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― 朝・宿の部屋 ―
[ぽふっ、ぽふっと布団の上を跳ねる何かの気配に目を覚ます。
どうやら龍の子が自分を起こそうとしているらしい]
んん…?
なんだよ、今日はまだゆっくり寝ててもいいじゃねぇか……。
「きゅー!」
んぁ……?
[心なしか切羽詰ったような鳴き声。
こいつとはそれなりに長い付き合いになるが、こんな声は滅多に出さない。
何かあったのか、と寝惚け眼をこすりつつ上体を起こして声のする方を見やれば]
……なんだお前、その格好。
[目の前の奴は、手のひらサイズのぬいぐるみになっていた。]
[大きさはそのまま、ドラゴンを三等身にデフォルメしたような
真っ白なふかふかのぬいぐるみ。
大きな青いガラスの瞳が困惑したようにじっと此方を見つめている]
「きゅー!きゅきゅー!!」
あ?俺?
俺は別におかしくは……。
[言いかけて布団をまくった自分の身体を見て暫し言葉をなくす]
…………。なんだこりゃ。
[ゆうべベッドで眠りについたときはいつもどおりの格好だったはずだ。
それがどうだろう。
ゆったりとした長い袖の白いブラウス――残念なことに男物のシャツではなくブラウスだ――に刺繍入りのベルベットの胴衣(ボディス)。
極めつけはやたらと丈の短いフリル付スカートに、黒のニーハイソックスとヒールのついたブーツである。
状況を一言で説明すると
『朝目が覚めたら女物の服を着て寝ていた(ついでに相方がぬいぐるみになっていた)』といったところだろうか]
「きゅー」
ああ、よしよしすまん。
……とりあえずここにいても原因わかりそうにないしな。
[いちおう、部屋の中はひと通り探してみたものの、
原因となりそうなものも、昨日まで自分が着ていたはずの服も見当たらなかった。
いや、誰かが持ち出した可能性――いや、その人物については考えないほうがいいだろう――もある。
ひとまず、部屋の外に出てみるとしよう。
…この格好で人に会うのはいろいろと気が引けるが。
龍の子(のぬいぐるみ)をいつものように肩に乗せると、扉を開けて部屋の外へ*]
― 朝・廊下 ―
「きゅー!きゅきゅーきゅ、きゅー!!」
あ? …んだよまだ何かあんのかよ?
[部屋の外に出るなりなにかをしきりに訴える龍の子。
何かと思って声をかけると、いつものようにふわり宙に浮かんで――どうでもいいがぬいぐるみが宙に浮かぶというのはなんとも不思議な光景である――くるりと空中を一回転する。
するとその一回りした中心が一瞬キラっと光ったかと思うと、そこからコトっと何かが落ちてきた。
慌てて受け止めると、どうやらそれは魔法使いが持っているような短杖だった。
ただし、魔法使いたちが持っているものと比べるときらきらした宝石やら装飾やらが飾られていて]
ワンド、っつーよりはステッキ、って言ったほうがいいかね……?
[さながら、女の子が喜びそうな品物である]
てっか、これをどうしろと?
「きゅーきゅー!!」
あぁ?魔法が使えるかも、って。んなアホな。
[女物の服を着ただけで魔法が使えるなら、
とっくにマスターとコンビを組んでいるに違いない。
それはさておき]
「きゅ?きゅー!」
[廊下を歩いていると、とある部屋の前で龍の子が騒がしく鳴き始めた。
今度はなんだ、と部屋の前に来て扉の異常と、それから何か聞こえないか聞き耳を立てる。
すると、なにやら人の気配がする>>12]
……なんか嫌な予感がするんだが。
[とはいえ、このまま廊下にいたところで情報は得られまい]
――…おい、誰かいるのか?
[コンコン、とノックしたあと、扉の向こうにいるかもしれない人物に声をかけた**]
[それは、兄弟が部屋を出る>>28ほんの少し前のこと。]
「きゅーきゅ(おなかすいた)」
[朝起きたら今までと全然違う姿になっていたことにとても驚きましたが、起こした兄弟(こちらもやっぱり姿が変わっていた)が驚いているのを見たら、なんだか不思議と落ち着いた気持ちになったのでした。
兄弟はこうなった原因を探ろうとしているようでしたが、
ひとまず自分は「おなかがすいたからおいしいごはん(ミルク)がほしい」と考えていました]
「きゅーきゅー?(はやくごはんいこ?)」
[そんな鳴き声を発します。
普段は兄弟以外には意味を受け取ってもらえない自分の言葉ですが、もしかしたら同じ異変にかかったどこかの誰かにも自分の言葉が伝わるかもしれません**]
― 宿の部屋の前>>41 ―
んぁ?エレだと?
