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―少し前・収容施設前―
[まだ慣れぬ呼び名>>52に返すのは、控えめな笑み。
仕事の内容と食事の運び先を問われると頷いてみせ、気遣う声には穏やかな声で返した。]
…彼は、あまりにも純粋な魂の持ち主です。
筋の通った理念や秩序は、彼を縛ろうとする蔓に思えてしまうのでしょう。
[ウェルシュの言葉だけ聞けば、まるで躾けのなっていない犬のように聞こえる。
だが実際に接しているからこそ見えるものもあった。
檻のある方を見据えながら、呟く。]
焦らず、長い目で彼の成長を見守りましょう。
主のご自愛と御心を理解してくださるその日まで。
けれどもしものときは、よろしくおねがいします。。
[傷つくことも傷つけられることも恐くはない。
柔らかい微笑みの中に強さを秘めた眼差しを携えながら返した。]
―フェリクスの檻の前―
[ざっと牢屋内を見回しても異変が起きているようには見えなかった。
のんびりとした返答に微笑み>>40頷いて見せる。]
今度、一人でも遊べるようなものを持ってきますね。
[トランプでもあれば様々な遊びが出来てよいのではないか。思いついたそれを早速監視役の天使に提案してみようと考えて、立ちあがる。
食器やトレイは時間を見計らって取りに来るのが決まりである。
去る際、ゲルトにもう一度頭を下げてから、檻の前を離れ収容施設から一旦出ていった。*]
―……、いつ、ですか……
[遠くの何かを見つめ、恋しむ目をした。]
神の存在を疑ってしまったことで、心の拠り所さえ無くして途方に暮れたあの日…
けれど、どんな不幸に見舞われても、生きて、動き続ける心臓がある。
死にたくなるほどの絶望に襲われても、口は呼吸をつづける。
周りを見渡せば、川がある。空気がある。果実がある。
愛や恵みは、享受する為だけにあるものではない。
泣いて喚いて助けを求め奇跡に縋るのであれば、赤子と同じ。
主からすれば我ら人は赤子同然かもしれない、けれど それだけでは駄目。
主の愛を感じ取り、受け入れ、自らの生きる糧にする。
そして自らの足でしっかりと地を踏みしめる。
それこそが主の願いであり、地に舞い降りて人々を導き、恵みを与え、試練を与え、見守り続ける理由なのだ
…と、《解釈》できた時…でしょうか。
当たり前と教えられてきたのを疑って初めて、自分と向き会えました。
たやすいことではありませんでした。
何度も自暴自棄になりかけ…けれどその度持ち直して、自らの心の中にこそ主は存在し、そして常に共に居るのだと…
なんて…自分でも、突飛で変な発想だなっていうのは自覚してます。そしてうまく説明できている気がしません。
[ふ、と見つめていた先から彼に視線を戻して、照れ笑いを浮かべた。
先程までの真剣な表情から、年頃の女性の表情に戻る。]
盲目的に信じ込めば、きっともっとずっと楽だったでしょう。
実際にそのようにしている人を何人も見てきました。
正直、あなたも…そのような存在になるのだと思ってました。…そのほうが、都合が良さそう、と。…そうではないようですね。
…貴方は、どうしますか?
