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[食堂でケーキと紅茶を奢られ、
誕生日プレゼントには文庫本をもらい。
次の誕生日は誰かを確認して。
また次も食堂でパーティーしようぜ!と約束して部屋に帰った頃には
まだリエヴルは部屋に戻っていなかった]
(んー?部屋で勉強するか本を読んでないのなら、
図書館にいるか、練武場で見学しているか、かな)
[そうリエヴルの行方を推察するも、
別に一から百まで監視しているわけでもない。
放っておいて、ベッドに寝転がって
貰ったばかりの文庫本を広げていた]
[そうしているうちに扉がガチャリと開く]
おう、おかえりー。
[本から目を離さずにそう口にして、
いつもならそれで終わるところだったのに。
はい、という声にその声のしたほうに視線を向ければ
仏頂面のリエヴルと、
突き出されたシフォンケーキがそこにあった]
え……?
なにこれ?
まさか、誕生日プレゼント?
[はっきりいうとものすごく意外だった。
こんな誰かの誕生日を祝うようなところは全く無さそうなのに。
意外だったからこそ、ますます嬉しくて]
サンキュー。
っていうかこのケーキ結構でかいな。
俺一人じゃ……。
お前と二人でも食いきれなくないか?
[なにせさっきもケーキを食べてきたばかりだから。
ディークあたりを呼べば、きっと手伝ってくれるだろう。
でも、リエヴルのこんな行動。
ディークにも見せるのは惜しくて]
まあ、いいや。二人で頑張ろうぜ!
いただきます!
おお、すごい美味いな。
これフェルセンが作ったの?
へぇ、本当にお前はなんでもできるよなー。
[幸せいっぱいに手作りのシフォンケーキを頬張った]
― それからまた暫くの後 ―
[お返ししようにも、
誕生日なんて訊いてまともに答える相手とも
思っていなかったから]
先生。
俺と同じ部屋のフェルセンって誕生日いつかわかります?
[そうやって寮監に誕生日の探りをいれる]
[仲間とわいわい誕生日パーティーをするのは楽しい。
だから、どうせなら彼の誕生日も盛大にやってやりたいけれど、
なにせ初めてのことだ。
下手にして嫌がられるのも困るから、
最初の今年は、二人だけで様子見をしよう。
ケーキはどうしようか。
自分はあまりケーキの種類を知らない。
だったら同じシフォンケーキがいいかな。
まさか嫌いなものを作って出すわけがないだろうし。
プレゼントはどうしよう。
よく机に向かって何かを書いてるから、
書きやすいペンなんてどうだろう。
そうやって一つづつ考えていくのはとても楽しい作業だった]
[そして彼の誕生日の当日。
授業が終わったら速攻で食堂にいって
おばちゃんたちに教わりながらシフォンケーキを焼いた。
形は少し崩れてしまったものの、
どうにかケーキを焼き終えて部屋に戻った時には、
リエヴルはもう部屋にいた]
フェルセン!
あのさ……今日何の日か知ってる?
俺、お前の誕生日だって聞いたからさ、
俺の時のお返しをしようと思って。
――――おめでとう。
……こういうの嫌だったら、ごめんな?
[そうして、形の崩れたシフォンケーキと、
握りやすそうなペンが入った細長い箱を差し出した**]
[彼女の緑の通信機からはどうやら反応が途絶えているようで、
それがカサンドラの身に危ういことが起こっている証拠にも見えた
彼女の膨大な知識は、無論、公国には欠かせないもので
本国にとっても彼女を失うことは大きな痛手だろう。
だが、それ以前に、級友として、科学の師として。
どうか、彼女が無事でいられることを願う]
ジェフロイ……。
カサンドラを、死なせるんじゃないぞ。
[はじめて、親友ではなく、好敵手だった男に、願いを託した]
[会議の席上では、
ディークがローズクオーツの通信石の話に触れる>>4:330
それを聞いても、ベリアンもレナトもフレデリカも一言も発せず。
彼らが内心どう思っているのかは窺いしれなかった。
あの時自分は、理性ではなく感情に突き動かされていた。
いずれリエヴルと戦場で逢うことになることは、
自身の身分からも、彼の身分からも、十分予測できていたのに。
彼の名を書面で見た途端に動揺して、単独で出撃するという行動に出てしまい、
あげくのはてに大事なそれを彼に渡してしまった。
その現場を見ていたフレデリカも何も口にすることはない]
[呆れられているのか。
公国に害をなす指揮官だと見下げられているのか。
それとも……。
これについては死後であっても、如何なる責めをも負うつもりでいた。
ラウツェニング家にも非難を浴びせられるかもしれないが、
むしろこのことによって
トライブクラフト伯やベルンシュタイン候が動きやすくなるのなら、
存分に利用して欲しいくらいだ]
[誰も口を開かないかわりに、
クロイツが通信石の片割れの場所を推測する。>>4:407
――どうしてそれがリエヴルのところにあると思ったのだろう。
確かに彼がそう推測する理屈はわかる。
だが、敵指揮官または幹部との間にホットラインがありでもしたら、
このシュヴァルベでの決戦自体が茶番だったとなってもおかしくないのに。
異国の傭兵の発言はそこまで予測してのことだったのだろうか。
かつての自分とリエヴルの交友を知っていたエルンストなら、
そう推測するのは容易いことだろうが。
後輩によく似た男にちらりと視線を投げて。
これ以上この場に留まっていても仕方が無い、と
意識を会議室から青い世界に向けた]
/*
全部見ていたらキリが無いことに気づいたようだ。
仲間の死も続々報告聞いてたら、あんな感じにはならんだろうし。
だが、この後、こいつ、青い世界でカサンドラの姿をちらりとみてもいちゃいちゃして……いたと思ったらいなかった!
