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[そのソマリアランが眼下に横たわっているとは知らぬまま。
4年間癒されることのなかった傷と、そこから溢れ出る膿を抱えて、夜鷹は野営地を通過する。
カレン内部の防衛軍と合わせて、どれくらいの兵力が残っているかをざっと見て回って。
その最中に見かけたのは、顔馴染みの悪徳商人。
戦の夜だというのに、やたらと広場が騒がしい…不思議に思って近付けば彼の仕業であった。
イングリッドである気付くかはわからないが、こそこそ移動するファミルの目の前を通過して。
呼び止められるようなら、伝書を受けるなり話を聞くなりしよう]*
―魔王の帰還―
[テオドールが野営地に戻ったと聞き、急ぎ天幕へ向かえば>>*9、]
テオドール様、左腕が…!
…大きな傷は無い、と言ったではありませんか?!
[話が違うわ…とぶつぶつ呟きながら、それでも手早く軟膏を塗り、包帯を巻く。]
[ソファにもたれかかっていたテオドールは、ゆっくり意識を手放しかけていて>>*10
それに気付き、ちらりと見上げたちょうどその時、聞こえたのはどこか苦しげな音。
こんな体勢では息もし辛かろうとそっと腕を伸ばせば、そのまま引き寄せられ、]
………?!!
[そっと耳元で囁かれ>>*11、言葉を失う。
――リッド。…リッド。
もしかして…?だがそんな名で呼ばれたことは一度としてない。
名前の良く似た他人の愛称なのだろうか。
…それでも。貴方がそれを望むのなら。
寄せられる頬に、優しくその髪を梳いて、遠慮がちにも彼を抱きしめ返して。
あぁ、この時間が少しでも長く続きますようにと――]
[しかしそれは唐突に終わりを告げる。
テオドールの激しい咳。突き放される身体。]
テオドール様…っ?!
もしかしてまだ、お怪我が…
[それでも腕を伸ばそうとすれば、下がれとはっきり命じられてしまう。>>*12
心配ではあるが、留まることはできないか…そうと思えば言った傍から反対の命が。>>*13]
………。
[『――何か言ったか』
言った。たしかに言った。
よくよく思い出してみれば、騎士団のお偉方とも。]
[どうしたものかと沈黙していれば、テオドールはこちらを見つめながらゆっくりと言葉を紡ぎ始める>>*14]
…私は。
私は、………
…………
[彼の過去を、イングリッドは知らない。
実は既に5回出会っていることなど、知るはずもない。
騎士の一人として、彼に刃を向けた過去も、
心から愛し合い、互いを求めあった過去も、
…或いは、ろくに会話もせず、すれ違っただけの過去も。
――あったのかもしれない。なかったのかもしれない。
だが運命による偶然か、テオドールの意図した必然か。
どちらにしろ今、ここにいるイングリッドは、テオドールを信じ、支える女だった。]
[あの時、あのタイミングで出会わなければ、騎士団に戻る未来もあっただろう。
こうして従った未来であったとしても、
出会った時期が少しでも前後していたなら、これほどまでの感情は抱かなかったのかもしれない。
…女心と秋の空とは、よく言ったものである。
少し機がずれるだけで、言葉が違うだけで、
その反応は千にも万にも変化する。
未来予知をするかのように見えるテオドールでさえ掴みかねる現象。
…というのはきっと、そんなところに由来するのだろう。]
[――しかしそんなイングリッドも、最初は自分のためだった。
心の支えであったカスパルを失い、
愛したはずのソマリアランも失い、
ただ独り、何を目的とするでもなく、彷徨っていた。
ソマリアランに大口を叩いて出てきたものの、
自分には何もできなかった。何もなかった。
中途半端な武の腕前は、誰にも必要とされなかった。
唯一できること、こそこそと情報を集め、売り飛ばしては食い繋ぐ。
誰に頼ることもできず、心は空っぽのまま、満たされない。]
[そんな時に出会ったのが、テオドールだった。
少し強引な勧誘。
それまでにない出来事で大層驚いたけれど、それでも嬉しかった。
自分を必要としてくれる人がいた。
空っぽの心が、少し満たされた気がした。
――嗚呼、それは、今にして思えば、]
私は……
最初、貴方を、兄やアランの代わりに、しようと、
[――気付いてしまった。こんな時に。
必要とされたことが嬉しかったのではない。
いなくなった傍らの人。それを彼で埋めようとした。
テオドールは自分を必要としてくれて、
そこに情というものは一切存在しないように見えたけれど、
必要以上に懐き、纏わりつくイングリッドを邪険に扱うこともしなかった。
…だから。徐々に錯覚していった。
この人は、自分の護るべき大切な人だと。
そうでなければならないと。]
…でも、
でも、今は違うんです。
[そう、今はもう、違う。
――『知っている』から。
魔王の仮面の下に隠した苦悩を。
彼の人らしい温もりを。]
…ごめんなさい。
聞いてしまいました。貴方の寝言を。
貴方が、リッドと呼ぶ声を。
騎士団のお偉方は、どうせ遅刻して来ると…
[僅かに躊躇って、]
あと、 …『夢』も。
[起きた時の様子から、記憶は残っているだろうと踏んで。
…きっと、これで伝わるだろう。]
テオドール様。
貴方は、私の父とも言える程の歳かもしれません。
…それでも、そんなことは関係がないのです。
貴方の心に触れて、私は『知って』しまいました。
貴方の傍にいたい、孤独を癒したいと想うことは、
貴方を愛したいと願うことは、赦されないことでしょうか…?
