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8人目、パン屋 オットー がやってきました。
パン屋 オットーは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
―広場のパン屋―
[店内の暖を刺し殺すかのように、冷酷な殺気を帯びた風が入り込んでくる。そう。これは冬の息吹だ。これまでの季節を殺して、白銀の世界へと塗りつぶす。これは、冷徹な侵略者の、季節の足音だった]
ふむ……。今年もこれくらいで、蓄えは十分だろうか。
[呟いた声は行くあてもなく、隙間風に晒される。蓄えは十分だが、しかし、この隙間風は何とかしないといけない。きっとこの状態を、お客は望んでいない]
何か、隙間風を防げるようなものはあっただろうか。
[店内に並ぶパンに対して写真を眺めるかのような視線を向けると、店の奥へと入っていくのだった。今日もお客には「期待通り」を届けなければならない]
……うん。こんなものか。
[店の補強を終えると、値踏みするように補強箇所へ目配せする。大方、お客の望みを損なわない程度には目立たなくできただろうか。風の殺気も既に肌では感じない。或いは、こういったことに敏いお客は気付くだろうか。それならそれで、また改修を施そう。お客が望むのなら、きっと自分は見逃さない]
さて、今日は誰か来るだろうか。
[常連の顔も、何人か思い浮かべる。期待以上は無理でも、期待してもらえるのなら、その期待分だけは答えてみせる。望まれれば望まれるほど、きっとこの店は良いものになる。進化だ。この店は生きている。そう思えばこそ、あまり感情を持たない自分でもこの店が可愛らしく思えてくるのだから不思議なものだ。もし客が訪ねてきたら「いらっしゃい。今日のお望みは?」と尋ねるだろう]
そういえば――
[パンの、鼻腔を直接擽るような香に混ざり、冬の香をにわかに感じたことがきっかけか、或いは冬という言葉からそこはかとなく脳裏に焼き付く白色に当てられてか、巡礼の旅へ出ている友人の歩く姿が、アルバムのページをめくるかのように頭に浮かびあがるのだった]
――そうか、そろそろそんな時期にもなるのか。
[…は冬という季節がニコラスの帰還を意味する季節であることを思い起こすと、導かれるように店の扉へと視線を送る。彼は果たしてここを訪れるだろうか]
と言っても、初めに訪れるのは教会なのだろうけど。
[扉に向けて呟く言葉はどこか虚しさを帯びて凍りつき、消えて逝く。気まぐれに、溜め息をついて見せると首を二、三横に振る]
どのみち、僕ほど歓迎という言葉が似合わない男もいないだろう。
[彼が店にやって来るとしたら、何を望むだろうか。或いは、何も望まないということもあるかもしれない。そもそも訪れてこないということだって。いずれにせよ、ニコラスが店に訪れるのであればまるで1日ぶりに会ったかのように対応するだろう]
[ふと視線を下げると、経てきた時間の長さを物語るような古い砂時計が視界に入る。いつしかお客が小物でも置いたらどうかと提案してきたために倉庫から引っ張りだしてきたものであるが、これが手に持ってみるとなかなかに心地が良い。流れる時間がゆっくりと、手の先から背骨を伝って脳髄まで伝わるような、不思議な感覚に陥るのだ。それが、思いのほか母親にでも抱かれているような心地を覚える]
果たして、これはいつからあるものなのか……。
[そんなことを考えながら、或いは口に出しながら砂時計をひっくり返してみると、まるで図ったかのように扉を叩く音が聴覚に飛び込んできた>>32]
……ん。いらっしゃい。僕に用なら入って来てくれて構わないよ。
[今は閉店しているわけではないから用が無くても入って来てくれて構わないのだけれども。と、そのことについては敢えて口に出さずに応えるのだった]
/*
さてさて、RP村初参加のkatyabotyaです。ご迷惑おかけすることもあるかもしれませんがよろしくお願いします(ぺこり
オットーの設定ちゃんと扱い切れるかが心配。*/
ん、ヨアヒムか。いらっしゃい。今日のお望みは?
[何やら袋を担ぐヨアヒムが店内に入ってくると>>64、冷気が再び熱を食らいに侵入してくるのだった]
ん……林檎?
