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[もっとも。
もしも、願い自体が目的であったとしても。
きっと私は、
彼が記憶を取り戻せるようにと、願っただろう]
[私の返答に納得がいったかどうかはともかく。
>>*42イェンスからは、微かな苦笑を伴った了承を返された。
その表情は、やっぱり懐かしい記憶と重なるもので。
すっかり緩くなった涙腺、瞳の奥がまた熱くなって、ぐ、と堪えつつ目を伏せて]
………では。
此処にいる間は、休戦ということで。
[取っていた手を離しながらそう紡いだ声は、震えずに済んでいただろうか*]
─ 平原 ─
[話が整えば座っている要もないと、薙刀を手に持ち立ち上がり。
刃の保護のための革袋はもう使い物にならないからと、腰に巻いていた一枚布をせめての保護に巻き付けることにした。
自身の作業に意識を向けていたから、>>13同行することとなった彼がこちらの得物を見て落とした呟きには気付かず。
>>14こちらに呼びかけられた声に顔を上げたところで>>4吹いた風と>>5響いた声に、この後の指針を示されて]
…そうですよね。
同じ花を持つ者同士、相まみえただけで終わりとは。
[いかなくて当たり前か、と。
紡ごうとして、>>15イェンスが立ち上がったのを見て、咄嗟にその腕を掴み]
待ってください。
その前に、手当が先ではありませんか。
[つい先刻の、返った手応えを忘れてはいなかったから。
移動の前に刃が掠めた傷と、柄が打った箇所の手当をしてから移動するべきだと主張する。
幼い頃の手合わせにも繰り返したやり取りだとは今は私しか知らないことで。
いつも彼が根負けして治療を受けるまで引き下がらなかったことを知るのも、私だけだ**]
……てーかーさー。
そんな大したケガじゃないんだから、ムキになんなくてもよくない?
[手合わせの熱が入り過ぎて怪我をすると、とにかく治療するまで離してもらえなかった。
気遣われるのはありがたいけれど、自分的にはそこまでのものじゃない、と思うから、後でもいい、というのがこちらの主張。
他にも色々と思う所はあるのだが、当時の語彙力では説明しきれるものでもなく。
結局、最終的には根負けして、手当てをする事になるのだが]
んでも、あれかなー。
そういうとこ、ホント、優しいっていうか。
みんなの事、大事にしてるよな、パメラ。
[ちょっと過剰じゃないかと思いはするものの、でも。
少女の気遣い自体は少年にとっては嫌なものではなく、また、それができる所は純粋に凄い、と思えるものだったから]
そういう風に周り見れる子は、なんだっけ……あ、そーだ。
『いい嫁さんになれる』って、とーさんが言ってた。
[さらっと、父の受け売りを引っ張り出してこんな事を言ってたりもしたのだが。
なお、特に他意なしの。素で]
(あ、でも。
『自分の事、ちゃんと大事にしてるか心配』って。
かーさんが、言ってたっけ。)
[続けて過った部分――少年の話を聞いた母からの評価。
そちらは、思っただけで言葉にしてはいなかった。
『言っても難しいかも知れないし、あんたが良く見て気を付けてあげなさい』と、言われていたから、というのもあったのだけれど。**]
─ 平原 ─
[>>30>>31私を見てイェンスの中の何かが揺らされている、とは彼が口にしない限り私にはわからないけれど。
私も、私の知る彼と今の彼の相違に複雑な想いを感じているとは彼も気付きはしないだろう。
お互いに抱えているものに気付かぬまま、移動前に手当を、と主張したわけだが。
返された反応は、やはり記憶に重なるものだったから、こういう所は変わらないのだなと思いながら頭を振って]
大したことがないものほど、疎かにしてはいけません。
いざという時に足を引っ張るのは、そういったものでしょう。
[気にも留まらぬ程度ならば尚の事、そのまま忘れてしまうことも多くなる。
平常では問題なくとも、非常の際にはそうとも限らないのだから手当は大事だと言い張って。
>>33根負けした相手の手当を済ませてからの移動と相成った*]
たいしたこと、ないからだよ。
だって、
たいしたケガだったら、ムキにならなくても、
ちゃんと、おてあて、する、でしょ。
[刃物を用いない手合わせだから、その怪我は打撲や擦傷が主ではあったけれど。
怪我をする度に一時中断して、手当をするまでは強情にダメだと言い張った。
もちろん私が怪我をした時もそうしていたけれど、技量的に劣る私の方が圧倒的に相手を怪我させやすかったから。
必然的に、イェンスに強情を張ることの方が多く、彼が根負けしてくれることが常でもあった]
[そんな訳で、その日もいつものようにイェンスが根負けしてくれたわけだが。
いつもと同じ笑顔を浮かべたイェンスから言われたのは、いつもとは違うものだった]
……うん…?
