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私の思ってる、と言っても。
……本当に、一度会ったきりよ。
それに聖将さんと、…彼は、違うのでしょう?
だから、ここで会うなら、私を殺すと思うわ、きっと。
私だって、その心算だったもの。
[迂闊な事を言っているとは思ったが。
彼に会えさえすればもう、と思う気持ちが、言葉をシンプルにする]
救う…って、浄化のこと?
もし彼と会った後も無事なら、あえていきたくないのだけど…
[救うとはどういう意味だろう。そう思いながら、彼女達を見送った*]
それは……、答えられないわ。
本人に言ったこともないし、
…言うことも、一度もないかも知れない。
[そこまで言って漸く、答えてしまっていることに気づいた**]
/*
月の下での再会だとは思ってた。確実に。さすがねソマリ。
でも刺しにいく気満々だったから、色々禍々しい感じにしたけどきっと。
[ 答えられない、というその人の表情は、
憂えるようでもあり、
嬉しそうでもあり、
寂しそうでもあり……。
琥珀の目でじっと見つめ、ユーリエは不思議な感慨を得た。
自分の身を省みないそれは、「愛」によく似ていて、
でも、どこか危うくて。
吸血鬼というのは、「動く死体」ではなく、
一人の生き物なのだな、とようやく実感した。 ]
また、どこかで会えたらいいね。
アプサラスお姉様。
[ 気づけば、去り際にそう、
シスターたちに呼び掛けるように言っていた。 ]*
/*
ちょうちょからちら見。
……昨日おねむで、ゆりちゃんに素直な心境吐露しまくってるじゃないの…ソマリも見えるのに!(顔覆い
しかもラストネームとファーストネーム逆だし。
だから眠い時に話しちゃだめなのよ私のばか…!
でもゆりちゃんと話せてよかった。あとでお返事しよっと。
そしてギィ様にきゅん。
/*
………!!
あの時寄り添って下さってたのね、ギィ様…!
本当にギィ様、拾うのが華麗にお上手で、もぉ……
ああもう、こっそりここだけでお義兄様ってお呼びしちゃうんだから…。
[透徹した琥珀色に、僅かの間、真紅が絡み]
……私は、二度と会わないことを願っておくわ。
魔物の城は、わざわざ可愛らしい女の子が訪れるような
場所じゃないのよ。ユーリエちゃん。
[此処が人里ならば、頭の一つも撫でたかも知れない。
代わりに緩く口端を持ち上げ、そのまま背を向けた*]
[彼は、とっくに忘れただろう。
一夜の戯れじみた約束も、一曲限りのパートナーも。
たとえ忘れていなくとも――気づかなければいい。
月光を纏う彼の前で、塗り潰す闇にしかなりえない自分に]
[白い肩からついと舞いあがる黒蝶は、凶兆のごとく闇に溶け消えた。
振り返る男の手に、閃くもまた白刃。
瞠られた双眸は、半年前と変わらず蒼灰を湛え――唯そこに浮かぶ感情だけが、見知らぬ色をはっきりと映し出す]
……覚えて、いたのね。
[何故、と問われて、苦笑混じりの囁きが滑り落ちた。
胸に刺した棘の痕が、じくりと疼く思いで]
[軋む男の唇が、確かに言い掛けた言葉。
それは――覚えていたのは、仮面越しに垣間見た顔だけではないのだと知らしめた]
――…ね。だから、言ったでしょう。
[冷めた嗤いが、薄らと開く唇から紡がれる]
供も連れず、独りで夜に出歩く素性の知れない女を誘うなんて。
一夜限りの禍を期待するような、慎みの足りない女か――
そうでなければ、自分自身が禍なのよ。
[男が月に擬えた姿は、今は命運の尽きを齎すべく、黒衣を纏い眼前に立つ]
……、そうね、丁度良かった。
私も、サイキカルの者に払う“授業料”なんて、
持ち合わせてないもの。
[二度目のエスコートを叶えるその時は、対価に名前を。
強引に求めた男の声だけを、耳の奥で繰り返す。
徐に持ち上がる刃先にも、微かに笑うだけ。
それ以外、如何すべきか思いつかずに]
/*
どう、しよう、かしら……!
腕を失くしたソマリに、全く危害を加えられる気配が、我ながらない…!(盛大に頭抱え
一応お互い重傷負ってるからいけなくはない、けど…
ソマリも、性格的に私のこと、刺す気がしないのだけど…
……本当に、見る目のない人ね。
男性全てをひっ括って、自己弁護にするのは止めたら?
