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─ プラメージ王国野営地 ─
[微かな瞑目は数瞬ほどの間か。
開いた瞳に宿すのは信頼の色]
マチス殿。
この拠点の防衛が整うにはどれ程の時が必要ですか。
じきに日が落ちる、闇に乗じての襲撃が無いとも限らない。
私が此処にいるのはギデオン様の意思ではあるが、椅子を温め続けることは望まれておりません。
早急に事を進めて頂きたい。
その確認ができなくては、私も出るに出られませんので。
[目前、不意に黙したこちらを問う様に見る相手へと再度の念押しのような言葉を向けた*]
─ 過去 ─
どうした。
[>>=0ギィが消灯を過ぎても構わず入ってくるのは慣れたものだが。
その理由は時に応じて様々だったが、今日は朝から籠り切りだった書庫での成果報告のようで]
確かに似ているっちゃ似ているか。
初めて会った時のお前は、得体が知れなかったからな。
手慰みって所だけなら俺の方が化け物の立場だが。
[軽く笑いながら、>>=1ギィの言葉に頷きを返す。
吐き捨てるような物言いすらしない所で、家へと感情を抱くことすら好まないと透けて見えるかもしれないが]
あぁ。
義母殿のお気持ちが、ようやっと整ったようでな。
思えばあの人も気の毒な人だ。
あの男の身勝手に振り回されて、子を望んでも与えられず。
夫と似ても似つかない、夫の血を受け継ぐ俺を世話せねばならんのだからな。
[一度会ったきり、形式上では母親とされる女の事を言う時だけは。
たしかな憐憫を忍ばせた、苦笑を零した*]
─ 過去 ─
[己の境遇は傍から見れば厄介払いでしかないだろう。
その上で今更呼び戻すなんてのが身勝手だと思うのは、当然の感情だとを理解はしている。
>>=6目の前の友が納得いかないだろうとも、問わずとも伝わってはいるのだが]
ただの事実の羅列だから、気回しではないな。
おふくろも義母殿も、誰が悪い訳でもない。
男の身勝手に振り回された、それだけの話だ。
[どう考えても己の生母は弱い立場だった。
身分の高い男からの寵愛を拒むことも出来なければ、子を産まない事も、手元に残すことも選ばせてはもらえなかった。
義母だって、自分で子を産みたかったはずだ。
明確に産めぬ年になって、ようやく受け入れる他無くなっただけだろう]
家に帰ってやりたいことか。
以前は無かったが、気が変わった。
[>>=7ギィからの問いかけに、前を見たままに笑みを変える。
確かに神殿にきたばかりの頃は何も望みは無かった。
神殿で得られるものを得たら出奔でもしてやろう位の気でいたけれど]
お前がただのティノスであったなら、俺もメランで居ただろうけれど。
この神殿から一歩外に出れば、お前は王族、俺はただの異国の血を持つガキだ。
お前の側にいることは出来るかもしれないが、今のように近くは在れない。
[そう言って、目の前の友を瞳に映し]
だから、俺は地位を手に入れたい。
王族の側に在り、意見をしても不敬ではない高さまで。
それを俺が手に入れるには、あの家に入るのが一番手っ取り早い。
だからな、ギィ。
お前という翼が自由に羽搏く未来の為に、俺は一足先に此処から自由になろうと思う。
[この答えで、己の想いは友にも伝わろうか*]
─ 平原/盾兵部隊side ─
[目の前、繰り広げられた一騎打ちは賞賛などと悠長なことが出来ようはずが無かった。
合流した際若い隊長に向けた忠告はこうなる事を懸念したもの、出来るならば阻止したかったけれど制止出来るものでもなく。
だからせめて、最期まで目は逸らすまいと彼の胸に敵の槍が突き立てられるまで見届けて。
同じく部隊長の死を見届けた>>2:133彼の部下たちが揚げる喊声に、彼らの意志を汲み取って]
『我々もこのまま戦線に加わり続ける。
彼の隊長殿の命令遂行が、すなわち我らの受けた命の遂行となる故な』
[自分達が受けた指示は、セルウィン隊の援護だ。
彼らを帰還させることこそ自分達の使命だと、迫る槍、鉄の刃を少しでも防ごうと盾を掲げた*]
王国軍指揮官 ベリアンは、ゼファー軍小隊長 ミヒャエル を投票先に選びました。
― 過去 ―
なんだ。
ここから出たらそれまでのつもりだったか?
