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[ディークの促すような視線に目を遣ると、
うんとひとつ頷いて]
ファロン少尉の案を採用する。
[そう口にしながら、地図のF6付近を指した
ベルンシュタイン大佐の言うとおり、
こちらのほうが拠点に近い分、
柔軟に対処しやすいだろう。
また、士官学校跡地を制圧するにしても、
帝国側かあの地をどうするか、そしての行動に対処する為にも、
士官学校跡地に近いこの場所のほうが、作戦行動に有益だと判断した。
[その場にいる一同をぐるりと見渡す。
思い出の地の近くを選ぶことによる感傷は
不思議なほどなかった。
一番大事だったものは、
自らの手で壊してしまったのだから]
[その時にはすでに、
もうひとつの大規模に軍を動かす案の採用を決めていた。
採用するからこその、決定だったとも言える]
併せて本隊も出撃する。
可能であれば、士官学校の跡地を奪取、中央突破をーー。
アリー大尉。先陣を任せる。
志願に相応しい働きを期待している。
― 作戦会議終了後・シロウの話 ―
[護衛のはずのシロウが近づいてきた時に、
右手が右の腰のホルスターに伸びたのは、
レナトの忠告が頭に残っていたからだったが、
流石に抜くことはしない。
学生時代なら左の剣に手が伸びるところを、右に伸びたのは、
学校を卒業してからは、たびたびディークと銃の訓練をしていたからだった]
…………!
[告げられた内容に、目つきは険しくなる。
3年前の軍務大臣暗殺事件については、
特徴ある刀傷など色々取り沙汰されていた。
だが、ベリアンを呼ばないとはどういうことか。
軍務大臣の護衛官であった彼こそ、真っ先に聞く権利があるはずだった。
が、その場でシロウに問いただすことはしなく]
そうだな。
貴官が聞かれても構わないといった、
ベルンシュタイン大佐とデンプヴォルフ大尉には同席してもらおう。
では、ファーイースト大佐。
この場でしばらく待機せよ。
すぐ戻るから、護衛はいらない。
それから……監視はおかせてもらう。
[いずれにせよ、碌な話にならないのは容易に想像がつく。
恐らく逃亡はしないだろうが、この場で必要と思われる処理をすると、
ミヒャエルは伝令に呼びにいかせ、自身はその足でディークの部屋に向かった]
[方針を伝えると、ディークがそれに沿って軍の配置案を述べる。
途中で軽く笑いながら自身に話が及ぶと]
うむ。どうやら俺は留守番には向いてないようだからな。
敵の目をひきつけるだけでいいんだろ?
[公の場では見せない軽口めいた言葉だが、
告げている内容は尤もなものだ。
だがもう謝罪はせずに、出撃の意だけを伝えた]
それで構わない。
では各自出撃の準備を。解散。
― シロウの話 ―
[ごく少人数を集めた中で、
シロウの話はその凄惨さと裏腹に
極めて軽い口調だった。
クレメンスの名が出ればさっと顔色が変わる。
こうまで確証が出ないとなれば、バックに大物がいるのは当然だろう。
だが、まさか身内の犯行だとは。
裏切られた思いで、ぎりと唇を噛んだ]
……それだけ、か?
たったそれだけの……
帝国に……リエヴルに信用されるためだけに?
暗殺の実行犯かもしれないから?
クレメンスの大叔父上と敵対していたから?
[低い声で吐き捨てる。
問い糺しているのか問い詰めているのかもわからない]
先生……。
俺は、訴えますよ。
逮捕すれば国力を削ぐ?
なら、大叔父上のされていることはなんなのですか。
公国の人間を暗殺することが国力を上げることになるんですか。
身内の恥は、身内で責任をとりますよ。
それとね、先生。
俺の父は開戦派で、軍務大臣とは親しくしてましたし、
大叔父上を大層煙たがっていましてね。
報告すれば喜んで調査に乗り出してくれると思いますよ。
それに大叔父上の血筋はもう古いし、高齢です。
より現大公に近い俺や俺の父より彼を選ぶ義理はもうないでしょう。
[シロウに向けて投げた言葉だが、
実質、この言葉はクレメンスに向けられていた]
/*
トールのキャラがすごいぶれてる気しかしないんだが、どうだろうね。
というかB村に入ってからがちょっとおかしくて、
今のだとだいぶA村のキャラに戻ってきているかなという感じ。
俺……ですか?
