情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
死神...
[ 彼が、そう、だ、と、父の名を告げる声と表情に>>9確信し、同時に納得した。
多くの敵に囲まれながら、怯まぬばかりか、嬉々として全てを薙ぎ倒し、父の魔法からすら逃げおおせた男。
追いすがろうとして、一撃で跳ね飛ばされた少年のことなど、彼は忘れているだろうが。 ]
アーノルドは俺の父だ。
[ どうにか冷静を保って答えた所へ、皇帝の声が朗々と響き渡る。>>6 そして、視界の端に、炸裂した光と共に上空へと身を運ぶ一対の姿>>11]
悪いが、付き合って居る暇は無くなった。
[ この男の腕なら、目の届く範囲にならば、どんな武器も届かせるだろう。故に離脱するなら先手を打つしか無い。 ]
星の涙 月の歌
輝く荊の棘を 解き放て
[ 響く詠唱は、城壁に絡む荊を際限なく成長させ、すでに投石や槌の打撃で脆くなったそれを、一気に崩れさせるもの。死神の足元も同様に崩れる筈だが、そのまま大人しく埋まってはくれないだろうとの予想は頭の隅に追いやった。 ]
軛より放たれし者 自由なる疾風
清涼なる息吹にて 天翔ける子等の翼を彼方へと運べ!
[ 同時に最大速で、リヒャルト達へと近づき、飛翔の術を重ねる。引き返すことも、学長の元へ駆けつける事も不可能な追い風を無理矢理に押し付ける形の支援魔法は、恐らく彼らには不本意だろうが、これは最初からの学長との取り決めだ。
学長自身が捕らえられ、或いは殺されたなら「全てを」捨てて、子供たちだけを守り逃れよ、と。 ]
[ 同胞の命も、返し切れぬ恩義も、魔導師の誇りも、全てを捨て去り、魂を裂かれようと、未来の光だけを守りきること、それが、残された者の「役目」** ]
巡り巡る 清き流れ 巡り巡る 優しき風
巡り巡れ 境を超えて 巡り巡れ 愛しき大地を
[ やがて、学園の内外から、悲哀に満ちた呪歌が、幾重にも響き渡り、都市を取り巻く湖から、濃い霧が湧き上がり視界を閉ざす。霧には水底の薬草となる苔の強い匂いが混ざり、並の者なら鼻も効かず、意識も混濁するだろう。ウルで強化された超人達には、どれほどの効果があるかは、分からないが... **]
― 学園都市外 ―
[ リヒャルトとフレデリカを、文字通り吹っ飛ばすと、男は少し遅れてその後を追った。リヒャルトが重ねがけされた術を制御出来ないという可能性は考えていない。フレデリカが共に居るのだから、どんなに疲れ果てていようと、意地でも落ちはしないだろうとの確信がある。
背後からは、ローレライの呪歌か、バンシーの啜り泣きを思わせる詠唱と湧き起こる霧が広がってくる。 ]
深き夜の底に眠る古の森の影
紫紺の闇の翼を広げ 我が身を内懐に包み隠さん
[ 霧の影響を受けぬぎりぎりの地点で地に降りると、宵闇に紛れる結界を纏い、 気配を殺して身を潜めた。]
やはり、追ってくるか。
[ 最後に派手に離脱したリヒャルト達は、格好の的だ。必ず追跡されるだろうと睨んだ通りに、一人の兵士が>>46霧の中から姿を現す。
いくらか霧の効果で足が鈍ってはいるようだが、それでも常人よりは遥かに速い。
闇の結界を纏ったまま、男はその前に飛び出し、腰のサーベルを抜き放ちざま、横薙ぎに揮った。 ]
『くあっ!!』
[ 不意をついたとはいえ、ウルを服用した兵を一刀の元に切り捨てるのは難しい。兵士は横一文字に胴を裂いた傷を押さえて、襲いくる刃を振り払おうと、握っていた手斧を振り回す。
