情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
……はい。
その節は、不覚を取り……申し訳ございません。
[落ち着きない毛玉を宥めるように撫でつつ、口にするのは謝罪の言葉]
……厄介……と、言うか、その。
色々と、不意を突かれた、もので。
[あの時投げかけられた言葉。
切り捨てたはずのものに、微かな揺らぎを感じている自分。
それらへの複雑な想いは微か、言葉を途切れさせた]
[彼の使者との遭遇は短い時間。
それでもなされる酷評、その一部には深く同意ができた]
……鬱陶しい、というのは、確かに。
[そんな呟きを落とした後。
唐突に置かれた言葉に、え、と声を上げて瞬いた]
[綴られる言葉。
人の弱さ、脆さ、身勝手さ。
それによって喪われたもの、うしなわれるもの。
それを知るから、自分は、人の側に立つ事を断った。
その選択自体は変わる事はないし、変える心算もない。
ない、けれど。
あの時、使者に囁かれた言葉は闇の奥底に置き去りにしたはずの言葉を思い起こさせて。
それが、揺らぎを生じさせていた]
……俺……は。
[向けられる氷山のいろ。
揺らいでいる事は、既に見抜かれているのだと。
向けられる言葉と、いろが端的に伝える。
肩の毛玉がきゅ、とか細く鳴いた。
それを抑えるように、ぽふ、と撫でて]
……俺も、未だ。
弱者の域を、抜け出せていないのかも、知れません……。
[振り切ったはずのものに揺らされている、という事は、そういう事で。
認めたくはないけれど、この場でそれを誤魔化す事もできなくて。
ぽつり、口にしたのは、そんな一言]
/*
……うわぁい、すげぇ、刺さる。
つかもう、刺し方が的確過ぎてだね、もうね、どうすればいいの状態なんだけどマジでどうすればいい……(*ノノ)
― 海岸 ―
[言葉が掠れがちになったのは、揺らぎを認める事で失望される事への恐れ故。
だから、視線もやや下を向いていたけれど。
氷雪がやや、緩むのを感じてそ、と上げた目に映ったのは、描かれる真円]
……自覚する事で、切り捨てられる。
[ああ、と思う。
目を背けたままでは、それに対する事などできはしない。
単純で、けれど困難な真理がひとつ、内へと落ちる]
……五年……も?
[揺らぎなどとは全く無縁と見える、強大な存在。
この方にも、惑う時があったのか、と。
告げられた言葉に最初に抱いたのは、そんな想い]
……はい。
越えます……越えて、みせます。
それを望んでいるのは、俺自身、ですから。
[僅かに混ざる、柔らかな響き。
それに惹き寄せられるのは、身の内の闇のみではなく、自身の心なのだと感じつつ]
御主の御心に……答えて、みせます。
[改めて告げるのは、微かに熱帯びた宣]
[宣の後、再び変わる話題。
肩の上の毛玉がきゅ、と鳴いて縮こまる気配が伝わった]
ああ、こいつは……ほら、パッペル。
[白の毛玉を手の上に乗せ、促すように指でつつく。
毛玉はふるふるふるふると震えた後、ぽふ、と言う感じで膨らんだ。
毛玉が変じたのは、どこかキツネを思わせる、三角耳の小動物めいたもの。
その額には、小さな紅い石が覗いていた]
……俺の……使い魔……というのが、一番近いのかな。
カーバンクルの、パッペルと言います。
人見知りが激しいもので、普段は毛玉に擬態してないと、落ち着かないんです。
[そんな説明をしている間にも、小さな妖精は腕を伝って肩へ、更にその後ろへとちょこまか移動し。
青年の肩越しに大きな目だけを覗かせるような感じで、ひし、と掴まった]
― 海岸 ―
……あ。
[昔は人間だった、という言葉に、そうだった、と思ったのは束の間の事。
刹那に見えた昏いいろにその思考は飲み込まれる。
この在り方を選ぶまでに、どれほどの葛藤があったのか。
自身には計り知れぬ領域の一端が見えた気がして──刹那のそれは、内へと焼き付く]
……ええ。
子供の頃に偶然見つけて……そのまま、懐かれて。
[それ自体が珍しい事だ、とは当時よく言われた事。
未だ穏やかだった頃に飛びかけた意識は、屈託ない笑みに現実に引き戻される]
…………。
[思いも寄らない事続きだ、と。
そんな事を考える青年の肩で、小さな妖精は不思議そうにぱたり、尻尾を振った。
耳はぺたん、と伏したままではあったが]
[海へと移ろう主の視線。
短い言葉に、自然、表情が引き締まる]
…………。
[無意識、握りしめるのは血石の指輪をはめた右の手。
術師としての意識は、これから起きる事象に強く、引き寄せられていた]
― 海岸 ―
[風鳴りと、波の音。
その音は、澱みない詠唱の始まりと共にどこか遠ざかる。
儀式のため犠牲、それに感情が動く事はなかった。
それが必要なものである、という割り切りは、術師として既につけられているから]
…………。
[術式に応じ、開かれる門。
そこから吹き上がる大量の海水と、その中に見える長大な影。
目の前で繰り広げられる事象から、目が離せない]
…………凄い。
[ほろ、と零れ落ちたのは、他に言いようのない感想ひとつ。
召喚の魔術は必要とされる要素の複雑さ、その危険性から、禁忌と教えられていた。
青年も、知識はあれど、実践する機会はなく。
初めて目の当たりにするそれは、術師としての好奇心を強く揺さぶるものだった]
[そんな、どこか惚けたような時間は、零れた声に打ち切られ。
熱を払うように数度首を振ってから、青年は海を見、それから、主を見る]
……御主……今、現れたものは……一体?
