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[ ラプターの腹部に寄り、コクピットを開ける前に、その姿を見上げる。
ジンロボより小柄とは言え、人間から見たら充分に巨大だ。
体に巻くように寄せられた尻尾でさえ、人間をかるく薙ぎ払うだろう。 ]
……。
[ ひとつ、息を落してから、
僕はその脚部に足をかけ、身を引き上げてコクピットへ収まった。
待機モードで起動させると、各部にライトが灯り、ラプターはうたた寝から目覚める。
呼びだすのは、メールと画像通信記録だ。
……推測どおりだった。
ファルケンにはなかったという送信履歴。
でも、ラプターに受信履歴は残っていた。 ]
僕は、シュテラからのメールをなぞると、待機モードはそのままに、ラプターを降りた。
向かうのは、隣のファルケン。
ラプターと違って上部にあるコクピットに登り、ハッチを開けて中に入った。
……椅子には戦闘機模様のクッションがある。
収納棚の取っ手には、クローバのストラップが下がっている。
シュテラの、においがした。
ふと、コンソールの脇に紙のようなものがあるのに気付いて、
僕は手に取る。
……まだ慣れない真新しいパイロット服に身を包んだ僕とシュテラが映っていた。
新型機のパイロットに選ばれた時の写真だった。 ]
……君だってブラコンじゃないか。
[ すこしだけ、微笑った。 ]
[ 僕は手を伸ばし、ファルケンを起動させた。
ファルケンのコンソールは、うちの主力機ヴィルトの後継だ。
ラプターより分かりやすいくらいだった。
ライトが明滅し、小刻みな振動が伝わってくる。 ]
……考えてみたんだ。
[ 僕は言った。 ]
思い出とか妄想って、美化されるものだと思うんだ。
でも、僕の「妄想?」の中のシュテラは劣化してた。
彼女は操縦技術は良くなってたけど、なぜか戦闘が出来なかった。>>145
[ 写真を元あった場所に戻した。
僕は息を吸って続ける。 ]
シュテラは頭をふたつ作ろうとしていた。
ひとつは自前で、ひとつが君だ。
シュテラは君に飛ぶことを教えた。……しかし、戦闘は教えなかった。
画像通信は、今まで撮りためたシュテラの映像の継ぎ接ぎだろう。
彼女は、トイレやお風呂以外のほぼ全てといっていいくらいの時間をコクピットで過ごしていた。
素材には事欠かなかっただろう。
[ 合体してもシュテラは共同コクピットに現れなかった。
別の場所にコクピットを作っただなんて、苦しい言い訳をするしかなかった。 ]
[ しばらく、沈黙がおりた。
しかし、やがて耐えきれなくなったように映像通話画面が現れた。
ただ、画面にはグローセンハンク社ロゴと、SOUND ONLYという文字が浮かんでいた。 ]
『 ……その通りよ。
シュテラに、あなたのことをお願いって言われたから。 』
[ 僕は大きく息を吸い、
ゆっくりと吐きだした。 ]
……ずいぶん語彙の多いAIだね。
『 あなたの言うとおり、シュテラは一日の大半をここに籠って、
あたしとお喋りしてたからね。 』
……シュテラは、
何故撃墜されてしまったんだろう。
君なら分かる?
シュテラならば、あの攻撃を避けられたはずだ。
……シュテラは、何故、僕を庇ったりなんかしたんだろう。
[ ファルケンは少し考えるように時間を置く。 ]
『 シュテラは常から言っていた。
「ファルケン<あたし>には他の人も乗れる。
でも、ラプターに乗れるのは、兄貴しか居ない。
あたし<シュテラ>には代わりが居る」って。 』
[ 予想外の返答に、僕は目を見開いた。 ]
……バカだなあ。
……「代わり」なんて居るわけないだろ。
……僕の妹も、僕のコンビも、シュテラだけなのに。
[ 僕はコンソールに突っ伏して、嗚咽を堪えた。
ファルケンは、僕の震えが止まるまで、
ただ、黙っていた。 ]
[ ……静かだった。
防音の効いたコクピット内に、ドックに居るはずの人々の息遣いは届かず、
ただ、鼓動のようなエンジンの振動だけがしていた。
世界の危機さえも、今だけは息をひそめて、
時間の過ぎる音を聞いているようだった。 ]
……ファルケン。
僕ら、やらないといけないことがあるね。
[ やがて顔をあげて、僕は言った。
冷たい指先を握り込んで、腿を擦った。 ]
『 ジャコビニキング(仮称)を倒すことね。 』
君は賢いプログラムだね。
『 半分あなたが作ったんだけどね。 』
そういえばそうだった。
少しずつ追加プログラムを組まされてたから、
まさかこんなふうに育ってたなんて思いもしなかったよ。
[ 指をはしらせ、コンソールを叩いた。
ずっと避けていた。目を逸らしていた。
でも、ここを越えなければ、先へ進めない。 ]
三日前の戦闘記録を確認しよう。
ジャコビニキングの映像を。
[ ファルケンが「見」た記録が再生される。
大空をゆったりと進む、巨大な規格外流星獣。
その外壁がポロポロとこぼれると、やがてそれは長い尾と短い手足を備えた流星獣ジャコビニとなって地上に降り注ぐ……、 ]
『 ねえ。
お願いがあるんだけど。 』
[ 画像に見入る僕に、ファルケンが話しかけてきた。 ]
ん? 何?
『 「兄貴」って呼んでいい?