[戯言めいた男の声に、棘も露わな言葉を返して。
――これではまるで、あの夜と変わらない。
そう思えば、ぎこちなく撓む唇が、僅かに滑らかに綻ぶ]
ただ貴方が、馬鹿で、無謀で――…
手を引く慎みも、ないだけでしょう?
智謀の将が、聞いて呆れるわ。
[何処か揶揄うように歪む、男の口端。
このまま、この時間の中で終われれば――]
……私は、後悔してるわ?
あの時、貴方を殺しておけば良かったのにね。
[銀で灼いた傷から溢れる血の勢いは、未だ鎮まる気配もない。
赤黒く染め上がった左腕を見遣り、本当に残念、と低く囁く]
……先払いなんて、存外に吝嗇家なのね、貴方。
まぁ教会に魂を売り渡すような家柄なら、そんなものかしら?
[こちらへ一歩踏み込む男を見上げ、すっと一歩身を退いた。
男が一歩踏み出す度に、また一歩。
バルコニーの柵が、行き場を塞ぐ片隅へと]
[身を退いても強引に捕え、逃げ出せない言い訳をくれる腕を。
この半年、ずっと何処かで待ち望んでいた。
それが何処にも望めないなら、代わりに願うのは――]
……さぁ?
そんな男、別に探したくもないから知らないわ。
[鼻もちならない男は、目の前に一人いれば探す必要もない。
微かに届いた、呻きにも似た男の声。
知らず揺れる瞳は、瞬きもせず男に据えたまま。
抑え切れなかった雫を、それ以上は一滴も溢れさせぬよう。少しでも長く、見ていられるように]
――……、そうねぇ。
せいぜいその程度が、貴方にはお似合いでしょうね?
[自分のように世間知らずの女なら、彼の戯言でも十分過ぎる]
………、心もない言葉しか吐き出さない男は。
いっそ殺したいくらいに、腹が立つと思わない?
[嘯く男の唇が笑み綻ぶのを見つめ、眉をきつく顰めてみせる]
……そんなの、わざわざ謗るまでもないでしょう?
貴方の名が、これ以上ない程はっきり示してるじゃない。
――…ソマリ・サイキカル。
[詐欺師を冠する男の名前を、ただ一度だけ、目の前で呼んでみたかった。
剣を構える男を前に、その甘い響きが、緩く唇を開かせる]
――…ええ、そうね?
きっと、後にも先にも。…貴方一人だけよ。
[芝居がかった仕草を大真面目に、傲慢に眼前でやってのける男。
こんな不遜な男は唯一人だと、囁く声はひそりと擦れる。
剣を翳す姿は、相対すれば、蝶を介して窺い見るより遙かに潔い。
迷いなく駆ける脚、闇にも高らかに響き渡る冴えた声]
[幾度も護られてきた身を、恋うる男の刃先に自ら晒すこと。
愚かでも、罪深くとも――これが、己の選びとった命の使い時]
[己の中心へと、ただ真っ直ぐに距離を殺ぐ刃。
風に散る金の髪が、視線を浚う。
月にも陽にも、瞬く度に彩を変える男。
風に惑う蝶よりも、徒に翻弄されるしか術がないのはそのせいだ、と。
身が貫かれるまでの間に思い至ったのは、唯それだけ。
――男の自重を受ける身体は、影を連ねて夜空に舞った]
[もう逃がすまいとするかのように、身の中心へと向けられた刃。
心臓を刺し貫く痛みは訪れず、男に抱かれ、風に曝される瞳をきつく眇めた]
――…どうせ、そんな事だと思ったわ。
傷付けたら、貴方のものにはできないものね?
[この心が掌中にあることも、この男なら、どうせ知っていたのだろうと]
[鋭敏な耳に絡みつく声さえ、離す意志など欠片も含まぬ響き]
……もう、聞く気がないのかと思ってたけど?
[拗ねた響きは、何時かのように]
…まぁ、いいわ。
強引だけど、約束通りエスコートしてくれたから。
―――アプサラス。
ねぇ、呼んでみて?…ソマリ。
[強引に抱いてくれる男の左腕と、胸に抱き締めるその声だけ在ればいい。すぐ傍で響く男の声に、また耳を澄ませた*]
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