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[それから城主の声>>246に合わせて、掲げられるグラスへ応えるよう、緩やかにグラスを持ち上げる。]
――乾杯。
その美貌に酔わされてしまわぬよう、心しなければなりませんね。
[そのまま口元に甘露を傾け、ゆっくりと飲み干した。
唇に残る赤を、同じ色に染まった舌が拭っていく。
染み渡る熱に僅か、熱い吐息を零した。]
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ユーリエの表とメモのテンションのギャップが可愛い。
アレクシスさんは可愛げの欠片もありませんが、通常営業です。
[窓の向こう、薔薇が赤く染まる。
死ぬ間際に見た色>>127を思い出せば、グラスを爪で軽く引っ掻いた。
傷跡が残ることもなく、きぃ、と小さな悲鳴に似た音が僅かに響く。]
灯りに誘われるのは、虫と変わりませんね。
[視界を奪った赤は、血よりも炎に近いと思った。
今日は随分と過去を思い出すものだと苦笑を零して、誰にも届かないような呟きをそっと零す。
三人と気配と声を耳にしながらも、視線は静かに、窓際の赤へと向けられていた。]
[レディ・シュトラウス>>268の笑みには、僅かに肩を竦めることで答える。
彼女が笑いを堪えているとはいざ知らず、けれどただ大人しいだけのお嬢様ではないことは、赤い唇の形から察することができた。]
猛獣の檻に放り込まれた仔兎でしょうか。
[ちらりとシメオンを見ながら、微かに憐れんだ視線を送る。
二人の間に挟まれれば、吸血鬼として齢数年の彼はまだまだ未熟なのかもしれない。
だからといって助け舟を出すでもなく、むしろ楽しい催しが始まったとでもいうように、薔薇から三人へと視線を移した。]
[シメオン>>325が、言葉を詰まらせる様子を冷ややかに見守る。
言葉はともかく、声音に責める色もないのに反論するのは、当人に罪悪感があるからだ。
男はそういったものを好まなかった。]
悪ならば、それでもいい。
己を貫く姿こそ、美しいものです。
[誰に届けるでもなく呟いて、彼の表情から憐憫や焦燥の気配がなくなったのを見て、瞳に宿した冷たさを掻き消す。
ゆるりと口角を上げて、満足そうに瞬いた。]
そうですねぇ。
貴方は花というよりも、咲き誇る前の蕾のようだ。
青く硬い、熟す前の果実。
[つつけば鋭い反発が返ってくるが、男に取っては仔猫の爪のような、他愛無いものだ。
険しくなる表情>>326にもくつくつと笑みを返すばかりで、堪えた様子もない。]
はい、シメオン。
私は大抵城の中をうろついておりますから、どうぞ私の暇つぶしになってください。
[相手ではなく、暇つぶしそのものに。
珍しく気に入ったとはいえ、相手は所詮子どもと、扱いは随分とぞんざいである。
仔兎の言が届かなかったか、あるいは意味が通じなかったか、彼>>330の反応が途絶えたのを見れば、一通り楽しんだとでも言わんばかりに口を閉ざすのだった。]
[それからは話を聞くに徹するつもりのところに、野茨公>>334の声が届く。
視線だけを彼に贈り、皮肉の滲んだ瞳を細めた。]
灯火も、数が増えれば炎になります。
あまり多くの花に気を遣る蝶ならば、いつか翅が焼け落ちてしまうやもしれませんねぇ。
[男は滅びを夢想しない。
なぜならば、滅びとは生まれた時から傍にあったものだからだ。
燃え盛る城の下、残ったものは、憎悪の灰だけだった。
故に、どこか陶酔したような彼>>337を見つめる瞳は氷のように冷たく、彼が現実へ戻る前に逸らされる。]
同じ炎なら、私は暖炉の篝火がいいです。
[指先に温もりを与えてくれるようなものだけで構わないと、赤い薔薇を見つめ、静かに呟いた。
死するまでの過程でしかない生に、意味など求めない。
だからぬるま湯に浸ったまま、静かに過ぎ行く時を瞳に映すのだ。]
[ヴィンセント>>333とジークムントがサロンへ入ってくる気配を感じれば、窓に向けられていた視線は室内へ戻される。
もしそのまま外を見ていたならば、結界に気づいたかもしれないが、運命は時としてドラマチックな展開を望むものだ。]
お久しゅうございます、ジークムント殿。
お元気そうで何よりですよ。
[再び胡散臭い笑みを貼りつけて、現れた姿に挨拶を贈る。
ここにいる面々が特異なだけで、吸血鬼とはお互いに忌み嫌う間柄であるため、日々、誰かと接触するようなことは稀なのだ。
彼と言葉を交わしたのは、どれ程前のことだったか。
ソファから立ち上がり一礼すれば、服の中で血玉が揺れた。]
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初めてやるタイプなのと動かしやすいので、口が悪くなり過ぎないように気をつけねば……!
