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男手が奪われたのに彼?
……徴兵できない程身体がアレとかソレな人が残って横暴になったイメージです。ごめんなさい何も考えてませんでした。
*/
/* ところでですねー
天使長に切りかかるわ、担当していた魔物は逃げ出すわ
オクタヴィアさんめっちゃ立場危うくなってません? (震え声)*/
[まごつく彼女>>112を有無を言わさず連れ、走り出す。
なだらかな丘から少し下まで来ると、風が巻き起こる。
その先に六対の翼と銀糸をたなびかせるジークムントの姿があった。>>113
掴めと言われ頷きで返し、シルキーと共にその手を掴む。
全速力の飛行はすぐに霧の追っ手を巻き、宮殿へと辿り着くことができた。>>112]
っは、ぁ
[と同時にその場に膝をつく。大分無茶をしてしまった。
だが無事逃げ切れた矢先に投げかけられるのは、シルキーの問いに混じった怯え。>>112]
…オクタヴィアです…。
主の…お導きによって…地上より招かれた、人間です…。
覚えて、おられませんか、シルキーさま。
[一時的な健忘か、それとも。
迷いながらも、隠す必要もないと名乗る。
務めて穏やかな声を使い、害をなすものではないと示す。
傍らのジークムントも証明してくれるだろうと、視線を投げた。]
それが…。
[ジークムントからの問いに>>117これまでの経緯をかいつまんで説明する。
急に霧が立ち込め、吸ってしまった自分は炎に包まれ剣で切りかかってしまったこと。
シルキーの癒しの力により治癒された直後再び霧に襲われ、それからシルキーの様子がおかしくなってしまったこと。
シグルドの姿も見えないこと。]
[願い通りジークムントからも説明して貰えば、シルキーも納得するだろうと胸を撫で降ろす。
そして今までの流れを踏まえて、ジークムントの顏を見た。]
…シルキーさまも霧にやられてしまったのかもしれません。
癒しの力でなんとかなりませんか?
[だが彼から提案されたのは、やや趣が違った。
…平時であれば特に問題の無い提案なのだが、何かが引っかかる。]
無理に連れていかずとも、ここで力を使えばよろしいのでは?
[訝しげに思い、問いながら。思い出すのは、霧の中でも大声を張り上げていた彼の姿。
憶測が胸の中で回る。
気のせいだろうか、彼の目つきが…ぎらついた肉食獣のぬめった物にも感じられた。]
[だが更に問うのは憚られた。
シルキーに襲いかかり、力を使わせてしまった為に霧に巻かれた可能性があるのだ。。
そんな彼女はどう思うのだろうと、返事を待つ。]
[シルキーの様子を窺うと―視力も奪われたようだ。>>124
言動と、視線の先を見て危機感を募らせる。
少し考えて、記憶が全部消えたわけではなく、オクタヴィアが来る前、ジークムントを呼び捨てにする前に戻った…という方が正しいらしい。
ならば下手な手を打つより知っている者に保護させるべきか―?]
シルキーさま、ご心配なさらず。
[そっと彼女の肩に手を置き、優しく声をかける。
…迷いが判断を鈍らせていく。]
[返答を求め再びジークムントへ視線を向けた―]
…っ
[帰って来たのは強い語調での否定。>>130
思わずその気迫に圧され、言葉を飲み込む。
言っていることは最もだ。それにオクタヴィア自身も深い疲労に苛まれている。
どうしようもない違和感が、ささくれのように引っかかり、眉を寄せたが―]
じ、ジークムントさま!?落ち着いて…っ!!
[数秒の沈黙の後声を荒げた彼>>132から一歩後ずさる。
其処には獣のようないやらしさはなく、気のせいだったかと思いすごすことはできたが。
激情のまま振るう癒しの力がどう作用するか、わからない。
ただ事の成り行きを見守るしかできず、狼狽えた。]
シルキーさまっ
[傍らに居た自分が彼女を抱きとめる形になった。
今度は目を閉じてしまった。
慌てて口の前に手を翳すも、呼吸はある。]
……こうなってしまっては、どこかで休ませたほうが賢明でしょう。
ジークムントさま、お願いします。
[まだ迷いはあるが、女一人の手には負えない。
見知っている者ならばシルキーも安心だろうと考えた。]
私は、捕虜たちの様子を見に行きます。
[どこか苦しげに息を漏らすジークムントを見遣りながらも、ゲルトの姿を認めれば二人がかりでなら大丈夫だと考え、その場を辞することにした。
それにあの霧が収容施設も襲っていないとは限らない。]
では、私はこれで。
[疲労の色が濃い顔を伏せると、その場を去っていく。
行く先に、更なる混乱が待ち受けているとも知らずに。**]
―→収容所―
[思い起こされたのは、辛い記憶ばかりではなかった。
道すがら、オクタヴィアは自らのルーツを辿る。]
…そう、私は…
[父を早くに亡くし、母が女手ひとつで育てあげてくれた。周囲の協力があったとは言え、決して楽な生活ではなかった。
朝も夜もなく働く母の背中を見て、わがままなんて言える筈もなかった。
けれど、どうしようもなく―人が恋しかった。]
[近所の子と遊ぼうにも、同じ年頃の女の子はおらず、男の子は棒を振り回したり走り回ったりしないオクタヴィアをからかうばかり。
そんな彼女の遊び相手となってくれたのが、隣に住むあの子だった。
花摘みや、母の真似をしてのおままごとに嫌がらず付き合ってくれ、同時に色々なことを教えて貰った。
花冠の編み方もそのひとつだ。
あの花が咲く草原に、よく二人で遊びに行ったものだ。]
[胸のロザリオを握りしめる。
悪魔と悪魔に唆された者たちが村を襲った日のことを、よく覚えていない。
ただ逃げのびるのに必死だった。
―自分ひとりだけ生き残ってしまった。
その罪を、常に胸に抱いてきた。]
ただ、生きてさえいてくれたらいいの。
二度と会えなくても、私はずっと…、
[呟いたその瞬間、視界に飛び込んできたのは―]
―収容所前―
[やたらと騒がしい。あの霧がここまで立ち込めたかと思ったが、それにしては天使たちの様子がおかしかった。
何事かと尋ねる前にふと空を見上げ―]
フェリクスさん!?