―草原―
[監視役の天使への報告を終え、洗濯や掃除も済ませると束の間の休息を得た。
向かうのは宮殿から少し離れた、花々が咲き乱れ心地よい風が吹く草原。その小高い丘。
天使たちが住まう都は確かに美しい。建物に限らず調度品、彼が身にまとう衣服、威厳。そのどれもが人離れしている。
いくら似せていても、彼らの背には翼があり、そして、自分たち人とは違う思考を持つ。]
…あ、四葉のクローバー。
[腰かけて左手を置いた丁度その場所に、幸運の証を見付け声を上げる。
そもそも此れが幸運の証と呼ばれる由縁も主在ってのものだ。]
…ただ、其処にあればいいのに。
[天使たちが人間界をどう扱うかで揉めているのは漏れ伝わっている。
その度、彼女は清らかな心に陰りが差すのを感じていた。
彼女の信仰は、主にのみ注がれている。
けれども、主が絶対、と崇める程無心でも無知でもない。
主と人に限らず、一方が一方を支配してはいけない。お互いの美点も欠点も尊重し合い、愛し合い、信じ合えばいい。
住む場所が違い、身体に差や違いがあっても、それを鼻にかけて傲慢に振る舞う天使たちを。]
…好きにはなれない。
[一人の時だけ落とすと決めている、呟き。
拾われたら、どうなるのだろうか…]
[オクタヴィアからの答えを反芻する。
一度は神の存在を疑ったという彼女。
それでも、世界そのものに神の見えざる手を感じて、彼女は自らの足でしっかりと地を踏みしめ再び立ち上がった。
疑って初めて、自分と向き会えたと語った。]
人が神を疑うのは自分に自信がないから、
自分を掘り下げるという洗礼を経て初めて、確信をもつことができるのかもしれない。
[「貴方は、どうしますか?」と問われて、シグルドは銀の双眸を瞬かせたのだった。]
何を、ですか。
[我ながら鈍い反応だと思いながら。**]
[オクタヴィアの故郷は、悪魔と、悪魔に魅入られた者たちによって滅ぼされた。]
[戦争なんて国同士が行うゲームで、田舎の田舎、首都から離れたこののどかな農村には無縁のことだと、母親や近所の人たちが暢気に笑っていたのに。
闇と火の手は容赦なく、村人たちと、村人たちが守り育ててきたすべてを奪った。
戦いなんて生易しい物ではない。
少女には辛すぎる現実を突きつけられた。]
[母親が自分の身を犠牲にしてオクタヴィアを逃がしてくれなければ、そのまま果てただろう命。
けれども、村を出たことがない少女にとって、村の外は未知の世界であった。]
[座る椅子もなければ、お母さんが焼いてくれるパンもない。
牛もいないからミルクも飲めない。
見知らぬ果実を恐る恐る口にして、川の水を直に飲み、野犬に追われ―
過酷な環境の中、神を信じる心されも擦り切れ、死の中に安楽を望んだ。
神はいない。神がいたらどうしてこんなに辛い目に遭わせるのか。神は私を見捨てたのだろうか。
絶望が心を支配していった。]
[けれども、いくら絶望しようと、心臓は脈を打った。
唇は空気を求めた。お腹は減るし、喉は渇いた。
生きている、いや、何かによって…生かされていた。]
[周りを見渡せば川は流れ、果物は成り、鳥は空を飛び、大地は命を育んでいた。
ただ、其処にあり、有りの侭、命の輪を廻らせていた。
そして、気づいた。]
[主は、《其処に居たのだ》と。
視えなかったのは、自分が目を背けていたからなのだと。]
[信仰心を取り戻してからは涙も流さず生き延び歩き続け、悪魔の手に落ちていない村に辿りつき無事保護された。
主を信じ敬う心優しき人々の手により育てられた彼女に特別な力はなかったが、誰よりも強い心と信仰を手に入れていた。
後に聖女として戦争や悪魔の侵攻により傷ついた人々を導き救っていくのだが―
それより先を思い出すのはやめた。*]
―草原→庭園―
[炎に焦がれて命を喪した乙女がいたように。
炎に焼かれた記憶を掘り返し、今一度己の心と向き合う時間を終えた。
その手には四葉のクローバーと、彼らがその身に受けた恩恵を捧げ咲かせた白い花で作られた花冠があった。
花は心を豊かにする。フェリクスに届けようと向かうその途中―]
……?
[道行く天使たちが何かに怯えたり、落ち着きを無くしている。滅多にあることではない。
彼らの視線の先へ足を延ばすと、広々とした庭園に出た。
其処には複数の天使たちがいた。
ジークムント、ゲルト、彼はたしか―アレクシス?
