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純血種 アプサラス は、聖将軍 ソマリ と 純血種 アプサラス を愛の矢で結びつけた。
純血種 アプサラスは、神子 アデル を投票先に選びました。
[城内を静かに舞う黒蝶に意識を注げば、否が応でも思い出されるのは、半年程前の事。
思い出すと分かっていたから、それきり二度と遣いはしなかったのに。
――何より気に懸るのは、自分はあの夜、無用な火種を撒きはしなかったかという事]
[月下の庭で、顔も知らぬ男の腕に抱かれ、これ以上は寄せつけまいと並べた棘ばかりの言葉。
男が口にするのは、煽るのを愉しむとしか思えない応え。
笑みを孕んで揺れる声音に、聞き逃すまいと耳を澄ませたのは、
一つ残らず反駁してやるために。
この先他の男に誘われる時、自分を思い出すかと問われて]
……不思議な事を仰るのね?
よく顔を見てもいない方を、思い出す事があると思うの?
まして、心蕩かすようなお誘いを戴く時に、他の方を思い出す
余裕などあるかしら。
ああ…、でも貴方なら、きっと容易く出来るのでしょうね。
[男に向けた笑みは、仮面を隔てても雄弁に皮肉を語るもの]
[踵の高い靴で舞う肢体を支える筈の腕が、身動ぎも阻む程きつく絡んだ。近寄せられる顔に、口接ける心算かと咄嗟に固く唇を結ぶ。
せめてもの拒絶か――それとも、己の牙で傷つけるのを恐れたのか。
これ以上詰め寄るようなら、咬みついてやろうと決めたのも忘れて]
[唇の代わりに降ってきたのは、男に会いに再び訪れるよう唆す、挑発めいた誘い]
……自信と驕りは別物でしょうに。慎みと卑屈もね。
素性も知らない女を気安く誘うような男に、独りで会いに来る程、
慎みがないように見える?
――…貴方の気を惹くために、私が戯れを仕掛けているとでも?
[額を重ねて微笑む男の瞳を、昂ぶる深紅が真っ向から射抜き]
…だったら余程、人を見る目がないのね。
斜に構えてばかりいないで、もっとよく見たらどうなの?
[在りのままの自分を見てしまえば、二度目などある筈もない。
人を脅かすべく生まれた身を理由に、卑屈になる心算はないが。
そのくらいの事は弁えているから、見透かされずに見ていられるよう、距離を挟むのに。
――全てを眼前に曝した後でも、もう一度同じ様に笑えるのか。
激情に任せ口走った言葉が、迸る魔力に絡み、呪言と成ったのも
気づかず。鼻先を擦り寄せる男から、そのままふいと顔を逸らした。
けれど、手を離せばそれが最後と知るから、振り解く事はなく]
[やがて離れゆく掌に、輪舞の終曲を促されれば、すっと身を退いた。
裾を摘み片膝を折り、淑やかな微笑を、巧みなリードへの返礼に]
……素敵な夜を、有難う存じます。
[意図したよりも柔らかな声が唇から零れ、それきり言葉を継げずに、ただ男が告げる約束に耳を澄ませた]
/*
……あのね、恋囁きをする時のボタンがね、
『睦言』なのよ……
知ってたような気もするけど、そっか、睦言か……
/*
夜コアのみだと、レス読み→書き書き→その間に議事のびのび→どんどん周回遅れで取り戻せない…!
でもみんな追い着いてるから、もしかしなくても私がとろいだけ。
特に昨夜はシメオンとふたりきりだったのに、遅くてごめんなさい…
そして息子に守ってもらうつもりが、妙にデレツン発揮する母でごめんね…
甘やかしたいのに、意地でも行動に移す気のなさげな母である。
/*
そして、色んなものを拾い損ねてることに後で気づく…
ギィ様がリクエストに応えて素敵に口説いて下さった感動のあまり、手にキスしてもらったのに反応してなかったのとか。
ジーク様の手にキスも、タイミングがずれてお返事しそこねたの…
みんな素敵できゅんきゅんしてるのに!
ギィ様が、さりげなく大事なお客って言ってくれたりするのもね、こっちもさりげなくどっかに混ぜ込みたいのに……
お兄様って呼びたい。でもあえて呼ばない。
ソマリに関しては、最早言うまでもないわ。
なにあのひとかっこいい。
バトル、どこに参戦したら多角避けられるのかしら…
― 西の塔 ―
[瞼を臥せ視界を封じれば、己の眼と為る蝶への集中が増す。
領地の空気に溶けた燐粉が、ごく仄かに道をつけ、行き交う気配を朧気に照らす。
労を要さずはっきりと存在を感じるは、その身に同じ血を宿す青年。
次いで判じやすいのは、血脈の枝が細く繋がる野茨公か。
――願いにも似た予想を裏切り、呼応めいた感覚が再度訪れる。
魔を帯びてはいるが、同族とは異なる金の光]
――……、
[知らず押し殺していた息を、ふ、と零したのは。
次の呼吸を、より深くするため。
微かに震える唇は、己の過怠を呪うため]
[――だから二度目を、期待はしなかった筈なのに。
まして一度は月下に潜めた姿を、戦火に照らし出されるくらいなら]
――…“自信過剰”なんて。…よく、言えたわね。
[愚かしいと知る願いを、自ら抱え込む訳がない。
今この時まで、そう信じていた。
火種を男に植えつけたのは、己への過信と驕り]
[眼となる任だけ与えた筈の蝶は、城主に名乗りを上げる、毅然と張った声さえ拾う。
すぐ傍で紡がれる男の声に、一心に耳を澄ませていた自分のように]
……、まるで別人じゃないの。
自信家なのは、向こうも相変わらずのようだけど。
[城主を前に、怯む気配は些かもなく。
また少し燠火を煽られる心地がして、微かに笑った*]
[瞼を固く閉ざし、絡み合う幾つもの気配へ意識を巡らせる。
同族の気配は弱まっているものもあるが、数は足りているようだ。
その事にまた一つ、安堵の息を洩らす。
残りは全て城門から――或るいは生者の門から退出願うべき、招かれざる客。
瞼の奥で瞳を凝らし、微かに首を傾げる]
……精鋭なのは確かでしょうけど、妙にちぐはぐね。
[神の祝福を一身に享けた清冽な気が二つ。
僅かに聖を孕むのに、猛々しく吠える気が一つ]
人間の考える事は、やっぱり分からないわね。
……良いのかしら?
聖者の傍らに、飢えた魂を侍らせて――…
[光の隣は影が落ち、影は魔の棲む隙を生みやすい]
……誘い出すには、少し人が多過ぎるわねぇ。
[その直ぐ傍にあるは、人を魅了するに長けた野茨公のもの。
相通ずる物を感じる彼のこと、似た様な事は考えそうだと気を逸らす。
己の気紛れに任せようかと、塔から静かに滑り出ると、風が弾け、幾つかの気が地下へと落ちたのを感じとり]
― →二階個室 ―
[やがて駆け込んだ部屋、息子の姿が真っ先に目に飛び込んでくる]
――――…シメオン、無事で……、ッ
[分かっていた。息子が酷く傷を受けたなら、その位直ぐに知れると。
己の目でも確かめて漸く、すぐ傍に居るジークムントの腕から流れる鮮血に視線が止まった]
……ジークムント様、
[小さく息を飲み、言葉が継げなかったのは、酷く痛々しいその傷を案じたのもあるが。
真っ先に目がいくべき筈の所に、そうできなかった己に愕然として]
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