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― リオレ島・出撃 ―
[ ゲオルグの、進発の激>>227を、男は彼の少し背後に立ち、聞いている ]
[ その目に映るのは、ウルケルの海の猛者達。誰もが一様に、海の英雄の力強い声に鼓舞され、その決意に己の決意を重ねて「おう!」と力強い声を上げる ]
ようし、行くぞ、野郎共!
[ 全軍出撃の号の後、男は自身も、自らの率いる艦隊の乗組員達に向かって、そう声を張り上げ ]
戻ったら、美味い酒で宴会だ!
[ ぎゃー!と、いう悲鳴と笑い声が巻き起こった* ]
― リオレ港 ―
シロウが戻った?そうか、間に合ったか。
[ その報を聞き、男はほっと息をついた。彼がナハティガルに在るのと無いのでは、兵の生存率が全く変わる。
その指揮能力においても、医師としての手腕においても、シロウ程「命を護る事」に長けた将は、ウルケルにも唯一だ ]
あいつ、この戦が終わったら、是が非でも佐官に上げてやる...
[ 男はこれまで、昇進に口出しをしてきた事は余り無い。だが、この戦いの中で痛感した事があるのだ ]
いいかげん、俺の後を任せられる奴がいてくれないと...シロウといいトーリアといい...いつまでも気楽でいられると思うなよ。
[ 別方面まで巻き込んで呟いた男の声には妙な気合いが入っていた* ]
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[ だからなんでここで微ネタ ]
[ いや、昼間見た海におっこちるルートさんが可愛くて ]
[ どうやら萌えが変な方向にネタ魂を刺激したようです ]
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ちなみにだけど、指揮官としては、本当にシロウの方が優秀だと思う。このこ、多分指揮能力じゃなくて、優秀な部下が持ち上げてくれて出世したタイプじゃないかなあ。
面倒見だけはいいから。
― 出発前/リオレ港 ―
勘違いって、何がだ?
[ ヴィクトリアの照れたような様子にも>>247全く気付かず、男は首を傾げた。
縁談を断っている他にも、色事の噂が、とことん無いのは、この辺りが原因と思われる ]
ああ、頼りにしてるぞ。
[ 少し前にもそう言ったな、と男は思い出す ]
俺は、どうも、お前には少々甘えているな。おかしな話だが。
[ 英雄と言われる男を支え、彼が喪うまいとする、兵の命を少しでも掬い上げ、先に進む事を助けようとして来た男が、ぽつりと、年下の戦友相手に、そんな風に零して苦笑する ]
[ ヴィクトリアが、どんな時にも前を見て進んでいると思えるからか、それとも、男女の別も、階級の上下も関係なく誰の前でも、己を変えず、凛と背筋を伸ばす姿が、頼もしく見えるからか。
そう…彼女なら、あのモルトガット皇帝の前ですら、自分を失う事がないのではないかと、そう思える ]
(ああ、そうか…)
[ 彼女もまた、曲がらぬ心を…「不覊」の魂を持つ者だからか、と、そう気付いて。男は笑った ]
行くぞ、トーリア。今度こそ、皇帝陛下にお前の腕を見せてやろう。*
― 戦艦シュヴァルベ ―
[ 男の率いる艦隊は、ゲオルグの旗艦が率いる艦隊より、少し遅れて北を目指す。待機地点と定めた海域に辿り着けば、更に北上し、主戦場となるはずの海域を目指す主力艦隊に向けて、長い蒸気の汽笛が鳴らされた ]
[ やがて、モルトガット帝国艦隊の威容が、西の海から姿を現す ]
さて、行くか。
全艦、微速前進!
[ しずしずと、一見大人しやかに、ウルケル第二艦隊とでも呼ぶべき艦隊は動き出す。
今の陣形は、先頭にシュヴァルベを置き、その両脇、少し下がってヴァイスメーヴェとヴァイ、更に後方、シュヴァルベと重なる位置に縦列でシュヴァーンとシュタインアドラーという、少々変わった矢印のような陣形だ。
そしてその両脇に、背後に連れている水雷艇母艦二隻から放たれた水雷艇が20。こちらは、左右前方に向かって開く梯陣を構成し、艦隊に挑みかかる者があれば、忽ち取り囲んで迎え撃つ体勢で待ち構えている。
上空から見れば、その艦隊の姿は、今正に、放たれようとする矢の、引き絞られた姿にも似ていたか* ]
― 南海域 ―
[ やがて、帝国艦隊の姿が見える海域まで到達すると、艦隊は急激に速度を上げる。
特に船足が速いのは、シュヴァルベの脇から飛び出すようにして並走するヴァイとヴァイスメーヴェ、まるで二隻で競争でもするように、同じように速度を上げた水雷艇部隊を引き連れて帝国艦隊へと迫らんとする// ]
― 南海域 ―
[ 二隻の巡洋艦が先行すれば、残る戦艦一隻と、続く二隻の巡洋艦は、単縦陣となる。
そして、後方に残った水上機母艦2隻から、今度は艦載された水上機の半分、12機が飛び立って、帝国艦隊上空を目指した。内、8機は爆弾を抱え、残る4機は、ガトリングガンを備えて僚機の援護に当たる ]
『敵艦隊、動きました...!西へ回頭...戻っていく...?』
違う...
[ 艦橋で常の通りに双眼鏡を睨んでいた男は、声を張り上げた ]
面舵一杯!回避行動とれ!
