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[>>213曹長の質問は却下される。
>>209今後の方針は少尉の頭の中には出来ているらしい。
気が立っている様子なので刺激をしないようにと、大人しく医務室へと向かう列に加わった。
道中になされた説明で上の指示を、という言葉を聞けば、決断を下す上官がいる事が知れた。
顔には出さないが、思ったよりも人が残っているらしい事に驚いていた。]
…分かった。
[それだけ返して男は少尉の指示に従う事に決めた。
下手に逆らっても意味はない。
報告の時に名前が必要であれば、所属と名前は名乗っただろう。**]
―医務室―
[>>220文句を漏らす曹長には口元に苦い笑みを浮かべる。
けれど利き手を…と聞けば、]
利き手を怪我したのか。
それは……。
[命を落としてしまったカシムを思えば気の毒にとは言えず、口を噤む。
そうしてシュテラにシップを貼って貰っただろうか。
打ち付けた左肩は多少の内出血が見られただろう。
曹長は医務室詰めが気に食わないらしい。
自分達の立場から見れば、そうした考えになるのは仕方ないだろう。]
――潔白の身であるなら、あまり刺激するものじゃないぞ。
[頬を膨らませる彼を窘めるようにそう言っておいた。]
[>>231女性兵―ウェルシュに名乗ったので名はシュテラと分かった―に、違いますよね、と聞かれれば。]
その質問は現状では、違う以外の言葉は得られそうにないぞ。
――勿論違う。
俺はクロトフとの戦闘中に兄を失っている。
クロトフを憎む気持ちはあっても、組する理由はない。
[感情を殺して淡々とそう答えるが、壁面を見つめる瞳には一瞬殺意を孕む光が宿ったかもしれない。]
[>>221しかし、外を出ようという話になれば目を瞬かせ。
立場上、窘めようとするが]
――…それはそうだが。
[男としても調査はしたい。
けれど自分達がこの場からいなくなれば更に疑いを強める事にならないだろうか、と。
生活を感じさせる言葉には思わず脱力する。
食事は身体を適切に動かす為には必要だ。と端的に思った。]
……。
食事、か…。
タラクト一等兵、君は――…。
[>>232女性兵の方に視線を向ければ、腹が鳴った。
頬を赤らめる彼女からは一応それとなく視線を逸らし。]
[食事をしたいという彼女の言葉は率直で切実そうだった。
危うくも見えるが、二人は士官ではなく兵士だ。
男は腕組みをして―吊られた左手に右手を添えて― 一度息をついた。]
……分かった。
だが、書置きを残していくぞ。
これ以上疑われれば身に危険が及ぶかもしれない。
それは頭に留めておいてくれ。
[容疑者への拷問は十分ありうる事だ。
行動には注意するようにと暗にそれを匂わせて、書置きを残すのであれば一緒に出ても構わない、と自分の考えを述べた。
同意を得られれば、散乱したカルテの中から一枚適当に拾い上げ、三人で食堂へと向かう旨を書き記して机の上に置いただろう。
血を発見すれば一瞬顔は強張るだろうが、先程のように取り乱したりはしない。
進んでは近づかないだろうが。**]
見張指揮官附 ライナーは、技術少佐 ローレル を投票先に選びました。
―少し前・医務室―
[>>237曹長は軍医を探してあの倉庫に辿り着いたらしい。
入るところを見られたのか、それとも開けた時に丁度居合わせたのかはそこからは分からない。
けれどその先は口にする事が憚られた。
女性兵の問いかけへの彼の答えはやはりNO
恨む気持ちは同じ、というベリアンの声色は恨んでいるにしては淡々としているような気もしたが、>>238曹長の大人しくしておく、という言葉には少し安堵する。]
――そうしてくれ。
曹長が助けてくれなかったら、俺はもっと重傷だったかもしれない。
無事に本国に帰ってくれ。
[或いは煙で中毒を起こし、死んでいたかもしれない。
賛同を得られれば書置きを残し、食堂へと向かう。*]
―少し前・医務室―
[>>271女性兵も兄を亡くしたと聞けば、男ははたと我に返ったように彼女の方を見た。]
そう…なのか。
[同じ喪失を体験したらしい彼女が泣きそうな顔で俯くのを見て、男は心に鈍い痛みを覚える。
痛みを覚えた時の何かを思い出したのだろう。
それには触れないでおく事にして。