[聞こえてきた声は、若い女のもので>>41
そしてその声は言われてみれば聞き覚えのあるものであったかもしれない。
ただ、涙混じりの声と昨日のいまいちぽやっとして感情の起伏がわかりにくい印象だった彼女とが頭の中で咄嗟に結びつかなかった]
俺だ、昨日会ったレト。
[覚えてねーか?と扉の向こうから声をかける。
どうも様子がおかしい。おそらく自分が朝起きたらこんな格好だったように、相手にも何かしら変化があったと見たほうがいいのだろう。
とはいえ、状況の厄介さは向こうのほうが上かもしれないが]
――…ああ、安心しろ。俺は人間じゃねーから。
[尤も、人間でもないのは事実だが、彼女のようなエルフでもない。
とはいえ嘘は言っていない。
そこまで言ってから、ふとドアノブに触れると鍵がかかっていないことに気づく。このへんは変わってねぇんだなぁおtため息をついてから]
ドアの鍵、開いてたぞ。…入るからな。
[一言声をかけてから、扉を開ければ「きゅー」と自分より先に真っ白なぬいぐるみが部屋の中に飛び込んで布団をかぶっている彼女のもとに飛んでいった。
ぽふん、と軽く体当たりをしてから、きゅーきゅー鳴いて彼女の周りを飛び回る]
大丈夫だ、俺っちもこいつも、あんたに危害をくわえたりはしねーよ。
[ベッドのそばに歩いていく――ヒールが歩きにくい――と、彼女を安心させるよう目線を合わせるようにしゃがんでから、そう声をかけた**]
/*
>>64「でも"狼"って部分を"美少女"って言ってたら、今頃私は美少女だったのかな、なんて。」
ほんとだよwwww
なんでそこ美少女にしておいてくれなかったんだwwwwww
― 朝・宿屋>>58>>59エレオノーレ ―
[反応があった。>>58
どうやら完全に覚えていているわけではないにせよ、
全くわからないというわけでもなさそうだ。
そのことにほっと息を吐きつつ]
ああ、俺だ。
[扉越しで見えないだろうが、こく、と小さく頷いてみせた。
扉を開くと、きゅーきゅーと鳴きながら彼女の周りを
飛んで回る相方(ぬいぐるみ)にエルフが目を丸くする]
(…ん。なんだか昨日とは印象が違うな)
[どこか訛りのある口調もそうだが、表情が豊かになったというか、
仕草がどことなくあどけないものになった気がする]
[そんなことを考えながら部屋に入るとふと、
呆気にとられた表情でこちらを見ていることに気づく>>59]
ん?もんげ……?
[うん?と首を傾げてみせると、どうやら服のことに気を取られたらしい]
あ―……、うん。
[困ったな、と言った体で片手で顔を覆う。
栗色の髪から覗くやや尖った耳が赤くなっているのに目の前のエルフは気づいたかもしれない。
もしかしたら、はだけた布団をかぶり直すので気づいてなかったかもしれないが。
ついでに相方(ぬいぐるみ)はというとどさくさにまぎれてエレオノーレの布団の中にこっそり入り込んでいる。
……あの野郎、あとで覚えとけと心の中でこっそり呪詛を吐いておく]
まあ、それはそれとして。
[ちら、と布団を被る前の彼女の様子を思い出す。
自分の記憶違いでなかったのなら、彼女がさっき身に纏っていたのは布一枚だけだったような]
あー…ええと。
エレオノーレは今いくつか言えるか?
[さっき、殆ど裸の状態にも関わらず羞恥心が見えなかったのは、異種族の文化的な事情か本人の性格か、あるいは恥じらいを覚えない年頃まで精神的に後退しているのか。
先ほどのあどけない様子から、後者の可能性のほうを考えて質問してみる]
― 朝・宿屋>エレオノーレ ―
んにゃ、この格好はちと事情があってな。
エレオノーレみたいな別嬪さんが着てればまだ需要があったんだろうが。
[きらきらと目を輝かせる様子に、どうにも居心地の悪さを感じる。
その笑顔から本心から言っているようだと察しはつくものの
気恥ずかしいことには変わりはない。
まあ、居心地の悪さはそればかりではなく、
基本的に褒められるということに自分が慣れていないというのもあるのだが]
っとと。
可愛いお嬢さんとお近づきになれるのは嬉しいが、
ちと近すぎだぜ……?
