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― 真夜中 ―
[ クロイツの最期の話を聞いたのは、結局オクタヴィアスからだったか、それとも他の傭兵にでも聞かされたのだったか。
だが、その話を聞いた時、彼は表情を変えはしなかった ]
クロイツらしい、生き様だったんだな。
[ 死に様ではなく、それは生き様であったろうと、敢えて強者との対決を選び、その末に命を散らした武人たる友の事を思う ]
[ 彼が酒瓶を片手に、修道院の内庭に出たのは、その真夜中のこと ]
まったく...酷い奴だな、マルコ・クロイツ。
[ 月明かりの下、酒を注いだグラスを、崩れかけた石像の脇に一つ置き、その台座に腰掛けた自分の手にも一つ ]
お前と会ったら、一緒に呑もうと思ってたんだぞ?
そもそも、俺に何かあっても...お前にならタヴィを...後を頼めると、当てにしてたってのに。
[ それこそ勝手な、酷い恨み言だと知りながら、くだまくように言葉を連ね ]
だが、感謝している......良く、オクタヴィアスをここに、送り届けてくれた。
クロイツ.........いずれまた、呑もう。
[ 月明かりの中、グラスの中の琥珀が揺れた** ]
― ラモーラル修道院跡/葬儀の日 ―
[ 森の近くには見張りを起き、斥候も何度か走らせて、探索可能は範囲は探らせた。結果、一夜明けた段階では、まだ敵の動きらしきものは無いという ]
...あちらにも死者を悼む時間が必要なのかもな。
[ 思い起こすのは、エドルファスの身体に取り縋ったダンクラードの慟哭の声だ。
こちら側と同様に、他にも多くの有為の士が、命を散らしたはずだった。それを弔わぬまま、放置するダンクラードだとは思えない ]
王、だからな...
[ ぽつり、と落とした呟きは誰にも聞こえぬまま ]
タヴィ、頼みがあるんだ。
[ 葬儀に先立って、彼は新しい主となったオクタヴィアスにひとつ、小さな願いを告げる ]
葬儀の時に、お前のフルートが聞きたい。
きっと、死者の魂を慰め、兵達の心を鎮める力になる。
それに......
[ ふ、と視線は空に向かった ]
以前、クロイツが言ってた、お前のフルートのあたたかくて優しい音色が好きだ、と。
もしかしたら、あいつもここに聴きにくるかもしれないからな。**
― 葬儀の後 ―
[ 粛々と行われた葬送の儀の後、訪れた暫しの間隙を縫って、クレステッドの姿を探す ]
クレス...!ちょっといいか?
[ 彼の姿を見つけたのは、どのあたりだったか。回りに人がいれば、人気の無い場所まで誘って、珍しく真顔で口を開いた ]
お前、傷は大丈夫なんだろうな?無茶するなとは言わないが、無理はするなよ。
お前一人の命じゃない。
タヴィにとって、お前は無くてはならない半身だ。それを忘れるな。
[ 今更言うまでもない事だった。だが、敢えて今はそれを口にする。その絆の力が本当に必要なのは、まさにこれから先であろうと思うから ]
― 葬儀の後 ―
[ クレステッドに突っ込みめいた言葉をかけた後、彼は、声を落とした ]
あいつは、タヴィは...ダンクラード達を「解放軍」と呼んだ。「反乱軍」ではなく。
[ 兵達の歓呼に応える言葉の中、それは無意識であったかもしれない。聞き咎めたものも殆どなかったろう ]
同じラモーラルの民、という想いもあるんだろう。だが、それだけじゃないような気が、俺にはしてる。
[ オクタヴィアスは、心のどこかで、彼等の決起を「反乱」とは見做せずにいるのではないか、と ]
...だとしても、俺にはそれを間違いだと否定できない。
ダンクラードは、「王」だ。
