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[時折旅に出る生活を変える気はない、と。男を正しく理解している神父>>104と同じカルヴァドスを流し込む。
男は随分と酒に強い自覚はあるけれども、どうせ同じ席に座るなら、相手と同じものを飲むのがいい。時間と空間だけでなく、味覚も共有することで、腰が落ち着かない己が幼馴染と繋がっていると実感できるから。]
心配ありがとよ。
……けど、俺が帰ってくるのは、この豊穣の村だけだ。
[ジムゾンの頭によぎるぐるぐるを読み取っているのかいないのか。どちらとも取れるあいまいな笑みを浮かべて、口調だけ軽いまま本音を吐き出す。
余計なお世話と言うならば。最近フリーデルとはどうよ?仲良くやってるか?なんて、おっさんめいた言い回しで尋ねながら、こちらも空いた杯に酒を注ぎ返す。]
[突然(としか思えないタイミングで)結婚についてジムゾンから言及された>>105男は、思わず酒をふきだしそうになった。
ごほごほと咳払いで誤魔化し、しごく真面目に顔を引き締める。]
安くしてくれるより、むしろ嫁さん紹介してくれるサービスとかないもんかね?割と真剣に。
[それが実現したら、教会での結婚式、料金2(6x1)割り増しで支払っても惜しくないぞ。
尚、勝手にシモンへパメラを紹介した日>>115にゃ、酒を奢ってもらった恩義があろうとも、必ず殺す。覚悟しろ。*]
― 回想 ―
[温泉へ案内した負傷兵から、悪い奴ではない(だが問題はある)>>107と思われているとは、男は全く知る由もない。
だがその原因には、少々心当たりがない訳ではなかった。]
うんうん。パメラはいい子だろう?
分かってくれて嬉しいよ、さあ飲め飲め。
[可愛い妹に感謝の言葉を言っているシモン>>100を見かけたあと、とろけるような笑みと共にグラスへ酒をなみなみと注いで勧めながら自慢話をしたとか。
いかにも柄の悪い旅人が数人、左足を引き摺るシモンへ絡もうとしたところで割って入り、虫の居所が悪いのに任せて、さんざボコって”YOU WIN”した挙句、逆に金を巻き上げたとか。
ちょっとばかり、シスコン&ならず者っぷりを発揮しちゃったかな☆てへっ、というやらかしエピソードがあるためだ。
それでも、温暖な豊穣の村で生まれ育った男は、万事暢気で楽天家な性質もあり。
例え面と向かってシモンから思っていることをズバリ指摘されたとしても、大丈夫大丈夫安心しろと気楽に返すに違いない。*]
[かつてはアルコールなしのジュースで語り合ったジムゾンと、こうして酒の杯を重ねるようになって、年月の重みを実感する。
噛み締めるように頷く様子>>124に、意図が伝わったと理解した男は、ふふっと笑うだけで返した。
付き合いが長い分、下手に誤魔化そうとしてもきっと見抜かれるに違いないと考えているだけでなく、そもそも最初から嘘をつく気はないのだ。
だから、珍しく苦笑をもらしたジムゾンへ、ほんの少しためらったあと、言葉を選んで慎重に告げた。]
彼女は真面目で敬虔なシスターみたいだし。
お前を兄と見るには遠慮が先になって、何か吹っ切れないとこがあるんじゃないか?
[教会とかオットーのパン屋とかで見かける言動を思い返しながら。
それでも寂しそうな呟きを何とか慰めたくて、肩をぽんと軽く叩いた。]
あーなるほど。
旅先で捕まえてくる手もある、か。
[ジムゾンから指摘されて>>125、初めて気付いた!顔で拳を叩く。まるで世紀の大発見をしたかのように。]
だったら、うちの村には優しくて親切な神父様もいるよって売り込んでやる、今度旅に出たときに。
楽しみに待っててくれ。ただし過度な期待はするな。
[自分の嫁さんすら見つけられるか怪しいのに、安請け合いしながらウインク。
ジムゾンと飲むときは、大体こんな雰囲気になるのだった。男にとっては、ものすごく楽しく、愉快で、時々胸の奥が表現しがたい感情でかき混ぜられる、複雑な時間でもある。*]
→ 村の中 ―
[パン屋を後にして、荷車を引き引き配達先をのんびりと回る。
相手が留守をしていても、倉庫とかいつもの場所とかへ小麦粉を置いていけば、用事は十分足せる。何せ子供の頃から過ごした村、勝手は十分すぎるくらい分かっているのだ。]
それにしても、今日は村人が少なくね?