[丁度、ユーリエを伴って飛び立つ彼の姿を目撃し>>199思わず名前を呼んだ。
けれどこの位置からでは、既に高いところまで昇ってしまった彼には届かないだろう。
そういえば、彼は羽は見えないが飛べると言っていた。
けれど、どうしてあの檻の中から抜け出したのか―?]
[その姿を見て―
ほっとした自分がいた。]
[ユーリエ。
彼女はただ親が魔物というだけで捕らわれていた。
彼女の心は無垢そのもので、彼女自身に罪はないというのに、上級天使たちは首を横に振った。
フェリクス。
彼はただ彼の思った道を人間たちに示していただけだ。
堕落したのは、他ならぬ人間の弱さと脆さのせいだ。
誘惑を振り切ってこその真の強さというものだ。]
[人を導く聖女として、広い世界を旅し、人間たちを見てきたオクタヴィアは―
人間の強さと同時に、弱さも知っていた。
故郷を襲った悪魔たちに唆された者も、強き心があれば、と。]
[主や天使の導きがなくては生きていけない。そうではなく。
結局は自分自身の心を強く持たなければならない。
今以上に天界が地上に介入したら、頼り切り更に堕落するだろう―]
[物思いに耽っていたが、気づけば周りを取り囲まれていた。
収容所の管理を任され、警護を担当している天使たちだった。皆、顏が殺気立っている。]
…っどうしたのです!?
[徐々に包囲の輪が縮まる。怯えをなして下がろうにも、そちらにも天使がいた。]
《あいつらの担当はおまえだったな、人の子よ》
《おまえが逃がしたのだろう》
《やはり人間など信用すべきではなかった》
[口々に囃し立てるのは、元々人間嫌いでオクタヴィアが捕虜の世話係になることに眉を顰めていた者たちだ。
傲慢そのもので数々の嫌がらせをされてきた。
その度やり過ごしたり、彼らのその上の天使に申告して、つい最近ようやく鳴りを潜めたところだったのだ。]
待って!私は収容所とは反対のほうから来ました!
鍵は此処に確かにあります!
[ポケットの中から輪に通された二つの鍵を取り出す。
捕虜の調子が悪い時や寝具を入れ替える際に必要だと借り受けていた。
だが天使たちは憤る。
―鍵自体が壊され、そこに魔の力が纏わりついていたという。]
《おまえが手引きしたのだろう》
《あの者たちに同情していたからな》
《これだから人間の女は。魔物を誘惑して連れてきたのだろう。》
ちがう!違う、私は…!!
[真っ青になりながら必死に反論する。
けれど頭に血が昇り、人間を堂々と責め立てられる機会に恵まれた天使たちは、耳を貸す気配もない。
これでは埒があかない―…]
《捕らえろ!この魔女を異端審問会に突き出すのだ!》
[怒号が辺りに響く。]
離して…っ
[とうとう腕や肩を掴まれてしまった。逃げようにも疲弊した体ではどうすることもできず、焦りばかりが募る。]
[ふと空を見上げると―]
…っ
[豆粒ほどの小ささだが、フェリクスがこちらの様子を窺っているのが見え、愕然とした。>>233
彼らを呼び戻せば、無実は証明されるかもしれない、けれど。]
………っ!!
[こちらに来ては駄目!いいから逃げて!
自由になる首を横に振り、逃げるよう促した。]
[更に抵抗を続けるオクタヴィアに焦れた天使が手を出そうとした瞬間―
フェリクスたちが急降下し始めたのを見て、ぎょっとした。>>245
飛行になにか問題があったのか―考えを巡らせる前に、天使たちを一括する声が響き、>>250
フェリクスの蹴りが手を伸ばしてきた天使にヒットする。>>254]
ど、どうして…。
[問いはフェリクスとシルキーへと向けられたもの。
ユーリエを見れば出来事についていけてないのか硬直していた。
オクタヴィアもあまりの急展開についていけていないので親近感がわいた。
そうしていると、フェリクスが天使たちに向かって怒鳴った。>>255
またも目を丸くする。
…彼は面倒事を嫌うタチではなかったか?
もう何がなんだかわからない。]
[浮き足立っていた天使たちも天使長>>261には逆らえず、オクタヴィアを掴んでいた者も手を離した。
その姿に、国の権力にへこへこと媚を売っている役人たちの姿を重ねて、軽蔑の視線を送る。]
[部下の天使たちを一方的に信用せず、状況を見極めようとしているシルキーに目を向けた。
近付かれ>>265、思わず身構えたが、それも杞憂に終わる。]
…いえ、貴女が謝ることではありません。
[頭を下げられ今度こそ動揺した。
もしや霧の効果が―なんて馬鹿げた思考を振り払い、こちらも務めて冷静に返す。
それよりも、問題は鍵を壊したのは誰かということだ。
傍らに立つフェリクスに視線を向け―]
[クラリ。]
っあ………
―バタン―
[疲労が蓄積した後、一気に気が抜けたことで意識が遠くなる。
フェリクスが牢に戻る事を了承したのを見届けることなく、その場に倒れ込んだ。]
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