気遣いのつもりが更に羞恥を招いた事に気付けば謝ろうとして喉の手前で謝罪の言葉を殺した。
この場合、謝られた方がより恥ずかしくなるだろう、と。*]
―食堂―
[料理は得意な方ではないので、彼らの補助を行う事にした。
彼らの邪魔をしないよう気を付けながら食堂の中を往復した。
女性兵の手際の良さには流石主計科だと思いながら、スープを出して貰えればありがたく頂く事にして。]
――ありがとう。
[身内を失ったと聞いた所為か、彼女に対する態度は他の女性よりも柔らかくなる。
>>258そして食堂に入って来た副長達の姿を見れば、少尉に言い渡されている医務室詰めの事を思い出して僅かに腰を浮かしかける。
砲術長の戸惑った様子に俯いて視線を逸らしたので心配そうな表情には気付かなかった。
>>264曹長が彼らと話し始めたので、男はそれに耳を傾けつつ、陰に徹する事にした。
>>274女性兵が隠れるようとするならば背中を貸すが、砲術長から視線を逸らす男の状態も半ば逃げているようなもの。
爆発の状況など、何か問われれば補足をした。]
[>>260極力声も出さないつもりでいたが、怪我人には男も含まれているのだろう。
>>274曹長がカレー、と迷いなく答えたので、男もそれに乗る事にした。]
…自分もそれで。
[幸いにも好き嫌いはない。
こんな状況で彼と会う事になるとは予想もしていない。
――無意識に吊った左手をきつく握りしめていた。]
[>>269通信長からの放送には黙って耳を傾けていた。
平時とは変わらない様子の声色には少しほっとする。
>>279軍医の姿が見えれば瞠目したが、その場からは動かずに>>284じっと彼の報告を聞いていて。
>>286此方に気付き、話し掛けてくる軍医の笑顔の裏に潜む怒気には困ったように眉を下げるが、]
……。
乗り遅れてしまいました。
[端的に起こった事実のみを答える。]
―少し前・食堂―
[>>281曹長が女性兵の胸に触れるところは、タイミング悪く目に収めてしまった。]
……な。
[遠目だったのと、動揺のあまりにすぐに目を逸らしてしまったので、細工には気付かず。
>>287悲鳴と共に響く乾いた音。
曹長の頬に出来た赤い跡を確認すれば、よくぞやった、と心の中で女性兵を褒めていた。*]
―少し前・食堂―
[>>307兄とは声もよく似ている。
兄を思い出してしまうから、見たくないに、聞きたくないに違いない。
その思いからではあるが、一方的に避ける態度を取る事を心の中で謝罪しつつも、改める事は出来ないでいた。
一緒にと言われれば]
――っ。
……分かりました。
[けれど拒否する事は惜しく、了承する。
握り締めた左手の爪が掌に食い込み、じわりと傷んだ。]
[>>310我が儘など言っていないと言っても、きっとばれるだろう。
いっそ頭ごなしに怒鳴られた方がどんなにましか。
男は俎上の魚のような気分で軍医の言葉を聴いていた。
>>303お茶を、と言ってその場から離脱しようとする曹長に責めるような視線を投げたが、彼も捕まって。]
……分かりました。
[手伝いを共に、と厨房に手招きする軍医にそっと息をついて立ち上がるが、>>311説教という言葉には思わずぎょっとした。
説教を受けるなど、恐らくは少年時代以来だ。
もう一度だけ息をつくと、大人しく従う事にした。]
―回想・甲板―
[>>337繰り返した声は聞こえていたらしく、大尉の視線が此方に向いて目を瞬かせる。]
……。
[大尉の唇は生きろ、と紡いだような気がした。
自分の命と身体は戦争で身内を失う者のいない未来を作る為にあるもの。
それ以上の理由も価値も見出せない自分には、彼の言うように”誰かを守る資格はない”のだろうか。
どう反応したらいいのか分からなくて、男は困惑したように眉を下げた。*]
―少し前・食堂―
[>>344取り敢えず、話はこれで終わりだろうかと思っていたところに声が掛かった。
驚いて掌から指が離れ、一瞬ひやりとした感触を味わう。
何もなければ爪が皮膚を破って出血していただろう。
自分はこんな態度なのに、と目の奥が僅かに熱くなったが何とか抑え込み。]
……ありがとうございます。
[頭を下げながら感謝の言葉を紡ぐ。
こんな時に兄だったらどう返すだろうかと夢想する。
母の為に兄を演じていた頃の記憶は曖昧で、随分遠い日のように思った。