[家々を回りながら、ようやくいつもより人の気配が少ないと気付いた。**]
― 旅人と ―
いや、何。困ったときはお互い様さ。
[ニコラスのお礼>>159に対し、いつも使う言葉を口にした。旅慣れていようとも、初めて訪れただろう土地でアクシデントに遭ったらすごく大変だと言外に示して。
温泉で温まった直後らしく、血色も良く見える。これなら怪我も順調に回復するだろうと安堵した。
そこからの連想からか、初めて会ったときの旅人の様子も頭に浮かぶ。
普段の行いだけでなく、外見の悪さのために、顔を合わせた人に敵意を向けられることは少なくない。特に女性には、とって食われると警戒されやすいのか、しばし怯えられたり避けられたりしがちだ。]
おーすげえ傷だなー。手当てできるとこまで案内すっけど、歩けるか?
[敵意がこめられた強い視線を向けられた>160とき、怪我で気が立っている野生動物が連想されて。咄嗟に両手を肩の高さにまで上げて、敵意がないと意思表示する。
自分は警戒されているようだし、ジムゾンやフリーデルの手を借りなくてはと考えていた。
特にニコラスの側に支障がなければ、真っ直ぐ教会に案内するだろう。]
[男にとって、このような対応は日常茶飯事である。
時折思い出すことはあっても、されて当然の反応くらいに考えていて、旅の話をする際には、初対面でのニコラスの態度は決して口にしない。
そして、揶揄するような口調で思いがけない一言>>161を言われた際には、一瞬だけ目を丸くしたものの、すぐににやりと笑いかける。]
それはどうもありがとう。
もしニコラスが女だったら、俺も即座に口説くな。何ていったって美人だから、嫁さんになって貰えたら村の皆に自慢できるし。それに旅の話してるとすごく楽しいしな。
[たらればで語られる言葉は社交辞令。そんな思い込みから、男もまた可能性すらないと決め付けている仮定に、本音の誉め言葉を混ぜこむ。オットーほど情熱的な台詞を口には無理にせよ。
”彼”からの好意は感じるものの、隠している事情とか感情とかには気付けない。当然補強するような一言を聞いても、その裏にある何かを見つけることはできなかった。*]
― パメラへのお土産 ―
そうか、赤だな。分かった、覚えとく。
[パメラの好きな色は赤>>198。この情報を得たときはとても嬉しくて、パメラと目線の高さを合わせて、力強く頷いた。
男や男の父親の髪のようなとの例えに、一瞬ん?と引っ掛かりを覚えたが。その理由については、深く考えてない。お土産を探すとき、色の目安がつけやすくて気楽だ程度くらいにしか。
半年前に1ヶ月程度の旅に出たとき、その機会は訪れた。
旅先で見事なルビーがはめられた髪飾りを発見して、これこそパメラに相応しいと喜んだものの。手持ちの銭では手付金にもならず、悔し涙を飲む羽目になった。]
ごめん、パメラ。おにいちゃん甲斐性なしだから、これで精一杯だ。
[仕方ないので、有り金はたいて入手した赤いガラスの小物入れを馬鹿正直に事情を明かして差し出した。
尤も、寂しがっているパメラのために旅心を我慢して村に留まるとか、闇をまとう呟き>>188をさせないよう昼の酒をきっぱり断つとか。そっちの方が余程甲斐性を示せるに違いない。*]
― 負傷兵と、やらかした件について ―
[男の外見から連想する第一印象は、多くの人はほぼ一緒だ。だがその後、お前は見かけによらないと驚く人、やっぱり外見と中身はイコールだなと呆れる人とで真っ二つに分かれる。
どうやらシモンは前者>>152らしく、妹自慢にも律儀に付き合ってくれる。
彼が初対面の頃よりも宿屋の食堂に馴染んだように見えた頃、その事件は起きた。]
……っ!い、いや、何。こんなのは朝飯前の運動さ。
[ボコった連中が置いていった財布が予想以上に重かったものだから、にんまりしかけたところでお礼>>153を言われて、慌てて誤魔化した。
しかも怪我は大丈夫みたいだなと気遣われてしまったので、何となく気まずい。負傷している身で危ないと気遣う気持ちがなかったと言えば嘘になるけれど、実際は喧嘩だ喧嘩だーと高揚する気持ちの方を優先させていた。]
ははは。まあ、な。うん。
[シモンに”思ったところを顔に出しやすい”とか、”手や足が出るのは危ない”とか、ズバリ指摘されて、ハイその通りですとも言えず苦笑いした。その分表情では思いっきり肯定していたが。]
……。
[しかし続いてかけられた言葉>>154は真面目に拝聴した。戦場で怪我を負ったシモンの忠告には実体験から来るだろう重みと、強い説得力を伴っている。
年寄り連中の説教は、下手に反発すると長引くのがオチだしと、聞くふりだけして大半はその場で忘れるのが習慣になっていただけに。そのときの男は、珍しく素直な態度を見せていた。]
ああ、そうだな。取り返しがつかないことになる前に、ちっと喧嘩っ早いとこを反省してみるわ。
[目を怪我したゲルトに対する、カタリナやパメラの様子を思い返しつつ、神妙に頷く。
さすがに次の日から粗暴な言動がすっきり改善した訳ではないが、少しはセーブできるようになったんじゃないかな、なっているといいな、と男は思っていた。]
ええっ、レジーナさん?
