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……ん、了解。
[短い声に返すのは、こちらも短いもの。
そして、女の意識は目の前のモニターに向かう]
― ステージ近辺 ―
……中々、派手なもんねぇ。
[モニタの中で繰り広げられる、闇色の五つ首竜との戦い。
それを見やる女の様子は、どこか楽しげだった]
『『Meister』も、懐かしくなったにゃー?』
余計な事言うんじゃないの。
[もふりと尻尾を振る白猫の突っ込みをさらりと往なしつつ。
女はその時の訪れを、待つ]
[闇色の竜の五つ首が一つずつ、落ちていく。
大分弱ったな、などと思った直後、上空を取ったガルーダと狩人に動きが生じた。
雄叫びが響き、天空に紅が閃く。>>11
飛び降りながらもチャージを続ける狩人が闇色に肉薄し、己が相棒の名を呼ぶ。
応じる声、羽ばたきが生み出す熱風。>>13
それを受けて放たれた矢――否、炎の鳥が闇色の竜を射抜く。
巻き起こる光と炎の奔流は闇色を焼き尽くし、そして――]
……見えた!
[闇色の竜が消えた後。
奥の祭壇の上に、闇色の球体が浮かび上がる]
スノウ、『道』の安定に集中!
『はーい、にゃー』
レディ、仕上げのプログラム、送る!
アンタの攻撃に乗るように仕込むから、全力で、叩き潰しなさい!
あれ自体にもそれなりの耐久力あるからね、全力でぶち抜きなさい!
[そんな指示を出した後、最終ステージを見守りながら組み上げたデータを『道』を介して内部へと送る。
届いたそれは一見すると、黄金の羽が舞うが如きエフェクトで、駆けだそうとする『神拳』の上へと降り注ぐ。**]
……さぁて、と。
[五つ首竜の撃破から、球体の消滅までの流れを見て取ると、女はおもむろに動き出した。
向かう先は、プレス専用エリアの二人連れの元]
『にゃーん♪
お久しぶりなのにゃー』
[白猫がローレルに向け、尻尾をもふりと振る]
えーと、あなたがローレル・クライスくん?
いつぞやはウチのスノウがお世話になったそうねぇ。
ああ、アタシはヴィクトリア・カルディナールロート。
この子の……スノウの生みの親みたいなものね。
[先に思われていた事>>2:+12など知る由もなく。
かける声は、軽いノリのもの]
この子がねぇ、久しぶりに会えたからって、あなたと話したい事があるっていうんだけど、ちょっと、相手しててもらえるかしらね?
アタシ、ちょっとやらなきゃならない事があるから。
[言ってる間に白猫は肩から降りて、ローレルの足元にすりり、と擦り寄る。
何気に問答無用]
で、そこな記者モドキ。
アンタはちょっと、アタシに手ぇ貸しなさい。
[続けて、視線が向くのはカークの方]
……外野がうるさくする前に、掃除しないと。
[闇色の球体が表れた辺りから、不自然なざわめきが起きているのは気づいているだろう、と思うから。
端的に告げる言葉は、やっぱりどこか、問答無用だった。*]
モドキ言われたくないなら、そこで『一応』とかつけんじゃないの。
[さっくりと切り返しつつ、端末を何やら操作する様子は邪魔する事なく見守る。>>53]
……腹黒鬼畜が気に入るわけだわねぇ。
[にっこり笑いながら向けられた言葉>>54に落ちたのは、ため息]
ま、それなら話は早いわ。
余計な事される前に、掃除しちゃいましょ。
……会場外の面倒は、どうせあっちが受け持つんでしょ?
[あっち、が何を意味するかは説明するまでもないだろう、という読みと、大っぴらにできない部分があるから。
それだけ言うと、女は動き出す。
会場内に紛れ込んだ不穏分子を物理的に叩き出すために。*]
[モドキ云々に関しては、悲しそうに見えない表情もあって、そう? と流すに止めていたが]
……あら、そう?
アタシ的にはわりと褒め言葉よ。
[眉を下げる様子>>55には妙に楽し気にこう言い切った]
アイツに認められるってのは、滅多にない事だからねぇ。
それだけのモノがあるって証明と同義って言ってもいいわ。
[普段は犬猿の極みのような間柄だが、彼の人物の力はあらゆる意味で認めている。
認めているが故に、負けるつもりがないだけで]
[気にするなと言われている、と返されれば、過るのはやっぱりか、という思考。>>56
ともあれ、面倒事を減らすためにもさくさくと掃除は済ませてしまう。
こちらは異能一切なしではあるが。
素手戦闘能力の高さは、基地内でも折り紙付きの実力者、さほど手間をかける事なく、掃除は終わり]
……ところで、
[片付けが済んだところで、何気ない口調で切り出すのはカークを引っ張り出した本題の方]
アンタ、あの子の事『レディ』呼びして、生きてるんだってねー?
