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[あがった火の手は収束をみはじめているようだった。
上流域、セミヨン川南岸にはまだ乱れた空気は残っている]
一手、指し遅れたな
……是非もないことだ
[およそのことはさしたる問題ではない。
汚れた衣装と、灼け崩れてボロボロになった袖は大問題だけれども]
参謀殿、このさき其方等の行動は任せる
戦況に応じて己が道を
[橋を架ける手際から、実質の作戦指示者だろうと判じたバンダナの男へはそう言葉を残した。
先ず、落下せずに川を渡りおおせた傭兵達との合流をはかるのならば。ヒトガタの進路とは違えただろう]**
─ 噂 ─
[レヴィオル軍の後方。
後方支援にあたる者達のほか、応急手当てを受ける怪我人や、モーザックまで搬送する必要のある重傷者、モンテリー側から逃れてきたという子供、
そして命を落とした兵達の遺骸。
各自がそれそれの力を尽くす混雑のなか]
[ ざわめき
亡き皇太子の姿を見た、という噂が]
皇子に似た誰かが佇んでいたが、人込みに紛れて見失った
見慣れぬレオヴィル軍服の男へ誰何したら、それがクレステッドにそっくりだった
瀕死者を寝かせた天幕を歩いていた
皇子ロー・シェンの居場所を尋ねられた
とても、あのアンデッド達のようには見えなかった──
亡くなられたはず、と言ったら「それもそうか」と悲しげに笑って消えた
怪我人に水を配る手伝いをしていた
声をかけられたので振り向いたら誰もいなかった
そういえばセミヨンの最前線で騎上の皇太子を見た気がする
[怪しげなものも含み、いくつもの目撃談。
戦時の混乱のなかだとしてもあまりに唐突に現れた噂だった]*
─ クレレットにて ─
[魔王の命により、進軍を止めた魔軍が戻る頃。
転移により帰還したヒトガタは魔法兵器の砦へその身を滑り込ませていた]
……
『これ は
少々、非力に過ぎるぞ』
[ヒトガタの喉と、ツィーアの奏でる魔導の波が共振して"声"を作った。
そうして魔王の傍に侍ると殆ど同時、漂っていた夢魔の女の影が薄れて消えてゆく]
『だが、お前に気に入られるこの玩具は
私のよろこびだ』
[玉座の背と肘置きがなだらかにうねり、ヒトガタの銀の眼差しは魔王の髪が放つ金雫の光を見上げた]**
─ セミヨンの河原で ─
ディーク、殿?
[火の残滓燻る漂着物が重なる河原で。
名を名乗る男>>41へ、ヒトガタはどこか不思議そうに頷いた。
死を貰い受けると告げたばかり。そも最初から警戒した様子を崩さなかった男だが]
この身に語る名がないことは、既に存知か
……それとも、生きているようには見えないかな
[俺もレオヴィルの陣へ行くつもりなのだがなどと、まったくごく普通の態度で主張したが後の、幽霊騒ぎとなったとか] **
[頬へ触れる指にヒトガタが瞼を閉ざすと、>>59
チリン
体奥に埋められた核が、澄んだ音色に弾む]
『斯様に 玩具を介してお前に触れられるも
また悦びだ』
[アルテスの湾を広げる。だったか。
兵器は我が王の望むとおりに力をふるうだろう。
大陸そのものを光と消し去るはずの破壊の力は、いまや限定的に、統制の元で発動されることを証明してみせた。
それを望み、叶えたのはこの魔王が唯一]
[ チリン
やがて魔王カナンの声に変化を認め、ヒトガタの下瞼が小さく震えた]
…これは、
…………汚してしまった
[閉ざしていた瞼を開ければ、視線の止まるは袖の損傷と知る。
端的に述べたヒトガタが唇を噤めば、"声"は同じ喉で微かに笑う]
『潔めてからとも思うたが、まずお前に見せんとな
仕置をするか?』
[褒美をくれるか、と同じ調律で鳴らす。
実際、兵器内のひとつの空間には既に、不潔になったヒトガタを洗うための流動鉱石の沐浴槽が用意されていたが。