闇雲な一撃でも体に当たってしまえば、結界の魔法は破れて、男は兵士の前に身を曝すことになる。 ]
『卑怯な魔法使いめっ!!』
[ 怒りに顔を紅く染め、叩きつけるように振り下ろされた手斧を、男は、サーベルで受け流し、勢いづいて前のめりになった兵士の両眼を、返す刃で撫で斬りにした。]
魔法は卑怯で、薬は卑怯ではないというのは理屈に合わんな。
[ いくら強化されていても、弱点には違いない眼球を傷つけられ、視界を失って地に膝をついた兵士に、言い捨てて、男は空へと身を運ぶ。
万が一にも隠れ里の方角を気取られぬよう、一旦、進路を取ったのは、北の山中。
ウルの効果を受けたままの兵士を殺し切ろうとすれば、多大な労力と時間を必要とする。魔法の霧が兵士の元へ届くまで、あと僅か。霧に囚われれば傷負った兵士は、恐らくそのまま意識を落とし、少しでも追跡の手を遅らせる事ができる筈だ。
ついでに魔法使いはやはり超人兵を殺せないのだと舐めてくれれば幸いだが、そこは望み薄かもしれなかった。* ]
/*
即座に追跡されてたら、リヒャくん2日も寝てらんないだろという判断のもと、なんとなく尾行処理してみました。
[ リヒャくんが処理する可能性もちょっと見てた。 ]
さて、デメララ奪還は、多分企画サイドも想定してる流れだと思うけど、俺は、いつどこで死神さんと遭遇するのが美味しいのかな?
[ 多分、一度死にかけるルートでいくからね!それまでリヒャくんとは合流しないのも有りかなって! ]
― 5年前 ―
一体、何があった?!
[ 学園始まって以来の騒動となった阿鼻叫喚の巷を>>0:155男が目にしたのは、屋外での魔法実習を終え、学生達を引き連れて戻ってからの事だった。実習に参加した学生達は食材を現地調達するのも課題の内だった為、学食を利用しておらず、慌てて救護に当たることになった。 ]
『先生!これ、おかしいです!!』
[ 慌てたあまり、回復魔法と間違えて解毒魔法を使った一人の学生の報告から、原因が、食事へのウルの混入であることが突き止められたため、死者こそ出なかったが、この事件がトラウマになって、魔法を使えなくなった学生も多かった。 ]
結局、あいつには、何も教えられなかったということか。
[ 事件の犯人が誰であるかは、当人が逃走したことからも明白で、それを知った男は教師としての無力を嘆くことになった。 ]
魔法は技能だ。使えれば便利だが、使えなくても、人は生きていける。
ましてや、その力の多寡で、人の価値を決めるものじゃない。
[ 言葉だけで世界は変わりはしないかもしれない。けれど、届けた言葉が若者の心に根付けば、彼らの行動がいつか世界を変えるかもしれないと、信じて教師は言葉を重ねてきた。
最初から、それを当然の事実として受け入れ育ってきたリヒャルトの当たり前が、本当の当たり前になるように。
だが、真に届けたい場所に、結局、その言葉は届かぬまま。巻き起こった嵐に、世界ごと願いは飲み込まれていったのだ。** ]
/*
死神殿がwktkしてるなwまあ、こっちも斬り合い想定の武器得意設定ですよ、ええ。
魔法の不得手な魔導師ばっかりやってる気はするけどもっ!!(某疾風の勇者とかな...)
ドロシーとフレデリカの、女子会ノリも可愛いな!
― ロンリコ北方の山 ―
[ 北の山中は、魔法訓練にも使っていたので、教師達は地理にも明るい。目指すのは、山の中腹の渓谷。そこから南東に流れ落ちる川を辿れば、センテナリオへ向かえる筈だった。]
...さすがに、一飛び、とは、いかない、か...
