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んー、じゃあそうすることにしよう。
お前の言う通り、国の改革を体験出来る機会なんて一生に一度あるかないかだ。
歴史家として名を残すには良いかもしれねぇ。
てなわけでよろしくな、アレイゼル卿。
[強かな笑みを向けるカナン>>81とは対照的に、いつも通りの軽い笑みを向ける]
[クロードの言葉に視線を僅か落とす様子>>82には、ぽん、と肩を叩いて]
己を理解してもらうには先ず相手を理解せよ。
アイツはまだお前を理解し切れてないだけだ。
[励ますように言葉を向けた]
構わねぇよ。
この一件が無事終われば、いつだって機会があるだろ?
心配するなって方が無理な話だが、信頼はしてる。
囚われの姫を救って来い。
朗報を待ってる。
― ブラバンドへの道 ―
[解放軍と共にブラバンドを目指す際、万一に備えシメオンには護衛がついた。
これまでも同道したことのある、クレメンスの私兵の三名だ。
短い間ではあるが、共にした時間も多く、気心も知れている。
全く知らぬ者がつくよりは良いだろうと言う配慮から来ていた]
[そうして出発した道中でのこと。
パティシエが居ないからと呼び出されたソマリの天幕で、シフォンケーキを作り彼へと供した。
無論、添えられた生クリームも手作りである。
シフォンケーキを皿に切り分け、生クリームを添えるその時、ソマリの口からアレイゼル家とクレメンス家との確執が紡がれる>>97]
[シメオン達が生まれる十年以上も前から続くもの。
聞く限りは、悲しいすれ違いが発端なのではと思える内容だった]
所謂腐れ縁、ってやつだったのかな。
アンタの親父さんとおっさんは。
ああ、おっさんが結界を越えようとした話は聞いた。
[問う声>>98には相槌を打ったりもして、齎される話を一つ一つ耳にして行く。
クレメンスがソマリの父をどう思っていたかは聞くことすら出来なかったが、ソマリの父はクレメンスを敵愾心を抱きながらも、その実力を認めていたよう。
認めていたからこそ、裏切られたように思い歩み寄ることが出来なくなったのではとソマリは推測したらしい]
アンタもおっさんの力を認めてたから、親父さんの気持ちが分かるようになったのかもな。
大切なものは失って初めて気付くことが多い。
予め分かっていても、手から零れていくこと数多。
人の心は己の物差しでは測れず、世は斯くも無情かな。
…もっと、言葉を交わす機会があれば、また別の未来があったのかもしれねぇな。
[言葉を重ね、拳を重ね、結論を出したと言うクレメンスとクロードの父の話を思い出す。
そこまではせずとも、歩み寄る姿勢をソマリの父とクレメンスが取ることが出来たなら。
そう思わずには居られない]
いや、貴重な話を聞いた。
互いを理解しようとする姿勢が如何に大事か、改めて実感したよ。
[話の締め>>103にはそう返して、こちらを向き直るソマリを静かに見返す]
ああ、この目でしっかりと見させてもらうぜ。
[共に、と告げるソマリに、同意の首肯と共に笑みを向けた**]
― ブラバンドへ ―
[クロードとソマリと同道する形となったブラバンドへの道。
解放軍の規模は減ることなく、押し寄せる波のように東進し。
数日を経てブラバンドへと到着した]
[高々と張り上げられる開門を願う声>>114。
良く通るそれは門を開く鍵となる]
[ブラバンドは降伏という形で無血開城するに至った。
それはこの国が新たな未来へと踏み出す一歩。
限られた兵に紛れブラバンド内へと入ったシメオンは、それを赤い瞳で見届けた]
『長いようで短い期間で起きた内乱は、
ブラバンド無血開城と言う形で終止符を打った。
無血開城だからといって、
解放軍が圧倒的に優勢だったと言うわけではない。
巫女姫、解放軍、両者ともが刃を収め、
歩み寄った結果であると、私は信じたい』
……んー、歴史書にするなら事実だけにしねぇとか。
これは手記だな。
[クロードやソマリがそれぞれの役割を勤める間、シメオンはブラバンドの様子を眺めながら様々なことを書き記していた]
― 開城翌日/ブラバンド ―
[前日に流布された解放軍盟主の演説の話は一夜の内にブラバンド全体に広まったようだ。
舞殿前に集まった民の数は計り知れない]
うへぇ、シュビトでの集会以上だ。
[人の波に押し流されないよう気をつけながら、クロードの演説が始まるのを待つ。
壇上にて熱を孕む通る声が上がる>>143と、ざわついていた人の声がしんと静まったように感じた]
[シュビトでの演説と似ているようで違う。
あの時燃え上がっていたのは、全てを燃やし尽くし、破壊することで再生を生まんとする劫火。
それが今は、人の営みを援け、吹きつける風に合わせ燃え上がり、人々の
あん時より断然良いや。
[壇上から降りるクロード>>147の背に、密やかに拍手を贈った*]
― 間奏曲 ―
[北国生まれの二人にとって、マチュザレムでの生活は時に気温に当てられてしまう日があった。
そんな時は何らかの方法を講じて涼をとる。
その日はボートで湖に繰り出し、涼やかな空気に身を晒していた]
涼しいなぁ…。
[湖面に手を伸ばして浸したりと、あれやこれや試してみたりもする]
[そんな中で、不意にボートが揺れた]
うわぁっ!?
