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― ... ―
[ 子供の頃、両親は病で死んだのだと祖父母に聞かされて、彼は育った。
異能を持つ事は幼い内から判っていたが、その力は、ダウンタウンに近い場所で暮らす老夫婦と孫の小さな家庭を、異形獣や、憑依体の恐怖から守るためだけに使われていて、そのことに何の不満も感じてはいなかった ]
[ だが、一人の男の来訪が、全てを壊した。
少年だった彼と、とても良く似た容貌を持った、その男は、明らかな狂気をその瞳に浮かべて、彼に微笑みかけた ]
『見つけたぞ、クレステッド…』
[ 感じたのは、昏い絶望…逃れられない茨の鎖に絡めとられたかのような ]
[ そして、激しい苦痛と、魂を食い破られるような恐怖が少年を覆いつくし… ]
― 舞踏場内部 ―
[ 融合体となってからは、余り眠る必要を感じない。
けれど、時折、過去の記憶を突きつけるかのような夢が、意識の狭間に滑り込む ]
...やはり、動揺しているということでしょうね。
[ 相手に覚悟を問い、ソマリには、迷いは無いと言い切った。そうでありながら、尚...残されたヒトの心が、揺れるのか。
揺れる事は即ち弱さに繋がると、知っている筈だというのに ]
...――Search
[ 迷いを振り払うように広げた探査の網に、舞踏場に満ちた異形種が、ざわめくような気配を感じる。
まるで、何かを歓迎するかのように。
それは、異形種が憑くべき相手として求める「ヒト」が、舞踏場に現れたことの徴 ]
もう、侵入しましたか...やはり、侮れませんね。
[ 「ヒト」の気配は直接には辿れない。けれど、異形種の反応を拾えば、ある程度の方角は特定できた ]
では、お出迎えに行きましょうか。
[ 白いレザーコートを翻した男の表情から、すでに先刻の動揺の色は消えている* ]
― 舞踏場 ―
[ 銀の煌めきの舞う中を、男はゆったりとした足取りで、外殻に近付いていく。既にジェフロイとファミルは対峙していたか。
視界に捉えたとしても、そちらには、構わず、もう一人の侵入者へと、青灰色の瞳を向けた ]
やはり、来たのですね。...シュテラ。
[ 半年ぶりに、その名を呼ぶ声は、冷たく固い ]
/*
ふむ、シュテラ嬢遅くなりそうかな。さて、どうすっか?
小出しにする予定だった回想たれなが...そうにも、設定完成してない、というね(まて
[ 既に彼女の射程の内、と、知りながら、男はその顔がはっきりと見える位置まで歩みを進め、小さく震える声で名を呼ばれると>>*3薄く唇のみに笑みを乗せる ]
どうしました?私を狩りに来たのでしょう?
[ 言いながら、白いレザーコートを脱ぎ捨てる。戦う意志を見せつけるかのように ]
[ 剥き出しとなった腕が、暗緑色の鱗にみるみるうちに覆われて、刃のような外骨格と、鋭い鉤爪を持つ皮膜翼に変化する。
変化が終わるまで、シュテラは動かずにいたかどうか ]
[ 逢いたかったと、告げるシュテラの言葉に>>*7異形と化した男は、一度だけ、目を伏せる。
けれど、その想いに応えることはなく、爬虫類の瞳孔を持つ、銀の瞳を彼女に向け ]
私は、もう...
[ 意志を持って放たれた銃弾>>*8...それを、両翼となった腕を、身体の前に交差するように重ねる事で、防ぐ。
左側の翼の一部の固い鱗が削れ、硝煙をゆらめかせるが、痛みを感じたとは見せずにそのまま竜人の姿となって ]
貴女の知る、クレスではない...!
[ ばさり、羽ばたきと共に、宙へと身を運んだ ]
/*
とりあえず、私は、今の台詞が言えれば概ねミッションコンプリートである(はや!
特攻型肉体言語と、飛び道具だから、そんなに時間かかるバトルにはならねーだろうと思ってるんですけどね、ええ。
あ、最後は押し倒す予t(
[ 如何に突き放そうとも、彼女の意志は揺るがない ]
(貴女らしいですね、シュテラ)
[ 声に出来ない想いは、胸の内に落として ]
[ 口にする声は、殊更に冷たく ]
事実であろうと、過去は過去です。
[ 上空から、狙い定めるように見下ろした、その足を狙って機関銃の弾が放たれる>>*12 ]
もう、戻ることはできない...!
[ 身を捻り、まともに喰らうことは何とか避けたが、鱗に完全に覆われてはいない脹脛を掠めた弾丸が傷付ける。
そこから流れ出るのは、ヒトと同じ紅い血だけれど ]
[ 戻れたなら、とは、言わない...言えない ]
ジェフロイから伝言は聞いたでしょう?
