……、
[セルウィンが伝えようとする意図を悟ったように短い音を零して、
彼より詰められた距離に仄かに目を伏せる。
下げた視線の先には形よい彼のくちびるが映り込んだ。
吐息が肌を掠める。]
セルウィン、――…
[焦がれるひとの名を綴る音にまた熱が篭る。
好きだ、と吐息混じりに呟いて残された僅かな距離を詰め、口接けを交わす。*]
[唇が触れ合う間際、名を呼ばれる声に微かに震える。
まるで身体に浸透していくように、その声は甘く美味だった。
唇が触れる。
伏し目がちの瞳で、目前に居るのが誰かを確かめても嫌悪はなく、
寧ろ酔いそうになるほど心地がいい。]
…――、…
[触れ合わせるだけの短いキスを、
少しだけ首を引くことで離して隙間を作ったなら、
言葉を返そうかと、思い悩んだものの。
今は――、もう一度。
今度は両の瞼を閉じ、その感覚だけを確かめるように触れ合わせる。
頬に添えた中指で、強請るように頬を撫でた。*]
[同性相手ということに最初から抵抗がなかったわけでもない。
思い悩みもしたけれど想いは募るばかりで
セルウィンだからこそ惹かれるのだと今は確信している。
触れ合わせるだけのキスは、
彼の心を確かめるように控えめなものとなる。]
――……、
[一度離れ微かな間があけば
その心を窺うように薄い色の眸を向ける。
問う前に再びキスが落ち、ゆるく此方も角度をつけて
形よくも艶やかな彼のくちびるを軽く啄む。
頬をなでる指の表をやわらかく撫で絡めとり
彼の手を己の心臓の上へと導いて]
キミとの口接けにこれほどまでに高鳴るのだ、と
私の心に偽りはない、と知っておいて欲しい。
[役目を終えた手は彼の頬をそっと撫で返す。*]
/*
うちの環境の問題か、
在席がゆるオンのまま変更できない。
なんどオフにしてもゆるオンに戻るんだが。
メモに在席表示記す方がよさそうかなぁ。
/*
あっ、独り言落としたら表示が変わった。
うむ、注記にあるようにキャッシュの関係上って感じなのかな。
自分にだけそう見えるであって他には反映されてみえるならいいんだけど
鳩で確認しといたほうがいっかなー。
それはともかく。
うちの嫁がかわいいです。
教官がうっかり過ぎてすまないとなりつつ
ふぉろーしてくれたりたててくれたりと優しい癒される。
[重ねるだけの長い口づけに酔いしれて、啄むものに変われば熱の篭った吐息が口端から零れ落ちる。
薄く瞼を開いたら、こちらを窺う瞳と視線が絡んで、音にならない声音が喉奥に突っかえた]
……っ、…
[震えそうになる身体を抑え込み、唇が離れたなら距離を惜しむように額を軽くぶつける。
悪戯に揺れた指先を囚われれば、そのまま、ソマリの胸元へと導かれて。
囁くような声に、暫し、その手に意識を移す。
程なくして彼の言葉通りに衣服の上から微かに心音が掌に伝われば、少し意外そうに目を丸くして]
教官を、可愛いと思うのは失礼でしょうか?