[優しい、という評にぱちりと瞬く。
続いた言葉も褒めてくれているのだとは分かるけれど、ぴんとは来なくて。
瞬きを繰り返しながら、首を傾げ]
そう、かなぁ。
わたしは、みんなのほうが、
だいじにしてくれてると、おもう。
[紡いだのは、こうしてイェンスと手合わせするようになって実感できたこと。
初めて得物を構えて彼と向き合った時、痛感したのだ。
人に武器を向けること、人から武器を向けられることの怖さを。
刃のついていないただの棒なのに、それでもとても、怖いと思った。
そして分かったのだ。
父や兄、集落の男性たちは皆、これ以上の怖さを知りながら、それでも守る為の鍛錬を繰り返していて。
女の子がこんなことをしなくていいというその理由の中に、この怖さを知らないままにいさせたかったというのが、少なからずあったのだと]
[だから、私は前よりも父や兄に対しての感謝も強まって。
集落の皆の目も、私のことを大事に思ってもくれているからだとも、思えるようになっていて。
とはいえ、変わり者扱いされていることも、いやというほど分かっていたから]
………およめさん…。
わたし………
なれるの…かな。
[こんな変わり者をお嫁さんにしたがる人なんてできるのだろうか、と。
そんな呟きを落とした後は、続ける言葉も思い浮かばなくて。
手当も済んだし、手合わせを再開しよう?と誘ったことでこの話はここで終わったのだったか*]
─ 平原→川 ─
[静かに流れる水の音を頼りに進んだ先、さらさらと流れる川に突き当たった。
どこからどこまで広がっているのか、上流も下流も先が見えず。
本当に此処は広い領域だなぁと思いながら、>>45どちらに向かうか、とイェンスを見遣れば>>46丁度彼が何かの人影を見つけたところで]
此処にいるということは、私たちと同じ立場の方々、でしょうね。
[言葉を継ぎながら、一応の警戒として刃を包んでいた布を外し、腰に巻き直す。
更に近づいてきたのは、黒髪の男女二人組。
どうやら男性の方はイェンスと顔見知りのようだったので、暫し二人が言葉を交わすのを見守ることとして。
>>59>>67話がまとまった所で上がった口端、相手が片割れの女性に呼びかけるように彼からも私に視線が向けられて]
ぁ……はい。
貴方、も。ご武運を。
[>>68向けられたのは、短い一言。
けれど込められたその響きに、懐かしい彼の気配と、今の彼自身から向けられる信頼の双方を受け取って。
すぐに私も言葉を返し、歩みだすのを見送ったけれど。
浮かべた表情は、少し──動揺が混ざってしまったのは、仕方ないと思ってほしい。
咳払いを一つして、ようやく私も、自身の対戦相手となろう黒髪の女性へと視線を向けた*]
─ 川 ─
[女性へと視線を向けたのと、>>104彼女から声をかけられたのは丁度同じタイミング。
因縁は無いというのはその通りだが、お互いに試練を乗り越える立場というだけで戦う理由は充分だろう]
えぇ。
では、私たちも続きましょうか。
[>>119問われた声に頷き、続くと紡いだのは一足早く戦いに入った男性たちを指して。
彼女の右手に接がれた矢と手に持つ弓を見れば、これは分が悪そうだと思いながらも長柄を持ち構えて*]
[挨拶代わりと言う言葉と共に降り落ちたのは白い羽根。
同じく白い光を宿した一矢は、予想を超える速さで私を目掛け飛んでくる。
おそらくは小手調べのそれを叩き落そうと、薙刀を振り下ろしたの、だが]
な───…!?
