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いやまあ、少し残念だけど、フランツが悪いんじゃないよ。
仕方ないことだから。
[フランツの表情を見れば、慌ててそう取り繕った。別に誰が悪いというわけでもないのだから、彼にそういうことを言わせてしまったのは私のミスだ]
オットーのことは私もよく分からないんだよね……。よく一緒にいたのはかなり前だし。
アルビンが帰ってきたくらいから、あんな感じだったような。
あ、ちょっとコンスタンツェ!
[広間から走り去って行く妹。三歳しか違わない私が言うのも変なものだが、まだ18の彼女には一週間という時間はとてつもなく長く感じられるのかもしれない]
ごめんね、フランツ。あなたは悪くないから。
[そう言い残せば、妹を追って庭園へ向かった]
― 庭園 ―
[視界いっぱいに広がる花々。妹はその一角で蹲っていた。
声はかけず、ただその隣に同じように座る。妹も、自分の行動の無意味さにはきっと気付いているのだ。だから、これ以上の行動は起こさない。
だから、声をかけずにただ隣に座っていることが。今、姉としてやるべきことなんだと思う]
[座り込む妹を見れば、昔を思い出す。悪戯をしたり言いつけを破ったりして母さんや、ディルドレに怒られたりした日の夜。妹はいつも私の部屋に来て、この体勢になっていた。
久しぶりに会ったときは随分変わったように思ったけれど、こうしていると、やっぱり昔のままなんだなあ、と思いながら。
無言のまま、蹲る妹の頭を撫でた]
そう。
[顔を上げた妹の目元は、昔と同じように赤く染まっている。その正面に回り込むと、同じ目線で笑いかける]
じゃあ、戻ろう。
フランツにも、謝らないといけないしね。
[広間を出る直前に見た彼の顔は、まさに茫然自失という状態だった。彼も、色々と心労が積もっていたようだし、ひどくショックを受けたのかもしれない]
それとも、部屋に戻る?
[言ってはみたものの、妹ならきっと彼に謝ることを選ぶだろう、と思いながら]
わかった。じゃあ、先に戻っておくね。
[こんな状態の妹を一人残しておくのは少し気がかりだけれど、本人が言うのならば仕方がない。立ち上がって妹に背を向ける]
待ってるから、落ち着いてから戻ってね。
[結局、自分は殆ど何もしてやれなかった。昔からそうだ。ただ傍にいて、少し頭を撫でたりしても、それ以上のことをしてやれたことは無かった。
それもそのはずだ。大きくなってから、私が妹と一緒に居た時間は本当に短い。特に、村の外に興味を持ち始めてからは全然だ。
……旅に出たのは、間違いだったのだろうか。自分は妹と、もっと一緒に居てやるべきだったのか。
惑う心を抑えながら、広間に戻った]
あれ、フランツは?
[妹が戻る前に一声かけておこうと広間に来たのだが、そこに彼の姿は無かった。その場にいた誰かにいきさつを聞く]
そう、そんなに……。
[自分が思っていたよりも彼がショックを受けていることを聞けば、申し訳ないと眉をひそめる。
彼の心労は私の想像していたものを遥かに超えていた。それもそうだ。私はいなかったけれど、騒動が始まってからずっと村の人から突き上げられてきたのだろう]
ちょっと探してくる。
[広間に残る人にそう言い残すと、あてもなく彼を探し回り始めた]**
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