[ふ…、と緩めた表情に揶揄の色はなく。
小首を傾げるようにして頬に添えられた手に肌を擦り寄せた。*]
[零れ落ちる吐息が艶めき己を誘う。
欲のままに深く求めたいという衝動が湧くのを
止めるだけでもなかなかの労力を要した。
コツと合わさる額に自然と笑みが浮かぶ。
意外そうなセルウィンの貌を認め、
どれほど彼に焦がれるか伝え足りなかったのだろうと思う。]
私からすればキミの方が格段に可愛いと思うけど、
……好意ゆえの言葉ならありがたく受け取るよ。
[失礼とは感じない、と、微か首を横に振る。
頬をすり寄せる仕草はまるで甘えられているようで
心までも擽られるのを感じながら、
親指の腹で淡くその頬を撫で遣る。]
あまり可愛い姿を見せられると、
理性を保てる自信がない。
[少しだけ困ったように眉を下げて
互いの鼻梁を軽く触れ合わせた。*]
[金色のカーテンの隙間から覗く眼が三日月の形になるのを眼に留めて、瞬きを一つ落として、応える声に耳を澄ます。
昨日までは揶揄と思えていたはずの聞き慣れた言葉を、はにかんで受け止めて笑えば]
いつも貴方に言われていることです。
……でも、言いたくなる気持ちが、少し分かりました。
[そう返せるのは、彼が拒否する言葉を口にしなかったからか。
機嫌を損ねなかったことに安堵するように眼を細めながら、
彼の手首から手の甲へと自身の手を添える。
頬を撫でる指の感触を愉しむように、また掌へと頬を摺り寄せて、
少しばかり目線の高い、その眼を覗き込んだ。
滅多に見れない、困ったような表情に気づいたなら、
触れ合う鼻梁に擽ったそうに小さく首を竦めて]
……今は、プライベートじゃなかったんですか?教官。
[そう尋ねる声には、くすりと悪戯に笑みが浮かんでしまう。
少し意地の悪いものだったろうか。
窘める言葉とは裏腹に、その場に留めるように頬を撫でる指先に指を緩く絡めた。*]
[聞き入るような気配に幸福を感じる。
浮名の多い身なれば軽口を流されるのも必定。
拒絶されぬだけ良いものとさえ思っていたが、
今はこうして耳を傾け受け止めて貰える。
特別な想い懐く相手ならばなおさらの幸せ。
はにかむ彼の貌を見つめる眸にもそれが滲む。]
いつも思っていたことだからね。
[軽口と誤魔化す必要もないから、
ゆるく頷き彼の言葉を受け止める。
添わされた手のぬくもりが甲に伝わり、
ふ、と力を抜くように吐息を零す。
くすぐったがる仕草は小動物を思わせ愛しさを募らせる。]
プライベートだからこそ。
セルウィン、キミを大事に思うからこそ――…
[自制しよう、と思うのに
上目に覗く綺麗な双眸も、悪戯に弧を描くくちびるも、
男の理性をぐらつかせ、惹きつけやまない。
緩く絡むその指先を軽く握るように包み、
そっと上唇を触れ合わせ、眸を覗く。*]
[いつも、と率直に言われれば、ぱちりと瞬きを一つ。
彼の言葉をジョークの一つだろうと曖昧に言葉を逸らかすこともあった自身を振り返る。
とても可愛いと言えるものではない。と、自身では頷きかねて。
しかし、彼の態度からは嘘ではないことも察すれば、
照れをひた隠すように視線を落とすと]
さすがに……、
いつもではない、と、思うのですが……
[やんわりと言葉を挟んだ。
二人の合間に、ソマリの吐息が零れる。
重ねた指先で彼の指の形を確かめるように辿りながら言葉を待った。
最後の言葉が耳に届くよりも先に、再び視線が混じり合えば
指先も、その視線にも身動ぎ出来なくなり、
唇が触れたなら、その唇に眼差しが惹かれていく。
期待に、ぴくりと絡め取られた指先が動いたなら]
[落ちる視線、伏せられた睫が淡い影を頬に落とす。
やんわりと控えめな言葉に小さく笑み声を漏らし]
キミのことがそれだけ好きってことさ。
[囁きにも似た音色をセルウィンに向けた。
彼の意識、視線が此方に向くのを肌で感じる。
