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[―――――さて、]
[ちらりと空色を向けた先、茶会の間の対面に佇む少女の姿。
名乗り>>158が耳に届いてから、
まさかと思いユーリエとの会話を追っていたが。
どうやら、自分の知る"シルキー"で間違いないらしい]
……。
[彼女が吸血鬼として目の前に現れた驚きよりも、
むしろ大きくなったなぁという感慨が増してしまうのは、
緊張感に欠ける自分の性質の所為だろうか]
――昔から、無理をする子でしたね。
[そして彼女が無理をしていると言うのは、
男が主観的に下した評価でしかないのだけれど。
呟きは、誰にも聞かれぬままで良い。
カップの紅茶を飲み干した]
[クロイツに場を辞すると断り、緩やかな足取りで扉へと。
その最中、シルキーの傍らを通り過ぎる折り、
一度だけ足を止めて振り返った]
御久しぶりです、お嬢様。
僕のことは、覚えていらっしゃらないかもしれませんが。
[帽子を取って、流れるようにお辞儀する。
さらりと髪を揺らして、仄かに口許へ微笑みを浮かべた]
[かつて仕えた御屋敷が、
実は美しい鳥籠で、少女の為だけの箱庭だったなど、
当時は知る由もなかったけれど]
――辛ければ、いつでも、お手を。
[兄と妹程度には、歳の離れた主人の娘だった。
可愛い盛りの幼子を、甘やかしてしまうのは道理で。
不敬にも、少女にいつも"そう"告げていた使用人は、
その言葉を裏切るようにある日突然いなくなった。
遠い、遠い、昔のこと]
["家族"の寄り添いを邪魔する気はない。
彼女の居場所が其処にあるならば、それも幸福の一つの形。
いや、おそらくは、其れが一番の幸せなのだろう。
お邪魔しました、と小さく笑顔で二人に謝罪して、
帽子を被りなおすと扉の外へ]
―バルコニー―
……星が綺麗だなぁ。
[空色の瞳も、今は藍を映し濃く染まっている。
冷たい風に飛ばされぬよう帽子のつばを押さえ、
バルコニーから身を乗り出すように空を仰いでいる。
かつて人の身において、この視力は失われかけた。
其れが回復したのは父たる白絽侯の御力によるものだ。
眼昏になることを思えば、
空腹時に夜盲となる、眩しさに弱い、
そんなのは微々たることだ。
逆に言えば彼の力を持ってしても、
回復できたのは此処まで、ということなのだろう。
少なくとも男はそう解釈している]
『私と同じように人の身を捨てたから、
だからあなたは居なくなったのね』
[呟きに返す言葉はなかった。沈黙は肯定と取られるだろう。
其れで良い。その方が、面倒でなくて良い。
――だって、真実なんて、
*何時だって何の意味も持たないじゃあないか*]
/*
キャラが迷走している…だと…。
いや、迷走する程、そもそも何も定まってはいなかった。
性格が悪いと言うことくらいしか初期設定はない。今後も多分ない。
/*
自分のキャラの位置づけを考えてみた結果、
よく喋るモブ、が一番当てはまったときの生温さ。
モブでも良いんだけど、
お相手を楽しませる工夫をしようぜ僕!
ちょっと動きが悪すぎる気がして反省しています。
[彼の眠る傍ら、寝台の縁に腰かける。
眠りは安らかだっただろうか。
それとも魘されていただろうか。
指先は相手の髪を梳くように、頭を撫でる。
幼子をあやす様に、何度も何度も。
目覚めるだろうか。
もしもそれでも、微睡みの中に彼がいるのならば、]
危ないですよ。
…こんな場所で、無防備に休んでいては。
[その耳元に、静かに唇を寄せて*]
[混乱する様子の相手を宥めるように、穏やかに]
余りによくお休みでしたので、つい。
悪戯をしてみたくなりました。
[くすくすと、覗かせるのは子供にも似た無邪気さで]
――ごめんなさいね。
でも、思っていたよりも、貴方"お疲れ"みたいだ。
宴まではまだ時間もありますし、
眠っていても良いのですよ。
[腕を伸ばし、もう一度彼の頭を撫でようと]
貴方が危なくないように、
僕が此処で見張っていましょう。
[そもそもこの男自身が、
きっと彼にとって信用ならないとは理解した上で]
[伸ばした指への抵抗は皆無であり>>294、それは寛容と言うよりは空虚な様子に映った。
黒髪を撫でるのに合わせて視線を滑らせる。
何処にも枷は見当たらないから、罪人ではないのだろう。けれど眼前の彼は、きっと何かに捕らわれている。眼の悪いこの男にすら、その見えない鎖が見えるようだ]
貴方、愛されているのですね。
[指先は最後、涙の乾いた頬に優しく触れて降ろされる。
彼が眠るなら、暫くは見守っている心算だったが。
続けられた提案に、きょとんとした表情を見せる]
―――…え、僕のこと、ですか?
