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[クリフと別れた後はいつものように事務仕事を幾つかこなした後、降臨に備えて休息をとっておいた]
……地上に降りるのも、久しぶり、だな。
[最後に降りたのは、いつだったか、と思いを馳せる。
地上に眠る父母の許へも、大分無沙汰をしているな、と。
過るのは、そんな事]
あちらにも、ちゃんと顔出ししないとな……。
それこそ、朱雀様に怒られちまう。
[そんな呟きをぽつり、と落とす。
今回の地上降臨に、名代として自分を向かわせた事。
その裏に、滅多に行けぬ父母の墓参を、というものがあるのはわかっていた。
そのためにも、と気合を入れ直しつつ、一先ず、その日は休息に沈んで]
― 天上宮門前 ―
[翌朝、伝えられた通り赴いた門前で玄武神の言葉を聞く。>>1
低い声音は、どこまでも己が主と対極と感じさせるもの。
けれど、その内にあるもの、その一端を知るが故に冷たさを感じる事はない]
心得ております。
……力は廻りて正しき形を為すもの。
己が力のみを頼る事は元より、ありませんよ。
[単独で無茶をするのが南方の特性、というのは恐らく定説だが、それも他との連携あってのもの。
故に、軽い口調でこう返して]
……は?
[唐突に紡がれた霧の繭。
己以外を包み込んだそれに瞬いていた所にかけられた言葉>>2に、知らず、惚けた声が出た。
とはいえ、自分には自ら移動する術がある。
それに、火行に属する己に水行の術による移動は負担になり得るかも知れない……と考えれば自然な事。
それに]
……御意。
それでは、俺は後から追いつかせていただきます。
[単独で地上に降りるならば、忙しくなる前に行ける所もある、と。
そう気づいたから、素直に頷いて。
降りて行く姿を見送った後、ばさり、音を立てて朱色の翼を開いた。**]
― 地上・冬知らずの地 ―
[霧の繭を見送った後、朱翼は真っ直ぐその後を追う事無く、途中から異なる方へと羽ばたいた。
緩く風きり、舞い降りた先は山奥に隠されたような小さな空間。
小さな石碑と、それに寄り添うように開く真紅の花があるだけの場所。
そこに舞い降りた朱翼を出迎えるようにさわりと風が吹き抜けた]
ご無沙汰しております。
…………父上、母上。
[石碑の前に膝を突き、一礼する。応じるように、真紅の花が揺れた]
……ああ、わかってるよ。
務めをサボって来てる訳じゃない……これから、為すべき事を為しに行く。
[一転、紡ぐ口調は軽いもの。
それに応じるように、やわらかく風が周囲を巡った]
ただ、降りるならばちゃんと会ってからいけ、って。
周りに言われちまってるからね。
[冗談めかした口調で言った後、小さく息を吐いて]
朱雀様がお戻りになって、代行者としての任は解かれたけれど。
……守護者の一族として、為すべきは変わらない。
先の代の守護者たちの名に恥じぬよう、その務め、果たして見せる。
[表情を引き締め、告げるのは主の復活からずっと抱えていた決意。
それをはきと言葉にするのは、両親の墓前で、とはずっと決めていた事]
ま、だから。
……心配は、いらないぜ?
[冗談めかして紡げば、呆れたように花が揺れ、笑うように風が吹いた。
それが、父母それぞれの想いを示しているようで。
それに、言葉にできない温かさを感じつつ──朱雀のいとし子はゆっくりと立ち上がった]
さて、あんまりのんびりして出遅れるわけにも行かないし、そろそろ行くよ。
……次は、いつになるか、わからないけれど……また、来る。
[静かな口調でそう告げて、翼を一つ羽ばたかせる。
頷くように揺れる花と廻る風に目を細めつつ。
天地の境を超えて絆結びし者たちの眠る地より、その血を継ぐ子はふわり、飛び立った。*]
― 地上・洞窟 ―
さて、と。
[朱翼を広げ、辿るは水の気。
主と対極のその力を辿るのは、難しい事ではない。
ほどなく、見出したのは水の力に包まれた場所。
結界を織りなすのは、己が宿すものとは対極のそれ]
……わかっちゃいるが、さすがに強いよなぁ……。
[かつては四神の力の依り代を務めた身、神の力がどれほどのものかはわかってはいるつもりだが。
こうして接していると、やはり、凄まじいものを感じてしまうのは否めない。
だからと言って、気後れしている暇はなく。
影響を受けすぎぬよう、また、余計な干渉をせぬよう、自身の気を抑えてふわり、内へと舞い降りた]
……遅れて申し訳ありません。
朱雀神が眷属、カスパル、ただいま到着いたしました。
[舞い降りてすぐに探すのは玄武神の姿。
丁寧な一礼と共に、遅参の非礼を詫びた後]
……久しぶりに、彼の地の風に触れる事が叶いました。
それで、ですね。
父母が……というか、主に母がですが。
『いつぞは、届け物をありがとう』と。
そう、言っておりました。
[一転、幼い頃と変わらぬ笑みで告げるのは、風から感じた言伝。*]
― 洞窟 ―
[遅参への詫びに返されたのは、静かな笑み。
その言わんとする所はわかるから、それ以上は言葉を重ねる事はなく。
柔らかな声音に、伝えられてよかった、と小さく息を吐いた]
母は、特に彼の方を気にかけていましたから。
……安心もしたようですよ。
[そんな言葉も言い添えておく。
娘のような気持ちを抱いていた相手が幸せである事、それへの安堵は確かに感じていたから]
……さて、それじゃあ俺はどうするか。
[連絡のための八角鏡を受け取り、思案する]
地形的に厄介そうなのは、西、か。
[雪をかぶった山の連なる山岳地帯。
感じるのは相性、相剋双方の気配]
ま、俺の場合ある程度は地形は無視できるし……そっちから、あたるか。
[朱雀神の寵を何よりも端的に示すもの、朱の一対。
それを生かせば広範囲を見るのも叶うから、と。
そんな思いから、朱翼が向かうは西。
勿論、何かあればすぐに翼閃かす心算ではあるが。*]
/*
いやあ、もう。
昨日はほんっっっとに、余裕がなかった……。
やはり、寒いのはダメだな、うん。
[※諸事情で暖房使えなかった]
― 西方・山岳 ―
[翼広げ、向かう先は山岳。
一度可能な限り高い所へ昇り、周囲の状況を確かめる]
……っと。
あれは……人里、か?
