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8人目、魔法教師 ロヴィン が参加しました。
魔法教師 ロヴィンは、落胤 を希望しました(他の人には見えません)。
いいから逃げろ!
今、お前達に出来るのはそれだけだ!
羽根も生えそろわない雛鳥に、ここで出来ることなぞ無い!
[ 脱出を躊躇う年少の子供達を怒鳴りつけるのは、それが教師の役目だからだ。
一年前の首都陥落で、親兄弟を亡くした者も多く、教師を親代わり、友を兄弟と思う気持ちが、その足を鈍らせているのだと知った上で。 ]
足手まといになりたくなければ、さっさと脱出しろ!
[ 今、この状況での脱出路は、空しか無い。
飛行の術を上手く使えぬ者にはそれを得意とする引率の教師が付き添い、防御の術を得意とする者が地上からの弓矢を防ぎながら、少数ずつ、微妙に方向を違えて飛び立っていく。
まるで、狩人から逃れようとする渡り鳥の群のように。 ]
[ 遠く近く、破壊の槌音の響く中、良く通る声が>>53耳に届いて、眉を潜める ]
どこかで聞いた声だな?
[ 嘗て、散々教師陣を翻弄した、愛らしい姿の悪童の記憶は、そうそう薄れるものではない。
どうやら、町の人間を手懐けようというつもりらしいが、そもそも滅亡寸前の魔法使いの町にわざわざ止まってくれた人々だ。もしも帝国が攻めて来たら逆らわず身を潜めろという勧告は首都が落ちた後に学園からも町に布告されていたから、その魂胆に乗じて助かってくれるなら、むしろ重畳だが。 ]
間違っても、逆らってくれるなよ...。
[ 魔法使いでなくても、子供達を可愛がってくれた商店の主人や学園との取引で生計を立てていた者達もいる、彼等が強制労働送りとなるような反抗をしないことだけは、祈るしかなかった。 ]
/*
うおっと...あー、これどうしよう?
リヒャくんのとこに飛ぼうとしてたんだけど、これ助けるのはフレデリカの方が良く無い?
ち...!もう破られたか。
[ 一際大きく響いた轟音と、魔法の防御が破れた感覚に>>52正門が破られた事を知り、男はその場に立ち止まる。 ]
軛より放たれし者 自由なる疾風
清涼なる息吹にて 我が翼を支えよ
[ 低く深く響く詠唱に応じ、びゅう、と逆巻いた風が、その身を空へと運ぶ。弓矢の的になる危険性は、この際二の次だ。 ]
『いかに剛力だろうと、矢は真っ直ぐにしか飛ばせはせん』
[ だから矢が届くより早く、届かぬほど高く飛べばいいのだ、と、いう無茶振りを、当然のように口にする父親に、素直に「はい!」と返事したのは、遠い昔に思えるけれど。 ]
/*
ところでフレデリカの位置がよくわからんのですよ。
リヒャくんが正門側で、フレデリカは、学園の中央?
こっちが頭飛び越えた感じかな?
輝ける星の雨 夜渡る月の泉
降り来たり 溢れ来たり
その恩寵に 巡るは輝く荊の棘
[ 城壁に取り付き、昇ろうとする帝国兵の動きは上空からも見えていた。>>78
彼等を打ち倒すだけの魔法を放つことは出来ないが、せめてもの足止めをと上空から光の棘を降らせる。
棘は城壁に届くと、その上で荊の蔓のように伸び広がって石の壁を覆い、兵士達にも絡みついて動きを阻もうとするだろう。]
何故、止めるかだと?!止めなきゃ死ぬまで止まらんバカがいるからだっ!
[ 不満一杯という様子のリヒャルトの前に降り立ち、、もう一度怒鳴ってから、視線を巡らせる。超人ならぬ身には、こちらを見上げる死神の顔は見えない>>79だが、先刻、癒しの魔法をリヒャルトに届けた、もう一人の雛鳥の姿は遠くからでも判別できた。>>74 ]
...それに、お前が止まらん限り逃げない奴もな。
他の雛鳥供の撤退は概ね終わった、フレデリカを連れて、お前も行け。
[ リヒャルトが納得しようとしまいと、譲る気はないという断固とした表情で告げる。 ]
これは、学長の命だ、魔導師リヒャルト・ターゲリート。
学生達を率いて、可能ならばセンテナリオへ落ち延びろ。
[ 魔導師、と、呼ぶ言葉と共に差し出すのは、学園を首席卒業した者にだけ渡される、一人前の魔導師と認める紋章入りのメダリオン。* ]
[ 反発、逡巡、そして決意...揺れ動きながら、思い定めた若者の様子に>>100わずかに笑みが零れる。 ]
そう気負うな。お前は元々雛鳥共の大将だったろうが。それが「役目」になっただけのことだ。
だが、大将が撃ち墜とされれば、群れは方向を見失う。それだけは忘れるなよ。
[ 祝いの言葉代わりに送るのは、そんな諫言めいた台詞。因果な事だとは思うが、若者達の無事だけが、先への僅かな希望だという認識は、教師達の間でも一致していたから止む無しだ。 ]
俺の役目はお前ら雛鳥共の後ろを守る事だ。お前は前だけ目指して飛べ。
[ 得意だろう?と、飛び立つ若者に告げて、その背を見送る。教師達の中で学生達と共に脱出する事を命じられたのは、男を含めて比較的若い数人だけ。年長の教師達は皆、時間稼ぎの為に残る事になっている、とは、告げる事はできなかった。 **]
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死神殿が、俺のハードルを爆上げしてきてて噴く。
あの親父を超えろと!?