[林檎が出来すぎたから貰ってほしいと言う彼の背負う袋からは、成程確かに床におろすと、質量の籠った低音がくぐもるうめき声のように鳴り響くのだった。
彼が差し出す林檎の赤は小川の清流を思わせる鮮やかさを保ち、ヘタの端の瑞々しさと絡んでその新鮮さを厭味なく主張する。そんな果実を見て真っ先にパンの具材としてどのような役に成るだろうかと考えるのはパン屋としての性だろうか]
……うん。そういうことなら貰おうかな。
[つぶやくように告げながらヨアヒムの瞳を一瞬だけ窺うと、付け加えるように一言添える]
この林檎を使ってパンを作るから、もし良ければ後でまた来ると良い。代金はいらないから。
[言いながら、何を作るか思考を進める。ヨアヒムに希望があるようであるのなら、その期待通りのものへと仕上げるだろう]
―少し前・パン屋―
シュトーレン、かな。
[巡礼の旅に出ている友人を思い起こした>>62後で、自身の記憶に確認を求めるように呟く。人の期待というものには半ば超人的に敏いという自信はある。おそらくきっと、彼はシュトーレンを望むだろう]
……ん。外れたら外れたでまた焼き直せば良いし、今のうちに用意しておこうか。
[材料は自家製のドライフルーツと軽く煎った木の実、あとはバターとアーモンドあたりか。ヤコブから届く野菜をアレンジして使ってみるのも面白いかもしれない。用意するといっても、この時期は無作為的にドライフルーツを切らさないようにしており、何を使うか考えるのみだった]
あとは……今日手に入るものがあれば加えていこうかな。
[考えを大方まとめると、特別に気合を入れるということもなく、普段通りのパン作りを始めるのだった。ヨアヒムから林檎を受け取れば、少し勿体なく思いつつもその一部をドライフルーツにして使っただろうか]
[この季節になるとどうしても「死」という言葉が脳裏に過る。昔から、体の芯を直接伝うような冷気には、不吉さというものがどうにも纏わりついて切り離せない。不快感を抱いてしまうのが常だ。
だからと言って、別段不安になるだとか、そういった小動物のような愛らしい理由から抱く不快感ではない。空虚なのだ。この季節は、この上なく。そしてそれが――]
――僕に似ている。
[それは紛れもない同族嫌悪だった。勝手に同族だと思われて嫌われるなんて、冬という季節もたまったものじゃないだろう、などと考えはするものの、不快感は拭い去れないのだ]
……そろそろパイでも焼いておこうか。
[これまでの思考を薙ぎ払うように言葉を紡ぎだす。頭に浮かぶのはこの店に身を寄せるペーターの姿だった。
どうにも彼は村人の役に立っていると実感できることが嬉しいらしい。かく言う自身も、彼からの気遣いを感じることは少なくない。
ただ、それでいいのだろうかと考えることはある。別に彼が働き者であることは悪いことではないし、むしろ素晴らしいことだろう。しかし、子供というものはもっと遊ぶべきではないのだろうか、と。
子供が娯楽に興じるというのは、「そうした方が良い」だとかそういった仮言的ものではなく、「そうあるべきだ」という完全な当為的なものであるはずなのだ。
そう考えはするものの、結論は常に決まっている。自身にはどうすることもできない。他人の願いを聞き、それに応えることしかできない自身には、彼に「どうしてほしい」といった願いを持つこともできず、ただ彼の望みに応えることしかできないのだ。
だからこそ、彼にはやりたいように仕事をしてもらっているし、自身の焼くパイは彼の期待に応えることができているのだろう。自身には、これ以上のことはできないし、何より現状、この生活が気に入っていたりする]
ペーターが何か果実を抱えてくるかもしれないけれども……それならそれで追加で焼けば良いか。
[呟くと、ペーターの笑顔を思い浮かべる。今日も満足してもらえるようにと、自身でも気が付かないような願いを込めて]
[特製のパイが焼きあがるとほぼ同時、ペーターが店に戻ってきた>>128]
ん、おかえり。
[ペーターはこちらを見遣ると笑顔を浮かべ、まずは仕事と大人顔負けに、野菜を保冷庫に仕舞うのだった
彼は野菜を仕舞い終えると、近くに来て「使えるようなら」とマルメロの実を差し出してくる]
マルメロの実か……。うん、ありがたく使わせてもらうよ。
[マルメロの実を使うとなると調理に時間がかかる。でも、折角だから追加で焼くパイに使いたいとも思う]
……となると、うん。果汁でジャムを作って生地にでも練りこんでみようかな。あとは野菜も手に入ったからこれはシュトーレンの追加材料にして……。
[作るパンについて思考を進めながら、ペーターの気を遣っていそうな様子を視界に捕らえる。残念ながら、人の感情に敏い己にさりげない気遣いは通用しないのだ。
「ほら、パイならもうできているから――」と喉まで出かかったところで、しかし少女が店の中へ入ってきたのだった>>133]
いらっしゃい、リゼット。
[そう声をかけるが、ペーターが接客を始めてくれたため、年も近いことだからと指示を出しつつも傍観を決め込む
それにしてもこの少女、補強に気が付くとはなかなかどうして鋭いものだろうか
彼女からペーターへ向く視線に何故か羨望が込められているのを感じながらも、望まれないことには敢えて言及することもなく]
隙間風、これで多少は良くなったと思うんだけど。
[とだけつぶやいて応えるのだった]
ん、ニコラスか。今日は何をお望みかな?