[そんなこんなでシモンは意外に人を細かく観察しているようだと判断する前か後か。ある相談―ジムゾンに相応しい女性について―を受けた>>142ときは、大変驚いたものだ。内容よりも、むしろ”何故宿屋の女主人が幼馴染に相応しいと思ったのか?”という意味で。
シモンがそんな結論に至った思考を読み取れない男は、宿屋で見かける姿を頭に思い浮かべながら、あれこれと思索した結果。レジーナはグラマー、即ちジムゾンはおっぱい星人である!と短絡的にひらめいた。]
おけおけ、任せておけ。
今すぐに彼女のような女性を連れてくることはできないけど、そのうち何とかしてみせる。
[そしてシモンに対しては、胸を叩いていつものように安請け合い。
文字を教わるなどジムゾンと交流があったとはいえ、幼馴染の俺も知らなかったおっぱい星人を見抜いた(決め付け)とは、この負傷兵只者ではないと内心尊敬していた。*]
― 現在 ―
[配達の途中教会の前を通りかかった。
ちょうどシモンの相談を思い出したので、まず母親の墓を訪れたあと、教会へ入る。日曜礼拝も面倒くさがる性質だし、自発的に門をくぐったのはいつぶりか思い出せない。
つかつかと祭壇の前に進み出ると、勝手に祈りを捧げた。]
……どうか、ちちがでかい美人がジムゾンの嫁さんになりますように。
[さすがに若い女性(フリーデル)がいる前で、堂々と胸の大きさについて語れるほど、デリカシーには欠けてないと自負している。
ジムゾンからしたら熱い風評被害?かもしれない願いを口にしたあと、さて帰ろうと踵を返した直後。床に落ちている手紙>>214を発見した。]
差出人はタートザッヘ、宛先はフリーデル、か>>13。
[忘れ物なら届けなければと、まず差出人を確認してから、続いて宛先を見る。
現在教会を留守にしている修道女のものと分かった途端、それならここに置いておけば大丈夫と判断して、手紙を分かりやすく椅子に置いて教会を後にした。見つけたときのまま、差出人を上にして。
それにしても、タートザッヘか。何かどこかで聞いたような聞かないような苗字である。**]
― 羊飼いの娘と ―
[シモンが療養に来たいきさつを、カタリナの耳に入れたのは男だ>>200。外の世界を知っているシモンと仲良くなれば、きっと良い影響があるだろうと。
カタリナは羊と兄の世話で村を離れられないと分かっている。だから薬探しの旅から帰宅して、カタリナがゲルトの負傷後塞ぎこんでいた>>147と小耳に挟み、声をかけた。]
村の外で探し物をする危険な仕事は男に任せりゃいい。カタリナみたいな柔らかくて可憐な女の子がふらふらしたら、人狼に食われちまう。
大丈夫、カタリナはしっかりゲルトを支えている。君は自分が信じた道を進めばいい。
[100年前に村を襲った惨劇を引き合いにして。
豊穣の村に移住した祖父ですら直接知らない噂。原因たる人狼が、どこから現れどこへ去ったのか。近隣の村は回りつくした男も、確かな情報を得られてない。
当時の資料が残っていても、大人しく机に向かうことが苦手な男にとって図書館は鬼門。フリーデルが書物を熱心に読んだと聞いて、真似できんと舌を巻いたくらいである。]
[楽しい内容ではない事件の話はすぐ打ち切り、代わりにカタリナとパメラが幼い頃の出来事を口にした。]
それでもカタリナのこと、あーだこーだ言う奴がいたら、すぐ俺に教えろよ。昔悪ガキをぶっ飛ばしたときのようにやっつけてやる。
[顔の前に右手の拳をぐっと突き出しながら。
可愛い少女がいれば、それをからかう男子がいるのは今も昔も同じ。内気なカタリナは標的になりやすく、そのたびにゲルトを引き摺って駆けつけたものだ。
パメラが妹として引き取られたあとは、ついやり過ぎてしまい、逆に男子の両親が苦情をねじ込まれた経験も数知れず。しかし男は、自分の行動に迷いはなかった。
本気で守りたいものがあるなら、手段は選ばない――未だに強く信じているのだ。*]
― 農夫と林檎とかまどと ―
[ヤコブとの思い出を語るには、果物の匂い>>126が欠かせない。
山中で果樹を探しを手伝ったあと、かまどの前に陣取る彼の隣で、何ができるかとわくわく待ち焦がれたものだ。
熱中するといろいろと忘れがちなヤコブのフォローができるほど、己は賢くはないが。育ち盛りの食欲の賜物か、食べ頃の果実をたわわにつけた木を探すのは得意だったので、]
あっち!うまそうな甘い匂いがする!