[溢れる想いに対して、紡いだ言葉は少なかったから、通じたかどうかはわからない。
…いつか語る日も来るかもしれない。
それでも、今はこれが、イングリッドの精一杯。]**
/*
なんとか過去の心情と今に対して、整合性は取れたと信じたい(真顔
アランは切欠にさせてもらったよ!
イングリッド勘違いしたまんま!
テオ様と出会わなかったら、きっと勘違いは解けていたと思うの。
でも出会っちゃったから。運命だからwww
/*
それにしても、テオ様愛しすぎるだろう…!
魔王軍みんな彼が大好き過ぎてヤバい件www
もうね、赤ログが桃色に見えてくる不具合…この破壊力…!
職場で昼食べながらあれを読んじゃった私の気持ちを考えて!←
/*
テオ様ぁぁぁぁぁ!!
愛情を!向けられることに!慣れておりませんゆえ!www
愛していますよ!全力で!!
イングリッドでそれを示そうとすると照れ死ぬのが難点(
にしてもしかし、アランに嫉妬可愛過ぎるwww
[テオドールに命じられた情報収拾。>>85
残った騎士団の規模と、昼襲がなさそうであることを報告する。
…あともう一つ、>>89]
ファミルについてですが、カレン内部に何か仕掛けているようです。
…目の前を夜鷹で掠めてみましたが見向きもしない。
まったく何を考えているのやら。
だいたい、聞いておりませんよ…あれを小隊長にしただなんて。
…自分の保身を第一にするような者です。信用がなりません。
[少し眉間に皺を寄せて。
あのハーフエルフが裏切らぬ保証はないだろう、と。
次の戦では伝令役として、ファミルとも協力せよと言われれば渋面を作りつつ、頷く。>>158
続く言葉>>160に]
…えぇ。もちろんです。
妙な動きをすれば、その時は……
[それまでは、少しでもこちらのために働いてもらいたいところだ。
鷹に一応は伝書を持たせて、ファミルを探すように命じる。
さて、見つけるのはいつのことか――]
―軍議後―
[珍しくべリアンから寄ってきたと思えば、
変わらずフードを目深に隠した男は、行く手を遮るようにして立つ。]
何?
[事務的に問えば、淡々と返ってくる答え>>225>>226
表情は常に隠したままのくせに、夜鷹の爪後のある手を見せるわざとらしさ。]
当たり前でしょう。
……ところで、
何かあったの?
[…まったく面倒な話だが。
テオドールが無事で戻ってきたから、
イングリッドはべリアンに対して、幾分態度が柔らかくなっていた。]
[どこからか手元に舞い戻ってきた鷹を撫でながら、すっと後ろに下がるべリアンに問う。
この魔導師にそんな声かけをすることなど、イングリッドにしては珍しい。]
まぁいいわ。
――せいぜい、背中に気をつけることね。
[冷たく言い放って、背を向ける。]
笛はそのまま持ってなさい。
私が命じなくても、鷹は言うことを聞くから。
[笛を持っていて良い、というのは、
イングリッドなりに、一時的にでも彼を認めたからだったけれども。
何も言わなかったべリアンに対して、背後を警戒せよというのは――
――べリアンに要らぬ疑惑を抱かせたかもしれなかった。
イングリッドとて武人の端くれ、
故に軍の魔物が彼に敵意を持っていることには気付いていたから、そう言ったまでのことだが。
…今まで注意することがなかったのは、そうしたいと思わなかったから。]*
―開戦前―
[さて、どこからか飛んできた夜鷹、その足元には一通の文。]
ふうん…?
[開けば、それはウェルシュからで。
リエヴルの『印』について仔細を教えてくれと。]
せっかくだから、直接話に行きましょうか…
[騎士団の陣形・カレンの守備について、手早くテオドールに報告して。
前線にいると思しきウェルシュの元へ、夜鷹に案内を頼む。]
/*
一応偵察の鷹は飛ばしているけれど、ファミルのところにはお邪魔して良いのか迷うので様子見な僕です(
そうやってガートルードと絡む機会も逃したけどね…!
あまり多角しても、って思っちゃうのだ。
遅筆なだけにwww
ウェルシュー?
どこにいるの、可愛い狂犬くん?
リエヴルの件よー。
[物凄く危険だから、戦っている最中は近付きたくない男だが。
しかしまぁ、ウェルシュの幼さというのは、べリアンと違って可愛いものである。]
[ウェルシュの姿を認めれば>>531、自分が騎士団にいた頃聞いた噂話を教えた。]
あなたが知りたがっているのは、
彼の胸元にあるっていう印、『竜の護り』のことでしょう?
代々リンドブルム家の長子に受け継がれてきた、不思議な印。
曰く、妖精の祝福だとかなんとか。
その印を刻まれた者は、ある種の加護を得るそうよ。
あの一族はそうやっていつの時代も前線を駆け抜けてきたというから、嘘ではなさそうね。
…まぁ、一説では呪われた印であるとも言われるようだけれど。
この世に完璧なものなどありはしないわ。
少なくとも、何かしらの対価は支払っているでしょうね。
――うーん。
何を犠牲にしているのかまでは知らないの。申し訳ないけれど。
[肩を竦めて。頭なでなで。]
―開戦後―
[カレンの街を覆った聖結界>>518。
それの影響を受けない鷹の眼から、それを知る。]
べリアンに!
――標的は、『怠惰の魔女』。
煉瓦色の髪をした、若い女魔術師よ!
急いで!
[さて、連絡は届くか。
伝令を走らせ、夜鷹を飛ばす。
どちらかでも間に合えば良いのだが――]
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