[刃に叩き折られた一矢の影に、同じ形、同じ速度のそれが在った。
続けて射られたものだとは理解が及ぶも、回避するには気付くのが遅すぎて。
即座反応した足が蹴り上げた長柄が当たったことで、威力は削げぬものの軌道を逸らすことは叶い。
掠れた頬から血が伝い落ちる感覚を感じながら、黒髪の彼女へと視線を向けて]
すごいですね。
二射を放っていられたとは気づきませんでした。
[そういいながら、長柄でこん、と地面を叩き]
今度は、私が挨拶をする番ですね。
[ここは川沿い、幾らでも落ちているものがある、と。
ふわりと浮かんだ砂利の群れが空中、一定の高さでとどまったのは黒髪の彼女の目にもはっきり分かるだろう。
私が持った長柄、横薙ぎに薙ぐ動きに合わせて、扇状に広がりながらそのすべてが彼女へと襲いかかるのも**]
[手当てに関しては全く持ってその通り、な部分も多々あるのでそれ以上の反論は諦めつつ。
こちらの評への反応にあれ? と首を傾いだ]
んー……。
[少女の内なる葛藤までは知らぬ身、そう思う所以は想像もできないけれど]
大事にするって、さ。
どっちが上とか、どっちが凄いとか、そーゆーの関係ないと思うんだけどなー。
だって、そんなの、言いだしたらきりないし。
どっちも大事にしてるんなら、お相子でいいんじゃね?
[そんな簡単に割り切れる事ではないのかも知れないけれど。
少なくとも、少年にとってそこはシンプルな図式が出来上がっている所だからそう告げて。
その後のなれるのかな、という呟きに赤の瞳を瞬いた]
[少女が変わり者扱いされているのは知っている。
そして、彼女に付き合う自分もやや、異端視されているのは感じていた。
もっとも、こちらは元々外部の者である事と、必要な技術をもたらす鍛冶師の倅、という事で、表立って何か言われたりされたりする事はないのだがそれはそれとして]
ホント、パメラってしんぱいしょーだよなぁ。
[立ち込めた微妙な沈黙をどうしようか、と考えて、口にしたのは殊更おどけたような物言いの言葉と]
……だいじょーぶだよ、きっと。
[先なんてどうなるかわからないんだから、不安がるなよ、と。
そんな思いを込めた言の葉、ひとつ。
その後は、誘われるままに稽古を再開して。
帰ってからこの話をした両親の微妙というか呆れたような表情の意味は、結局理解できないままだったとか。**]
─ 『神魔の領域』・川エリア ─
[>>159こちらの言葉を受けた彼女が浮かべたのは、それまでの強張りが解けた静かな笑み。
既に戦いに入っている男性との絆が垣間見えるようで、微笑ましくもあり。
イェンスが記憶を失っていなければ、私も彼女と同じように──
というのは、きっと無理だっただろうけれど。
「わたしたちの戦い」という言葉を出されたならば、間違いなく私は、しっかりと頷いてみせただろう*]
[持ち上げた砂利を彼女へと向けて投げ放ったのは、更なる追撃を避ける意図も含まれていれば。
気付けなかった二射目がどのように放たれたか分かるまでは、相手に矢をつがせることは避けたかったのもある。
>>*94思った通り、すでに矢を撃つ体勢に入っていた彼女は砂利を避ける為に弓引くよりも>>*95空への退避を優先させて。
だが、不安定と思われる姿勢からでも先と同じ一矢は放たれた]
っ……そちらこそ、
挨拶ならば、
小手調べで留めていただいてもいいと思うのですが。
[先と同じ速度だったことが幸いし、タイミングを合わせて回した柄で弾くことは叶ったが。
