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酔いどれ聖職者 ゲオルグは、ナイフ使い カーク を投票先に選びました。
/*オレのメモ
・ゾフィアから人形受け取る
・罠に捕まる→ヴェルナーと合流
・フィオン確認。金貨お供え(復活フラグ)
・回想シーン捏造(被襲撃フラグ)
― 檻の中 ―
しまった……
[>>3:132 ゾフィヤから預かった春の服を着た人形を抱えたまま、ゲオルグは途方に暮れていた。
途中までは大して苦もなく進んで来れたのだが、唐突に天井から降りてきたブリキの檻に捕らえられてしまったのだった。]
……確かゾフィヤのヤツ、こっから様子を見てるとか言ってたよな……
おーい。捕まっちまったぜー。たすけてくれー
[檻の中でしゃがみこみ、人形に向かって声をかける中年男の図。
見つけたのがヴェルナーで、ある意味良かったかもれない。]
いやぁ、助かったぜ。
植物だとか毒だとかばっかりまさかあんな罠があったとは思わなかっ――
[超合金ヴェルナーカッターで救い出され、やれやれと溜息を吐いたとき――ガンッ、と鈍い音が通路に響く。]
〜〜〜〜っっってぇえええええええええええ
誰だ、こんなもん落としやがったのは!!
[頭に命中したタライを怒りのままに蹴り上げる。落とした張本人が極上スマイルを浮かべていることに気づきもせず。
その様子を、人形は心配げに見ていた。]
[暫くして、唐突に口を開いたヴェルナーの発した言葉に、顔色がさっと変わる。]
……特異点反応喪失?
勇者のもの、だと……まさか、カークかフィオンが……
[最悪の事態が脳裏を過る。どちらが、どこで、とヴェルナーへ尋ねようと口を開くより先に、カークの声が聞こえた。
その大量の血で濡れた手と服を見て、呼びかける。]
カーク!
どこか、怪我をした、のか?
――フィオンは?
[フィオンの死をカークから告げられ、言葉を失う。
が、フィーに祈りを、というカークの言葉に頷いた。]
……ああ、フィオンはさっき別れた所にいるんだな。分かった。
……お前は――死ぬなよ、カーク。
そうだな、世界が平和になって、その時二人とも生きていられたなら――おごってやってもいいぜ。
[唇の端を釣り上げ、階下への入り口に飛び込む彼を見送る。]
お前らはカークの後を追ってやってくれ。
――オレは、ちょっとやることがあるからフィオンの所へ戻るわ。
単独行動で悪ぃが、すぐに追っかけるからよ。
ヴェルナー、女の子は優しく扱うんだぞ。
[合流した仲間たちにそう言うと、一人来た道を戻り始めた。が、付いて来ると言うゾフィヤには目を眇め]
……
[付いて来るなと言おうとしたが、先ほど罠に掛かってヴェルナーに助けられた事を思い出し]
勝手にしろ。
[と呟くしかできなかった。]
― 1F ―
[途中、罠や敵の攻撃があったが、二人はさほど苦労する事無くフィオンの元へ辿り着くことができた。
幸いにも、死体が荒らされた形跡はない。
彼の傍に小さなねずみの姿を見つけると、髭面が少しほころんだ。]
ようエマ。主人の傍にいてくれてたのか。
……荒らされないようにこの場所を浄化してやるから、ちょっと待ってな。
[ねずみは後ろ足で立ち上がり、鼻をひくつかせる。]
―― ゾフィヤ、少し離れていてくれるか。
[そう言って、懐から聖水を取り出してフィオンの周囲に撒いた。彼の身体を護るように。
浄化と祈りの言葉を呟きながら、胸から下げていた金貨をプツリと外した。
掌に握りこんだその金貨を見つめるゲオルグの表情に、一瞬迷いの色が浮かぶ。
洗礼者の証たる聖なる金貨。
これは回復魔法の媒体となっているが――本来の使途を知っているのは、教会でもごく一握りだけ。]
[―― 自らの命と引き換えに、死者を生き返らせる。それが洗礼者に課せられた宿命であった。]
ったく、宿命なんざクソ食らえだ。
[この金貨をフィオンの身体に埋め込み、命を賭して祈れば勇者は復活する。
が、やはり迷いは、あった。]
[金貨を両手で握りしめ、眠るように横たわるフィオンを見つめて呟いた。]
なあ、勇者様。
命を賭してあんたを生き返らせて。
そうして、この世界を救う事に何の意味があると思う?