誰かいるようだ、だけどカサンドラとは断定していなかった。あぶねー。
あいつから、果たし状が来たぞ。
[友を当然のように呼び出し、手紙を見せた時。
彼はいつものように暑苦しいと口にしたが、
それに同意することはなく]
思えば8年前、あいつに先を越されてから。
こうなるのは運命だったんだ。
良かろう。決着をつけてやる。
……ディーク。
当然、お前が立会人だ。
ずっと俺たちの戦いをみてきたお前だ。
これ以上相応しい人選はないぞ。
[ジェフロイをも上回る暑苦しさで、
果し合いを受けたのだった]
[手紙にある通りに、川のほとりまで来ると、
ジェフロイは既に準備万端といった感じで、
まず、そこからして気に食わない]
だれが、逃げるかよ。
お前こそ、無かったことにして欲しいなら今のうちだ。
[挑発の笑みを向けて、
放られた木刀をぱしっと手で受け取める]
ああ、わかった。
つまり、顔以外はどこを狙っても構わないってことだな。
[それなら異論はあるまいと、
ジェフロイの提示したルールを二つ返事で承諾した]
そうはさせるかっ!
[先手をとろうと、ジェフロイの身体が素早く動くが、
負けじと自身もすぐさま前進をする。
最初の一撃は、
両者の木刀ががつんと重い音をたてて打ち合わされた――]
[互角の相手との攻防。
ジェフロイに一歩先んじたと思えば、すぐに並ばれて。
逆に一歩遅れるようなことがあれば、
死に物狂いで追いつき追い越そうとしてきた。
8年間の切磋琢磨の結果がここにあった。
お互い得手とするのは、
力とその運動能力による、真正面からの攻撃。
それ故に、小半時もすると、身体の至るところ痣だらけ。
骨も2、3本折れているという、
試験で同じ事をすれば両者失格で
留年を余儀なくなれるような戦いぶりだった]
くそう、まだまだ……!
[大声をだすと折れた肋骨に響くが、
その痛みを忘れたかのように、
ジェフロイに尚も挑みかかろうとして]
いてっ……なにすんだよ!
[ディークが呆れたように見える顔をしながら、
未だに決着のつかない、この戦いを止めに入る]
それはこっちの台詞だ!
[しつこいと叫ぶジェフロイに、
全く独創性にかける叫び声を放ち。
傍らでおかしそうに笑うディークを睨みつけた]
[確かにディークの言うとおり、
自分たちはとうとう最後まで変わらなかった。
だが、お互いに変わらないということは
どれだけ素晴らしいことだったのか。
平和な時代は、戦を求める空気に取って代わられ。
彼もまた好敵手から、はっきりと敵方に変わり。
そして、こうして命を落として
いる世界までもが変わり。
彼と決着をつける機会は
もう二度と巡ってこない――]
……それは、知ってる。
[もちろんここは青の世界で、
元いた場所とは違うのだけれど。
それでも7年もの間一緒に暮らした、
自分たちが想いを育んできたここが、
二人の愛の巣なのだとふいに意識してしまったら
頬が赤く染まるのも仕方が無い]
ああ、もうあんな思いはさせない。
俺には……お前だけだから。
お前じゃないとダメなんだ……。
[出逢ってから今まで。
想いは募る一方で消えることはなかった。
恋に落ち、彼と結ばれたいと
いつの頃からかずっと願い続けて。
ディークに背中を押されるようにして、愛を告げた]
[共に生きて。
その生が終わる瞬間もやはり共にありたい。
皮肉な形ではあったが、その想いは現実となり。
離れていた魂が
今こうして再びひとつになって溶けていった――]
[やがて色々なものが落ち着いた頃]
そうだ。
ディークから伝言があったんだ。
……安心して待ってろ、ってさ。
[何も補足はせず、それだけを忠実にリエヴルに伝える。
彼のやり方についての話しはもうしない。
ただ、手法は違えど、求めていたものは同じ。
逢いたい―――――…………。
ずっとそう思ってくれていたリエヴルには伝わるだろうと]
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