[波も無い湖。
他のボートとぶつかったかとも思ったが、ぶつかる音は聞こえていない。
視線を巡らせば、カナンが自分達の乗るボートを揺らす姿が見えた]
カナン、止めろって!
― 間奏曲 ―
[思考を言い当てるカナンに、ぐぬ、となりながら]
この世の事象には須らく理由がある。
それを考えて何がわ───
わぁ!! カナン!!
[反論したところでカナンが湖へと水飛沫を上げながら落ちていく。
不用意に立ったがために落ちたと思い込み、慌てた声を上げた]
おい、カナン!!
[船縁に身を預け、カナンが落ちた場所へと手を伸ばす]
― 間奏曲 ―
[落ちたカナンが浮いて来ない。
伸ばした手を掴んでこない。
泳げるはずなのに、金色は湖底へと沈んで行く]
───んなろっ!!
[悪態をついて、シメオンは大きく息を吸い込んだ。
少しでも動きやすいように上着をボートに脱ぎ捨て、頭から湖へと飛び込む]
共和国大使補佐 シメオンが「時間を進める」を選択しました
[空気無き水の中、振動で伝わる音ではない声。
あり得ない事象。
あり得た事実。
この事象に理由をつけるならば、それは”絆”と呼ばれるのだろう]
死なせて、たまるか。
[絡んだ指を、手を、想いを。
しっかりと握り締める。
心なしか軽くなったカナンの身体を自分の身へ引き寄せ、抱えるようにしながら湖面へと浮上した]
ぷはっ!
[顔だけを湖上へと出し、呼吸を確保する。
ゆらり漂っていたボートを捕まえて、その船縁にカナンの手を掛けさせた]
カナン……ッ
[切羽詰った声で呼びかける]
― 間奏曲 ―
[至近距離で笑い声が上がった。
溺れかけたカナンのもの]
お、っまえ、 どんだけ心配したと……!
[笑う声に呆気に取られた後、激しかけた声が上がる]
………ふ、 あはははははははは!
[けれどそれも、直ぐにつられるような笑い声に取って代わった]
まさか、繋がれるなんて。
俺も嬉しいよ。
[湖面に浮きながらカナンの身体を抱き締める。
繋ぎ止めた絆は、唯一無二のかけがえのないもの。
失わずに良かったと、心底思った]
― ブラバンド ―
[演説後、直ぐに神殿へと出立したクロードを見送って、シメオンはブラバンドへと残る。
これと言って目立った何かをすることは無かったが、ブラバンドに残ることでこの国の変化を見るに至る]
[先ず一つに、ソマリによる貴族諸侯の一斉摘発。
大掃除>>171と称したそれはソマリの手腕の下、恙無く進められているよう。
穏やかそうな黒い笑みを伴っての言葉だったが、嫌悪を抱くような印象は受けなかった]
必要悪にでもなる心算かい?
[冗談めいた口調でそんな風に問うたのも記憶に新しい]
[次に、演説を受けての民の変化。
裏の無い真直ぐなクロードの言葉は、ブラバンドの民にもしっかりと届いたようで、街を歩く中で演説についてを話題にしている声を良く聞いた。
具体的に何をするのか等はまだピンと来ていないものも多いようだが、こうして話題に上がり考えることこそが最初の一歩となろう]
正しい判断をするには、それに対する正しい知識を得ることだよ。
人との付き合いもそう。
相手のことを正しく知ることが、良き付き合いに繋がるんだと思うぜ。
[好奇心の強い者等が、シメオンをマチュザレムの使者と知って話しかけてきた時など、話す機会があるのならば正しい知識を与えて思考のための材料にさせる。
押し付けることはなく、あくまで求められた時のみ知識を与えた。
進んで技術や思想を伝えるのは、もう少しこの街が安定してからのこと*]
― 間奏曲 ―
予言?
[お互いの力を合わせボートによじ登り、服の水を絞っている時に語られたカナンの運命。
宝、と示されると赤い瞳を何度も瞬かせた]
すぐ近く、が俺ってこと?
へへ、そっか。
それなら、もう一つもいつか見つかるだろうな。
ここに予言の証明者が居るんだから。
[何だか誇らしく思えてきて、ついつい偉そうな物言いになる。
自分を示す単語には、それ女性に対して使うんじゃ、なんてことも思ったが、大切な人と言う意味では使い方は間違っていない、のだろう]
ああ、よろしくな。
[ずっと添うであろう、己の
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