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ノトカー、私からも頼む。
彼は、以前には我が妻、ローズマリーを護ってくれてもいた孔雀付きの護衛官だ。
その身に何かあれば、ローズマリーも嘆くだろう。
[ 蒼龍神に重ねてバルタザールの回復を助けることを頼むと ]
私はこれより、外に向かう。都にも護法結界は張られているが、護りがあっても妖魔の姿を見て怯える者もあろう、妖魔共に余計な陰気を喰わせてやる必要は無い故にな。
[ 天上宮の内ではなく、都人に姿の見える門の外で、妖魔を打ち祓うと、そう宣した ]
[ やがて、天上宮の建物を出て、壮麗な門の前に姿を現した玄武神は、黒き衣を翻し、その手に七星輝く神刀を召喚する ]
七星招来......!
[ 言霊と共に、天を差した七星剣の切っ先の上、天に煌煌と輝く北斗の七つ星 ]
― 天上宮・門前 ―
[ 遠く近く、決意と願いをこめて五行の気が巡る。そして、彼方の空に閃く真夏の陽光の輝き ]
.........
[ 見上げる漆黒の瞳に、浮かぶは笑みのいろ** ]
― 天上宮・門前 ―
[ 七星剣携え、不動の石像のごとく、門前に立つ玄武神の足元、ぼこりと、地が隆起する ]
ほう...力任せに霊亀の結界を越えたか。
[ 岩のような鱗を持つ蜥蜴と山椒魚を出鱈目に混ぜ合わせたような姿の妖魔から感じ取れるのは土の気。
玄武神の持つ水の気にとっては相克の敵、ではあったが ]
...足りぬな。
[ 動かぬままの玄武神を踏み潰さんと巨大な前肢を振り上げた妖魔に、静かに告げて、手にした剣を一閃する。
剣が触れたか触れないか、それほどの無造作な一撃。
それだけで、巌のような妖魔の姿はぼろぼろと土塊となって崩れゆく ]
霊亀の結界をただの壁と思ったか?
[ 清冽なる白銀の気によって編まれた結界、たとえ無理矢理にそれを越えようとも、触れただけで妖魔の力は金気に切り刻まれ遥かに減衰する ]
[ ぼこり、ぼこり、と地面は次々に盛り上がり、そこから先の妖魔の同類が次々と顔を出す ]
質より量、とは、お粗末だぞ?
[ 現れる妖魔は全て土性...玄武神に当たるには、決して質を問われるものでは無い筈だったが、漆黒の神は意に介さない ]
『水霊...』
[ 飛びかかってきた妖魔は、突如目前に吹き上げた水柱に阻まれる、それを越えて、迫ろうとした眼前に七星剣の切っ先 ]
足りぬと言ったろう?
[ ざくり、と突き入れられた剣から浄化の気を注がれ、妖魔は霧散した、と同時、他の妖魔の周囲にも水柱が吹き出し ]
『...水即凍!』
[ 呪と共に、妖魔を巻き込んだまま水は氷の柱となり、その動きを止める ]
『断...!』
[ 横薙ぎに一閃する七星剣より陰気の刃が放たれ、妖魔達を固めた氷柱ごと、上下に両断した ]
[ 文字通りに一刀両断された妖魔達は、浄化の水気によって即座に散り果て、粉々に砕けた氷柱が、きらきらと輝きながら大気に舞う ]
[ 目にした都人は、その輝きの内に不動のまま立つ漆黒の男が、今 滅した妖魔達の放った呪詛と瘴気を余さず内に取り込んだことなど、微塵も気付きはしないだろう* ]
[ 現れた大ムカデは二匹、おそらくは番 ]
...右は任せた。
[ 短く告げて、自身は左の大ムカデに対峙する ]
...断!
[ 七星剣が一閃に、大ムカデは忽ち頭を真っ二つに断ち切られた ]
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