そして―見慣れぬ天使。
オクタヴィアには特別な力などない。
あるのはただ強靭な精神と信仰だけであった。
だから、彼のことも最近生まれたかやってきた天使だろうと結論つけてしまった。]
[一体この場で何があったのか知るには遅すぎた。既に話題はアレクシスの悩みの元へと及んでいる。>>121>>132
そのまま去ろうとしたが、話題に昇っているのは天界を揺るがせている、人間界への干渉についてだった。
彼らの声が聞こえる位置まで近づき、丁度よく生えていた木の後ろに細身を隠した。]
…シルキー。
[ジークムントが口にした名前に柳眉を寄せる。
彼女は、オクタヴィアが最も忌避する存在であった。
ジークムントやアレクシスは彼女に賛同こそしていないものの…本質的には同じだ。]
…。
[言の葉の形にはせず、しかしそのぶん―
淀みは胸の内へと。]
[話しに区切りがついたようだ。
…損得勘定。
平たく言えばそうではないだろうか。
対象が人間であることに憤ることはない、世の常でもあるのだ。そうして火とは生き延び、あるいは富を得て、あるいは貧を被ってきた。
そう、とても人間らしい感情で―
妙な気配、という単語に場の雰囲気が一変した。>>163
自分の事がバレたか、と焦り顔を半分だけ出すも、視線は見慣れぬ天使に注がれている。
どういうこと―]
…っきゃあ!
[顏をよく見ようと一歩踏み出したところに、折れた枝があり踏んでしまう。
パキ!と小気味よい音が響いたと同時に、突然の事に驚き短い悲鳴を上げながら、前のめりになる。
なんとかしてバランスを取ろうと両手を振り回すも―飛ぶ唾さなんてないから、膝から崩れ落ち、かろうじて手を着くことでそれ以上無様な姿を見せるのは避けた。
…けれど、小さな白い花で作った花冠は、彼らの方へと投げ出されてしまった。]
…あ、アレクシスさん…。
[顏を上げると見慣れた天使が声をかけてくれた。>>174
彼は天使たちの中でも稀な、傲慢ではないと思える者であった。
安堵の笑みを浮かべ、立ちあがる。
ロングスカートの、丁度膝が当たる部分に付いた土を手で払った。]
は、はい。声をかけてよいかわからなかったので…。
[変に否定しても良い結果は産まないだろうと判断し、彼の話に頷いて見せた。
拾ってくれた花冠を両手で受け取り、微笑む。]
ユーリエちゃんにあげようとおもって。
[フェリクスの向いの牢、幼き頃から捕らえられている魔物。
見た目は可憐な幼女の名を口にする。]
[ 耳元でこっそりと話しかける ]
あ、あの、どこから見てらっしゃったのでしょうか?
わたくしの情けない姿も…その……
[ 濡れネズミ状態から見られていたのかと、急に恥ずかしくなり顔を赤くして俯いた ]
[アレクシスの背後から届いたのは厳格な声。>>184
前へ進み出て、頭を下げた。]
大変失礼いたしました、ジークムントさま。
皆様が御集りになられているのが珍しく、声をかけることも憚れまして。
[丁寧に謝辞を述べるも、彼の関心は既に見知らぬ天使へと移っていた。
近くに来て、改めてその天使の顏を見る。]
…おにいちゃん…。
[そう。
同じ村の隣の家。オクタヴィアより数年早く生まれ、まるで本当の兄と妹のように親しくしていた男の面影を、彼に感じ取った。
けれど彼は背に翼なんてないし、故郷を襲った悪魔の軍勢の餌食となってしまった筈だ。
一体どういうことだろうか。]
…?
情けない姿、とは?
[囁きに目線を彼へ向け、逆に問い返した。
オクタヴィアがこの場にたどり着いた時には、既にジークムントによって水が取り払われた後。]
もしかして、何かしてしまってお説教されていたんですか
[天界に来てからというもの、天使たちの傲慢さに疲れていた所、出会ったのが彼だ。
彼は他の天使たちに侮られやすいが、少なくとも他の天使より好感を持てていた。
しかし焦ったり考え事をすると失敗しやすい質であるらしい。だから何かして怒られていたのかと連想して、クスッと小さな笑みを漏らした。]
/* 日本語が変です!ごめんなさい1
わかりづらいよみづらいからみづらいの三辛!
絶望した!そんな自分に絶望した! */
お説教ではございませんが……
[ 大失敗したことは伝えた。
なぜか、オクタヴィアと話していると自然と笑顔になれて、心地よかった。
彼女の出自を知っているからこそ、人間を切り捨てることは考えたくない、という思いが強いのは、誰にも言えないことである。 ]
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