[身を乗り出して顔を近づけるエレオノーレに、参ったな、と苦笑する。
はだけた布団から見える真っ白な肌が美味しそう美しい]
ああ、無理に言わなくてもいいけどn…。
[一瞬見えた眉を寄せる様子におや、と首を傾げるが]
って、おいこらチビてめぇ……!
[擽ったそうに身を捩って笑うエレオノーレと、
布団の隙間からちら、ちらと顔を覗かせるぬいぐるみ。
変化のないはずのその顔が心なしかドヤ顔に見えたのは此方の気のせいだろうか(反語)]
おい、こら出てこい。
「きゅー!」
[いやだ、と言わんばかりに一声鳴いてから、ぽすっと再度布団の中に潜り込むぬいぐるみ。
彼女の胸のあたりにひしっとしがみついてからすりすりと柔らかな頭を擦りつけ。
きゅーきゅーと鳴く様子からは、どうやらエレオノーレと離れたくないと訴えているのがわかる]
だーめーだ。
んなことしてっとこの部屋から追い出すかんな?
[この部屋の外にはぬいぐるみに飢えた男女が一組いるなどと夢にも思わずそんなことを口走る]
……ったく、しかたねぇな。
[言いながら、エレオノーレのそばに近づく]
じっとしてろよ、じゃないと変なとこ触っちまうかもしれねぇからな?
[付け足すが果たしてどれだけ効果があるものか。
そして8(10x1)分後、奮闘の末布団の中からぬいぐるみが顔を出すタイミングを見計らって、
どうにか捕まえることが出来ただろうか]
ったく、手間かけさせやがって。
[がっしりぬいぐるみの頭を掴みながら、はあ、と大きく息を吐く。
きゅーきゅーとぬいぐるみが抗議の声を上げているが無視を決め込んだ。……いや、それよりも]
……。
[――参ったな。
一度意識してしまうと、その柔らかな身体や匂いが嫌でも気になってしまう。
ふ、となんとなく彼女の顔を向くと]
……あんた、いい顔してんな。
昨日のあんたも美人だったが、さっきみたいに笑ってる顔のほうが俺っちは好きかもしれん。
[そう言って、ぬいぐるみをつかんでいない方の手を伸ばすと、そっと優しく頬に触れた。
それから、つぅとなぞり上げるようにして、頬から唇へとその指先を滑らせた*]
―朝・宿屋の個室―
[8分間に渡る布団とエルフを挟んだ格闘の末、なんとかぬいぐるみを捕獲する]
ったく、面倒かけさせやがって。
[呆れ顔でぼやいたところで、聞こえてきた声]
ん?
ああ、そうだな…。
[昨日のあまり感情の起伏が見えなかったことを思い出しながら
こくり、と頷く。
不思議そうな顔で頬を揉みほぐす様子から、
やっぱり本人に自覚はないんだなと思い至る]
(たぶん、精神的に退行してるんじゃないかとは思うが)
[彼女の状態も、自分のこれと関わりがあるんだろうか?
なんてぼんやり思っていると]
あ?…なんだそれ。
[嘘つきエルフは、のくだりでぷっと軽く吹き出す]
大丈夫だ、
俺は嘘をついたことはあるがそんなもんになったことはないし、
それにエレオノーレが美人だっつーのは嘘じゃねえよ。
[言いながら、頬と唇にそっと触れ、指先を這わせていけば、
どこか不安そうに眉を寄せながら、そっとこちらの指先を食む。
なんとなく嗜虐心をそそられる表情にくす、と小さく笑みが溢れるが]
リヒャルト?
[はて、誰だったかと思案して。
教会の若い神父が同じ名前だったと思い至る]
……ふぅん、あいつとも知り合いなん?