「あなた」呼びって、なんか気持ち悪くて、口がムズムズするわ。 』
……口ないだろ。
『 感覚よ。
分かりなさいよ。 』
[ シュテラそっくりの物言いに、思わず苦笑が零れた。
とはいえ、すぐに答えられないお願いに、
僕は答えが転がっていないかと、視線をめぐらす。
……コンソールの側の写真の中で、
僕とシュテラが、ぎこちないなりにもどこか嬉しそうに笑っていた。 ]
……「バカ」は無しでならいいよ。
[ 気づいたらそう言っていた。 ]
『 ……じゃあ、バカって言いたくなったら、大バカにしておくわ。 』
……それ一緒だよ。
[ しばらく後。
整備班に見送られ、ラプターとファルケンはドックから飛び出して行った。 ]**
パイロット シュテルンが「時間を進める」を選択しました。
やりきった感満載なんだけど、
キングをどうにかしたい気も。
「欧州へ逃げたキングを追う」って形が素直なんだけど、
やっぱり墓下は墓下専用敵と戦いたいよねぇ……。
ただ、墓上で急いで戦おうとすると、
「世界の敵を1コンビで撃墜するスーパー大活躍」
になってしまう。
キングが呉基地へ?
それはアリだけど、呉が連続で災難すぎてwww
うまいことまとめてきたw
推測だけどまあ、リエさんはきっと、ローレルちゃんに対して、
「このくらいは覚悟してロールしたんだろ」
ってことが言いたいんじゃなかろうか。
分かるんだけど、極東軍を攻撃しても実剣の腹は痛まないだろうし、そうしたらローレルちゃんも反応しないだろうし。
じゃあどうなるかというと、サシャの胃がマッハで破れる気しかしない……。
さて。
落ちる前にもうひとつ、
ローレルちゃんの情報を誰かに渡したいんだけどどうしようか。
極東軍並みの権威……というとウルズさんしか思い浮かばないけど、ウルズさんの連絡先を知らなかった。
>サシャメモ
ハレー(チーズ味) 「ジャコビニがやられたようだな」
しし座(カレー味)「クククしかしヤツは四天王で最弱」
ふたご座(チキン味)「我ら流星獣の面汚しよ」
ツボったwwwww
コミット状況:
全員が「時間を進める」を選択しています。
(2014/02/10(Mon) 17:30:00更新予定)
あと30分ある!
出すか?! 出そうか!
今気づいたけど、ジャコビニ倒しちゃったら、
地上で倒す敵がいなくなっちゃうのか。
じゃあ、無理にやることはない?
─ 晴れたある日 ─
……ついこないだは、
僕の頭がおかしくなったみたいな言い方をしてたのに、
みんな現金だよね。
[ ビルトファルケンのAIは、サポートAIとして認められ、
基礎としてファルケンシリーズに組み込まれることになり、飛躍的に機体操作を容易にした。
……あの喋り方と性格は、一般人向けじゃないだろうと思ったら、
なぜか企業説明会では、かえってそこがイイと大ウケして、予想以上の予約注文が入った。
「あの声で罵られるのが堪らない」というのだから、なんか、戦闘機乗りってみんな頭がどうかしている。
更には、Ver.2,26以降では、「兄貴」じゃなくて、「おにいちゃん」って呼びかけてくるファルケンもいるとか。
……ほんと、どうにかしている。 ]
『 あたしが可愛すぎるから仕方ないわよね。 』
はいはい。
……呉基地からは、やっぱり何も言って来ないか。
[ 未確認機体から名指しされたことで、何か問い合わせが来るのではないかと思ったけれど、
特にそういうこともなく。
疑問はあったが、下手につついて藪蛇を出す事もない。
ただ……、ローレルたちはどうなったのか、どうするのかは気になった。
『軍上層部に対抗する力と権威のある団体』>>181
何故かふっと、呉基地でこちらの肩を叩いて笑った、日焼けした肌の女性の顔が浮かんだ。
……しかし、相手の連絡先を、僕は知らなかった。 ]
……まさか、向こうから連絡取ってくることがあるとは思えないけど……。
一応、置手紙して行こうか。
[ 会社には3日の有給届を出した。
欧州にある祖国グローセンハンクに帰り、両親に挨拶をして、
シュテラの葬式に参列して帰る予定だ。
どうせ、僕ら以外には動かせないから、
とラプターとファルケンに乗って行く許可を貰った。
ファルケンは日本を出るのは初めてだから、
随分張り切っている。 ]
すぐに戻ってくるからね。
[ ……規格外流星獣ジャコビニキングは、数日後に、大阪上空を通過する予測だ。
グローセンハンク社は、呼びかけられるだけの企業と軍に呼びかけ、
かき集められるだけの航空戦力を集め、今まで社が流星獣と戦ったデータを惜しげもなく放出し、
今度こそ撃墜する気合い十分だ。
僕ももちろん、そこに居たい。 ]
アル・マアーリジュから、女性が訪ねて来たら、
このチップを渡してほしい。
[ 随分昔のことの様な気がする海戦で、
上空から砲撃した航空機の所属を思い出して、
僕は企業の事務の女の子に頼んだ。
彼女はローレルたちの味方になるかもしれないが、
もしすると最大の敵になるかもしれない。
僕には判別つかなかったが、何もしないでもいられずに。
彼女が僕を訪ねてくることなんて、
万が一にもなさそうだったけれど、そこは賭けのようなものだった。
チップには、あの日僕が聞いた白英との会話が焼きつけられていた。 ]**
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