[ 夜の明けぬうちに出来るだけ距離を稼ぎたいのはやまやまだったが、体力気力はすでに限界に近く、休息を取らなければ保たないと判断せざるをえない。
追っ手のかかることと、獣を避けることを考慮して、休息の場所に選んだのは高い樹上。魔法で折り曲げた枝葉を即席の寝床として、仰向けに空を見上げる。 ]
『お願いします!』
[ 疲れに解けかけた意識の底から、遠い記憶に残る声>>79が浮かび上がったのは、下界の喧騒も知らぬ気に煌めく星が、魔法の授業中には見たことのない輝きを湛えた少女めいた大きな瞳を思い出させたからだろうか? ]
― かつて教え子だった彼の思い出 ―
武術を?
確かに、教えられないこともないが......お前にそれが必要か?
[ 彼が、魔法実技を魔法ではない方法で、こなしているのは察していた。男はどんな方法であれ、課題をこなす気があり、それを実現できるのであれば、魔法の技術点は低くとも合格としていたが、どうやら合格するかどうかすら、彼の中では大した問題ではなさそうなことも、感じている。 ]
本気でやる気だと言うなら、日課の授業後に教えるが、代わりに授業の方もきちんと受けろよ。
でないと、俺が他の先生達に睨まれる。
[ 軽口めいた言葉と、浮かべた笑みは、彼にはその時初めて見せた顔だったろう。 ]
[ あの頃教えた剣技が、今、魔法使い達を斬り捨てるために使われているとすれば、皮肉と言う他はないが...教えた事を悔いるつもりはない。
誰からどんな教えを受けたとしても、それをどう生かすかは、教え子達の自由だ。
例え、その剣が、男自身の胸を貫いたとしても。* ]
― 北の山中 ―
[ 目覚めたのは日の出の時刻。日中に目立つ飛翔の術を使うのは避けて、地上へ降り、獣道を掻き分けて進むことにする。太陽の位置と、時折ダウジングの導きを借りながら、昼前には目的の渓谷に辿り着いた。 ]
自由なる風 清き渓流 我が願いに答え
大気と水面を 等しく翔ける
疾駆の道を 我が前に延べよ
[ 切り立った崖を風に乗って降り、そのまま渓流の流れに乗って水面を駆け下りる。ちなみに、風と水双方に働きかける詠唱は、入学時にリヒャルトが使った術をアレンジし、術の効果を足元に限定することで持続時間を遥かに伸ばし、水流そのものの勢いを借りることで速度を上げると言う改良を加えた......ぶっちゃけパクリであった。 ]
[ 川面を立ったまま滑り降りるという、速いが目立つ移動方法は、渓谷を抜け、人目につきやすい拓けた場所に出れば使えない。そこからは、身を隠し、時に夜陰に紛れながら、徒歩で川沿いを踏破し、目的地センテナリオに辿り着いたのは、3日目の日が暮れた頃。
その頃には、リヒャルトの提案したデメララへの奇襲作戦も具体化していたろうか? ]
...うちの雛鳥共は...?
[ こんな時の為に、と、何度か行き来をして打ち合わせを重ねていた里人たちとは既に顔見知りだったから、里に入るなりそう訪ね、リヒャルトを含め、概ね無事に辿り着いたと聞かされて安堵の息を吐いた。 ]
いや、俺の方は、問題無い。
[ 途中、魚や獣を狩って腹は満たし、十全とは言えないまでも、いつでも追っ手を相手どれる程度には体力を温存しながら、男は、ここまでを歩いてきた。だからこれ以上の休息も無用と、手を振って ]
それで?...デメララへの奇襲?成る程......ああ、学生たちには俺の事は知らせなくていい。それと、出来れば、酒を一杯、気付がわりに分けてもらえると有難い。
[ 今度はリヒャルト達が出立するよりも前に、このままデメララの様子を探る為に先行するつもりだった。* ]
/*
流れ的には、先行してから死神殿とぶち当たり、捕まるかぶった切られるかしたとこでリヒャルト達の奇襲が成功して、死を免れるか蘇生する...な、感じで行こうと思ってるけど、まあ考えた通りに流れた試しはないよね。(
[ 男が、一人で動こうとするのは、己の顔が、帝国側に、既に知られているから、という理由からだった。
恐らく、ロンリコが陥落したことで、魔法使い達の拠点を全て殲滅したと皇帝は考えているだろう。あとは、ばらばらに逃げた残党を狩るだけだ、と。
そして、その残党狩りの先頭を切るのは間違いなくあの死神だ。
デメララへの奇襲は、確かに、この現状からの最良手と思えたが、それはあくまで「奇襲」が成功した時の事。帝国が、生き残った魔法使い達がまとまって動いていることに気付いて警戒を強めれば、成功の確率は著しく下がる。 ]
(俺一人なら、万一見つかっても...)