[ 唐突に断定する口調で言った彼をクレステッドはどう思ったか ]
領地を治めずとも、城を持たずとも、生まれながらの王であり、平原の民や森の民を含めた多くの民の統治者でもある。
[ だからこの戦は、反乱の鎮圧ではなく、一人の王と、彼の率いる民との戦だと ]
本当はな、タヴィにも「王の資質」はある、と俺は思ってる。
もう少し時間があって、タヴィが充分に学ぶべきを学び、ラモーラルの本当の王になれる日が来れば、と夢見てもいた。
[ けれど、その前に、もう一人の「王」が現れ、夢見た時は終わりを告げた ]
次はきっと決戦になる。それが終わっても、今度はウエストマール王国が、圧をかけてくるだろう。例えオクタヴィアスが勝ったとしても。
[ 「反乱」を新たな辺境伯が見事に鎮圧したとなれば、それを逆に、王国が脅威と見做す可能性は高い。もう「人質」が居ない状況となれば尚の事 ]
厳しい戦いがずっと続く。もしも、新しい道を見いだせなければ……
[ 例えば、二人の王が互いを認め、手を取るような奇跡が ]
ラモーラルは、滅びる。……かも、しれない。
もし万一、そんな時が来ても…クレス、お前だけは、タヴィの傍に居てやってくれ。
[ 頼む、と、最後に頭を下げた** ]
/*
やっぱり居たかw>クレス
そんな気はしたが、突っ込み避けに敢えて連投してやったぜ☆
[ 突っ込まれる気はしてるんですね? ]
[ まあな! ]
― 朝・軍議の時 ―
[ 橋の護りと舟での対処を任せるというオクタヴィアスの言葉に>>205頷く ]
了解、ついでにクレスの突っ走り牽制も請け負っとく。
タヴィが着くまでは、指揮官だからって我慢も効いてたみたいだけどな。
[ その箍が外れた今となっては、どんな無茶をやらかしてくれるか解ったものではない、と、言葉にも表情にも乗せて言い切った** ]
― 酒場にて ―
[ その夜彼は、結構酔っていた。嫌な事があったのだか、嬉しいことがあったのだか、或いはその両方だったのか。それは既に覚えていないが、ともかく、普段ならやらないことをやってしまう程度には酔っていた ]
姐さん……どこかで会ったことないか?
[ 目の前でどこか驚いた顔をしているのは隣の席についていた女だ>>92
別に使い古された口説き文句を試そうとしたわけではない。顔を見たときから、どうにも引っかかって、気になってしかたなかったのだ ]
そうか、すまん、人違い、かもしれない。
[ 相手から否定が返れば、苦笑して頭を掻く。そこで、ふと思い至った ]
いや…そうだ、あんたお袋に似てるんだ。
[ 普段なら、思っても絶対に言わない事だ。だが、この時だけは、つるりとそれが口に上った ]
......つっても、俺は会った事ないんだけどな、肖像画でしか。
[ 一枚きり残っていたその肖像画も、炎の中に消えた ]
良ければ、少し、俺につきあってくれないか?
[ 勝手に呼び止めて、おかしな話をしてしまったという自覚はあったから、客として彼女にチップでも渡そうと、そう誘った。
そして、その夜は、もう少し深く酔って、さて、もっと別の話もしたかどうか......不覚にも、その辺りは覚えていない。
ただ、悪い気分ではなかったのは確かだった ]
[ そして ]
は...?
[ 数日後、もう一度会ってみたくなって訪れた酒場で、彼女は居るか?と尋ねたら、馴染みの女の一人が、気の毒そうな顔で、本当のことを教えてくれた。
曰く、あれはマダムの知り合いで、事情があって酌婦に化けていた... ]
[ 不覚どころの騒ぎではなかった。マダムは密猟者を捕まえようとしてた、偉い子だよ。と、いう以外、相手の名も素性も教えてはくれなかったし、むしろ知りたくもなかったが ]
有り得ねえ.........