また、兄に似た反応を返せば彼がどう感じるかを思えばこれでいいとも。]
―厨房―
[>>364大人しく軍医に従って厨房に入れば、振り返った彼から冷ややかな声と突き刺さるような視線が向けられる。
>>369負傷した二人、そしてか弱い女性兵。
自分が彼の立場なら首根っこを掴んででも避難させようとしただろう。]
それは…、
[兄を奪った敵国の密偵がこの艦に乗っていると知ったからだ。
この艦を奪われる事は容認できないし、また彼らを野放しにはしておけない。
今はそこに、目の前でカシムを殺されたから、という理由も加わったが。
――この際、明かしてしまった方がいいだろうか。
もう残っている事はばれてしまったのだから隠す理由もない。
男はそっと息をついて口を開く。]
――軍医殿。
自分は昨晩、カシムより敵国の密偵のものと思われる密書を発見したとの報告を受けていました。
[実際には部下を通じてだったのだが、そこは割愛する。]
そして今朝の爆発です。
自分は上司に本国の避難命令に従うより先に、その密偵を探すべきだと進言しましたが、受け入れては貰えませんでした。
そこで俺は科から離れて調査を行おうとしていたのです。
密偵が艦内にいるならば、最新鋭の技術の詰まったこの艦を手に入れようとするだろうと思ったので。
――その最中にカシムが死にました。
[カシムの死に顔を思い、両拳を握り固めた。
若い命が散らされてしまった事を、決して許してはならない。
途中から一人称が変わっている事にも気付かずに。]
カシムは家に帰りたがっていました。
そんな彼が目の前で死んだというのに、避難艇に乗って自分だけ助かりたいとは思えません。だから艦に残りました。
俺はクロトフとの戦争で兄を失いました。敵国には恨みがあります。
密偵がこの艦を…ひいては本国を害しようとするのならば、必ず探し出して、捕えなければ気が済まない。
[そうだ、これは私怨だ。
口に出して自覚すれば、胸に燻る炎が勢いを増したような感覚がした。
弟が自分の年になるまでに平和な世にしたい。自分はその為に生きてきた。
けれど自分は何よりも、兄を奪った敵国が許せないのだ。]
[>>374その後は軍医の説教を大人しく聞いていた。
怪我をした部下には軍医にお灸を据えて貰えと願ったが、確かにこれは堪える。
やがて一通り言いたいことは話し終えたのか、彼は溜め息を吐き。
拘束はしない旨を聞けば、男はそっと安堵し、頭を下げる。]
……ありがとうございます。
――善処します。
[叶う限りは守ろうと思う。
実際、撃ち合いになってしまえば肩の事など庇うつもりはないが、それは自分の身を守る為と解釈して貰えるだろうか。
手を叩いてお茶を注ぐように言われれば、返事をし。]
――…その、二人共。
すまないがこういった事は不得意なんだ。
自分が飲む分には頓着しないんだが、人に出す以上はきちんとしたものを出したい。
色々と教えて貰うと助かる。
[直接の上司とも待機する場所は違っていたので、長らく誰かに何かを出すという事をしてこなかった。
申し訳なさそうな顔で甲板から行動を共にしている二人に教授を願い出る。
教えられつつも、何とか役目を果たしただろうか。]
/*
アレクシスさんは多弾頭御免なさいね。
Σオズさんと同じ組ですと!
まぁ、でもそうでしょうな。
曲がりなりにも本職は見張りですし。
[>>403静かに聞いていた軍医に襟首を掴まれ、驚いたように瞠目するが、抵抗する事はない。
まくし立てるような言葉を聞いている内に瞳が揺れて。]
…っ、では、どうしろと言うのです。
残された者は、死んだ者の代わりにはなれません。
それはこの数年で嫌というほど思い知らされました。
この手で出来る事と言えば、彼らの無念を晴らすくらいだ。
[未来を作りたいという願いも変わらず残っていても、今では復讐心の後ろに隠れてしまっている。
やがて嵐のような言葉は終わり、解放される。
兄の事に触れられれば胸に痛みを感じ。]
――俺には…分かりません。
[男の知る兄は喜ばないだろうと思う。
けれど夢に出てくる兄は…。
記憶と虚構が入り混じり、もう何処までが本物か分からない兄の像が頭に浮かび、呻くようにそう答えた。]
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