[服を藪に引っ掛け、泥や木の葉をつけながらも、ヤコブの服の裾をひっぱって一緒に収穫にいそしんだものである。
そのせいか、3歳も年上であっても態度は気安い。
さすがにこの年齢になると、山の中へ冒険に出かけようという元気は出てこない。それでも、ヤコブに頼まれれば、いつでも果樹探しに馳せ参じる気持ちはある。*]
→ 宿屋 ―
[配達の最終目的地は、女主人が経営する立派な宿屋。何でも、村で一番頑丈な建物だとか。
非常時の避難所も兼ねているらしいが、温暖な村にそんなもんが必要とは到底思えない。一体誰がそんな目的を思いついたのやら。
それはさておき、いつものように厨房へ小麦粉入りの麻袋を積み上げたあと、レジーナを探して声をかけた。]
レジーナさん、配達終わったぜ。これでいつ客が押しかけても大丈夫だ。
[例によって、お気楽な発言をしてみせたのは、宿では閑古鳥が鳴いていることを知っているせい。前向きな発言をしていたら、いつか現実になるかもしれないというかすかな希望があったのだ。]
(やっぱりもっと温泉の売込みする必要がありそうだ。)
[あちこちの村や人に宿屋の温泉はいいと呼び込みをかける割に、客足が伸びないので、せっかくのいい宿でレジーナの食事も美味しいのにな、と男は残念に感じていた。]
[そんなとき、宿屋の前で見知らぬ男性(アルビンという名はまだ知らない)>>294を発見して、ぱっと顔を輝かせた。]
そこにいるのは!もしかしてこの豊穣の村では初めてお会いする方じゃないか?!
よーこそ、初めまして。俺は宿の温泉広報部長、ディーター・シューマッハです。
ここは気候も温暖、農作物は毎年豊作で美味しく暮らしやすい土地、しかも来訪者に開放的です。
我々は客人を歓迎しますですよ。ゆっくりお過ごしくださいませませ。
[たった今つけた肩書きと怪しげな敬語を駆使してがーっと一気に話を畳み掛けてから、さてあなたのお名前は?とようやく質問を投げかけた。*]
[アルビンとの会話が一段落ついてから、パメラ>>300へと向き直り、オットーから購入したハースブレッドとダルニツキー入りの袋を差し出した。]
今日もお手伝いご苦労さん。パメラのパンを買っておいたから、お腹減ったときに食べるといい。
[正直パメラを甘やかしている自覚はある、しかしそうなってしまうのも、お土産を受け取るとき、かけてくれる言葉が嬉しいから。
ガラスの小物入れを贈った時の、”宝石よりも価値がある>>279”は、表情も声も、未だにハッキリと頭に思い浮かべられるほどだ。]
……あ。お兄ちゃん、今日はしっかり仕事したぞ。
[そのついでにいつも心配をかけさせる妹を安堵させる一言を慌てて付け加えておいた。*]
[最初は戸惑う様子を見せたアルビン>>382が声をあげた途端、全くその通り!と言わんばかりに首を大きく縦に振った。]
でしょでしょ?実は俺もあなたのようにあちこちへ旅に出る身、いかに村を宣伝するか、日頃からキャッチコピーを考えていまして。