帰還して先ず身嗜みを整えさせなかったのはツィーアの意思]
─ クレレット ─
[まるで掴まれた腕を振りほどきたがっているかのように、ヒトガタは小さく身じろぎをした>>90]
ぐ…ァ、
[流れ込む破壊の力に歪むヒトガタの表情も苦悶の息も、地上に届くことはない。
黒竜ナールが一度首を擡げ、また元の彫像のごとき姿勢へ戻った。
やがて、剣が床に落ちる音。
装備品と衣類が散らばり、内から溶け崩れたヒトガタは流動鉱石の半透明を晒す。
粘つく半固形体の中心、埋もれた拳ほどの大きさの"核"がチリチリン、と澄んだ音を立てた]
─ 参照 ─
[胸を貫く銀の月
霞む視界に躍る紅
左の指は、治癒の印を結んだ]
ーー… …
[携行袋の触媒は尽きていた。
なによりもう、理論魔法に意識を集中できない。血と共に力も意識も流れ出していく。熱いのか冷たいのかわからない]
…シェ、 を
[死の瞬間、クレステッドは愛しい妹姫の顔も、レオヴィルの民の姿も思い浮かべはしなかった。
ただ、共にいた護衛官達をどうすれば生かせるか、
この場を乗り切って砦まで逃れる撤退戦のルートを考えていた。
少しでも被害を 抑え 隊を ******
[生まれよ]
[木偶人形は、瞼を開けた。
半透明の鉱石は、素体の記憶を参照して薄蒼に変じ、クレステッドの銀の瞳を現す。
汚損のない望まれた姿への再構成]
ぁ……
[茫漠とした表情はやがて感情らしきものを模倣し、ヒトガタは小さく震えた。
読み取れる記憶と、現状との落差に混乱する起動誤差はそれほど長くは続かない。
玩具を作り上げた最初の夜を繰り返すことの面白さをツィーアは理解できてはいないが、魔王が気に入っている遊びのひとつであることはわかる。
魔道兵器は歪んだ塔の歯車を廻らせて、機嫌のよい猫のような音を立てた]*
『飛ぶのか
好い。世界をお前の光で照らそう』
[声を用いて話すと、ヒトガタが頭を振って指を頸に当てた。
生者の命が絶える刹那、体から離れて散り消える力を捉えて我が触媒とする、その障害は時であり距離であった。
飛行機能を与えられたら、非力な人形を使わずとも、あまねく死を拾い上げられるだろう]
『だがこの名を呼ばうはお前だけで───』
[ぐ、と指が喉に食い込んで音声が止まった。
表情を歪ませるのは、憤激と絶望の発露のよう。
作り直したばかりのヒトガタが魔王へ攻撃性を見せて愉しませたことは何度かある。
ツィーアは魔導の響きへ変えて、言葉の続きを紡いだ。
『お前だけがいいというのに』]
……ぅ、 ゔ
[『レオヴィルの王族はシメオンとやらが獲るか?
譲るもよいが…あの者が死ぬる時は喰ろうていいか』
魔将シメオンの配下達は実に味気ない不毛の輩だが、シメオン自体の抱える魔力には魅力を感じていた]*
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ここまでのダイジェスト
・とりあえず魔王の足の下に初期配置する
・行っておいでって言われてしぶしぶ出かける
・布陣がよくわからないので後ろから現れる作戦にでる
・思ったより火攻めが燃えた
・ディークが落ちるなら俺も落ちる!
・どんぶらこで汚れた→そうだ、お風呂に入ろう
・せっかくだから弟の顔くらいは見て、アイリと合流したいな(願望
・帰っておいでって言われて大急ぎで戻る(りんきおうへん
・おふろはいるの忘れてた
・そんなことよりシメオン美味しそうだなって
/*
感想
うちのまおーまじまおー
アイリかわいいよアイリ
ローレルかわいいよローレル
シメオンおいしそう
主人公が苦労人でおきのどく
ガーディアンも不幸でおきのどく
リテイナーのポジション人気ないのってなんでなん明らかにこの村の中で一番らくちんなうえに一番幸せじゃない?