[自分に話が振られるなんて、思っていなかったから。
驚嘆はやがて、くすくすと振動する肩に変わり、やがて]
あはは…。アルビンさん、貴方、面白い人だ。
[ころころと笑う。こっちが男の"地"だろう]
面白い話ができるかは、分かりませんが――…。
代わりに貴方も話してくれるなら、喜んで。
[ひとしきり笑い終えると、寝台に腰を掛け直す。
対価を求めていながらも、彼の返事を聞く前に喋り始めた]
僕は昔、大きなお屋敷に仕えておりまして…。
父の代からの使用人ですから、それは幼い頃から。
そのまま何事もなく、平凡な人生を終えるのだと、
信じて疑っていませんでしたよ。
…でもね。
見てしまったんですよ。
"悍ましいもの"を。
[言葉と裏腹に、優雅に口許に弧を描く*]
―小部屋―
[内緒話をするように人差し指を口許に当てて]
――ええ、それが。 覚えていないんです。
[囁きと共に、悪戯っぽく笑う。相手は信じるだろうか。
空色は眼前の彼を見つめつつも、何処か遠くを映すようで]
…何か、何か沢山死んでいたような気がするんですが。
そして僕も、一緒に死んだような気がしたんですが。
生き延びてしまったようです。
悪人の方が長生きするって、本当なんですね。
[話の幕を降ろすように、手を降ろした]
さあ、僕の詰まらない昔話よりも、
貴方のことが知りたいですね。
[にこりと無邪気に笑って、身を寄せる。
彼の儚げな瞳を、覗き込むように]
アルビンさん。
さっき、思ったこと言わなかったでしょう。
其れは貴方の優しさなんでしょうけれど。
"我慢はよくない"ですよ?
教えてください。貴方のこと、何でも。
矛盾していても、無茶苦茶でも良いんです。
貴方が何を否定しても、それは僕しか聞いていない。
そしてそんなことで、少なくとも僕は怒らない。
[青年の顔>>323から、突然に血の気が引いた。まるで首輪で締めつけられているように。
その鎖となる"一語"は、明白ではあったけれど――]
大丈夫。分かります。 …貴方の主が。
[宥めるように、あやすように、優しく優しくそう告げて。
震える背中に片手を添えて、もう一方の手を彼の手と重ねる。乱れた呼吸>>324を整えるよう、静かに背を摩った]
ええ、勿論です。
先ほども言った通り、僕は傍におりますから。
ゆっくり、お休みなさい。
[抵抗がないならば、
ゆっくりと彼の頭を抱きかかえるようにしながら、
その身を柔らかく寝台に押し倒す]
せめて、今だけは。
[慈しむように耳元で囁いて、自分は身を起こす。
後は邪魔にならぬなら、彼が眠るまで頭を撫でていようか*]
[薄幸の青年は、暫くの微睡に落ちたか。
空色の瞳は、ふと窓より覗く夜空へと向けられる。
"あの日">>316も白月の映える夜だったと言う。
もっとも、自分にはその映像の記憶は無い。
唯、もはや開かぬ瞼を携え、陽炎のように佇んでいた。
眼の奥を焼かれる痛みは、気が狂いそうなほどで。
それでも緋色の涙を流しつつ哂っていたのだから、
とっくに自分は狂っていたのかもしれない]
"――……貴方は、だぁれ。"
[近づく気配。刹那に世界が反転するような、不思議な感覚。
その涼やかなるも麗しい声を聴いただけで、心は振るえた。
たどたどしく差し伸ばした指先は、闇に溶けて。
与えられた血の悦びに、縋るように身を委ねた。
そして再び色を取り戻した、その瞳が映したのは――。
神聖さすら感じる曇りなき白と、柔らかな金の眸]
[自身の置かれた立場を理解するや、
子狐は愛する父に我儘を一つ。
出来ればこの城の外、何処かで密やかに暮らしたいと。
吸血鬼世界の派閥など、愚かな自分が解することは難しい。
ただ、己が公に存在することで、
何かの不都合が生じることは避けたかった。
それに何処へ居ようとも、紛れもなく僕は貴方のモノ。
独り立ちを果たせたら、
自身の力で歩めるようになったならば、
その時は改めて貴方を公然と父と慕わせて下さいませ――]
……御父様、この日を待ち望んでおりました。
けれど本の少し、寂しくもあるのです。
[謳うような独り言は、静謐に落ちる*]
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