誉めてくださって感謝感激雨あられですな。
もっと多くの客を!特に湯治客を!あなたの意見に賛同するです。
協力していただけるとは有難い、助かります。
[両の拳を握り締めて感動に震えた男は、アルビンの輝く笑顔>>383ににっこりと微笑み返した。]
[それから突然すっと真面目に顔を引き締めると。]
困ったことがあれば、何でもご相談あれ。売り込みたいものだけでなく、仕入れたいものがあれば遠慮なくどうぞでございます。
農夫ヤコブ印の美味しい果物と加工品、皆の天使・オットーが真心込めて焼くパン。それから羊飼いカタリナの美味しい乳製品に、薬師ヨアヒムの手による効き目抜群な薬の他にも、俺が挽いた品質保証の小麦粉もありんす。
[抜かりなく村の生産物をアピールするのだった。
これで自分が伝えるべき情報は全て口にできたので、アルビンの返事や聞きたいことが終わったところで会話を〆て、ではのちほどとその場を辞する予定だ。*]
……おっと!今日は随分ご機嫌だな。お兄ちゃんもパメラが大好きだぞ。
[大好きー!>>330と言われて、でれでれ相貌を崩しつつ、抱きついてくる妹をしっかりと受け止める。勿論パン入りの袋だって落とさない。
明るく元気なパメラがはしゃいでいると、こちらも楽しい気分になってくる。今更ながら、即座に引き取る判断を下した親父GJ、と感謝した。]
ああ、お兄ちゃん頑張った!
[あくまで今日”は”なのに自信満々に頷くと、背伸びをしたパメラの手が届くように、少ししゃがんだ。]
[そこへやってきたシモンが、手伝いのお礼にパメラにパンを奢ると言い出す>>336。]
今日はシモンの手伝いをしていたのか。パメラも頑張った、偉い偉い。
[頭をぽふぽふと撫でて誉めたあと、改めてパンの袋を渡そうとした。
シモンの丁寧な説明のおかげで、妹の行動が分かって感謝している。当然やましいあれそれがあったなどとは疑いもしない。
宿屋への途中で発生しかけたハプニング>>190を目撃したら、剣呑な展開になっただろうが、そこはそれ、神の慈悲により回避された。]
今日はパメラが宿屋で食事を作るのか。じゃあ、お兄ちゃんもここで食べることにしよう。
またあとでな。
[レジーナへ声をかける姿に目を細めつつ、手をぶんぶん振るパメラへ手を振り返した。]
……オットーは相変わらずだな。しかしその前向きな思考は羨ましいわ。
[パンの配達の現れた幼馴染>>332へ尊敬の視線を向けたあと。宿を出る直前、シモン>>344をちょいちょいと手招きして、他の人に聞こえないよう耳元で囁く。]
ジムゾンの嫁さんの件、計画は順調に進行中だ。問題ない。
お前も嫁さん欲しいと思ったら、ジムゾンのように具体的なリクエスト出せよ。ちちがでかいとか。
[とか言いつつ、実際にやったことは神頼みだけだが。しかも神父は”グラマーな女性を希望する”とは口にしてない。これはやばい、バックドロップの危機>>257が迫ったかも?!
