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8人目、帝国軍 少尉 ミリアム が参加しました。
帝国軍 少尉 ミリアムは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― グロル海峡付近、海上 ―
[辛い潮風が淡く緑を反射する髪を嬲って吹き渡って行った。
本日晴天。眼前に黒山のごとく進む船たちはまるで怪物のようだ。
マストに設えられた見張り台には軍服姿が一人、足を突っ掛け、手を翳して遠くを見遣っていた。
海面には複葉機の影>>10らしきものが時折、映り込む。]
あれぇ、もう終わりですかぁ?
もっと時間がかかると思っていたのですがねえ。
[ふと、口を開けば傍の上官からお叱りが飛んだ。
生意気言うな。…ごもっとも。
この船に一発ドカンと喰らうことになった>>5のは純粋に私のミス。
航行に支障は無いけれど、それでもね。大切な船を傷付けたら怒られますよね。ええ、知っていましたとも。]
…すみませんでした。
船の土手っ腹に穴を開けるところだったのは小生が悪うございました。
[だからここは私…小生が素直に謝りましょう。
運がいいのか悪いのか、私の上官はぞんざいな口調の方には言及しないので、口ばかりで反省の言葉を吐いて。
ミリアム。名前を呼ばれたら。
そりゃあ、反省してますよとばかりに肩を竦めるくらいは、…ねえ?]
[一先ず、前方に異常はないですよと付け加えてから、マストから控えめに甲板へ飛び降りて舳先へと足を向けてみようか。
…いつかの昔、黒い山々の侵攻を受けた私や祖国は、今となっては黒い山々の土の一部、体の一部となってしまった。
日の沈まぬ国、それが理想だとお上方は言うけれど、もしもそんな国がこの世に出来たなら、太陽に近付き過ぎた英雄の伝説のように光に灼かれて滅んでしまえばいい。
勿論、こんなこと誰にも言わないし、言えないことだけれど。
遥か前方を行く船団を眺めながら頬杖をついて考え事。
見張りの振りが上官にバレたら今度は拳骨の一つでも落ちてきそうだなぁ…。なーんてね。**]
…遠く遠くに、港が見えた。気がした。
上官曰く、かの港を所有する領主が投降を決めたんだそうだ。
「まるで昔の祖国を見ているようだよ。」
呟いた私の声は冷ややかだったけれど、誰か聞いた人は居るだろうか。…いや、いなかったかな。
小さな声だったし、潮風の音は耳に煩い。
誰にも聞こえないまま、私の声は何処かへ流れていったようだった。
「シコンからも私のように連れてこられる"誰か"がいるのかな?」
ならばと、これ幸いと私は続ける。
長い髪、純真だった昔を思い出しながら。
自分の瞳の中にふつりと湧き出した翳りを感じていた。*
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