[何が呼び出されたのか、と。
問う声音には、隠しようもない好奇心が浮かんでいた]
― 海岸 ―
[声音に籠もる響きの意を理解するには、青年はあらゆる意味で若く。
憧憬と羨望の熱は、容易く薄れる事はない]
……海蛇、ですか。
現物、初めて見た……。
[小さき妖精や、天馬とは馴染みもあったが、このクラスのものは早々見れたものではない。
遠い海面に見える影を追う様子は、どこか幼くも見えようか。
もっとも、その様子は告げられた言葉に一時、消えて]
……御意。
後の事は、お任せください。
[即答を返し、城へと向かう背を礼を持って見送る。
その姿が遠のくと、は、と息を吐いた]
……パッペル。
[そ、と呼びかけるのは、小さき妖精]
俺って……ちっぽけ、だな。
[零れる言葉に籠もるのは、自嘲。
小さき妖精はきゅ、と鳴いて、尻尾を振る]
でも。
そんな言葉に、甘えちゃいられねぇ……自分で選んだ道……違える、わけにはいかねぇし……それに。
[言いながら、視線は遠く──海の向こうへ]
……『あの場所』は……俺には。
眩しすぎて…………つらい。
[そ、と零すのは。
ずっと抱えて、けれど、言葉にできずにいた想いの言の葉。
それが風に散らされるまでが、感傷に沈む時間。
ふる、と首を横に振った後、青年は主命のためにと動き出す。
ジルヴァーナ沖へ出航する際の注意事項が布告されるのは、それから間もなくの事。*]
/*
[的確にぶん抜かれまくって、もうどうにでもしてください、と叫びたいいきものの数→1]
……いや、うん。
最後まで、立ち位置崩す気はないんだけど、ないんだけど。
こう、改めて惹き寄せられるとだな、ほんとにだな、どうすればいいんだと叫びたい……!
― 王都陥落から半月ほど後:王城にて ―
[肩の毛玉の事を疑問に思われているなど知る由もない。
……もっとも、本当に親しい者相手でなければ本来の姿を見せる事のない小さき妖精には、多くが疑問を持っていたやも知れないが]
……そう、なります、ね。
護られる事を求めつつ、自分にないものを、異端として、廃する、矛盾。
それを、許せない、っていうのも、大きい、ですけど。
[目を逸らす事無く告げられる、過去への評。>>369
真っ向から受け止めようとする態度には、やはり、戸惑いはあるけれど。
同時、本質を見出そうとするかのようにも思えるその眼差しの真剣さは、青年のもう一つの本質──知の探究者としての部分にも強く響いて。
誤魔化す事はできない、という想いを内に積み上げた]
― 王都・地下 ―
[出陣と、そして、前線の慌ただしさ。
転移防御の陣を展開する事を急務とする青年には、それは今は遠い事と言えた]
……ん。
後、再確認が必要なのは、この辺り、か。
[訪れていたのは、地下。張り巡らされた地下道の繋がりを把握し、転移防御結界の陣を形成するのが目的だった。
結界を強固なものとするため、地上と地下、二か所に陣を形成する、というのは、拝命してすぐに思い至った事。
また、自宅にも誘導のための陣が築かれていた事を思えば、記録から抜け落ちた緊急転移用の門が地下にない、とは言えず。
地下の調査は、その確認も兼ねていた]
魔力的な探知は、俺がやる。
お前らはいつも通り、壁やら床やらつついて、隠し扉がないか確かめろ。
[『調査』の補佐役として連れて来たコボルドの一隊に出すのは、大雑把な指示]
……ああ、いつも言ってるけど、罠の踏み抜きは、自己責任だぜ。
[さらりと突き放した一言に、コボルドたちがしゅーん、となるのはスルーして。
一番近くにいた者を無言で手招いた。
要求するのは、探査術展開のための、触媒。