[山と山の合間にひっそりと佇む建物の群れ。
それは、地上の人々の営みが遠くない場所にある事を示すもの]
あまり、目立つ動きはできん、か。
……干渉しあうわけにはいかんからな。
[小さく呟き、高度を落とす。
動くものの気配はないか、天の物の気は感じまいかと感覚を澄ませつつ、高台のようになっている場所へと舞い降りて]
……っ!
[緩く辿った気の流れが伝えてきたのは、探すものとは真逆の金気]
そっちが当たる、か……少し、片づけといた方がいいかね。
[周囲に集まる気配に独り言ち、天へと手を翳す]
……焔翼顕現!
[言霊紡ぎ、呼び出すのは愛刀たる大太刀。
手にしたそれを両手で支え、振りかぶりから周囲を薙ぎ払うようにぐるりと回す。
火気帯びた刃は集まって来た金属的な外見の甲虫を切り払い、朱色の粒子へと変えて風に散らした。*]
― 西方・山岳 ―
……しかし、数が多いな。
[纏めて斬り払った後もわらわらと集まる妖魔に舌打ちひとつ。
殲滅させる必要はないだろうが、群れ集まっている、という事態は見過ごせない]
手間をかけるわけにもいくまいし、まとめて焼き払う、か。
[なればどうするか、の思考は早い]
朱红的火焰猛烈燃烧。
[ばさり、と大きく翼を羽ばたかせ、火気を生じさせる。
次いで紡いだ言霊に応じ、生じた火気が太刀に宿った]
沿着我们的意,烧光作为我们的敌人的者们!
[揺らめく火気を纏う太刀、それを大上段に振りかぶり]
……做朱紅的火炎華,混亂!
[言霊と共に振り下ろした刃から、零れ落ちるのは朱の焔華。
舞う花弁は妖魔たちの上に降り注ぎ、その身を焼き尽くす。
焔が場に集った妖魔を駆逐したのを確かめると、これ以上呼び集める前に、と大きく羽ばたき距離を開けた]
……今のところは、さっきの連中の気配だけ……か。
[感じ取れるのは土地由来の気の他は、妖魔の気配。
天の気らしきものは感じ取れず。
場所を変えるか、と思った所に響くものがあった]
……山の方には、それらしき気は感じられないかな。
[気配を問う声に、まずそれを返し]
手がいるようなら、そちらに向かうか?
駆けつけるなら、一番速い自信はある。
どこかに誘導するなら、合わせる。
[その場で対するにしろ場所を変えるにしろ、対応しやすいのは空翔ける己である、との自覚はある。
故に口にするのはこんな問いかけ。*]
ん、了解した。
[引っ張ってくから、という言葉>>*7に返す声音に迷いはない。
対するものの属がなんであっても、そこに迷いや躊躇いが生じる事がないのは主と同様。
内心思われている事を知ったら、「良く言われる」と笑って返すのは余談としておいて。
他にも届く情報>>*8は内に刻んでおく。
それはそれで、探しにくいか、などと思ったのは状況的にも積んでおいて]
……北側からこっちに……か。
とりあえず、水気を辿るか。
[鏡越しに届いた声に小さく呟き、翼で大気を打つ。
零れる朱の煌きが風に散る中、北方面へと空を駆ける。
進むにつれて感じるのは、強い水の気。
水怪の類がいるのは察しがついたが、朱翼の速度が落ちる事はなく]
……あれ、か?
[空の上から九頭の蛇身を認めたなら、大太刀握る手に力を入れ直した。*]
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