基本吸血鬼嫌いだし、自己完結の人だし、自分が無事なら相手が傷ついても気にしないので、変わり者というよりただの性格歪んでいる人疑惑( º⌓º)
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開き直って、何でも人のせいにする辺りが性質の悪いところです。
戦闘方法どうしよう。
炎も考えたんだけど、燃える城って話が出たから、最終日組に残しておいた方がいいかなあ。
当初は細腕で巨大な斧ぶんぶん振り回す予定でした。
後半は血も活用する予定。庭に木あるよね? 後で確認せねば。
それまでは素手でいいかなあ。地面砕きたいです。
[ジークムント>>377から邪気のない笑みを向けられれば、虚を突かれたように瞠目する。
彼は以前からこのような反応だった気がするが、生憎他を記憶する程義理堅くもない。
そのせいで毎回、このような反応をしてしまっている気もする。]
……。
[感情を乱されたことへ不機嫌そうに眉を寄せ、小さく咳払いをした。]
私などの安否を気にする必要はありませんよ。
貴殿の方こそ、そろそろ甘露は受け入れられましたか。
[自嘲と皮肉を混ぜ込んだ声音を、ジークムントへと投げかける。
彼が吸血を躊躇していることは知っていたが、それを心配するような間柄でもなく、配慮するような優しさも持ち合わせていなかった。]
ちょうど乾杯をしていたところだったのです。
貴殿も共にいかがですかな。
[彼の手にはまだ、ヴィンセントに渡されたグラスはあっただろうか。
なければ影がグラスを差し出すだろう。
深い赤を視線で示し、あくまで穏やかに目を細める。]
[レディ・シュトラウス>>378の視線は、目の端で捉えていた。
しかし彼女を一瞥さえすることなく、ただ扇の向こう、隔たりに隠された何かに僅か、興味が湧く。
嗚呼、何て今日は気まぐれの多い日だろう。]
己が欲望には素直になるのが一番ですよ。
野茨公のように、とまでは言いませんが。
[それはジークムントに向かって放たれた言葉だが、その時になってようやく、レディ・シュトラウスにも同意を求めるように視線を受けた。
細められた瞳に柔らかさはなく、ただ硬質な色が鎮座している。]
[視線を向けたところ、ちょうどお邪魔>>340をしてしまうところだったようだ。
レディ>>381の囁きを耳にしながら、同意を得るのは諦めることにする。]
絵になる、とでも言えばいいのでしょうかね。
嗚呼、美しい友情物語。
何と素晴らしいのでしょう。
[馬に蹴られるのはごめんだとばかりに肩を竦めて、わざとらしい言葉を紡ぐ。
誰の耳にも届かない程の大きさに留めたのは、居候という、自身の立場をしかと自覚しているから、それだけのことだ。]
[ジークムント>>394のグラスから赤が減っていないことは簡単に見て取れた。
唇が弧を描き、滑らかに言葉が零れる。]
私だって貴殿の身を案じているのです。
貴方が一人、命の雫を拒んだところで、何かが変わるのでしょうか。
[己が一人、死に物狂いで動いたとて、吸血鬼を滅ぼすことも、纏わりつく鎖を砕くこともできないように、何かを変えるには力が圧倒的に足りなかった。
自嘲にも似た色を滲ませ、数瞬、表情に苦い色が広がる。]
私は善人ではありませんからねぇ。
ジークムント殿もようやく気づかれましたか。
[それを誤魔化すようにくつくつと笑った後、静かな声音で語りかけた。]
欲しているのでしょう?