[問う口調は楽しげだが、目つきはちょっと、笑ってなかった。*]
コミュニケーションの合間にたまたま聞いただけよ。
[だから職権乱用じゃないの、と言わんばかりの物言いで切り返した後。>>60
騒ぎになった、という話にそりゃそうだわ、と小さく呟いて]
……あの子ね、その呼び方は、家族……まあ、今はアタシと姉さんだけだけど。
とにかく、身内にしか許してなかったのよ。
関わりないヤツが呼んだら、誰であろうと訂正させてたわ。
……その呼び方はルキが……あの子の父親が遺したものだから。
基本的に、本気で信頼してる相手にしか、呼ばせてないの。
多分、その辺り全然説明してないと思うけど。
[その辺り、そっくりなのよねぇ、というぼやきは心の内に落として]
そのあの子が、愛称呼び許してるってのが、どういうことか。
……わかってる?
[投げかける問いかけは、静かなもの。*]
……思ってたら、実力行使してでも止めさせてるわよ。
[問い返し>>62に返ったのは、やや物騒な宣言]
ま、あの子はそこらが見切れてないから、ちょっともやもやしてるみたいだけど。
[続いた言葉はやや、呆れたような困ったような響きを帯びていたけれど]
……あの子、『同胞』がいなくてね。
唯一の『同胞』だったルキがいなくなってから、ほんとの意味で他者に心を許す、ってのができなくなってた。
……でも、誰かに愛称呼びを許してるって事は、それがまたできるようになってきた、って事だから。
その相手がどー思ってんのかは、やっぱ気になる所なのよ。
[僅かながら表情を緩めて、告げる言葉はやや過保護ともとれるもの]
一回、限界までぼろぼろになってから、アタシや姉さんにも本心中々見せなくなったから余計に……ね。
[言葉の最後に落ちるのは、小さなため息、ひとつ。*]
お黙り。
たった一人の家族が命かけて産んだ子を可愛がって何が悪い。
[柔らかな笑みと共に向けられた不遜な物言いに、真っ向切り返す。>>65
その後に綴られる言葉――真っ直ぐに向けられるそれには突っ込みを入れる事なく、黙って聞いて]
……そ。
[迷い続けるような事があればぶん殴る、と。
けれど、そんな時は来ない、と。
そう、言い切る様子>>66にふ、と小さく息を吐く]
なるほどねぇ……あの子が良く懐くわけだわ。
[ふ、と零れた呟きは、どこか楽しそうな響きを帯びて]
そこまで聞ければ、十分だわ。
アタシはこれ以上、口は出さない。
[なんかあったら、手は出すかも、というのは口にはしなかったが]
……さぁて、それじゃあぼちぼち戻りましょうかねぇ。
アタシはさっきのアレの始末をつけないとならないし。
[さっきのアレ、即ち不正侵入してきたデータの残滓。
解析したところで事の黒幕が尻尾を掴ませるとは思えないが、やれるだけはやらねば気が済まない。
何せ相手は自分の大事な
あー、そうそう。
さっき言ってた、デートの時間が減る云々、腹黒鬼畜には言わない方がいいわよ。
[スノウの所に戻ろうか、と踵を返そうとして。
ふと、さっきは横に置いたことを思い出す]
それ言ったら、「じゃあ時間を確保するためにももっと偉くなって、人を使えるようになってくださいね」とか言われて今の倍は便利に使われるから。
……そーゆーとこ、スズメ先輩式そのままだからねぇ。
[軽い口調でさらりと告げる。
なお、『スズメ先輩』が誰かと聞かれたなら、「特務の黒髪の子の御父上」とさらっと告げるわけなのだが。**]
/*
>>-162
うん、こっちも言いたい事は言い切ってるからねぇ。
お付き合いありがとうね。
― 『掃除』前/公式大会会場 ―
[こちらを振り返ったローレルの反応>>116には僅かに首を傾げるものの追及はせず]
ああ、あの子とも知り合いだったんだっけね、そう言えば。
メレディス・カルディナールロートは、アタシの可愛い甥っ子。
[小首傾げての疑問>>117にはさらりと返し。
白猫を抱え上げて頷く様子に目を細めつつ、頼むわね、と言ってその場を離れる]
『にゃーはいつでも元気なのにゃー。
ラヴィはああいうの、得意だからちょーどいいのにゃ』
