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**** は **** に投票した。
/*お疲れ様でした。
自殺票いれることができて、自殺だなって思って、ちょっとにやにやしてました。
あと告発者さんのすごいなって思いながら見てました
国が違うと表現方法も増えて面白いですね
もっといじってみたい。
『お客様』
バーテンは、粉々に砕けたグラスの欠片をひとまとめにし、
それを掌においたまま姿勢を正した。
『大変申し訳ないのですが、』
淀みない口調で、
眼差しは強く、
その店の主人たる男は、客の“出入り禁止”を申し渡した。
度重なるグラスの破損、前後不覚になるほどの酩酊に
店の外での乱闘騒ぎ
上げようと思えばそれは、飽きれるほどに並べることが出来た。
それは全て、目の前の男が引き起こした事の数々であり、
店にとっての損害となり得るものだった。
客は、頷きはしなかった。
ただ酒の切れたように震える手で
上着のポケットからむき出しの紙幣を取り出すと
カウンターへ置き、無言で踵を返した。
店主はその背が戸口へ消えるまで見送った。
バーテンは常のように
カウンターの内側でグラスを磨く。
縁を断ち切った客の顔を、グラスの内側に思い描き、
微かに頭を振った。
店主は、店の出入りを禁じたところで
あの客が酒を断つことなどないことを知っている。
いたるところに酒は溢れているのだ、
店主一人の想いだけでは客の手から酒を奪うことは能わない。
カウンターの向こう側、店主の前に座る影はもうない。
あとはこの、
胸の奥に蟠る感情がゆるやかに衰えていくのを待つだけだ。
告げない思いなど、存在しないのと同じこと。
だからあとは、少しの未練を飲み込むだけ。
片恋慕の残滓を噛み潰し、
バーテンはグラスに映る表情を白い布巾で*掻き消した*
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