[ 足を傷付けられても、翼の動きは鈍る事も無く、ばさりばさりと、羽ばたきながら、彼女の頭上を旋回する。その動きは緩急を交えて不規則で、銃の狙いを付けにくくする筈だった ]
殺すつもりなら、狙う場所が違いますよ?シュテラ。
[ 言いざま、ふいに大きく強く翼を振ると、固い鱗が数十枚の礫となって、彼女の頭上から降り注いだ。
それに一瞬でも彼女の気が逸れたなら、急降下して、機関銃そのものを刃の如き翼で弾き飛ばそうとする* ]
[ 過去は変わらない、想う気持ちも無に帰すことはないのだ、と、彼女は口にし、笑みを零す>>*16,>>*17 ]
(何故、笑えるのですか?)
[ 問いは、やはり声にはならない。それが戦うことを楽しむ笑みでも、余裕を見せるための虚勢でも無い事は、彼自身が一番良く知っている。
その笑顔は、彼が最も守りたいと願ったものだったから ]
[ 苛立ちが男を襲う。それは、シュテラの笑顔に対してではなく ]
甘いのですよ、ジェフロイも、貴女も!
[ 放った鱗の礫が、彼女の顔から笑みを消させる、そうするしかない己自身に対しての、どうしようもない苛立ち… ]
[ けれど、全ては銀の瞳の奥に押し込めて、鋭く振った右の翼はシュテラの銃を跳ね上げ、更に、左の翼は刃となってその腕を切り裂こうと横薙ぎにする ]
く…!
[ 蹴り上げられた足に、その軌道は半ばで阻まれて、翼の動きが止まった事で、男は地へと足をつき、そのまま背後へと飛び下がった。
次に放たれるであろう銃撃を予想して、身を守るように、身体の前に交差する翼の一部が、飛ばした鱗の分だけ、隙間を空け、一部に薄い皮膜の部分を曝していることは、シュテラの目に留まっただろうか* ]
/*
いかんな、二重表現多発しておる...ほんと、毎度思うけどもちつけ、じぶん。
そして、シュテラ可愛いよシュテラ。ほんと、こんなダメ男にはもったいない...
/*
ふむ、やはり舞踏場を守るのは異形の本能か...すると銀の娘を守るのも本能の部類だね。
まあ、誰も攻撃はせんと思うが。
[ 予想通りに、シュテラの構えた二挺目の短機関銃から、暗緑の翼をめがけて弾丸が浴びせられる。男は、前とは違い、その弾丸を受け止めるだけではなく、着弾と同時に右の翼だけをばさりと開いて、弾き飛ばそうとする。
結果、左の翼はほとんど無傷のまま、だが、右の翼は鱗の剥がれている数カ所が朱に濡れて ]
腕を上げましたね。シュテラ。
[ 僅かに浮かべた笑みも男の声音も冷たいまま、痛みは表情にも現れてはいなかったが、すぐに飛び立つ事はせず、再び両翼で身を包むように閉じて、そのまま、今度は地を蹴り、シュテラに向かって駆け出した。
頭を下げ、身を低くして疾走る竜翼の長く鋭い鉤爪がシュテラの眼前に迫ろうとする* ]
[ 迫る鉤爪をかわし、シュテラが足下に滑り込む。>>*27男は足を払われてバランスを…崩したかに見えたが ]
そう簡単には…
[ ばさり、閉じていた翼が開かれて、一瞬だけ足が宙に浮き ]
いきませんよ?シュテラ。
[ 囁く声は睦言めいて、ざくり、と、右の鉤爪が、下になったシュテラの左肩近くを掠めて、地に刺さる。鈍く暗緑に光る鉤爪にも、皮膜から滲んだ朱が伝って、ぽたりと、零れ落ちた ]
[ シュテラは、すぐに抜け出しただろうか?少しでも動きが遅れたなら、もう一方の翼の端が、刃となって、その喉元に突きつけられる ]
[ その刃は、すぐには彼女を引き裂こうとはしないけれど* ]
[ これまでの、彼の動きを見ていれば、予測のついた攻撃のはずだった。それ故に、彼女がまともに鉤爪を受けた事に、銀の瞳が僅かに揺らぐ。>>*32
しかし、刃と化した翼の動きは止まることなく、シュテラの喉元に迫る ]
ぐうっ…!
[ 痛みに耐えた彼女のナイフが、剥き出しになった皮膜に突き立てられたのは、ほぼ同時か。地に埋まった翼は、避ける事も出来ず貫かれ、始めて苦痛の呻きが、彼の喉から漏れる。
避けた皮膜から、ぼたぼたとこぼれ落ちた朱がシュテラの腕と身体をも濡らしたろう ]
は…
[ 荒く息をつき、男は目を細める ]
無茶を、するな、と…言ったのは、貴女では、ありませんでしたか?
[ 突きつけた刃は動かさない。けれど、彼女がそれ以上ナイフを動かせば手元が狂わぬ自信は男にも無かった。肉を斬らせて骨と断つ、というには、あまりに危険な行為と、男には見えて、思わず口調には苦い色が滲んだ* ]
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