[話しかけられた白猫はごろごろしながらこう返す。
お疲れ様なのかな、という言葉にはにゃー、と短く一鳴き。
移動するならば逆らう事はなく、そのまま軽食ブースへと。**]
― 大会会場/特務スタッフ待機場 ―
[掃除と片づけを終えた後。
白猫の元には真っ直ぐ行かず、寄り道をしたのは特務スタッフの待機場]
はあい、お疲れ様。
とりあえず、大事にはならずに済んだわねぇ。
あ、これとこれありがとね。
[軽い調子で挨拶しつつ、借りていた端末と通信システムをそれぞれ返す]
今回のあれこれ、事後処理はそっちの管轄だろうから任せるわよ。
……で、件の潜伏してたデータなんだけど、こっちで一度精査してから、特務に回す。
その後の扱いは腹黒鬼畜に任すわ。
……この後のセキュリティ対策とか、色々と使えるだろうし。
[あちらが同じ手を使うとは思い難いが、ゲーム自体のセキュリティを上げる一助になる可能性はあるだろう。
恐らく、特務のトップもその位は考えているはずだ]
んじゃ、アタシはこれで。
[言うだけ言った後、女はふと思い出したように、大会スタッフの方を見る]
あ、そうそう。
最後はひっくり返されてたけど、途中のステージ、中々楽しそうでよかったわ。
久々にインしたくなるくらいには、見てても楽しかったわよー。
[さらっとなんか言った後、ひら、と手を振り歩き出す。
後に残った特務と大会スタッフがどんな表情をしていたかは……推して知るべし。**]
― 後日/リュフトヒェン基地・特務部隊指令本部 ―
[色々とどたばたとしたイベントの後。
件のデータの解析を終えた女は、それを片手に特務部隊の指令本部を訪れた]
……で?
「……で、とは?」
[短い問いにこれまた短く問い返された女はは、と深く息を吐く]
アンタの方での成果のほどはどーだったの?
「ああ。おかげさまで、活動していた不穏分子は一掃できましたよ。
未覚醒能力者の暴発覚醒なども、概ね防げたようです」
そっちの話じゃないわよ。
アタシがききたいのは、アンタの『本命』の成果。
[にこやかに成果を語る特務部隊隊長に向け、女は低い声で言い放つ。重い沈黙が、その場に落ちた]
「貴女であれば、予想はついていると思いますが……」
予想はね。
でも実際の所が聞きたい。
[一歩も引かぬ女の態度に、特務部隊隊長はやれやれ、と大げさに息を吐いた]
「貴女本当に、彼の事になると意地になりますね」
お黙り。で?
「……トラウマの克服には概ね成功。
『力』の安定と、ランクアップの兆候が見られます」
…………つまり、『永劫』とのシンクロも上がった、と。
「……そういう事になりますね」
…………。
[静かな肯定に、女はしばし、目を閉じる]
……必要に、なるの?
「可能性は、相応に」
……そ。
[帰ってきた言葉に女はひとつ、息を吐き]
……アタシは、アンタの事が好きじゃない。
でも、それはあくまでも個人としての感情。
軍として、今回の事が必要な判断だった、と言うなら。
そして、相応の理由があるっていうなら……軍人としてのアタシは異を唱えはしない。
それでも……。
「……それでも?」
その、判断の先で、不必要に傷つく者が増える事になるなら。
アタシは、越権と言われようとなんだろうと、アンタの事、ぶん殴ってでも止めるからね。
……そこ、覚悟しときなさい、ジーク。
[低い声で紡がれた宣言に、特務部隊隊長は眼鏡の奥で目を細める。
彼が何か言おうとするより先、女は持参したデータチップをその目の前に向突き付けた]
「これは?」
こないだの侵食データの残滓、解析したヤツ。
……生憎、尻尾はつかめなかったけど、危ないものは取り除いといたから。
使えそうな部分は使えるように手配よろしく。
……アタシの要件はそれだけ。
じゃ、お邪魔様。
[言うだけ言うと、チップを押し付け踵を返す。
その姿が見えなくなると、隊長は一つ、息を吐いて]
「……本当に。
意地張りですね」
[ぽつりと呟く。その口元には、苦笑が滲んでいた。**]
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