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昨日はえらい目にあった…。
というわけで気を取り直して本日から頑張ります。
しかし二枚目ラヴァーズかぁ。
タロット見てきたらすっぱだかの男女の図でこれは手にしたときの様子が面白そうだ(ぁ
[捥いだ果実は、大きなスカートのポケットに2つ入れたまま、
娘は事が始まるまで、散歩の途中で足を止めてしばらくカードを眺めていた。
二頭の白黒馬に引かれる、二輪の戦車に乗る若者のカード。
『葛藤を制し、正しき道に進めば、その果てに勝利を得られるだろう』
という意を持つ事を、娘が知るはずもないが。]
…。
[空に向け、太陽に翳してみる。
カードが透ける事はなかったが。]
……?
[娘は体をまるっと作りかえられてから、空への未練が無いように思っていたが。
今はそれらに興味を抱き、粒子に手を伸ばしたようにそろりと手を伸ばそうとしている。
ふいにもたらされた情報をまま受け入れ、理解するためにしばらくの間また人形のように動かずじっとしていたが。]
…カードを集める。
その為に、なら。
傷つけてもいい…。
[本当にいいの?と、空へ問うように首を少し傾げた。]
ぴったり。
[落ちた声は、心なしか嬉しそうな音を響かせ、新しく手に入れた玩具で遊ぶように、ぶんぶんと武器を付けた羽を振り回していると。]
ガキッ
…あ。
[背後からぐいとかかる重みは片羽にかかり、ぐらと体が傾いたが、反対の羽で引きはがすように弾き飛ばして振り返る。
見覚えのある顔をした男が、既に逃げようと背を向けていた。]
まって。
[その背を追いかける。
空を飛ばれる前に追いつかなければと急く心が、普段は走らない足の代わりに進化させられた翼を動かし跳ねるように地を蹴りその背の羽を掴み取る。]
まって。
[背を羽ごと押さえつけたまま、待ても何もないが。
人形のような娘は淡々と告げて、組み伏せば圧倒する剛力で相手を押さえつける。
羽につけた武器で無駄に傷つけないような配慮はしていたが、代わりに二翼のうちの一翼の根本を、そっと自らの羽の先で掴み。]
貴方の持っているカード、
渡してくれないなら、むしる。
[淡々と威圧しながら、容赦なく毟り取りにかかる。
最初は冗談かと思っていた相手は、みしみしとなる音と痛みにギブを宣言し、カードを後ろの娘へ投げてよこした。
取ろうと手を伸ばすと、ぐらりと体が傾ぐ。
急にバランスを崩したのは、男の姿は消えてしまったからだった。]
……?
[どこに行ったのだろうと、一瞬カードの事も忘れて周囲をきょろきょろと見回したが、姿形はどこにもなかった。]
[しばらく不思議そうにしていたが、解らない物は解らないので諦めて、放り投げられたカードの方に意識を向ける。
投げられたカードはくるくると宙に浮いたままでいたが、手を差し伸べるとすんなりと、その手に納まり動きを止めた。
手の中には、赤い天使の前に立つ全裸の男女の姿。]
[ぎしっと固まった。]
…………。
[はだか。と小さく事実を、若干嫌そうに呟くと、手に入れた新しいカードはスカートのポケットの、…こころなしか最奥へ、いつも以上にぎこちない動作で目に触れない所へしまいこんだ。]
空にずっと人がいる。
[追いかけっこをしたり、空へ飛んだり。くるくると鳥かごの中で踊っているようにも思えて。
思えば静かな田舎の村。連れてこられたものが騒動を起こす事はあって、取り押さえられる事はあったが、こんなに大人数が暴れて回る事は無かったように娘は思っていた。]
…楽しそう。
[ふいに足を止めた娘は、何を考えているのかぼんやりと空を見ている*]
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