どうして我慢をする必要があるのです。
己が望みに忠実になってみるのも、たまにはいいかもしれませんよ。
[ねっとりと纏わりつくような音を紡いで、ジークムントの耳朶へ注ぎ込む。
一人抗う彼を見ていると、どうも歯痒さが募った。]
これ以上は、貴方を溺愛する主様に怒られてしまいそうですね。
私はまだ、死ぬつもりはありませんので。
[いじめている自覚はあるので、適度なところで切り上げておく。
空のグラスをテーブルへ置き、両の手を上げ、害意のないことを示した。]
[シメオン>>408の疑問には、ただただにっこりと微笑んだ。
言葉は紡がない。
その方がより伝わるのだと、本能で理解していた。]
ほら、嗜められてしまいました。
逆鱗に触れなかっただけ、良いといたしましょう。
[両手をあげたまま、野茨公>>404の言葉にわざとらしい苦笑を返す。
彼の出自は知らない。興味もなかった。
公が公であってくれれば、恩は返せるのだから。
己を弾く世界などに、僅かさえ思考を裂くのも惜しい。
だから話>>410を耳にするのは初めてで、告げられれば、微かに興味も湧く。]
公の父君は、未だ現役ですか。
いやはや、さすがと言ったところでしょうかね。
今はど――?
[野茨公>>411へ視線を送っていたから、気づくことの出来た変化。
視線に交じる緊張に、問いを紡いでいた言葉が途切れる。]
[反射的に周囲へ意識を張り巡らせたのは、幼い頃から染みついた、本能に依るものだ。
表情は笑みを浮かべたまま、気配だけが僅かに研ぎ澄まされる。]
……ふん、
[幼い頃から怨嗟の的として危険の最中で生きてきたというのに、この城に居ついて、随分と平和ボケしていたらしい。
野茨公の反応がなければ気づくことすらできなかったことに、苛立ち交じりに鼻を鳴らした。
心乱れることを是としない男の微かな変化は、顔を向けている彼にしか届かない。]
[気配を乱したアレクシスに、一瞬視線を向ける。
ふ、と息を吐いたのは、自身の緊張を逃がすため。
常の調子を取り戻し、ちらと笑みを浮かべた。]
南ですか。随分とざっくりしている。
親というものは、大抵自分勝手なものだと思っていますが。
[神経を研ぎ澄ませているせいか、表面をなぞる言葉の先>>430、どこかへ向けられている視線に気づくことができた。
口を開いて、閉じて、開いて、呼吸をした後閉じる。
親を知らぬ自身に、何を言う資格があるのだろうか。
そもそも、何を話すと言うのだろうか。
揺れる瞳を見られぬよう、瞼で覆い隠す。]
会いたいもの、なのでしょうかねぇ。
[零れた呟きは彼に対して投げられたというよりは、氷柱から溶けたひとしずくのような、自然な音だった。
服の上から撫でる血玉は、何の答えも返さない。]
――まぁ、今はそんなこと、どうでもいいですね。
[捉えた七つの気配>>424。
その正体までは掴めぬが、自身にとって世界のすべてが敵に等しい。
そう違いはないだろうと、静かに嗤っている。]
[向けられた笑みは、今や己が日常を紡ぐもの。
更に舌打ちしそうになる気持ちを抑え、ふてぶてしく笑い返す。]
どうぞ死ぬなら、私が気づけるようにしてくださいね。
[冗談に見せかけた本音を零し、暗い色の瞳が瞬く。]
馬鹿馬鹿しい最期を迎えたなどと知れたら恥ずかしいですから。
多少は手を貸すことにいたしましょう。
[吐かれた息の意味を察し、遠回しに援護を約束する。
恩を返さず死なれては堪らない。理由はただそれだけだ。
心の中で囁けば、乱れは凪いで、笑みだけが残った。]
退屈な日常にスパイスを届けに来てくれた商人さんでしょうか。
私も一言礼をお伝えしなければ。
[野茨公>>445の言葉に微笑んで、ソファからゆっくりと立ち上がる。
バルコニーに向かう途中、結界の展開を感じれば、くつくつと喉を鳴らした。]
おやおや、随分と気が早い。
二人きりの逢瀬は、もっと共に時を過ごしてからでなければねぇ。
[野茨公の、更には他に続く者がいるなら、それより更に後ろに控えながら、眼鏡の向こうの瞳に暗い光を宿す。
無言のまま手のひらを開閉し、拳の感触を確かめた。
赤い四つの爪痕は、既に白い皮膚の海へと溶けている。]
[野茨公や弟君が指示を飛ばす様子を見ても、男は何も動かない。
あくまで居候という立ち位置、どこにも属さぬ己はただ、己のやりたいことを実行するまでだ。
欲望へ素直に>>386、有言実行というには、男の行動は聊か身勝手過ぎた。]
まずは、今夜のお相手の顔を拝見するとしましょう。
[男は笑う。静かに嗤う。
風が吹いて、結った長い黒髪を揺らした。
――始まりの時は、近い。]
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