微かに跳ねる彼の指先を愛しげになぞり]
…………、
[彼の名を呼び掛ける前に、淡く消え入りそうな声が耳朶に届く。
ああ、と吐息に混ざるは応じる声か、感嘆か。
喜びを笑みにのせて目を細める。]
セルウィン、キミが、欲しい 。
[願いに望みを綴り、重ね合わせたくちびるが深きを求める。*]
[幾度も積み重ねられた告白に、ふるりと身体を震わせてしまう。
時間をかけて、その言葉に耳が慣れ親しんだのか。それとも…
まるで自身が望んでいたような感覚に羞恥を覚える。
身じろいだ指先を彼の指が辿れば、
その擽ったさに更に大きな反応を返してしまう。
なぞられる箇所から肌が過敏になっていくようだった。
端たない願いを口にしてしまったと後悔を覚えたのも束の間、
声とも感嘆とも付かぬ、彼の音を聞いて。
息を潜めたなら、唇が触れ合う寸前に彼の望みが鼓膜を震わせる。]
…、―― っ
[唇を重ね合わせれば、先程よりも温度が上がったような気がして、
歯列を割って、口腔に彼の吐息と熱さを感じたなら、
欲が滲みそうになる瞳を睫毛で覆い隠して、舌を絡め合わせる。
囚われている手とは逆の手を、腕に添わせて肩口へ辿り着けば、
その先を請うように深く首を傾けた。**]
[初恋は叶わぬものと人はいう。
忘れようとしても忘れられず積み重ねた想いは、
何度綴ろうとも溢れるばかり。
触れた箇所から震えが伝い、
淡く頬を撫でて、支えるように添えるまま口接けた。
割り入る歯列の先を求める舌先が中を探り粘膜へと触れる。
長い睫に隠れる眸を窺いながら、絡めあった舌が愉悦をもたらす。]
――…
[熱にうかされるようにセルウィンの名を呼び
甘い蜜ごと彼の舌先を軽く吸いたて、くちびるを離す。
二人を繋ぐ銀糸が、小さな珠となり伝い落ちた。
肩口へと触れる手をちらと見遣り、誘うような仕草に微笑む。]
ほんとうに可愛いな。
他の誰にも見せたくないほど……
――…ああ、ベッドに移動しよう。
ああ、人並みかどうか試してみるのも悪くないかな。
セルウィン、首筋にでも掴まっておいで。
[あの時の話>>0:134を思い出せば
重ね絡めていたもう片方の手を反対の肩へと導く。
視線を合わせ、一拍置くのは、彼の心の準備を待つため。
腰にある手を背から脇へとまわし、軽く屈むと
促す役目を終えたもう一方の手を彼の膝裏にさしこみ抱き上げる。**]
[次第に深くなる口付けに酔い、吐息が絡まれば水音が耳に響く。
自身でも意識しないような箇所を舌先で擽られたなら息継ぐ吐息も色づいて、ふる、と目元を隠す睫毛が震えた。
頬を撫でる手が心地好い。
名を呼ぶ声にぞくりと痺れる感覚が走る。
その痺れと共に、舌を吸い上げられたなら]
……、っん……
[堪えきれずに喉奥から声が零れて、濡れた瞳が覗く。]
[唇が離れていくのを、無意識に濡れたソマリの唇を視線で追いかけて。解放された指先で繋がった糸を払い、彼の唇をなぞる。
少しでも離れることを惜しむ自身に内心苦笑を零した。]
見たいなんて言うのは、貴方だけですよ。
[くすくすと笑いを忍ばせて、続く言葉を聞いたならわずかに心臓が跳ねる。
然し、その後に人並みと続くと緩く首を傾けた。
すぐには意図を察することが出来ずに、ふわりと身体が浮き上がれば]
…え…、……わっ…
[身体の支えを求めるように咄嗟に首筋に両腕を回してソマリにしがみつく。
有言を実行する辺りが彼らしいが、まさか本当に抱き抱えられるとは。
肉付きがいいという程ではないが、それなりに成人男子には育っているつもりだったのに。
ちら、と視線を向けて様子を窺う。
身体が安定したなら、意図せず彼の言う通りの形を取ってしまったことに片手で顔を覆って]
…びっくりしました……
[そう呟いて、耳を赤く染め上げた。*]
[彼のくちびるより零れた甘い音色が鼓膜を震わし心臓を跳ねさせる。
