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― シュビト郊外 ―
[希望>>47には、お任せします――と返した。
自分に拘りはないが、警護する者からすれば要望はあるだろう。
其れを叶えれば良いと思った]
ああそういえば、……
フィオン殿は、ソマリ殿とお会いになりましたか?
[親征軍を離れ、単独行動を取ったアレイゼル領貴族の名を口にする。
彼らが面識あるかどうかは知らないが、念のための確認だ]
民衆の安全を確保する為、
先にシュビトに赴いていただいたのですが…。
[鎮圧部隊と共に戻ってこなかったということは、
独自に動き続ける心積もりなのだろう。
アレイゼル領主の名は、己の利に忠実という点でも名高い。
だから彼の行動が其れならそれで、別に巫女姫も驚きはしない*]
いや冗談だ。
折角だから、今日はクロード・ジェフロイとにさせて頂きたい。
そちらに控える麗しい淑女の方々も構わないかね?
異論があれば言い給え。
それから、民の意見を聞きたいというのは
巫女姫殿下の御意向だが、
巫女姫の魂が宿る身は、あいにくと我らと同じ人の器。
不眠不休で動き続けるのは流石に無理だ。
警護する我々も同様にな。
故に、本日に淑女全員の話を聞くのは現実的ではないという点は
理解いただこう。
似た意見があれば、纏めて届けてくれた方が
声の大きさと共に巫女姫にも届きやすいだろう。
諸君らが、“集会”という形で、主張を太く拠り合せたようにな。
[やって来たクロードを出迎えて、
挨拶代わりに巫女姫は穏やかに笑む]
会見の機会を機に、
ナミュールの街並みを眺めてみたくもありましたが…
私が赴いては、街の皆様に余計な刺激を
与えてしまうことにもなりましょう。
此方まで御足労いただき、有難うございます。
[逸らされぬ琥珀の視線。
その瞳を彩る、燃えるような意志を受け止めながら]
ええ。聞き及んでおります。
それを伺うために、私は今此処におります。
[建前も、其の奥も。
真っ直ぐ向き合わんと、凛とした声で応じた**]
特にみっつめは…。
シュビトの皆様はナミュールの民ですが、
シュビトの皆様だけがナミュールの民ではありません。
ひとつの都市の希望のみに沿って、
国全体の有り様を決めては、
他の街からの不満が上がりましょう。
[結界を壊すではなく、解放という。
まったく、身勝手な物言いだ]
[問いには、ふるりと首を振る]
いいえ。
私がお会いしたのは副史のシメオン殿と、
内容の足らぬ親書だけ。
マチュザレム共和国の方々が、
どのような思惑があって私共の国へ来たかを知るには
少なすぎる材料と言えましょう。
ですから、分かりませんよ。
貴方は、猶予が無い――と決め付けたように仰いますが。
私にはその判断が出来かねます。
伝聞だけに頼って決断を下したくはありません。
そうであれば、私は自ら此処に来たりなど、しておりません。
[静かだが鋭い口調は、
冬の早朝の張り詰めた空気に、何処か似たもの]
…、クロード・ジェフロイ。
私が、貴方の覚悟を此の目にしたくて来たのだと言ったら、
貴方はお笑いになりますか――?
[言葉の言い回しは冗談を思わせるのに、
宵藍に浮かぶ輝きは真剣だった*]
…、殺されませんよ。
あちらも、そこまで愚かではありませんでしょう。
[殺されに…という危惧を、あっさりと否定する]
それに騎士団の皆様が守ってくださいますし。
――そうそう。
学館で御一緒していたフィオン殿がおりましたよ。
あの優秀だった…
フィオン・ヴァイサネン。覚えていますか?
[互いにとって既知の名を投げ掛けて]
[少しの間、落ちる沈黙]
……――――、これは形式ですよ。
どうせ、話し合ったところで主張は相容れない。
けれど私が此の地を退く為にも、
巫女姫として出来る限りの心を砕いた…という姿勢は必要です。
ただ回れ右をする訳にもいきませんでしょう?
此処には一万の兵も、シュビトの民も、居るのですよ。
賢い貴方なら、一番よくお分かりでしょうに。
会見の後は首都に引き上げます。
手筈は整えておきますから。
[それに、許可はもう出してしまった。
口から零れた言葉は、そうそう取り消しなど効かない*]
― 会見の日 ―
[ジェフロイの供として、少し離れたところに女性が3人控えていた>>290。
シュビトの街の代表としての立会人、ということらしい。
そのうち、前方の二人の影に隠れるようにして、控えめに顔を覗かせている人がいる>>306。
まだ年若い顔つきは、同じくらいの年齢を思わせた。
胸元には、白いふわやかな毛玉を抱えている。ぬいぐるみだろうか?この場に不似合いだけれど――と思っていたら、視界の端で、もぞっと動いた気もする。
…。ちょっと、気になるけれど。
そちらばかりに視線を流してもいられない。はしたないし。
対峙している相手にも失礼だ。
だから好奇心を飲み込んで、目の前のクロードに意識を引き戻した*]
フィオン殿、どうか顔をお上げください。
私の方が逆に恐縮してしまいますから。
[相手が顔を上げたならば、
フィオンにだけ伝わるようにと、
内緒を伝える代わりに、軽く片目を瞑ってみせた*]
だからといって、安易に結界を解けば
此れ幸いと軍で乗り込んでくるかもしれませんよ。
そうなれば、まず蹂躙されるのは力無き女子供の皆様です。
―――、検討はなるべく早く進めねばならない…、
それは確かかもしれません。
しかし一度踏み出せば、決して戻ることが出来ぬ道。
慎重を笑われようが、道の先に光があるかを
見定めねばなりません。
[危機感は伝われど、結界の守りの強さを信じているがゆえに。
―――守れる、という自負があった]
[クロードからの宣戦布告。其の覚悟。
それを受け取ることを――此方も覚悟して、此処に来た]
クロード・ジェフロイ。
巫女姫を前にして其の宣言―――良い、心掛けです。
ただ、貴方が煽った街の皆様は、
本当に王府と戦う覚悟がお有りなのですか?
王府に宣戦布告すれば、――…争いは避けられぬでしょう。
貴方が危惧していた外の国との諍いの前に、
ナミュールの人間同士で、血を流そうというのです。
「戦とは何か」を知らぬが故に、
戦に向かおうとしているのではないか、と。
私はただひとつ、其れが心配でなりません。
[クロードたち解放連盟の中核を為す人間ではない……燃料を投げ込まれた結果、火のついた民たちのことを、想う]
私たちは千年の刻、平和の中におりました。
真なる戦は、御伽噺の中でしか知らないのです。
悠久の平和を壊すという重み――――。
宣戦布告をするのであれば、
それを、解放連盟なるものに組みする民の皆様、
一人ひとりが己に問う必要がありますよ。
[おそらく、相手も其れは承知の上だろう。
だから此れはクロードに対して、というよりも、街の代表として此の場に同席している女性たちに向けて言ったというのが正しい]
貴方からの、先程の提言は、王府に持ち帰りましょう。
同時に、貴方の――――宣戦布告も。
[埋まらない溝が出来る。
想いと想いがすれ違って、軋む音]
其れで、宜しいですね。
/*
タスクが…わかめ…。
シロウも拾いたかった……。
マーティンも、…お二人とも。がんばれ、がんばれ。
(そっと応援)
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