[>>=11何か云いたげな顔に、この先も共にあると思っていたのは自分だけかと過ったが。
続いた言葉に、ギィの目が外に向いていなかったことを知らされた。
それに浮かべたのは、柔らかな苦笑]
お前こそ此処には留まれまいよ。
お前の望む望まないに関わらず、周りが放っていてくれない。
女神の加護を受けし者、だからな。
[その信憑性など構いもすまい。
友の見目、能力ともに神殿で腐らせるのを許すほどこの国が無能とは思わない]
新しい世界に連れて行くのはお互いに、だな。
お前の翼を支える俺を、お前の翼が運んでくれる。
そうだろう?
[そう言って笑うと、続いた言葉に頷きを返して]
なんなりと。
[外に出ればきっとこうなろう、と。
恭しく頭を垂れて応じてみせた*]
─ プラメージ王国野営地 ─
えぇ。
この拠点がゼファーの手の内に落ちる事こそ避けねばならない。
いざとなれば如何様な手をも用いて下さい。
[拠点内外の防衛の布陣についての相談は、滞り無く。
火や毒、罠など使える手は何でも使えとの言は、己のみの判断ではない。
己の思考も加味するなら、本当にいざという時が来たら此処に火を放っても構わないとも思ってはいるが、流石にそれは口には出さず]
では、私が此処を発ったその時から、指揮を貴方に委ねます。
現状出立している王国の兵、カーマルグの民、ギデオン様の凱旋までは保持する様に。
[先にも告げたように、自身の出立を告げて。
然程の間を置く事なく配下を纏め、先ずは臨時の野営地を目指し発つこととなる。
丁度、敵の小隊が様子を見に来たとかち合った事を知るのは敵味方どちらの声か**]
― プラメージ王国野営地 ―
[出来る限り急ぎはしたものの、出立の支度が整った頃にはもう照らす篝火が濃い陰を作る程の時間となっていた。
闇を進むことになるからには、よりカーマルグの民の目に重きを置かねばならないな、と思っていたところに]
!?
何事か!
[不意に、先頭から即座広がるざわめきに何が起きたかの報告を求める。
少数だが、不審な人影を付近に見つけたとの応答に、浮かんだのは当然敵の斥候の可能性]
私も出る、けして逃がすな!
[どれ程の情報を得られたか分からない以上、敵将の元に返すわけにはいかないと号を飛ばした**]
─ プラメージ王国野営地 ─
(斥候を送ってきたとすると、ゼファーはもう此処まで手が届く位置まで来ていると言うことか?
ならば先陣は壊滅…いや、それならば臨時拠点も潰されているはずだ)
[内心の思考は表に出さず、努めて冷静な表情を作る。
己の指示に応えて兵達も動きはするが、移動の速度差を考えた隊列が仇となり先頭の歩兵が騎兵を妨げる。
歩兵たちも追いはするが、>>63元より離れた位置を陣取っていた者たちを足止めするは叶わなかったようで]
馬相手に深追いするだけ無駄だ、
弓を射かけるに留めておけ!
[全員を捕らえるのは不可能だと悟れば、すぐに声を挙げて部隊の乱れを整える。
逃走を図るその背、馬に当たれば儲けもの程度の指示はどれ程効果があったものか。
それを確かめるより、目下優先せねばならないものがある]
ゼファーの者よ!
何用があって此処に来た!!
このベリアン・グラウコスが伺おう!!
[相手が己を狙っているとは確証があった訳ではないが。
自身が彼の立場ならば、仲間を逃がす為に囮となるのは勿論だろうけれど。
ゼファーの兵ならば、きっとその状況で大将の首を狙いに動く。
絶望的な状況下であろうと、その中で生き延びる術を見つけて足掻く。
それがゼファーの恐ろしさだと、己の知識が言っている。
>>64単身、多勢の兵の眼前を駆けるその姿に届くよう、声を張り上げて武器を掲げた*]
─ 平原・盾兵部隊side ─
[自分達の部隊が加わったとて、戦況に大した差は生まれない。
光明を挙げるとすれば、若き隊長を屠った敵の長が一旦戦線から下がったことか。
隊長の亡骸も下げられたことで、彼の部隊の者達の士気がより上がったのも利といえば利、なのだが。
その熱が彼らの冷静さを奪っているのもまた事実で]
『前に出過ぎるな!