髪の間より覗く艶やかな眸に、ゴク、と喉が鳴る。
期待している。
もう引き返せない。
――引き返したくはない。
チリと理性が焼け付くような感覚。
は、と、熱の篭る吐息を吐き出した。]
そんな声を出されたら、堪らないな。
[繋いでいた糸を払う彼の指先がくちびるに触れると
ふっと目を細めて、指の腹をちろと舐め上げる。
こうしてセルウィンからも触れられるのがまた嬉しく
彼との時間が心を満たしてゆくのを感じる。
抱き上げた身体はほどよく締まるしなやかさを布越しに伝える。
しがみつく腕に、どこか満足げに口の端を持ち上げた。]
前置きはしたつもりだったが、
――…驚かせたのはすまなかった。
ああ、でも、驚いてしがみついてもらえるなら、
次も悟らせる前に、のほうが、いい、かな。
役得は多い方が嬉しいし。
[少しだけ楽しげに弾むような声でそんなことを言う。]
[彼の方に視線を向けると、赤く染まる耳朶が覗く。
驚きだけではなさそうだと微かな笑みを漏らし]
――…キミを抱いていると実感できる、
ちょうど良い重み、かな。
[軽々と、とはいかぬが
苦にするでなく平然とした様子で
振動を伝えぬように気遣いながら歩み
寝台まで辿りつくと先ほどは片手で隠された彼の貌を覗く。]
ああ、一時でも離すのが惜しい。
[すぐには下ろさず抱いたままぽつと零した。*]
[彼の喉元が動くのを肌先で感じたなら欲を煽られる。
漏れ出た声を指摘されれば、伏し目がちに視線を逸らして、
言葉を返さないことで目許が赤らむのをひた隠した。
彼の首筋に絡めた自身の指先が湿り気を残していて、
指先を喰まれたことを思い出してしまうと、鼓動が早くなる。
それにしても――、
たった数メートルの距離ですらこの格好は恥ずかしい。
しかし落とされるのはさすがに避けたい。
どこか愉しげな様子のソマリに、咎める視線を送ってはみたものの、
彼の話す声を聞いていれば、然程、棘のあるものにはなかっただろう。]
…度々驚かされては、身が持ちませんよ…
[呆れるような素振りで口を挟むのは、照れ隠しからか。
少しぶっきらぼうに返しながらも、首筋に回した手に嫌がる素振りはない。
せめて、彼が運びやすいようにと胸元に身体を添えて、自身の身体を支えた。]
[たった数歩の距離。
その距離が長くも短くも感じられただろうか。
ふと向けられた視線に顔を上げれば、笑みを引くソマリの面持ちが見えて]
ちょうど、というのは『貴方にとって』ですか?
[尋ねながら、彼の首筋に絡む金色の糸を指先に絡める。
此方を窺うような眼差しと共に囁きを耳にしたなら、
少しの逡巡の後、指先に絡めた髪をつん、と引いて彼の気を引いて
半身を伸び上がらせて、彼の頬に掠めるような口付けを残して。
離れ際に、囁くように耳元に口を寄せる]
このままでしたら、貴方の両手は塞がったままだ。
……悪戯しても?
[目を細めて、彼の首筋へと唇を寄せようと*]
[咎める視線から彼にとっては不本意な状況なのだろうと思う。
逆の立場であれば、セルウィンの心境も分かるような気がしたが、
すぐに止めようと思えるほど出来た人間ではなかった。
初々しいその反応が興を添えるのを彼はわかっているだろうか。]
……ほどほどにしておくよ。
キミの身に何かあっては大変だからね。
[照れ隠すような言の葉にやわらかな笑みを見せる。
重心が移り、さきほどよりも軽く感じる。
彼の思いやりに気付き胸があたたかくなる心地がした。
視線が重なる。
ただそれだけで嬉しいというかのように細まる眸。
問いかけを聞けば、軽く顎を引いて肯定を示した。]
無論、『私にとって』だよ。
[髪を掬う指先がうなじを掠め、軽く引かれる。
ピク、と小さな震えがはしり、堪えるような息が漏れた。
頬へと落ちるキスが小さな熱を灯す。
耳朶に触れる蠱惑の囁きに、喉を鳴らして]
悪戯したいのかい?