そこで再びお腹が鳴ったので、オットーのパンを食べるべく、その場にいる皆と別れて食堂へ入った。**]
― 宿屋食堂兼談話室 ―
[食堂は意外に気温が低くて、入った途端身震いした。何故こんなに寒いのかと、窓を開けて空を見上げれば、太陽は厚い雲で覆われ既に薄暗い。
身を切るような冷たい風が吹き込んできたので、こりゃたまらんと慌てて窓を閉めた。]
酒でも飲んで温まりてぇ。
[両手で腕をこすりながら呟いたが、すぐにパメラの顔が浮かぶ。仕事をしたと誉めてくれた直後に失望させる真似は避けたい。
そこで暖炉の前に移動して、積んであった薪を3本放り込み、火を起こした。今日は客(アルビン)もいるし、シモンが薪を運んでくれたばかりだし、問題なかろうと判断して。]
それにしても、仕事熱心な商人だったな。
[椅子に座り、オットーのパンを頬張りつつ、先ほどの会話>>410>>411を思い返す。
メモを取り出したときの真面目な表情は、きっとこの村を売り込むために真摯に対応してくれると信頼するに十分だと感じられた。
いい人が来てくれて有難い、と思っている。]
[負傷兵と結成した嫁探し包囲網>>434の当事者たる神父が、女の子を苛める悪ガキは許さんと男が拳で訴えた裏で、祖父と一緒にとりなしていた>>264>>265ことは知らない。
思い出せるのは、悪ガキの親に苦情をねじ込まれた父親から叩き込まれた平手の痛さと、]
「手前ェの馬鹿さ加減にゃ、とーちゃん情けなくて涙がちょちょ切れるわ!」
[鼓膜が破れんばかりに大きな怒鳴り声ぐらい。
尤も幼馴染から正義感とかかっこいいとか言われた日には、枕に顔を埋めて両足ばたばたするに違いないから、彼が教えなかったのは大正解と言わざるを得ない。
気に入らない奴はぶっ飛ばせばいいし、美味しい思いができるなら手段を問わず享受する。
男はジムゾンの評価通り、自分の心に真っ直ぐ生きていた。良くも悪くも。]
― 宿屋内部 ―
[どんどん強くなる風で窓がカタカタと揺れる。
パメラが風邪をひかないよう今日は宿屋へ宿泊するべきか、などと考えながら追加の薪を取りに行ったとき、窓を眺める顔見知りの旅人>>450を発見した。]
……っ。
ひ、久しぶり。ニコラスじゃないか。あれからもう5年、だっけ?
[最初は親しげに挨拶する予定だったが、眉を潜める姿にほんの少しためらってしまう。何か困ったことでも起きたのではないかと。
しかしその視線の先を見て、もしかしたら天候の悪化を気にしているのか?と思いついたので、勇気を出して呼びかけた。]
急に曇って寒くなってきたな。こんな気温が下がるなんて、俺が覚えている限りこの村ではない。
ああ、そうだ。こちらに来たばかりで疲れているんじゃないか?食堂の暖炉には火を入れた、温まるといい。
[ニコラスを気遣うように告げたところで、空から白いものがちらちらと降り始めた。
豊穣の村で初めて見る雪に、一抹の不安を抱きつつ。それでもニコラスには悟らせないよう、穏やかな口調を心がける。]
じゃあ、俺は薪を探してくる。またあとで、な。*
[ニコラスに挨拶をし終えた直後、くしゃみ>>467が聞こえてきた。]
ああ、パメラ。ここにいたのか。
今夜は宿屋の世話になろう。無理に帰宅して、お前が体調を崩したら大変だ。
[窓から天を見る妹につかつかと近づくと、ちょうど良かったと自分の考えを提案する。だがその表情を見た途端、わざと明るい口調で告げた。
今日食べた白アスパラガスのスープ>>351は絶品だった、また腕を上げたなとか。
その青い薔薇>>466も綺麗だな、似合っているとか(パン屋での会話から、オットーに貰ったものだろうと推測しているけれど、パメラが受け取ったプレゼントに目くじらを立てるのはさすがに大人気ないと自重している)。
最後に左手で首の後ろをかくと、きゅっと唇を噛み締めた。]
大丈夫だ、お兄ちゃんがついている。*
― 少し前・ニコラスと ―
[再会した瞬間のニコラスの目は、初めて会ったときよりも穏やかな感じがした>>469。それだけで、今回は無事豊穣の村に到着したのだなと安堵が胸に広がる。]
こちらこそありがとう。そのときは、遠慮なく力を貸してもらう。
[翳りを追いやった”彼”>>470の言葉に感謝する。その変化から、お互い心の中に口にしない何かを抱えていることを感じたのに、わざとそれには言及せずに。
そして薪を探しにいく前に、パメラを見つけて話しかけた。→>>468
この大切な可愛い妹については、5年前旅の話をしていたとき、ニコラスに教えていた。いつもお土産を買うことや、村に帰るたびに外の話をせがまれること>>347も一緒に。*]
― 宿屋内部 ―
[食堂に十分薪を運んだあとも、雪は中々止みそうにない。それどころか夜が更けるにつれて風も強くなり、頑丈な宿屋を揺らさんばかりに吹きつける。]
今夜は布団を重ねないと寒さで寝られないぞ。
[心の奥からざわざわと湧きあがる不安を打ち消すように、わざと現実的な台詞を口にしていると。
レジーナが外に出ないようにとさりげなく促しにきた>>448。]
分かった、わざわざありがとうございます。今日は宿屋へ泊まります。
[その代わり力仕事が必要になったら何でもご用命を、と告げた男は、まさか女主人がたった一人で吹雪の中外出するなんて、考えもしなかった。]
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