[今を遡る事数十年前。
教会は神の洗礼を受けたとされる少年を保護した。
盗賊に襲撃され、全滅したと思われた村の唯一の生き残りとされていたが。
少年の能力に目をつけた教会が、少年をなかなか引き渡さない両親と村人に業を煮やして焼き払ったことを、少年は知った。
当然少年は教会に反発した。
自ら死を選ぼうとしたこともあった。
しかし、本当に神の加護でもあったのか。
幸か不幸か、死に至ること無く現在に至る。]
オレは――あいつが平和に過ごせるなら、護る価値もちょっとはあったんじゃねえかと思ってた事もあったよ。
["あいつ"――15年前、いつものようにふらりと教会を家出し、放浪している途中、焼けた村で唯一生き残った少年。
かつての自分の姿を重ねてしまい、教会に連れ帰った青い髪の。]
誰に似たんだか、成長するごとに口は悪くなるわ、性格はねじ曲がるわ、面倒くさがりなくせに女にモテるわ実に腹の立つヤツだが、なあ。
[数年前のある晩。酔った勢いで重要機密である洗礼者の真の能力について話したことがあった。
それも、なんだかんだと言って彼を息子として信用していたからに他ならなかった。]
自慢の息子、だったんだよ。
[――だが彼の正体は、魔王に与し世界に災禍を運ぶ厄星だった。
斃すべき敵である事は理解しているが、それでも……15年間培ってきた情をきっぱりと捨てる事はできず、それが迷いとなりフィオンを蘇らせる決心を鈍らせていた。
そのせいか。]
[身体に衝撃を受けてよろめいた拍子に、掌に握っていた金貨が床に落ちて小さな音をたてて何処かへ転がって行った。
慌てて体勢を立て直すと、蹲る少女へ駆け寄り抱き上げる。]
ゾフィヤ!おい、しっかりしろ!!
[回復をしようにも、媒体である金貨が手元にない状態ではままならず。
ゾフィヤの息遣いが弱くなっていくのをただ見守ることしかできなかった。]
なんで、こんなバカなことを……
[腕の中で痛みに耐えて身を捩る少女の代わりに、傍に置かれた夏の人形が応える。]
[回復をしようにも、媒体である金貨が手元にない状態ではままならず、ゾフィヤの息遣いが弱くなっていくのをただ見守ることしかできなかった。]
なんで、こんなバカなことを……
[腕の中で痛みに耐えて身を捩る少女の代わりに、傍に置かれた夏の人形が応える。]
――……素敵なおとうさんなんかじゃ、ねえよ
[彼女にその声が聞こえていたかどうか。
宙を舞っていた人形達が、落下し乾いた音を立てた。
動かなくなった少女の身体を、一度だけ強く強く抱きしめ、床にそっと横たえる。
笑顔を浮かべた人形をその腕に抱かせて。
それから、聖水をゾフィヤと人形の身体にかけ、簡単に祈りを捧げた。]
――ああ、バカな娘だよ。
[にやけた笑い声の主へ応じるのは冷たい声。]
オレなんかを庇って死ぬなんて、本当にバカだ。
[言いながら、ゾフィヤの黒髪を撫でる。]
けどな……お前の言うことなんて聞いてやんねーよバカ息子。
[視界の端で、ねずみが落ちていた金貨を咥えてフィオンの服の中へ入っていくのが見えた。
セルウィンがそちらに気を取られないようわざと大げさに溜息をついて肩を竦めた。]
死ぬのは怖くねぇな。
だが、他人の為に死ぬなんてまっぴらゴメンだ――そう思ってるさ。今でも、な。
けど、まあ。
[冷たい声とは裏腹に、その顔に浮かぶのは、笑み。]
お前の嫌がる顔を見られるなら死んでもいいんじゃねーかなって思うわ。結構マジで。
[聖なる気を纏った拳をセルウィンに向かって突き上げる。]
お前の為?
ぶはっ――ははは!
[セルウィンの言葉に、こちらも盛大に吹き出した。]
言われてみりゃ、そうだな
息子の為に死ぬ――すてきなおとうさんだろう?
[超ドヤ顔で、敵襲を警戒して拳を構えた**]
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