――…ああ、手が塞がっていても、
[最後まで言葉にしないまま、頬にキスを返し
髪からのぞく耳朶に口接け、くちびるのみで軽く食む。*]
[我が身を案じられたなら、少しバツの悪い顔をしたけれど。
恥ずかしいからだ、とは言えるはずもなく。
ただ自身の傲慢さを恥じているだけのこと。
彼の笑う気配が伝わったなら、薄く唇を噛んで]
そうしてください…
[そう控えめに言うことで体面を保つことに留めた。
ソマリから向けられる視線も声色も唯唯優しく、甘さを帯びていて。
その心地好さに身を任せてしまいそうになる。
躊躇いなく、肯定の意を口にするソマリを見れば、
ふ、と息を吐き出し、笑いに肩を震わせる。
不確かなものだが、彼の言う通り、
本当にちょうどいいのだとすれば、それもいい。]
それなら良かった。
[返す言葉は愉しげに、柔らかな笑みを向けた。]
[戯れのような笑いを残して、再び双眸を細めたそれは少し色付いて。
僅かに反応を拾ったなら、薄い笑みを深める。
問を投げられたなら、視線だけを上げて]
……手持ち無沙汰なもので。
[悪びれた素振りはなく、肌に触れるだけのバードキスを落とす。
数度、啄んだなら自身の頬に彼の温もりを感じて、目許が緩む。
然し、耳に淡い音がしたなら、びくりと過敏に反応を示す。]
…ぁ、待って…
[柔らかな愛撫に身を竦めて、思わず弱い制止の声を投げた。*]
[控えめな声に小さく頷く。
セルウィンが強く望むなら何でも叶えたいと思うが
それを言えば呆れさせてしまいそうな気がして
言葉にするのはやめておく。
抱き上げる腕にも笑みゆえの震えが伝わり
彼が如何して笑うのか分からぬまま
釣られるように笑みを形作る。
躊躇いなきは他の考えなど浮かびもしなかったから。
他の答えの存在に気付き、考えたところで
他の誰かに一時でもセルウィンがこうされるのは嫌だ、と
そんな結論に至ってしまうのだから――。
悪戯したい理由を聞けば納得したように頷き]
……ん、っ、少し、くすぐったい、かな。
[肌に与えられる優しい刺激に小さく吐息を漏らした。
首筋は他より幾分弱い箇所。
静止の声が聞こえるもその弱い音色は煽るかのように感じられ]
――…待てない。
[短い応えに熱っぽい吐息が混じる。
やわらかく食んだ耳朶に軽く歯を宛がい、
窪みをなぞるようにして耳孔へと舌を這わせた。*]
[自身が笑う様に、不思議そうな面持ちを向けるの彼の姿が垣間見えて悪戯な眼を向ける。
少しばかり、焦らしてみるのもいいだろう。
心に宿ったものを今は口には出さずに、自身よりも幾らか大人である彼が戸惑う姿に目を細めた。
きっとそれほど長く、黙っても居られないだろうけれど。
ソマリの見えぬ独占欲めいたには心情にまでは気づけずに、
自身の鼻先で彼の首筋を擽りながら、
漏れる吐息を耳にしたらなら機嫌が良さそうにして、すり、と身体を寄せる。
その行為は、耳元に吹きこまれた吐息からも逃げるような仕草でもあっただろう。
首を食もうとしたところで、熱い息が耳の奥まで届いたなら、漏れそうになる声を押し殺す。]
…ッ、…せめて、降ろしてから、に……
[逃れようにも、暴れては体制を崩してしまうと思えば、
強く押し退けることも出来ずに居る。
脳にまで届くような音が耳に響く度に、びく、と身を跳ねさせてしまう。
刺激に堪えるように目を伏せて、首筋に絡んでいた指先が縋るように服を掴む。
耐え切れぬ程になったなら、は…、と身体の内に篭もる熱を静かに吐き出した。**]
[傍で見守るだけで十分、軽口を交わすだけで十分、と
そう思っていたのに欲はふくらむばかり。
想いを伝え、前向きな姿勢を示してくれたこともあり
軽く振舞っていた男の奥底にあった独占欲が露になってゆく。
すり寄せる彼の仕草に心が擽られる。
かわいい、と自然に漏れる囁きを耳元へ落とした。
期待した囀りは聞こえず、その代わり届く言葉。]
……仰せのままに、我が愛しき君。
[王族にでも対するかのように仰々しく、
けれど何処か悪戯に戯れるように応えを返す。
堪えるような気配がまたそそる。
小さく跳ねる身体、抱える手が微かに動き撫で
形良い耳朶にちゅっと音立て口付けを落としてから
