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8人目、負傷兵 シモン が参加しました。
負傷兵 シモンは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
─自宅の一室─
っ、つー……。
[顔をしかめ、ずきり、と痛む膝をベッドの中でさすった。
数年前、遠い戦地で負った古傷は未だに癒えず、冬の寒さは堪える]
うっげ、寒そ。
[窓の外を見れば、村中が雪で白く覆われ、空はどんよりと暗い。
酷い寒波と共に、新たな雪が降りそうに見えた]
……腹、減ったな。
つってもこの足じゃ外に出ても碌に歩けねぇし、誰かメシ持ってきてくれたりしねーかな。
[果たして、天の助けは来るのだろうか。
暫く待って誰も来ないなら、足を引きずりながら宿に向かうつもり**]
あ、村立てです。
皆様ありがとうございます。
ようやく、フリーデル以降の追加キャラが使えた!というレベルで久しぶりのBBSセット。
ソワァ。
いつもありがとう、リーザ。
ああ、いい匂いだ。
[打ち解けたのは、リーザだけではない。自分も同じだ。
穏やかな笑顔を浮かべ、食べ物と飲み物を受け取る]
へぇ、オットーの?
[仄かに甘酸っぱい香りのするパンは、オットーのおすすめらしい。
パン屋の跡取りであるオットーは、自分が志願兵になった頃にはまだ幼く、普段口にするパンも店主である彼の父のものだったから、その頃の小僧イメージのままなのだが、いつの間にかひとりでパンを焼けるまでになっていたようだ]
…………
[立ち去るリーザを見送り、扉を閉めると、悲しげに眉を下げる。
彼女の母を殺したのは――
誤って民間人を撃ってしまったのは――
自分が所属していた隊だったから。
乱戦だった。
だから、誰がやったのかはわからない。
それはすなわち――
彼女の母を殺したのが、自分かもしれない、と言うことでもある]
[トレイをテーブルに乗せ、椅子に腰を下ろす。
このことは、リーザには話していない。
古くからの悪友であり、神父でもあるジムゾンに告解を通じて告げたのみで、他に知る者はいない。
いずれ話すべきか、墓の下まで隠し通すべきか。
――その答えは出せないまま、食事に手をつける**]
―自室―
ごちそうさん。
[リーザが用意してくれたポトフとリンゴ味のパンを平らげ、生姜の入った暖かい紅茶でほっと一息。
オットーが焼いたパンを食べるのは初めてだったが、なかなか美味い。焼いた人の人柄が出るのだろうか。店主の焼くものとは違って、ふわりと優しい味がした。
ポトフも紅茶も、決して手の込んだものではないが、素材の味を生かしており飢えた体に染み入る]
……あ、リーザ。
ええと、お帰り。
[起き上がり、片づけをしようとしていた自分を見て、リーザはどんな顔をしていたか。
ばつが悪そうに苦笑して、されるままにトレイを預ける]
ん、ジムの奴が来るって?
ったく、この天気じゃ、俺の所なんて来てる場合じゃねぇだろうに。
伝言、ありがとな。
[ぽん、とリーザの頭を撫で、口ではそう言いながらも、友人の気遣いに口元が綻ぶ]
[ジムゾンも、昔は自分やディーターも含め、誰もが認めるような悪ガキだったのだが、今ではすっかり村の神父が板についている。
勿論、裏と表の顔を使い分けている事は知っているから、自分の目には今も変わらず悪ガキのまま、なのだが。
そしてそれはきっと、他人の目からすれは自分も同じなのだろう。
しかしもうひとりの悪友、ディーターは変わってしまった。
同じように兵士として戦地に出て、同じように怪我を負って退役した昔なじみの友は、今は酒びたりの日々と聞く。
お互い、体の自由が利かないと言う事もあって、顔を合わせる機会もすっかり減ってしまった]
ジムが来たら、近況聞いてみっか。
[あの頃と比べて疎遠になったとはいえ、友の事が気にならないはずがなかった。
動くようになった足を引きずり、再びベッドに戻る。
体を横たえるが、眠るわけではない。始めるのは、筋力トレーニング。
片足が動かなくとも自分のことは自分で出来るようにと、退役してからも欠かしたことのない日課。
――目的は、それだけではない。
体を動かしていないと、色々と思い出してしまうから**]
─数年前の事─
[その地での戦闘は、今までとは勝手が違っていた。
争いは激しさを増していき、やがて、ひとつの町を巻き込んだ。
避難する民間人を隠れ蓑にした、敵兵からの銃撃。爆撃。
民間人のふりをしたゲリラ兵の特攻。
少年兵の自爆テロ。
――傷つき、倒れた民間人は、果たして本当に民間人であったのか?
ゲリラ兵の騙し討ちか、民間人の正当防衛か。
手を差し伸べた相手に討たれた仲間も、少なくはない]
[――そして今、目の前に倒れている女性は、民間人だろうか。それとも]
……どうした?
その人、嬢ちゃんの……母ちゃん、なのか?
[絶命した女性にすがりつく少女が、爆弾を抱えた少年兵でないという保証はない。
それでも、少女の母であろうこの女性を殺したのは、自分が所属する隊であり、少女にとっては、女性がゲリラであろうが民間人であろうが、母を奪われたという事実には変わりがない]
『危ない! シモン!!』
[仲間の声が背後から聞こえ、同時に、熱風を浴びた。爆撃だ。
とっさに少女を庇ったのは、罪滅ぼしのつもりだろうか。理由は、自分にも分からない。
ただ、死なせたくないと思った]
[――結局、この時の乱戦で重傷を負い、退役。
動かなくなった左足を引きずりながら、リーザと名乗った少女を連れて、生まれ育った村へと帰るのだった*]
[しかし、あの体験をしたからこそ思う。
いるかどうかもわからない化け物よりも、極限状態に陥った人間の方が、よほど化け物じみていると]
……こりゃあ、動けるうちに宿に移った方が良いだろうな。
本格的に降ったら、雪の中に閉じ込められたまま飢え死にしちまいそうだ。
[リーザもすぐに戻るだろう。
ジムゾンが来たら、手を貸りて移動しようか]
―数年前の事―
[少女は、爆撃のせいか、母を失ったショックからか、意識ははっきりしていないようだったが、呼吸は安定していた。
自身は背に火傷を負ったが、体はまだ動く。
少女を病院に預け、再び戦場へと戻っていった。
目の前の人間の全てを敵と思わなければ生き延びられない。その状態にすっかり精神をすり減らし、体力も集中力も限界に来ていた。
火傷も癒えず、小さな傷も増える一方。
そして――少女を助けてから数日後。
些細なヘマで命に関わるほどの怪我を負い、病院へと運び込まれたのだった]
[その病院で、件の少女と再会するとは、その時には思ってもいなかった。
動けるようになってから、少女とは色々な話をした。
絵を教えたりもした。
そして――少女には、頼れる身内がいない事も知った。
だから、退役の手続きを済ませた時、思わず口をついていた。
「自分の所に、一緒に来るか?」と*]
…………。
[少しの間、
尋ねようと思っていた事を尋ねようと、重い口を開く]
あー……
そういや、最近、あいつどうしてる?
ほら、ディーターの奴、ジムんトコなら顔を出してるんじゃないかと思ってさ。
[自分と同じように、怪我で退役した友人。
すっかり顔も見なくなってしまったが、どうしているのかはずっと気になっていた**]
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