彼女が二射以上連続して撃つことができるならば、全てを交わし、弾くことは難しい。
相手は弓で距離を詰める必要もなく、こちらはいくら長柄とはいえ距離を近づかねば戦いにすらなりがたい。
相手の思考を読めていたなら、この薙刀も媒介には用いているが、術の発動は天命石が主である、と答えたろうがそうとは知らず。
いっそ得物を手放して徒手と術とで戦うか──そんなことを思っていた矢先]
───っ、
[先とは違い光纏わぬ矢が、無軌道に放たれるのを飛び避ける。
足元、手元、かと思えば顔すれすれを通る一矢に翻弄されるそれが、なんの狙いもないとは考え難かった。
だが、互いに持つ武器を考えれば、距離を更に開こうとしているのだろうとしか考えられず。
黒髪の彼女が、逆にこちらとの距離を詰めようとしているなど、ゆめにも思わぬままどう距離を開けぬようにしようかばかり考えていた*]
[私の反応に、イェンスくんもまた首を傾げて。
言われたのは、どっちが上とか関係ないということ。
どっちも大事にしてるなら、お相子でいいんじゃないかという言葉は、やっぱり私の中にはなかった考えで。
ぱちり、ぱちりと繰り返す瞬きは、頬の赤が増すごとにゆっくりになって]
…わたし、そんなふーに
かんがえたこと、なかった。
イェンスくんは、すごいね。
[ふにゃ、と和らいだ表情は、その後のだいじょうぶという言葉でも、同じように浮かんだものだった]
[その後、イェンスの両親から、息子がすまなかったね、と謝られたのにはきょとんとした顔になったけれど。
結局、なんで謝られたのか理由は教えてもらえなかったので、わからずじまい**]
/*
やっとこ時間が確保できたぞー!
しつつ、もう10時半であるよ時間すぎるの早すぎるよ…
一応ログはちらちら見つつではあったのだが、中々イレギュラーが多いと大変である…
しかしローランドさんが相変わらず楽しい。
モ〇ハン肉良いなぁ美味しそう。
─ 『神魔の領域』・川エリア ─
[対峙している彼女から自分たちがどう思われているかは知る由も無い。
それを悠長に問うような無粋をしない代わり、>>175彼女が紡いだその言葉は私の想いと重なるもの。
むしろ]
……そうですね。
私も……いいえ、私は。
あの人のために、この試練を乗り越えたい。
[まっすぐ紡いで頷けば、同じようにまっすぐな頷きが返ってきて]
一射だけだと思っていたらすぐに後追いっていうのは、結構物騒ですよ。
[>>*111悪いね、と返されたそれに頷いてみせるも、本気で言っているわけでもない。
戦いにおいて手を抜けと頼むような真似はしたくないし、それは互いに礼を欠くというものだ。
私がイェンスと戦ったように、彼女も同じ花の持ち主と戦ったとは知らぬからその消耗も知らぬまま、警戒を続けて。
>>*112幾つもの矢の狙いも読み違えたまま、彼女との距離が開かぬように矢を避け続けていたのだが]
ぇ……!?
[私の間合いに入るすれすれで大きく羽搏いた翼に、目を瞠る。
橙色の羽根が降った右手に生まれたのは奇妙な剣。
風に乗ってこちら目掛けて翔けてくる姿に、彼女の狙いが距離を開けるでなく接近だったと分かった時にはすでに遅く]
ち…っ
─── Mud set!
[長柄を片手に持ち、咄嗟紡いだ呪が空いた左手に纏わせた泥土が硬く固まる。
それを防具代わりにしようと、黒髪の彼女の右手に光る煌めきの切っ先の行方を見据えた*]
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