[ 死ぬ前にせめて追いつかないとドラマにならねーじゃねーか、というかお ]
魔法は、羽根も生え揃わない雛が遊び道具にできるようなものじゃない。舐めていると痛い目を見るぞ。
[ 最後まで、とことん厳しい視線と口調で言い切った教師が、実は前日に赴任したばかりで、クラスを持たないために出迎え役を任されたのだとか、実際は飛行魔法を点数評価する規定などは無いのだとか、そういった事実がリヒャルトに伝わるのは後日の事。
知って抗議されたとしても、男が動じることはなかったが。]
リヒャルト!!加減を考えろと言っただろう!?これは魔法のコントロールを覚える訓練で、限界を測るテストじゃない!
[ 何の因果か陰謀か、結局、最初に受け持つことになったのが、リヒャルトのクラスで、以後毎日のように、教室に響き渡る怒声が名物扱いになるのに日にちはかからなかった。 ]
[ ようやく歳を重ねて、リヒャルトにも多少は落ち着きが出て来たかと思った頃、今度は、帝国から投げ込まれた爆弾のようなドロシーの巻き起こすトラブルと、そのトラブルに頭から突っ込んでいくリヒャルトの衝突が新たな学園名物となった。
衝突が収集のつかない騒ぎとなれば、仲裁に駆り出されるのはやはり教師の役目で...]
とんだ貧乏籤です。
[ ぼやけば、リヒャルトの入学時の裏を知る学長からはとても生暖かい視線を向けられた。 ]
「コントロールこそ未熟ですが、重複魔法詠唱を難なくこなした上、水の魔法が切れた直後の立て直しの素早さはあの歳の子供とは思えませんでした。リヒャルト・ターゲリートの才は間違いなく本物でしょう」
[ あの日、学長にそう告げたのは、間違いなくこの教師であり、結局のところ、その評価は、その後も変わってはいないのだから。]
― 魔法学園・城壁上 ―
なかなか、育ったもんだ。
[ 8年前と比べれば、遥かに力強く空を駆ける若者の姿に男は藍色の瞳を細める。彼の成長に大きく関わったのは、今、真っ直ぐに向かおうとする先に待つ存在だろうとも男は気付いていた。
フレデリカ・アルマリッヒ...生まれも育ちも性格も、凡そ重ならないはずなのに、リヒャルトとの間には、確かに無二の絆があるのだと、傍目にも判る少女。きっとこの先に待つ過酷な道でも、彼女の存在はリヒャルトの支えとなるだろう。]
― 城壁上 ―
[ 城壁全てを崩し尽くさん勢いで飛来する投石を睨んで腰に下げたサーベルの柄を軽く握り締める。
一年前、陥落した首都から辛うじて落ち延び、一報を伝えた使者は、父の部下でもある魔導師団の伝令だった。彼は、父の最後の様子をも男に伝え、その愛剣を決死の覚悟で確保して形見として手渡してくれた。 ]
『この剣だけしか…御遺言を残される事も叶わず…』
十分です。親父殿は遺言など残す人じゃない。
[ ただ残された剣の重さだけが全てだと、男は知っている。 ]
帝国の死神、か。
[ レオンハルト・ヘンカァ...その名を知らぬ者は、今やこの大陸には居ないだろう。その死神と対峙して、父が稼いだ時間は僅かでも、決して意味の無いものではなかったはずだ。
その蹂躙の刃を逃れて、この地に首都陥落の報せを齎した伝令の姿こそがその証拠。 ]
『人にはそれぞれの役目というものがあるのだ、ロヴィン。私とお前の役目は違う。それは当然の事。私は私の為すべき役目を、お前はお前の為すべき役目を果たせばいい。』
[ 父はきっと、その言葉通りに、命を賭けて己が役目を果たしたのだろう。 ]
俺の役目はまだ、終わっていない。そうだろう?親父殿。
軛より放たれし者 自由なる疾風
清涼なる息吹にて 我が翼を支えよ
[ 足元に飛来した投石に、城壁が崩れる寸前、再び空へと身を運び ]
冷たき石くれ 命を宿せ
昏き闇裂く 流星の如く
降りかかり 降り注げ
[ 続く詠唱は、崩れた城壁の瓦礫をそのまま石飛礫として、帝国軍の頭上に降り注がせる。 ]
魔法は一つの技能だ。
強い力だけが有用なのじゃない。
使い方次第で弱い力も強者を退ける技に成り得る。
[ けれど、と、教師が最後に伝えたのは ]
フレデリカ、最後に勝つのは、戦いに勝った者じゃ無い、戦いを生き延びた者だ。君は決して、それを忘れるな。
[ それを彼女が忘れなければ、彼女の対もまた、それに倣うだろうから。* ]
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