[自分も、あの教会には何度か世話になったことがある。
とはいえ、教会と病院にはできるだけ世話になりたくないものだが]
(場合によっちゃ、解呪のために向こうにいかねぇといけなくなる、か)
[しかし…、
「昨日、リヒャルトもエレの事が好きだったって言ってくれたズラよ……?」
その言葉に、自分でもよくわからない、なんとも言い難い気持ちが沸いてくるのは何故だろうか]
好き、ねぇ……。
俺も恋だとか愛だとかっていうのはよくわかんねぇからなぁ。
ただまあ、あんたのことを嫌ってないのは確かだし、
あの神父もそういう意味では俺と同じなんだろうな。
[しゅん、と不安げに耳が揺れる。
…犬のしっぽみてぇ、なんて場違いな感想を抱きながら]
んな、落ち込むなよ。
[言いながら、彼女の耳許に顔を寄せてかぷ、とその長い耳を甘噛みする。
普段ならそんなことはしないが、まあ身体はともかく精神的には幼い様子だし
さっき指を食まれたお返しだ、と慰め半分、戯れ半分に唇で食む]
[そんなことをしていると、ぐぅと彼女の腹の音が鳴る。
そう言えば、まだ朝飯食べてなかったなぁと思い出して]
…そういや、まだ試してなかったな。
[そう言って、手にとったのは
さっき相方のぬいぐるみから渡された魔法のステッキ(龍の子談)]
……そらよ。
[ぶっちゃけ信じてはいなかったが、
せっかくだ、少し遊んでみてもいいだろう。
手にしたステッキを、ちょうどバスタオルを脱いだ彼女に向かってふってみれば]
…おお。
[一瞬きらっと彼女の身体の周りに光が散ったかと思うと、
次の瞬間には、彼女の身体にはふんわりとした生地で出来た
白いオフショルダーのワンピースが着せられていた。
彼女には少し大きめのサイズらしく、先ほど見えた白い肩が
見えていて、それがなんとも庇護欲をそそるものになっている]
…案外うまくいくもんだな、これ。
[ちなみに成功しなかったら、ただの変態である。
内心冷や汗を拭いつつ、生まれてはじめての魔法行使の成功を喜んだ**]
― 朝・宿屋 ―
ん。可愛いぜ。
[顔を赤くして口ごもる彼女にくすくすと笑ってみせる。
その様子は少しばかり意地の悪いものになっていたかもしれない]
…特にそういう、初心な反応返してくるところとか、な?
[表情を変えぬまま、耳許に唇を寄せて意地悪く囁いてみせる。
と、次の瞬間には顔を離して、彼女と瞳を合わせる]
残念だが、俺も恋だの愛だのってのはよくわからん。
とりあえずダチがそういうのになったら応援はするつもりではいるがな?
[思い出すのは常日頃からからかって遊ぶあの女戦士のこと。
あいつはどうなったことやら]
リヒャルト、ねぇ。
…あいつなら解呪の方法も知ってるかね。
[自身についてもだが、エレオノーレ自身についても本来なら何か手を打つべきなのだろう。
――少なくとも、昨日の彼女が本来の姿だというのなら]
…まあでも。
[今、こうして自分の腕の中で彼女が見せる邪気のない表情を、
もう少し眺めていたい気分なのも否定はできなかった。
そうして、しょんぼりと下がったその長い耳を軽く甘噛みすれば
ふぇっと小動物のような悲鳴をあげる彼女の様子を楽しそうに眺める。
きゅ、とブラウスを握りしめる仕草も、震えて縋り付く様子も実に可愛らしい]
うん?…どう、おかしくなるって?
[少しばかり意地悪な問いかけをしながら、
こちらへ身を寄せてくる彼女の頭をよしよしとあやすようにして撫でる。
そうしていると、不意に彼女の唇が近づいて――きたのだが、それを遮るようにして腹の虫が鳴った。
と同時に、彼女が離れようとするのが見えて]
ん。残念。
…まあそうだな、飯にするか。
「きゅー!!」
[どうやら相方も腹を空かせている様子。
…とはいえ、ぬいぐるみになっているあいつは果たして食事がとれるのか。そんなことを一瞬思う]
ん、気に入ってもらえたのなら、よかった。
[無邪気に手を叩いて喜ぶエレオノーレにこちらもにこりと笑って返す。
なにしろ初めて使う魔法である。
ちゃんと使えるか不安であったが、案外上手くいくものだ。
ちなみに下着の装備はちゃんとしてある。とはいえ、丈の短いスカートは
ぎりぎり見えるか見えないかぐらいの短さだし、
オフショルダーの襟は白い肩が見えて庇護欲をそそるものになっている。
実際、くるっと回って流し目で見られようものなら大半の男たちにはいい目の保養になったに違いない]
デート、ね。ああ、いいぜ。
ただ、ちと寄ってかねぇといけねぇところがあるから。
あとで合流しようや。
[ひとまず、朝食は一緒に取るとしよう。
どこか行きたいところはあるか?と彼女に問いかけながら、部屋の外に出て、朝食をとりに一階へ降りていく。*]
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