気に逸った突出は相手の思う壺だ!』
「正面から受けるな、盾ごと貫かれるぞ!」
[比較的軍属の長い者ばかりが集まっている自隊の兵が、隊長を亡くした部下たちに声をかけながら戦っている。
それがどこまで耳に入っているかは分からないが、少なくとも特攻する者の出現は抑えられている様で。
このまま消耗させられ続けるなら重畳だが、あちらもそれは避けたいだろうと、敵の長が下がった方へと視線を向けた]
[動きがあったのは、丁度その時。
>>73こちらまで届く程の号で、敵兵の動きの変化が生じた。
槍を構えた騎兵が、陣営までも槍の穂先のように整えて向かい来る。
その切っ先が狙うのは、まさしく自身の展開する部隊。
貫きに来る、それが分かっているからこそ他の部隊へと声を向け]
『此処は我らが押し留める!
貴殿らは一度下がって態勢を整えよ!
ここで貴殿らが生き残らねば、彼の部隊長はただの無駄死にとなるぞ!
死した仲間達を弔うことすら放棄して、命を投げ打つつもりか!』
[既に隊長という頭は奪われている。
この部隊の全滅まではかるほど、ゼファーに暇があるとも思えない。
此処で彼らが退却しても追うまではすまいという読みは正しかったか。
─ プラメージ王国野営地 ─
[宵闇に乗じて逃げる背に射かける弓はどこまで届くか。
馬に当たって馬上から振り落とされるもの、肩に当たって血を流す者などは出たかもしれないが全ての足を止めさせるには至れなかった。
この部隊で奇襲をかけることはこれで不可能となったな、とは内心のみで悔やむに留めて。
馬から降り、単身敵陣内を駆けるゼファーの兵への呼掛けは、狙い通り届いた様だ。
>>75応じた名乗りと、続いた声は想定の内だったから]
そうか。
悪いがそれは、御免こうむる!
[駆けてくるその姿に動揺も見せることなく長い柄を持つ戦斧を構え、迎え撃たんと正面から見据えた*]
― プラメージ王国野営地 ―
[>>94こちらを目指し来るゼファーの戦士は、曲芸もかくやという跳躍で王国の兵達が作る壁を乗り越える。
幾本もの腕が伸びる、それらに捕まることもなくただ真っ直ぐこちらを見据える様は先を奔る投げ槍の軌道にも通じるもの。
だからこそ、その動き自体を読むのは難くなく]
残念だが、俺の首を取るにはお前では格が足りない。
それすら分からぬ者に、この首は渡せんな。
[真っ直ぐな切っ先、軌道から身体の軸をずらして腕を掠めさせ。
槍追う青年の体勢が崩せたならば、容赦なく青銅の斧を袈裟懸けに振り下ろさんと*]
― 平原 ―
[己の声に従う者はどれ程か。
そこまで見ている余裕は無かった。
だが、自身の背後、「御武運を」という声の後に徐々に遠退く足音に気づけば微かな笑みが浮かび零れる。
やはり退くことは出来ないと残る兵も居るようだが、命を賭した選択の末なら他者が口出しは出来ぬこと。
己とて、此処を生きて切り抜ける難しさは分かった上で居るのだから]
『やはり、きたか…!』
[敵の長は、見る目にも当然長けている。
>>95真っ直ぐにこちらへと突き立てられる一刺しに、避けるは叶わないと悟る。
だから、あえてこちらから刺さりに動いた。
貫かれた肩、盾を捨てた手で槍を掴めば少し、けれど貴重な時間。
敵の長の動きを留められると信じて*]
─ プラメージ王国野営地 ─
[槍と共に貫かんばかりの勢いは、腕を掠めさせただけで衰える事も無く。
こちらが振り下ろした斧刃を避ける程の余裕も、ミヒャエルにはやはり無かった。
誰が見ても致命傷だと分かるその撃に、誰もが皆倒れ伏すと思った事だろう。
けれど、それは彼自身によって覆された]
っ…!
