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確かに、アイリさんの言う通りだと思う。
[最初に見たマシュマロのことを思い出してぽつり、と。
だけど、どうしてなのかまでは、やっぱり互いに分からないわけで。
夏の祭りで見かけたシエルの姿を思い出す。
あの時少年はかき氷の屋台を手伝っていて、
様々な色のシロップがかかったかき氷を物欲しそうに眺めるシエルを、
叱るでもなく眺めていた]
…………本当に欲しいもの?
なんだろうな。……相棒、とか?
[ふとウンブラを見たが、かれも首を傾げていた。
要するにわかんないってことだろう。
竜どうし通じ合うものがある……というわけではないのか]
シエルのことは気になるけど、ぼくじゃうまく話せないし。
……たくさん、集める……、それが近道だといいけど。
[ぽーんと正解に至れるかどうかは謎だけれど。
物思うように虚空を見上げていれば、ウンブラの頭にぽこん、と何かが落ちた]
わっ、
[袋入りのお菓子――四角く切り取られたキャラメルは、
虹色にきらきらとしている。
悔し紛れにウンブラは翼をはためかせているが、
そのおかげか、かえって少年の近くにまで飛んできた]
……! ま、待てーっ!
[少年の接近を察して、ぴょん、ぴょこんと警戒に跳ねる仔兎。
またしてもこっちが気配を殺せなかったパターンのようだ。
ならばせめて、と、あえて追いかけ回しにかかる。
おとり、とは違うけれど、
アイリのいる方向に近付けられればなんとかなるかもしれない*]
―― 中庭/教官と出逢う ――
(言われてみれば……)
[見られてたことにアイリがはっきり気がついたことで、>>113
少年もようやく見られてたことに意識が向く。
若干背すじをかちこち固まらせながらも、
教官からの問いには応えることはできた。>>102]
あっ、えっと、
ぼくもウンブラも怪我などなくって好調です。
[少し、昔を思い出す。
基礎体力訓練の時に、転んでちょっとした怪我をしつつも、
もともとの気質のためにその怪我をぼんやり放っておいたことがあった。
そういう時に治療してくれたのがこの教官だったはず。
とはいえ今ははっきりと怪我してないってわかっているので、
ただただ堂々としていたわけだが]
………見回り、……ご苦労様です。
[ぺこり、と頭を下げる。
それからふと思い立ったように首を傾げ]
そういえば、 アヴァンサル教官は、
シエルを見かけませんでしたか。
先程アイリさんとの間で話題になりまして。
虹色のお菓子が、なんとなくシエルと似ているとか……。
[問いかけは若干歯切れが悪い。
何せシエルは全くの無関係かもしれない。
それでもあの仔のことは気になっちゃうわけだ**]
[龍玉石のことは聞いたことがある。
傍らの相棒とは違い、精霊に近しい仔竜と、精霊力が過剰なあのお菓子たち。そして、魔法生物。
思いを馳せるうち、なんとなく、シエルとあれらが戯れているところを想像してみた。
まるで普通の友達みたいに……]
じゃあ、お菓子や魔法生物をいっぱい集めれば、
調査の役にも立つ……ということですね。
ならば、なおさら努力します。
[好奇心に任せて色々訊きたい気持ちはあったが、
調査中と言われてしまったからには、そこはかとなく空気を読んで内心を引っ込めた。
とはいえ告げた言葉に偽りはない。
あんまり頑張りが実を結んでないのはさておき]
―― 中庭 ――
[少年とアイリの言葉を受け止めつつ、>>142
怪我をした場合の対応も教えるのは流石教官といったところ。
頼もしい人だと思う。それでも、]
わかりました……教官も気をつけてください。
[見送る際には無事を祈るようなことを言わずにはいられないのだった。
カルモという名の風竜も去り際にひと鳴きする。
ウンブラはクルルと鳴きながら翼を振って見送った。
あの様子だとたぶん、励ますようなことを言ったのだろう。
相棒のやる気が上がったのをなんとなく感じる。
アイリの相棒も、やる気が下がってはいないのは一目瞭然といったところ>>144]
―― 中庭 ――
『ふふふ、アイリさんの手が空く前に、
落ちてるお菓子や見つけた綺麗なやつらは、
全部ぼくが回収してやりますよ』
[……などとドヤ顔で言えるはずもなく、
アイリの「頑張れ」にはごく普通に「頑張る」と答えた少年であった。>>161]