……ちなみに、一点に負担が集中して、結果的に労力が不足しないよう、ちゃんと交代制にはしてる。
どちらにせよ、要求される側にとっては、たまったものではないだろうが]
……現地調達は、鮮度はあるけど、純度に難があるのがイマイチだよなぁ……。
[供させた血の質を確かめるべく、指先についたそれを軽く舐め。
口にするのは、身勝手な感想。
そんな様子が『吸血術師』と呼ばれる所以だが、意に介した様子もなく]
全ての礎、捧げられし根源に応じよ。
昏き闇、深き影。
不可視の帳に包まれしもの。
その鼓動、その息吹、我へと届け、響かせろ。
[左手の短剣で魔法陣を描き、紡ぐ呪に応じて、血色の光が周囲に散る]
……よし、散開。
ああ、『掃除』が必要と思ったら、遠慮するな。
ただし、敵わねぇ、と思ったら、呼子鳴らせよ。
[ぞんざいな指示に応じて散っていくコボルドを見送り。
自分もまた、探索するべく歩き出す。*]
― 王都・地下 ―
……っかし、無駄に入り組んでるよな……。
[薄暗い地下を歩きつつ、ぽつり、零すのはこんな呟き。
それに同意するように、肩の真白がきゅ、と鳴いた。
海岸で擬態を解いて以降、小さき妖精は、他者のいない場所では本来の姿を見せるようになっていた。
それでも、普段は相変わらず尻尾つきの毛玉なのだが]
ま、早いとこ、結界の形成はしねぇとな。
弾くだけの陣なら、そんなに手間はとらねぇけど……どんな搦め手できやがるか、読めねえし。
念には念を入れねーと。
[搦め手、という言葉で浮かぶのは、かつては信を置いていた
必要とあらば情を排し、最も効率の良い手段を取る事に躊躇いのない姿勢と、その判断力を軽視する事はできず]
……あのおっさんも、どーお見ても一筋縄じゃいかねぇタイプだしな。
[城内でやり合った、使者として訪れた男にもまた、同じく危惧を抱いていた。
ちなみに、彼の名や素性は調べればすぐにわかるのだろうが、未だそれはせず。
『めんどーなおっさん』という酷い認識のままに止めていた]
[かつん、と足元で乾いた音がする。
落ちていた小石を偶然蹴飛ばした事で生じたそれは、やけに大きく]
…………。
[こうして地下道を歩き回るのは、昔は良くあった。
封じられた道、隠された通路。
御伽噺の迷宮に見立てて飛び込んで迷って──そんな、遠い記憶を振り払うように、首を左右に振った。
肩の真白が、案ずるように、きゅう、と鳴く]
……んな声上げんな、パッペル。
[かつて触れていたもの、今、仰ぎ見るもの。
対極な二者の狭間の揺らぎ。
晒したそれを超える事を望んだ言葉は、楔。
ただ、それと共に──彼の使者の残した棘もまた、内には残り]
……あんまり、情けねぇ所晒せねぇんだから。
お前も、ちったぁ考えろ。
[近しきが故に、自身の想いに共鳴する真白をつついて諫めるのと、遠くない場所からコボルドの情けない声が聞こえて来たのは、ほぼ、同時]
…………。
使い易いんだけど、使い難いよな、あいつら。
[なんて、酷い評価を下した所に、こちらの匂いを追いかけて来たと思しきコボルドがぴょこぴょこと駆けてくる]
あー、なんだ。
何か見つけたか?
[ぞんざいな問いに返るのは、仲間が壁に食われたとか、そんな内容の報告]
……大方、回転壁にでも引っかかったんだろ、それ。
まー、いーや。
案内しろ。
[子細な説明を得る事を諦めた青年は、報せに来たコボルドの後について、その現場へと足を向けた。*]
/*
エディ
68回 残626pt(3)
……確か俺、飴三つもらったよね……。
休日こええ。
まあ、こんなになるのは、あとは4dだけだから、うん!
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新