[自分の質問に対して全て肯定するシロウを、
怒りを顕にして睨みつけていたが、
ここでされるとは思ってもみなかった問いを突きつけられると、
若干の戸惑いを浮かべた]
俺は……。
シュヴァルベのように、
公国も帝国も関係なく交わり合うことが出来ること。
そしてシュヴァルベだけじゃなくて、
公国の首都でも帝国の首都でも。
シュヴァルベと同じように人が行き来して、
他愛なくわらっていられること。
ずっとそれが望みであり、
今もそれは変わっていません。
……俺は。
シュヴァルベで2つの国の技術や文化を学べて、
それぞれに特色があるから素晴らしいんだと思っていました。
同じ一つの国になってしまえば、
もっと簡単じゃないかって意見があるのもわかる。
だけど、2つの国が違うから、あそこは楽しい場所であって。
国が一つでは、あそこまで楽しい場所ではなくなってしまうと思うから。
ファーイースト大佐。
現時点で私の護衛を解き、遊撃任務についてもらう。
信用していないわけではなくて、
元々護衛は拠点内のみで、戦闘中は暴れてもらうつもりだった。
……貴官の殺人については、
この戦闘が終わってから改めて処遇を検討する。
私からは、以上だ。
[他にまだ言うべきものがいるかと、視線を巡らせた]
う……。
だったら、メモだけ渡せばいいのに……。
[ぶつくさいいながらもメモだけ抜き取ってミヒャエルに渡し
タバコケースはシロウに返した]
[ディークには恐らく真意を見ぬかれているのだろう。
法のもとで罪人として裁かれるのではなく、
戦死をさせるという、いわば甘い処断であった。
それに対してディークからもベリアンからも反対の声があがる。
この場は――自分を試されている場所なのかもしれない。
不意にそう思った]
……ファーイースト大佐。
どちらでも構わないんだな。
[念を押すように確認すると]
では……。
改めて処遇を下す。
ファーイースト大佐を逮捕。
本国へ送還しその罪を明らかにせよ。
[甘いだけでは、良い指揮官とはいえない。
罪人にはそれに相応しい処遇を与えなければならない。
それが最終決断だった]
― 同室になった頃のこと ―
[同居人が卒業して一人で部屋を使っていたある日のこと。
下級生がその空いた場所にやってくると寮監から話があった]
あああああーーーーーー!
リエヴル・フェルセンってあの有名人の!
ん?ええ、いいですよ?
俺、あいつのこと結構気に入ってるし!
[そんなこんなでリエヴルを受け入れることになった]
よろしくな!
えーっと、俺の名前はトール・ベルゲルード。
って覚えてるよな?
前、学年合同練習の時に手合わせしたの。
[リエヴルはどことなく不貞腐れた顔だったが、
当時は元々そんな顔のヤツなんだろうと思っていたので、
それを気に止めてもいなかった]
俺、あの時すっげえ楽しかったからさ。
お前と一緒の部屋になるの、わくわくしてるんだ!
[一気に捲し立てると手を差し出して握手を求めた]
……それは、本当、なのか?
[人間、呆然とすると意味のない言葉を
つい口にしてしまうのかもしれない。
ややあって低い笑い声が漏れた。
だって笑うしかないだろう?
ならば、この戦争を引き起こしたのは――。
クレメンスとその命令を実行した目の前の男なのだ]
[怒りに満ちた目でシロウを見る。
震える右手で銃を掴むと、その銃口をシロウに向け。
自らの右手を制するように、左手で右手を押しとどめる]
それも本国で報告するがいい。
後でじっくりとどんな手を使ったか確認してやる。
何をしている……さっさと連れてゆけ。
……ファーイースト大佐。
戦争は、何も生み出さない。
ただ……破壊するだけだ。
[ベリアンに向けられた言葉にぽつりと言葉を返した]
[そう――戦争さえなければ、
あんなことを言わなくても済んだのに。
だが、シロウと繋がりがあった彼も――。
また、この戦争の引き金を引いたのではないか。
遣る瀬無い思いが押し寄せる]
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