[クレレットの街道に玉座を定めた魔法兵器は、時折魔導の光を滲ませながらそこにあった。
異形の地這竜は吐息のように煙をくゆらせ、
脚の下で泥酔して騒いでいたトロル兵を一匹すり潰す。
高みにおいては、急所と記憶している首を縊られた玩具が弱々しくまだもがいていた]
[『お前が望むなら…努力しよう
度量も、 死ぬまでは助けるのも』
そして、甘えるようにヒトガタのなかの核を鳴らした。
チリン]*
─
[そのアーティファクトは退屈していた。
そのアーティファクトには魔神の力の仕組みがあった。破光により死をもたらし、その死を糧に次の光を生む、終焉に連なる環が。
けれどそれには最初の臨界が要る。
仕組みがあるのだからと、はじめの数百年は火種を待ちもしたが…あまりにも何も起こらないのでそのうち飽いた。
ただ退屈で、退屈で、退屈していて、]
[鼻先で何かが弾けた。
いい匂いのエネルギーだった。
アーティファクトは起きて、それが薄れる前にとって食べた。
これが自分の起こす魔法の触媒なのだと知った]
[すぐ傍で死んだ何かは、どこぞの魔王級だったらしい。
この時は知らなかったが、一つだけで満たされるような死は、そうあるものでもないようだ。
満たされたアーティファクトは起き上がり、魔法を発動させることにした。
起きだしてみると、……自分がずっと小さくなっていることに気がついた。
魔導炉には反属性の封印がかけられているし、射出翼は切り落とされている。捻じ曲げられた回路を迷走するうちに、力はどこかへロストしてしまう。
ああ、だが、退屈するより余程、好い。
アーティファクトは散々苦労して、最初の光を放った。
本来の仕組みよりもずっとずっと弱くて小さい破壊の光を]
、
[声が聞こえた。
世界を知覚したのが初めてでも、声の主が上機嫌だと理解した。
それで、アーティファクトはすっかり自分にかかった枷を気に入った。
くべられる死を食べて、満たされたなら光を放つ。自分はそういう道具だと知った。自分の姿と自分の出来ることを知り、そうして立ち上がった。
[後にツィーアは言語というツールを操りこう告げた。
『お前が変容させた私は、私の誇りだ』
『私はお前のためにあろう
お前の死を得る時までは』
魔王カナン・ディ=ラーグが死ぬことはない。故にそれは永遠を誓う宣として]**
[重低音と共に魔道兵器が立ち上がった。
突き並ぶ角に光が灯る。
翼なくとも、駆けるは狼牙にも劣りはしない。
脚の下で砕けた石畳は既に凱歌を奏でるよう。
望むままに、望むままに。
王の貫く闇夜よ、平伏せと]
[モンテリーの王族、ヨセフ。
それを、好ましい餌の名の一つとして記録する。
動かなくなった人形は腹の内に納めていた。
チリン
拳ほどしかない核は、死を蓄えるいわばツィーアの心臓。
今は王自ら動くのだから、「歩き回れる」必要もない]
――
[遠望の群、川を渡る夜の魔軍。
王の居城もまた南を図り、]
― 夜襲 ―
[渡河作戦、など 必要ない。
鉄底族は弓兵の聖矢を弾き、騎兵を槍斧で蹴散らすのだから。
南岸の制圧、そのまま後方の陣を正確に指向する黒い威容]
[悲鳴のような鳥の羽撃き]
[屍鬼の群、黒に沈む鎧兵、巨狼の息遣い。
亜人のざわめき。
やがて人間達は闇夜にも見るだろう。
肉眼で望める距離に聳える「マルサンヌ砦を落とした攻城兵器」をも]**
─ セミヨン川 ─
[人間の壁を削り崩しながら前進する闇の波濤、魔軍を眼下に魔法兵器はクレレットの南へ抜け、直進した。
そこに橋は架かっていなかったが、道は魔王の示す先にのみあるもの。
轟、
川の流れを断ち、水底に沈む昼の残骸を踏み潰して]
[この兵器が死を喰らう法を知り得るものは少ない。
そこに屍を娯しむ魔将の赤い瞳があれば、視認しているのだろう。呼吸するかのように城砦の波動が揺らめくたび、斃れた生物のエネルギーを吸い寄せていく様を。
もっとも、ツィーアの方はシメオンの語る魂の云々や屍術の原理を欠片も理解できなかったし、どうやら彼の研究と競合することもある──死を喰らった後の骸は「状態の良い素体」ではなくなるらしい──理屈も、ツィーアの幅狭い好奇心の範疇ではなかった]*
[ 『お前の望むように』
セミヨンを後にして、南の岸にゆるり圧し上がりながら、尾のような構造物から水を跳ねた。
人間というものに恐怖という感情がどのような効果を持つのか、まだ理解しかねる。
身近においては、ヒトガタを作り直すと時折披露してみせる反応か──それが何なのかを理解しなくとも、
『恐怖しながら尚
…抗うを屈服させるのが面白い だろう』]
[塔の上で、黒竜が翼を空撃ちする。
我も動くぞ、と令した主の声をナールも無論聞いている>>200]
──
[ツィーアは幻獣に戯れるように彼の塔をわずかに撓ませ
た。
この黒竜のことは殊の外気に入っているらしい]*
/*
昨日あたりからずっとアイリと遊びたかったんだけど、クレステッドのこと避けてるって明言されてるしこちらが向こうを気に入る理由もないことに気づいた
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