よーし、頑張るぞー
[ひとりに――正確にはウンブラも傍にいるが――なってから改めて宣言する。
心なしか中庭の中心に戻るようなルートで歩いていると、
魔法生物がお菓子を取り合っているのを見つけた。
小さなお菓子を腕いっぱいに抱えている1匹から、
2、3匹の同類がお菓子を横取りしようとしている]
…………。
魔法生物でもこんな、取り合いをするんだなあ……。
[なんとも言えない気分になっていると、
異変は起きた。これも突然の出来事だった。
お菓子の取り合いをしていた魔法生物たちが、
蜘蛛の子を散らすように逃げ出したのだ]
[なんということか、手を伸ばしたお菓子は、
急速に方向転換してころころ、転がっていく。
とっさに追いかけながらも少年は訝しんだ。
あれは何のお菓子だろうか、と。
見た目としてはキャンディのように真ん丸ではなく、
いくつもの丸い突起が存在していた。
それが金平糖という名前のお菓子であると少年は知らなかったが、
虹色をしていたのでお菓子と判断したわけで。
世界の広さとお菓子の種類に思いを馳せる余裕など今はなく、
ままならないという思いがあとから湧いてきた**]
/*
colorランダム、振ったけどあんまり意味がなくって棄却した
すごいクライマックス感ある そして隠しフラグあったんだーーーー
―― 中庭・どこかの屋台近辺 ――
……お菓子を追っかけてるうちに、
ずいぶん、にぎやかなところに来たみたいだ。
[そう、にぎやかだ。
あちこちできゃーだのわーだのという声がする。
それらの声すべてがイベントの盛り上がりを示しているようだ。
……が、その熱気も冷ますかのような、
局地的な吹雪の発生を少年は見た。
近付いてみれば案の定、
氷の竜の像のモデルとなった騎竜と、その相棒たる先輩がいて、
吹雪に巻き込まれた魔法生物をひっ捕まえていた]
[順調そうだなあと思ったのも束の間、
はしゃぐ声とは別種の悲鳴が上がる。
見れば、氷の竜のすぐ近くにある屋台が半分以上氷に覆われていた。
何かを焼くための鉄板もびっしりと細かな氷に覆われているようだ]
「しまった、屋台を巻き込んじまった!」
[そんな先輩の声に様々な喧騒が被さる。
少年はというと、先輩に挨拶しようと飛び出す機会を見失ってしまっていた]
今ぼくが向かっても……何の役にも立たないしなあ。
それにしても、すごい。
[氷の竜はウンブラよりずっとずっとデカい。
スケッチをする時も、首が痛くなるくらい見上げたものだ。
盟約関係云々で、先輩以外を乗せることはめったになく、少年も乗ることを認められなかった。
近くで描いてみたかったのだが。残念]
……ウンブラだっていつかすごくなれるさ。
[一方のウンブラはというと、
氷の竜の方を羨ましげに見ていたものだから、
ついそんな言葉をかけたくなるというもの]
[そんな少年たちの目の前を、
ひゅーんと何かが横切っていく。
短い手足の生えた丸っこい身体は水晶細工めいている。
その身をはばたかせるのに不釣り合いにも見える短い翼は、蝙蝠に似ているが、
全体的なフォルムは蝙蝠っぽくない。
なおこんな見た目でもちゃんと飛んでいる。魔法生物だからか。
先回りして相棒は飛翔し、
待ち構えるように翼を広げながらばっさばっさと上下に飛ぶ]
むむむ、ならば……ぼくは後ろから行く。
[少年が上手いこと追い立てた魔法生物に向かって、
ウンブラが綺麗な声で鳴いた、と思ったら、
魔法生物は揺らめく影のようなものに包み込まれた。
ひゅーんと飛ぶことができなくなった魔法生物を、
背後から慌ててキャッチする。
その時にはもう影が魔法生物を包み込んでいることはなかったが、
かわいらしく目をバツにしたそれは抵抗する様子を見せない]
えっ、 今の黒いのウンブラがやったのか……?
[相棒は得意げにクルルと鳴いた。
かれが見た目と名前の通り、影をあやつれる素質があるらしいとは知ってはいるものの、
実際に見たのははじめてであった]
……すごいじゃないか。
うん。すごいし、ぼくはきみのことをまたひとつ知れた。
それが嬉しいんだ。
[思いを込めてウンブラの頭をたっぷり十秒くらいなでてから、
これからどうしようか考える。
捕まえた魔法生物は肩掛け鞄におさめる気はないし、
いったん本部に預けようかと考える*]
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