[ 最後まで学園に止まった男が、デメララに囚われているかもしれない学生達を探しに行ったのだと、思わせることができたなら、まだ、魔法使い達はバラバラのままなのだと、考えさせることができるかもしれない。
無論、その時には、死神と命のやり取りをするか、帝国軍の超人兵達相手にひと暴れしなければならないだろうけれど。** ]
/*
ちなみに、魔法使い側が日数3日くらい先行してるので、ちょっと、どう動けばいいのやらって感じにはなってますのよね。
デメララ直行でいいのかな?落とし穴掘っていい?
[ 死神殿が山狩りするなら、途中で出くわそうかと思ってたらしい ]
― センテナリオ→デメララへ ―
[ 言葉通り、一人、先行して隠れ里を出立した男は、今度は川を伝わず南東へと山を越える進路をとった。夜明け前にデメララ付近へ到達するため、最短距離を選んだのだ。]
どうやら、見つかってはいないな。
[ 隠れ里から少し離れた地点を選んで飛翔の術を使ったが、近くに帝国兵士の姿は見えなかった。残党狩りを目論んでいないはずはないだろうが、急いでもいないのかもしれない。
追い詰められているのは魔法使い達で、帝国側からすれば、時間に追われる必要はないのだから。 ]
/*
皇帝陛下が、いってこーい、してるように見えるので、多分死神殿はこっち来るとおもうんだよねー。しかし3日の時間差がまだ埋まってないので、ステイです。
― 出立前/センテナリオ ―
[ 伝言だけ残して、すぐに出立しようとして居たところへ、聞こえた声に>>186軽く頭を抱える。 ]
リヒャルト、それが一人前の魔導師の態度か?
大将らしく...は、お前には無理だろうが、少しは落ち着け。
[ 最初の言葉がお馴染みの説教になってしまったのは、こちらも仕方のない話だった。 ]
......遅くなったのは悪かった。
作戦の事は聞いたから、これからデメララの兵力を見に行く。どうしても危険だと判断したら知らせに戻るから、お前達は万全の準備をしてから向かえ。
[ 続けた言葉が、わずかに柔らかく響いたのは、男なりに教え子の無事な姿を見た安堵の現れだったが、伝わるものかどうか。* ]
― 出立前/センテナリオ ―
フレデリカ、君も無事で何よりだ。
[ リヒャルトに見つかった時点で、こうなるような気はしていたが、続いて声をかけてきた少女には>>192安心させるよう微笑んでみせる。 ]
こういう場合には斥候は必ず必要だからな。斥候というのは大人数で動くものじゃないし、俺以上の適任もいない。
[ 教師になる前は、魔導師団に入団すべく、軍事行動の訓練もしていた。そんな経歴を持つ魔導師は、今生き残った中には男だけだ。 ]
心配するな、俺はリヒャルトと違って、滅多な事で無茶はしない。
[ 理屈だけでは不安は収まるまいと、笑みのまま、目の前の教え子を引き合いに出して請け負ってみせるのは、フレデリカだけではなく、リヒャルト自身への>>198答えでもあった。 *]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新