[なんて、ニコラスが店に入ってくると>>158、まるで久しぶりの再会とは思えないような対応をする。]
そちらこそ、元気そうだね。村に帰ってきた気がするついでに、何か食べていく?丁度、ヨアヒムから貰った林檎とヤコブからの野菜を使った特製のシュトーレンが焼きあがったところなのだけれども。
[そう告げていると、ペーターが紅茶をいれてきてくれた。今は営業中なのだけれども。そう考えつつも、特に拒む声が無ければ「たまにはこういうのも良いだろう」と休憩に入るだろうか]
ああ、図書館に行くなら気にしなくても良い。店の方は大丈夫だよ。もし良ければ、パイが焼けているから少し包んで持っていくと良い。
[と、今度こそパイが焼けたことをペーターに伝え、外出を促すのだった]
[「丁度シュトーレンを食べたいと思っていた」と告げられる>>173と、それなら良かったと軽く相槌を打ちながら応える]
ミッシュブロートか。あるよ。不思議なことに。
[…は今朝気まぐれにミッシュブロートを焼いたことを思いだし、随分と都合の良いことがあるものだと息をつく。
ミッシュブロートと、加えて特製の林檎入りパイを包んで渡すと、今度は皿にパイを乗せてみせる]
これ、特製のパイも包んで入れておいたから。協会に持っていくのなら一緒に渡して欲しい。
あとは、余りで悪いけど良ければ食べてみて欲しい。ヨアヒムに貰った林檎を使ったんだ。
[と、その場にいる全員にパイを勧めてみるのだった**]
[神の存在。これを証明するとなると、成る程これは難しい。例えば自然界に秩序や設計があることから神が存在することを導く方法を唱えるとしよう。食物連鎖の頂点に人間が立っているという構図が自然に生まれるということは、適当な文字群を並べて綺麗な文章が出来上がるのに等しい奇跡であることから、設計者たる神がいるという考え方。
確かにこれは、一見して説得力に溢れている。人間が神に愛され、神が自分に似せて生み出した存在であると言われる所以はここにあるのだろう。愛して止まない人間を自分の姿に似せ、食物連鎖の頂点に立たせているというのだ。
しかし、そもそも適当な文字群を並べるという目下の事例とこれまで形成されてきた自然界という広大な事例とでは類似として不十分であるし、そもそも人間が全ての生物の頂点に立つという考え方も怪しいものだ。人間は、偶然に形成された現在の環境に適応できているだけ。木の枝の、無数に枝分かれした先の数多の頂点の内の一つに立っているに過ぎないのだ。
更に言えば、この世には人間に辛い、人間にとって「悪」と言えるものが多く存在する。神が本当にいるのであれば、どうしてこのようなことが起こるのだろうかと。
しかし、其れに対してもまた、その悪は必要不可欠なものであり、本当には悪ではない見かけ上の存在であるとも否定できるだろうか。
神というものは、その存在について証明することも否定することも難しい。ただ一つ、自身にとって明らかなことは、神が存在するのであれば自身は必要悪を一身に受ける存在であるのだろうと。少なくとも、よく言われる全知全能の神が存在するのであるのならば、きっと“僕みたいな存在は生み出されていない”。神について、知人に考えを告げたことはただの一度もありはしないが、自身は基本的に神という存在について疑いは持っていない。ただ、信仰する気持ちがあるかと問われれば首を横に振らざるをえないだろうか。]
[他人の期待を受けることでしか行動を起こせない自分が、その期待を向けてきた相手に賞賛を受けるというのは何とも不思議なものだ]
そう。それは、少し出すのが遅くなってしまったかな?
[いつ出てくるのかそわそわしていたと言うニコラスの言葉>>199からも期待が込められているのを感じる。そう、こういった期待が無ければ、自身では何も作ることができない]
(僕には、願いや望みを抱くことができないから――)
[教会へ、パンと一緒に届けてくれるという言葉には「頼んだ」と、簡単な相槌を打つように返す]
ん、何か頼みたいことができたら遠慮なくお願いするよ――
[――そう、望まれるのであれば。
そう心中で付け加える。近頃は、自らの異常性が日を追うごとに強く感じられるようになっていた]
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