[ どっぷり、一ヶ月ばかり、下町に繰り出せなくなる程度には落ち込んだ、そんな悪夢の思い出だ** ]
― 軍議にて ―
兵の配置はそんなもんだと思うぜ。
俺の方はそうだな、舟に乗せるのは弓兵になるから、火矢を用意させてくれ。
[ クレステッドの口にした陣容にも、いざというときは臨機応変という>>279異を唱えることもなく預けられた舟についてだけ、そう要望を告げた ]
南側に敵を引き込むのは、確かに悪く無い。
そも騎兵なんてのは広い空間が無けりゃ、威力半減もいいとこだからな。
だがそうするなら律儀に全軍を引き込んでやる必要もないから...ぶっちゃけダンクラードが引き込めれば後は橋を落として分断しちまうのが最善だろう。
[ 引き込むのも手というオクタヴィアスには>>277そんな案を渡す ]
実際にどうするかは、向こうが素直に引き込まれてくれるかにもよるがな、実行するなら橋を落とすのは、舟からの火矢でなんとかする。
[ 号令があれば、それも役目として実行すると更に請け負うが、無論、妨害があれば成功するかどうかは判らない事だった** ]
― 決戦の日 ―
[ 笑顔でオクタヴィアスにツッコミ入れられた後>>288主の命に気合いの入りまくった軍医に大変丁寧に治療されて、エドルファスとの血闘で受けた傷は動くに支障ない状態にはなっていた。(ちなみに薬はめちゃくちゃ染みた)
ただ、左側に傷が集中していたため、そこそこの重さがかかる盾を持つ事は諦め、防具は小型のバックラーに変えた ]
― サクソー川/橋の南側 ―
[ 旗下の小隊もオクタヴィアスの護衛に回し、彼は橋の両側に目を配るため、馬上に在る。
眼下の河岸には、漸く集めた8隻の小舟が、橋の東側と西側に4隻ずつ別れ、火矢を備えた弓兵5名と、護衛となる盾持ちの歩兵5名ずつを乗せて待機していた ]
さあて、どう出て来るかな。
[ どこか楽しみにするような気持ちが、あることに内心で苦笑した** ]
― 葬儀の後 ―
[ 独白にも似た自分の視点から見たダンクラードとオクタヴィアスに対する評を、わかる、と言ったクレステッドは「王」というものには縁もこだわりも無いと常々言っていた。
代々決まった主に仕えるという事の無い、一人一人が、心に定めた相手を護る事を義とする武人の家系なのだ、と、彼は理解している ]
たまには、頭のひとつも下げないと、地面が見えなくなるからな。
[ 頭は下げなくていい、と、言うクレステッドに、冗談混じりに言って笑いかける ]
[ 次いで、クレステッドが口にしたのは、15年前の、父との約束の話 ]
父君が...そんなことを?......そうか。
[ クレステッドの父とは、武芸の系統が違ったために教えを乞うといった繋がりはなかった。けれど、時折、身体の鍛え方や、気の鎮め方などを、何かのついでといったさりげないタイミングで教えてくれた事を覚えている ]
ん...
[ 魂にかけた誓い、それは決して破らない>>311と断言する様子に、ほっとしたように頷く。
そして、最後に呼ばれた、懐かしい呼び名に>>312目を閉じて ]
お前達の未来に、光が尽きぬように...
[ 祈るように、囁いた** ]
/*
ふむ、熊対クレステッドの決着は叶わずか、大変残念。多分御本人達もだろうけどねえ。
エピでif対決とか...いっそスピンオフで仕切り直すとか出来るといいねえ。
― サクソー川/橋の南側 ―
羊?まさか遊牧民が放牧に出ているのか?
[ 斥候からの報告に首を傾げたのは、コリドラスの率いる騎馬隊が解放軍に襲いかかる少し前 ]
牧羊犬だけで、人の姿は無い?
[ 奇妙な違和感が、胸をざわめかせた* ]
― サクソー川/橋の南側 ―
[ 敵軍接近の報は、南側に配置された本隊にも齎されている。だが、二隊に別れての行動と知っているが故に、南側の軍はすぐには動かず、それに代わるように、コリドラス率いる騎馬隊が、先じて解放軍に...そこに在る名将を落とさんと襲いかかった ]
将軍、張り切ってんなあ。
[ どこかのんびりと漏れた声とは裏腹に、視線は厳しく戦況を見定めんとする ]
(将軍......)
[ ふと、先の夜、肩に乗せられた手の重みを思い出した ]
御武運を...
[ 小さく紡いだ声は平原の風に散る* ]
[ 正確には、全く人が居ないのではなく、通常の放牧にしては少なすぎるほどまばらだ、ということらしい。
そもそも、戦場に近い場所で、しかも両軍に挟まれた平原で、だ。やはり違和感はある ]
クレスとオクタヴィアス様にも報告を。
[ もしも本当に放牧だけだったとしても、戦闘に巻き込む可能性のある以上、報告は必要と判断して、そう指示を下した** ]
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動かない〜〜動けない〜〜
だってこいつ、近付いたら一発で見破ってしまう未来しか...(かなり近接で会ってますしなあ...)
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