[ベリアン自身、この手応えならば倒れるものと思ったのだ。
穂先を回し、横に振り抜く槍の軌道など読める訳も無い。
傷を受けた腕を咄嗟に出して胴を庇い、押し戻す。
ざくり、肉を裂く音が痛みと共に身の内に響くが、それもほんの少しの間。
ごぽりという音と共に、槍持つ青年の口から赤が溢れ、動きが鈍る。
その隙を見逃さず、逆手に持った斧の柄を振るい青年の胴を突き放す]
[彼の手から槍が離れようと離れまいと、距離が開けば己の身からも槍は抜かれる。
ぼたぼたと流れ落ちる血に、周囲から慌てた声が響くがそれを制し]
俺の首は今戦っている王国の兵達の全ての首だ。
ただの雑兵に捕らせてしまえば、王国そのものの格も落ちる。
この戦い自体も、収めることが出来なくなる。
少しでも流れる血を少なくする為に、俺の首は切り札でなくてはならん。
お前の生きる為だけに、この首は渡せない。
[どこまで耳に届くかは知れないが、立ち尽くす青年へと声を向けた*]
─ 平原 ─
[こちらの狙いは相手の虚をつけた様。
>>105告げられた声に、微かこちらが浮かべた笑みはこの状況には相応しくないかもしれないが]
『正道ばかりを選んでは、勝てぬ相手と知っているからな』
[なりふり構っていられないのだと言いながら、長けた戦士に多少は出し抜けた事の誇らしさが声に滲む。
出来るなら、この一幕のみで終える事無くありたかったがそれは叶うまい。
首を取るまではいかずとも、この隙で傷をどれ程か負わせられれば良いのだが。
その胸の内を読んだか味方が槍や剣を差し向けるが、敵の配下もそれを阻みに動き。
そも、己の生んだ膠着は然程の間も稼げはしなかった]
『く…っ!!』
[掴んだ槍、引き抜く強さにぐ、と手に力を込める。
それが愚策と知れたのは、ふ、と抜けて肩に重くかかる力。
ぐらりと体勢が崩れたのと、再度槍がぐいと引き抜かれたのは少しの時差。
そのまま尻餅をついたこちらに、今度こそ振り下ろされるその切っ先から逃れる術はもう。
残ってなど、いなかった*]
─ プラメージ王国野営地 ─
[対峙する相手は、もう槍を振るう力も残っていない様で。
ベリアンの肉を刺した槍を、今は土に刺して立つその様はけして倒れぬという意志の強さを垣間見せる。
ゼファーの戦士が一騎当千とは、大袈裟でもなんでもなく事実なのだと知らしめるものともなって]
…貴殿がもっと、大局を見れる者であったなら。
この首を渡すも、やぶさかではなかったでしょうが。
[>>111既に取り留めのない言を発する様、朦朧と視点も定まらぬ様子にミヒャエルの生が残り少ないと知れて。
語る声は既に彼に向けてではなく、独り言めいたそれに変わっていたが。
彼が零した、セルウィンという名前に、一度、瞬き]
……ゼファーの者が、何故。
いや、それより今の言い方は……まさか。
[同名の別人という可能性もあるが、胸に嫌な予感が過ぎる。
何より、死に行く間際の者がおなじ気持ちと言ったその意味を考えれば。
浮かぶ予想は、今はまだ知る事は出来ない。
既に目の前、死した者まで支えることは出来なかった槍と共に倒れ伏した青年からも聞く事は出来ないのだから]
…彼の亡骸は、王国の者と同じく丁重に安置するように。
敵だからと無下に扱うことは、蛮族にも劣る。
正道を通して勝てる相手ではないが、曲げてはならない正道は通さねばなりません。
[そう指示をして、自分は槍を受けた腕の治療の為、拠点へと再度引き返した**]
──── ギィ。
[漏れ聞こえた声、それに続くものなど無かったけれど。
ただ一言、名のみを呼んだ。
己の居ない所で、落ちるなと告げるように**]
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