― 南海域 ―
[ 戦艦シュヴァルベは、他の巡洋艦より小回りが利く、その利点のおかげで、かろうじて、直撃は免れた。しかし、巡洋艦二隻は、それぞれ船尾と船腹に砲弾が掠め、船腹に一発喰らった巡洋艦シュヴァーンはからは、火の手が上がる ]
シュヴァーンに火災発生!あ、いえ消し止めました!
[ 先の海戦で、火を出して戦列を離れたシュヴァーンは、今回は火災に対する供えを万全にしてきていた。そのため、致命傷とはならずに済んだが、やはり被害はある ]
『シュヴァーン、副砲2基損傷!』
主砲は?
『無事のようです。シュタインアドラーは損傷軽微!』
よし、全艦に信号、主砲斉射用意!
撃て!
[ 回避行動を経て、単縦陣から、右梯陣に変わった三隻の艦から、お返しとばかりに主砲が火を噴く。シュヴァルベの大口径の砲は、横に並んだ艦隊の中央の艦を狙っていた// ]
......これはまた見事だな。
[ 返礼の斉射は、急回頭によって、ほぼ空振りに終わる>>324思わず感心してしまったら「感心してる場合ですか!」と遠慮のない突っ込みが入った ]
分かってる、五戦速前進!
[ 男の命に、え?という顔が返った ]
前進だ。ここはヴァイとヴァイスメーヴェに任せて、俺達は皇帝旗艦を目指す。
[ 男の視界には、ナハティガルが援護に動き始めたのも見えていた ]
それにここからこれ以上撃つと、味方艦に当たる。
[ 梯陣を組んでいた三艦は、速度を上げながら前進し、再び単縦陣となる。後ろを擦り抜ける第二艦隊を置き去りにして、旗艦同士が対峙する水路の入り口へと向かおうとの目論見だ。
無論追撃は受ける覚悟だが、ヴァイとヴァイスメーヴェの連携がそれを阻み、第二艦隊の足を止める]
今だ、最大戦速!一気に抜けるぞ!!
[ ボイラーが唸り、戦艦は身震いするような振動と共に、波を蹴立てて、北へと奔る。追従する巡洋艦すら、引き離されて陣形は間延びしたものとなった。
上空には援護の水上機が追ってきていたが、水雷艇に足を止められる可能性はある// ]
/*
えーと、ローはシロウと遊んでるのね、するとPCの居る艦隊は皇帝旗艦の前にはいない、と。適当に邪魔されつつ...水路に飛び込むのは砲撃で妨害とかしていいのかな?
衝角戦法はやるとしたら、提督の方だよなあ。
[ 後続の巡洋艦のうち、後方にいたシュタインアドラーは追いすがった水雷艇に、水雷を喰らって、片側のスクリューを持って行かれ、足を止められた。
そのままそこで、追ってくる水雷艇や水上機を狙い撃って、先に行く二艦の援護と徹することになる ]
『見えました!敵艦隊...皇帝旗艦視認!!』
主砲用意、目標、敵旗艦、斉射と同時に、取り舵!
撃てーっ!
[ 轟音が、響いた ]
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皇帝陛下に見えたと言われ、提督に抜けるか、と言われればこれしか選択肢がなかったんだが...大丈夫だったのだろうか?(どきどき
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うちの巡洋艦沈めようとしてたら、提督がじぶんのとこのを沈めてた件ww(まだ沈んでませんが)以心伝心すぎて笑うww
[ 男の思った通り、シュヴァイベの主砲が火を噴くと同時に、皇帝旗艦からも主砲が撃ち込まれる。>>365同時に切った取り舵のおかげで、艦橋直撃こそ免れたが ]
右船腹に着弾!
[ 大きな爆音と共に、戦艦はシェーカーを振るかのように激しく揺れた。男は、咄嗟に羅針盤の縁を掴んで身を支えつつ、休まず声をあげる ]
面舵いっぱい!動きを止めるな!五戦速を維持!
砲士長!被害状況は!?
『副砲台一基損傷。まだいけます』
砲術士は?
『二名死亡、一名重傷』
[ 男は唇を噛み、東へと進もうとする皇帝旗艦へと睨むような視線を向ける ]//
― 巡洋艦ヴァイスメーヴェ ―
『艦長!ヴァイが!!』
[ 傷んだ艦首を庇うように細かな回頭を繰り返しながら、帝国巡洋艦からの砲撃と喰い着いてくるかのような水雷艇を躱し続けてきたヴァイスメーヴェの艦橋に、悲鳴のような声が響く ]
「......ここまでか」
[ ヴァイスメーヴェ艦長は、タクマ・ナギからひとつの命令を受けている。それは、彼がかつてタクマの副長として傍らにあった時から、変わらぬ命で ]
「敵巡洋艦の動きは?」
『針路北寄りに移動しつつあります。振り切って皇帝旗艦の援護に向かうつもりかと』
「よし、減速のうえ、取り舵、敵巡洋艦には威嚇砲撃を続けながら距離を取れ...ヴァイの乗員救難に向かう」
[ タクマの乗った戦艦シュヴァルベが皇帝旗艦まで届いたことを、ヴァイスメーヴェ艦長は確信している。ならば、ヴァイとヴァイスメーヴェの役割は八割型終わりだ。敵を殲滅する事が目的の戦ではない以上... ]
『生きられる限りは生きろ、無駄死にはするな』
[ ただひとつ置いていかれた命令を守り、白いカモメは、救うべき僚友の方へと舵を切った** ]
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