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― フロアD ―
[なんとかフロアDにたどり着く
広い場所だった]
あれは…?
それにこれはなに?
[見たことのない標本、自分とは違う服を着る人形
見たことのないものばかり
人形の目は輝く
ふらりふらり
歩いていると、見知らぬ人形にぶつかってしまう]
「痛っ…なに?」
えっと…
[それは巫女の人形よりもずっと派手な人形だった
まずはぶつかったことを謝らなければ
そう思って口を開こうとしたが、その前に派手な人形に言葉を挟まれてしまう]
「ははーん
あんた、なんにも知らないんだ?
あんた、ここはじめてなんだ?」
あの…
「ここはロビー。人間が最初と最後に絶対に来るところ
あたしらちんけな人形にはまず縁のないところ
ここに飾られるのはその時の目玉やもっと新しいものか古いもの
でもあたしは中途半端だもの
ここはあたしにとってはただの空間にすぎない
あんたもここを通り過ぎない?」
[くるりくるり
きっとどこか違う世界の舞いなのだろう
自分の知っている舞いとは違う舞いに思わず見とれてしまう
最後に自分に問いかけたとはわからずにじっと彼女を見つめていると、彼女は少し苛立った声で話しかけてきた]
「あのさぁ、あんたそうやってずっとぼーっとしてるつもり?
ここにはこれといって面白いものはないわよ
それでもいいなら好きにしたら?」
あ、あの!ごめんなさい!
綺麗だったからつい…
「あらやだ!ほんと?嬉しいわ!
そうでしょ!綺麗でしょ!
もっとあたしを見てていいのよ?」
[どうやら誉められて気をよくしたらしい
彼女は巫女が何も言わずともこの博物館について事細かに教えてくれた
舞いながら
施設について、展示品について、そして不思議な石の話
すべて話し終えるまで約2(5x1)0分くらいかかっただろうか]
「あたしが知ってることはこんなもんよ
わかんないことがあったら黒薔薇の騎士の絵か人間にでも聞きなさいな
黒薔薇の騎士の絵は…あれ?どこにいたっけ?
…あはは、忘れちゃったわ
ま、いっか
人間はあたしよりもずっと物知りだろうし、そのへんに彷徨いてるだろうし、黒薔薇の騎士より探すのは楽かもね
それじゃ、あたしはもう行くわね
あたしを見てくれてありがと
じゃあね!」
あ!待って!
「んー?」
さっきは、ぶつかっちゃってごめんなさい
それから、いろんなこと教えてくれてありがとう
[巫女は頭を深く下げた]
「いいのいいの
あたしだってまだ全部は回りきってないんだ
もしかしたら、また会うかもな」
「ああ、そうそう
これ、あんたにやるよ
あたしいらないし」
[それは見たことのないものだった
その人形曰く、遠くの誰かと話す物だとか
半ば強引にそれを手渡されると]
「それじゃ、今度こそじゃあね」
[そういうと、派手な人形は手を振って去って行った]
さて、どうしよっかなー?
[3(3x1)(B.C.E.)へ]
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