くちびるを離して、服を掴むその手を一度見つめる。
熱篭る吐息を零したそのくちびるにまた触れたいと欲がわく。
その欲求を一度抑えて、静かに彼を寝台の上へと下ろし]
セルウィン、
[愛しげに名を呼び、くちびるを寄せる。**]
[女性にするような手馴れた振る舞い。
そんな男女のやり取りを子供の頃、夜会で何度見たことだろうか。
今はその口説き文句を向けられるのが自身だということに擽ったさを覚える。
鼓膜にリップ音が響いたら、ん、と小さく声を漏らして、煽られた熱にうかされる瞳が滲む。
布越しに触れられる感覚一つ一つまで、自身との意志とは裏腹に反応してしまう身体が憎らしい。
抱えられた身体をあまり上等とは言えないベッドの上に下ろされたなら身体を横たえて、首筋に回した腕が肩口からソマリの長い髪へと滑り落ちる。
覆い被さる彼を見上げるようにして、彼の毛先に唇を落とせば]
もう一度、キスで起こして。
ーー王子様。
[戯れに便乗するような台詞を一つ彼に囁いて微笑む。
唇が降りてきたなら、待ち望んでいたように瞼を下ろして受け入れて、ゆるりと首筋に腕を回して。
くい、と腕に力を込めてベッドへと彼の身体を引き寄せた。*]
[潤んだ彼の眸がこちらを見上げている。
束ねた髪の先にまでは感覚なんてないはずなのに
映り込む甘やかな情景に熱を帯びるのを感じる。
セルウィンの求めはまさに己が欲するもの。
目覚め迎えてくれる眠り姫を前にした王子と同じか
それ以上の喜びを今感じている。
寝台についた腕に重心を掛ければギシと軋む音が響く。]
一度といわず、何度でも。
[愉しげに眸が弧を描く。
彼の眸が伏せられると同時に
まわる腕に誘われるようにくちびるを重ねた。
じっくりと味わうように交わしたキスが熱を煽る。]
――… っ、
[息継ぎの間に荒い息が零れた。
セルウィンの首元、ネクタイの結び目に指を掛けて
熱を帯び情欲を宿らせた双眸が彼の機微へと向けられる。*]
[返る言葉に細まる目許。
声に鳴らぬ感嘆は、重なる唇と共に口腔へと吸い込んだ。
交わる角度を変えたなら、くち、と粘膜が絡む音が口端から零れ落ちる。
深くなればなるほど、首を傾けて更に奥を求めたくなる。
喉が渇きを訴えているようだ。]
……ふ、…ンッ……
[口付けに溺れるように夢中になっていれば、首筋に絡む手にようやく気づいて、
ふるりと、瞼を震わせてほんの僅か、名残惜しそうに首を引く。
視線が絡んだなら、眦が赤く染まっているのが分かるだろうか。
どんな顔をしているのか、分からない。
それよりも――、
離れることを惜しむように唇は触れ合わせたまま、
彼の意図を察したなら、彼の手が動きやすいように身を任せて。
金糸を弄んでいた手を首筋から肩口へと移動させていき、
襟元に辿り着いたなら、衣服の割れ目を辿るようにして腕を降ろしていく。
軍服のボタンに指先が辿り着いたなら、その指で一つ、ボタンを外した。*]
[口腔の柔くもあたたかな粘膜が絡み擦れるごとに官能を呼び起こす。
生々しいその音色に擽られるのは雄としての本能。
彼を抱きたいという欲とその口接けが下肢に熱を集めてゆく。
艶っぽい吐息の音色に酔うような感覚。
もっと聞かせてほしいと強請るかのように舌先で上顎をなぞる。
混ざり合う唾液をとろと流し込み、
首を引く気配に、セルウィンの口腔を解放するが
名残惜しさからか、くちびる同士は触れ合うまま。
眦にひかれた赤が色香を漂わせていた。
見惚れるような視線を注ぎ]
――…キミは誰よりも魅力的だ。
心惹かれるのは後にも先にもキミだけ。
[セルウィンに陶酔するように甘さを帯びた声で囁く。
好きな相手だから何事にも慎重になるし臆病にもなる。
受け入れてくれるだろうと思いながらも
嫌がるであれば其処で止めようとも考えていた。
後者にならなかったことに安堵して、
彼のネクタイを解き、する、と衣擦れの音を立て引き抜く。
セルウィンの手がボタンに掛かれば、
彼のしようとすることを理解し目を細めた。
彼の動きをなぞるように、同じ箇所の、彼の軍服のボタンを外す。*]
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